第9話「新たなる代役」


 AVの代役をやってから1ヶ月。  不思議なことにあれから菜奈緒は何事もなかったかの様に普段どおり清 純派アイドルとしての仕事を順調にこなしていた。  作山の方もあれからあの出来事について何も言わず、ちきんとマネージ ャーとして接してくれている。  まるで、あの時の事が夢だった様な気を起こす時もあったが家に帰れば AVの代役が現実であったことを証明させられてしまう。  そう、自分の部屋に菜奈緒が出演していたビデオテープがあり、それを 見るたびに実感が戻るのであった。  このテープは作山より貰ったものであり、何故か同じ内容のものを2本 もらったのだ。  実はこの2本の同じ内容のAVは通常販売してるものと裏販売している ものの2つのパターンに分けられたAVであり、2つの違いは言うまでも ないだろう。 (ぁぁ..こっちの裏を買った人は私のおま●こを全部見れちゃうのね..)    今日も菜奈緒は鍵付きの引き出しに閉まってある自分の裏販売のAVビ デオをデッキにセットして再生してきた。  通常販売と違って、おま●こにモザイクがかかってないこのAVには菜 奈緒のおま●こは当然のこと、ピンクのクリトリスや処女膜までも全て映 し出されていた。 「はぁぁぅっ..すごいぃ..何度見てもすごいわぁぁ〜。こんな恥ずか しいをやったなんてぇ〜。ああぁぁぁっ..いいいぃぃぃっ!」  自分のAVを見ながら自慰行為を始める菜奈緒。  ここ1ヶ月は、このテープが菜奈緒の自慰行為の元となり、はしたない 自分を見ながら、快感に酔いしれていた。  しかし、1ヶ月も経つと少しずつこのビデオの快感が薄れていっている 気がしている。  その上、あれだけの体験をしたせいか、かっての様に投稿雑誌では全然、 自慰をする事が出来なかった。 (はぁぁぁ〜、どうしよ...このままじゃストレスが溜まってきちゃう)  この1ヶ月は自分の代役AVが性癖の発散となってただけに、これに慣 れてしまったらストレスが少しずつ溜まっていってる様な感じがしてきた のであった。 (ぁぁっ..私ってやっぱり露出狂なのかしら。作山さんも少しぐらいエ ッチなことしてきてもいいじゃないっ!)  いけない事と思いつつも再び、AV代役の仕事が来ることを望む菜奈緒 だが、作山が持ってくるのは清純派アイドルとしての仕事ばかりだった。 (作山さんったら..気づいてよぉ〜。もうアレじゃ発散できないのに..)  性癖のストレスがどんどん溜まり、憂鬱な日々を我慢している菜奈緒に 作山が待望の代役の仕事を持ってきた。 「菜奈緒ちゃん、また代役の仕事があるんだけど..」 「!!代役ですかっ。是非、やらせてくださいっ!」 「そんな元気よく即答されると困るんだがな..」 「ごめんなさい..でも、ビデオの出演はOKなので..」 「いや、今度はビデオじゃないんだ。あれは素人ものだから同じ女性を出 させるわけにはいかないから..」 「そうなんですか..じゃあ、今度の代役は?」 「えっと、それなんだけど。プロレスラーの代役なんだけどいいかな?」 「プ・プロレスラー?ちょっと私、格闘技なんて1度もやった事なんか...」 「やだなぁ〜、この僕が菜奈緒ちゃんの身体に傷がつく仕事なんて持って きませんよ。プロレスラーって言っても格闘なんてほとんどしませんよ」 「えっ?でもプロレスラーの代役なんでしょ?試合とかの代役なんでしょ?」 「ええ、一応試合はしますが相手は完全に手加減しますし、菜奈緒ちゃん はただ打ち合わせ通り負ける代役ですから。」 「!?もしかしてそれって八百長って事ですか?私そんな代役なんて嫌で すよ..」 「ははは、菜奈緒ちゃん。今度のは八百長って言うレベル以前の試合だし、 勝敗なんて意味ないものだよ。何せビアガーデンのでの試合なんだから」 「ビアガーデン?それってショーみたいなもんですか?」 「そうだよ。ショーだよ。ただすごい事にプロレスラー達はあの全日本レ ディの選手だけど..」  全日本レディ。かっては女子プロレス界で1、2の団体だったが女子プ ロレスへの関心落ちと度重なる興行の失敗で大赤字団体へとなってしまった。  そこで今回2軍の選手たちがその赤字を埋めるために今回のビアガーデ ンでの試合が実現したのだった。  菜奈緒にその事を詳しく説明したがまだ菜奈緒にとっては納得がいかな いところがあった。 「あのー負けるのはいいんですが、別に私がわざわざ代役する必要がある んですか?」  そう菜奈緒の言う通り、ここまでの話しだと菜奈緒が代役をする意味が 見えてこなかったのだった。  そんな菜奈緒に気づいた作山は話しの核心を話し始めた。 「そうだね。少し僕の説明不足だったね。たしかにただ負けるだけなら誰 でもいいんだけど。メインは負けた後のペナルティなんだよ。菜奈緒ちゃん。」 「ペナルティ?罰ゲームみたいなものですか?」 「そう!ビアガーデンにくる客がただプロレスの試合を見るために飲みに くると思うか?はっきし言って試合なんて客にとってはどうでもいいもの なんだよ」 「!も・もしかしてそのペナルティって恥ずかしいものなんですね。だか ら私に...」 「ピンポン。そう菜奈緒ちゃんにやってもらいたのはそこなんだよ。まず この写真を見て」  作山は1枚の女子プロレスラーの写真を菜奈緒に見せた。  その写真に写っていたのはプリティバディと言う覆面レスラーの写真で あり、名前からわかるようなプロモーション抜群のレスラーだった。  さらによく見るとその体つきや身長は菜奈緒にほとんど同じであった。 「そのプリティバディ、菜奈緒ちゃんに近いだろ?まあよくよく見ると筋 肉がない菜奈緒ちゃんとは違いがあるんだけど見る相手は酔っ払いでファ ンでもないしね」 「ええ。たしかに良く似てますけど、そのペナルティってそんなに代役立 てるほど恥ずかしいものなんですか?」 「そりゃもちろん。試合が何せ水着剥ぎデスマッチで負けた相手は閉店ま で裸で吊るされるしね。もちろん客の真ん中の見せ場でね」 「水着剥ぎデスマッチ?そんなことするんですかっ」 「でも菜奈緒ちゃん。覆面は絶対に剥がない事になってるし、SEXなど もないから安心だよ」 「あ・あの。いくらなんでも代役でもそんな見世物みたいな事出来ません!」  やはり例えストレスが溜まったとしても菜奈緒にはまだ清純派アイドル としてのプライドが残っていたのだった。  いくら代役でも酔っ払いたちの前に裸で晒されるのはまだ抵抗があるみ たいだった。  しかし作山はそんな菜奈緒に「そうか。でもとりあえずスケジュールは 空いてるからやりたい時は今日の7時にこれ着てこのビルまで来てね」と 菜奈緒に覆面と水着を渡して言ってきた。 「だから、こんなのやりませんから」  怒った顔で断る菜奈緒だが、作山は聞いてない感じで続けて話してくる。 「それじゃ、僕打ち合わせあるから、また今日か明日会おうね。じゃあ期 待してるから」と言ってAV代役の時と同じ様にさっさと部屋を出て行っ てしまった。  1人残った菜奈緒は覆面を見ながら「私、ここまでやるほど露出狂じゃ ないんだからっ!」と戸惑いながらも作山が出て行ったドアに向かって言 ったのであった。  午後6時半、作山はとあるビルの控え室で打ち合わせをしていた。  そう、それは今日の菜奈緒がやる代役についての打ち合わせだった。  打ち合わせの相手は対戦相手の選手、それと1軍のコーチ選手2人、あ と本物のプリティバディだった。 「あの、作山さん。本当に代役来るんですよね?私絶対に裸になんてなり ませんし、改造したコスチュームも絶対着ませんよっ!」 「心配ないですよ。もうそろそろ代役来ますので安心して下さい。それよ りもこっちの約束も守って下さいよ」 「わかってる、覆面には一切手を出さないよ。それに性行為なんかさせな い様に見張ってるよ。なにせ相手は酔っ払いだからその辺は十分注意させ てもらうよ」 「それなら安心です。こっちも代役さんにはそう言う契約で来てもらって ますので」 「でも、作山ちゃん。その代役、かなりのもんじゃなきゃ私ら怒るからね。 それにある程度、客を夢中にさせるほどの演技もしてくれるわよね?」 「大丈夫ですよ。そっちが大船に乗れるだけの代役ですよ」と作山が説明 してる中、ドアのノックがしてきたのだった。  作山はそのノック音がすぐに誰だが気づき喋りながらドアの方へ歩いて いった。 「どうやら代役が来たみたいですね。さあ皆さん見てください」と作山は ドアを開けた。  ドアを開けた先にはオーバーガウンを来た覆面レスラーが立っており、 当然ながら、その覆面はプリティバディのものであり、かぶっている女性 は菜奈緒自身だった。  やはり今回も自分の性癖に勝つことが出来ず作山の思い通りに行動して しまったらしい。  今回、性癖に負けた原因は今着ているコスチュームを見たせいであり、 作山も菜奈緒がこうなる事を100%確信していたのだった。  そんな菜奈緒を部屋に入れると作山は早速、オーバーガウンを脱がし、 菜奈緒の性癖を高めたコスチュームを皆に披露したのであった。 「これが僕が考えた改造コスチュームです」 「いやぁぁ〜、これが私のコスチュームだったものなのぉぉ〜。作山さん ったら改造しすぎよっ」 「これは参ったね♪さすが作山さんね。毎回いい仕事をしてくれるじゃ ない?」 「いえいえ、気に入ってくれて嬉しいですよ」  作山がみんなに披露したコスチュームは、基本的にはプリティバディの ピンクのデザインそのものだが、ある2箇所だけ大幅に変更が施してあっ たのだ。  それは乳首と恥丘の部分であり、なんと完全なピンクの半透明に変えて おり、遠くから見ても乳首とおま●こがシースルーで丸見えになってしま うのであった。 「プロモーションもいいし、一目で誰が脱がされるかもわかるから、いい わね〜♪」 「けど、ここまでするなら、いっそのこと過激にした方がいいかもね」 「そういうと思ってましたよ。実はこのシースルーの部分、剥がせるんで すよ」  そう言った作山が菜奈緒のとこに近づき、恥部を覆っていたシースルー を全て剥がしてしまった。  つまりは恥部だけ丸出しの恥ずかしいコスチュームにされたのだ。 「うわぁぁ〜、やっぱモロ見えになると卑猥さが増すわね〜。こんなの私 だったら死んでも着ないわよ」 「ふふっ、全くその通りね。これなら、いつもより多く入場料を取っても 満員にうまりそうね〜。ありがと、作山さん」」 「いえいえ、じゃあ、これでOKでいいですね?」 「う〜ん、ついでだから、もう1つ追加で無理強いしていいかしら?」 「どんな無理強いですか?」 「一応、前もって宣伝はしてるんだけど、客のほとんどは脱がされる子が 偽ものだと分かってるのよ。まあ、客は興奮できれば何でもいいんだけど」 「まあ、確かに本物が脱ぐなら、こんなところで脱がしはしませんね」 「そう、写真集の方が稼げるからね♪だから、宣伝だけじゃ半分も入らな いのよ」 「なるほど、それは当日の呼び込みで残りの席をうめてるんですね」 「そういうこと。今回は2軍の選手だから、3分の1うまるのがやっとなの」 「と言うことは呼び込みが、かなり大事だということですね」 「ええ、呼び込み次第では満員に出来ると思うんだけどね〜♪」  周りにいた全員が一斉に覆面をかぶった菜奈緒の方へ振り向いた。 (ちょ・ちょっと..まさか、この格好の私に..) 「う〜ん、わかりました。こうなったら、その追加の注文も受けましょう」  あっさりと相手側の注文を受け入れる作山に菜奈緒は焦ったのだが、次 の言葉で何も言えなくなってしまった。 「みなさん、この子の股間を見てください。呼び込みの話が出たときから、 見ての通り、恥ずかしい汁が溢れてます。もう答えを求める必要もないで しょう」 「うわっ..この子って露出狂だったの?よく見たら乳首もビンビンに立 っているじゃない」 「その方が好都合じゃない。遠慮なく恥ずかしいこと頼めるしね〜♪」 (ひどい..私、まだ何のOKも出してないのに..)  あまりにも勝手に話をすすめることに頭にきた菜奈緒だが、そんな菜奈 緒に作山がそっと近づいて、こう耳元で囁いてきた。  ぼそぼそ「実は呼び込みをするとこから、ビデオの撮影もしておくつも りだから」  ドキッ!(ビデオ..この恥ずかしい姿のテープが入るのね..)  自慰行為の元が欲しい菜奈緒にとっては、これは待ちに待ったものであ ることには間違いないだろう。  この言葉を聞いた菜奈緒は気が付くと頭をコクンと頷き、呼び込みをす ることを承諾してしまったのであった。


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