第4話「恥ずかしい自己紹介」


今日はクラスが決まっての自己紹介の日。 きっと沙智菜ちゃんのことだから、大胆なカミングアウトをしてくれそう な予感がします。 いや、ここは沙智菜ちゃんの正体を自分から言うべきだわ! せっかくの自己紹介なんだから、普通の紹介で終わったら美紗里ポイント としては大減点しなくちゃいけないわね。 さてはて..沙智菜ちゃんはどんな紹介をしてくれるのだろうか? +++++美紗里の勝手な3択紹介+++++++++++++++   その1。 ストリップを始めながら全裸紹介   その2。 ノーパンのスカートを捲って露出狂アピール   その3。 恥をかいた話をみんなの前で披露 +++++++++++++++++++++++++++++++ ここは!その1と2でいって欲しいかもぉぉぉ〜〜〜 これから1年間、クラスメイトになじられる沙智菜ちゃんもいいのかもっ。 でも、悲しむ沙智菜ちゃんは見たくないから、その3ということにしますか。 もちろん沙智菜ちゃんが恥ずかしい思い出を話すなら私も恥をかいた出来事 をしなければ真の親友と言えないだろう。 あれは本当に思い出しただけで恥ずかしかったわ.. けど!沙智菜ちゃんが話すなら、私も話さなくちゃ! おそらく顔が真っ赤になってしまいそうだけど..(ああんっ..) まずは沙智菜ちゃんの自己紹介が始まり、余談で中学の時に海でとんでもない 目にあった話をし始める。 実は私もこっそり、その場を見ていたので沙智菜ちゃんがこの話を出したこと に拍手を送りたくなってしまった。 「・・・・・が私の好きな食べ物です。あと余談ですが私、中学の時に海で お気にのワンピースを着て行ったんですが、サイズがぎりぎりだったので しゃがんだ途端にお尻の所が破れてしまいましたぁ♪」 「あははははははーーー」 「笑い事じゃないですよ。本当にすごく恥ずかしかったんですよ」 意外にも沙智菜ちゃんが明るく話したせいか、笑い話になってしまった。 (せっかくの恥ずかしい話を台無しにしてっ!誰よ。一番、大笑いしている 馬鹿は!) 「あははははははーーーそれ受けるぅぅーー腹よじれるぅぅーーははは」 いかにも馬鹿っぽく見える日焼けした女子が大笑いしている。 あとで知ったことだが、彼女の名は義岡 蘭(よしおか らん)といって やはり頭が悪く、私とは合いそうにない女子であった。 蘭が大笑いしている中、沙智菜ちゃんは恥ずかしい回想を始めてしまい、 快感に酔いしれている。 事実を知ってる私も笑うことが出来ずに、一緒に当時の沙智菜ちゃんの ワンピースの水着が破れた回想をしながら悶えていた。 (あの時って、最後に全部破れて素っ裸になったのよね〜はぅぅ) 「あははははははーーーコントみたいだよなっ!ははは」バンバンバンッ せっかくの快感が大笑い女(蘭)のせいで半減してしまう。 沙智菜ちゃんもこの笑いのせいで回想から覚めてしまったし、まったく 何てことしてくれんのよっ! 「あははっ、あははははははーーー気にいったよ..友達になろうぜ」 (なるなっ!あんたみたいのがくっ付いたら馬鹿がうつるわ!) こうなったら私の恥ずかしい出来事で挽回をしなくちゃ! 自己紹介の番が回ってきた私は沙智菜ちゃんに負けずに恥かしい目にあっ た事を話すことにした。 「・・・・・が私の好きな本です。あと余談ですが、私も中学の時に海で とんでもない目にあいました」 「あはは、そっちも破れたのかよ」(うるさいっ!違うわよ) 「実は胸がはだけてしまったんですが、男の子と勘違いされて誰も騒ぐ ことがないままで済んでしまいました..」 「あははははははははーーー、なるほどまな板ってオチか。ははは」 「笑い事じゃないわよ。男の子と勘違いされるなんて侮辱だわ」 またしても大笑い蘭のせいで、笑い話にされてクラス中が大爆笑となった。 本当は胸がはだけたのではなかったけど、いざとなると恥ずかしくて言え なかった。(実は丸出しでしたって言えないわ..) 沙智菜ちゃんと同じに笑い話となってしまった中、私の頭の中ではその時 の回想が始まった。 そう、あの海での恥ずかしい悪戯をされたことを... ==========【美紗里の回想】====================================================== 「ここまで来て寝る気なの!お母さんっ」 「だってぇー、泳ぐの面倒なんだもんっ!ということでおやすみぃ」 海まで来て寝て過ごそうとするお母さんにこの時の私はすごく腹が立った。 そんな腹が立っている私の横で明日葉がボソリとつぶやいてきた。 「ミサリ姉さま、今こそ決断の時です!」 どこから借りてきたか聞きたいぐらいの大型のスコップを渡してきた明日葉。 この時ばかりは魔がさしてしまった様で気づくと姉妹協力して母親に次々と 砂をかけまくっていたのだ。 「美紗里ちゃん〜!やめなさいっ!あとそこの明日葉もやめろっ!バカ!」 「ミサリ姉さま、聞いてはなりませぬ!」 「わかってるわ」 「覚えていなさいっ!この魅由梨さまを怒らすとあとが怖いのだぞっ!いい のか、怒らせても!」 「ミサリ姉さま、こんなのはただの遠吠えです」 「ええ」 気づいた時は大きな砂山に頭だけ出して重さで苦しんでいるお母さんの姿が あった。 「これじゃ安眠できないじゃない〜!安眠させろぉぉーー」 「ミサリ姉さま、ちょうどいい十字と花輪がありました」 またどこで見つけてきたか聞いたいぐらいの木で出来た十字を砂山に指して 花輪を飾って手を合わせる明日葉。 「お母様が好きだった海で泳いできます。どうかいつまでも見守ってください」 さすがにここまでは出来ない私であった。 「美紗里ちゃんに明日葉ぁぁぁーー!覚えていなさいよぉぉぉーー!」 これ以上、お母さんの怒った顔を見るのが怖いので、私は沙智菜ちゃんの様子 を見に行くことにして、例のハプニングを見ることが出来たのだ。 嬉しいものを見れて堪能した私は、そろそろお母さんを許そうと砂山の方へ戻 ってみると何故か明日葉の頭に変わっていた。 「ミサリ姉さま、油断しました..不意をつかれてこの有様です」 「明日葉..今出すから待ってて。けど、どうやってこの砂山から..」 「仲間がいました..早知華とやらの同級生がたまたま海に来ていたみたいです..」 (そうか!沙智菜ちゃんも来てるってことは沙智菜ちゃんのお母さんも!) 実は私のお母さんと沙智菜ちゃんのお母さんは同級生であり、親友でもあった。 沙智菜ちゃんがお母さんから聞いた話によると、私のお母さんは学生時代は眠 りの魅由梨として、学校で起こった難事件を解決してたみたいであった。 と言うより眠りの魅由梨って何なのよっ!眠ったままで何で事件が解決される かがわからないわ。 「!!ミサリ姉さま、後ろっ!」「えっ?」プスッ! 明日葉の声を聞いた同時に私は鍼(はり)をうたれて気を失ってしまった。 鍼をうったのはお母さんだろう。こう見えても鍼灸医の資格を持っているんだ から完全な宝の持ち腐れであろう。 しばらくして、私が目覚めると普通に砂浜の上で寝かされていたみたいであった。 どんな仕返しをされるか不安だっただけに、拍子抜けかも知れない。 (あれっ?何で水泳キャップをかぶっているの?) 髪が全部隠れるぐらいの大き目の水泳キャップを深くかぶっている私。 意味がよくわからない私に何か胸の方ですーすーするのを感じた。 「ええっ!!上の水着が外されてるぅぅーー!うそぉぉぉーーー!」 何とおっぱい丸出しで寝かされていたことに顔を真っ赤にするのだが、何故か 周りは何も無かったかのように私の近くを通りすぎていく。 よく見ると水着の下が短パン型の海水パンツにされており、皮肉なことに私の 事は男子だと見られていたようであった。 これはこれでかなりの屈辱的なことなんだけどぉぉぉーーーー! 周りを見ていても誰1人、トップレスの私を注目する人はいなく、水泳キャップ を外さない限りは、ただの男子扱いで見られていた。 (早く更衣室に戻らなくちゃ..ぁぁっ、やっぱり胸は丸出しに出来ない) いくら男子に間違えられてるとは言え、おっぱいを丸出しにして歩けない私は 両手で胸を隠しながら、更衣室に向かうことにした。 だが、これが不味かった。何と、私の近くに数人の男が近づいて取り囲んできた のであった。 「な・何の用ですか..」「へへっ、やっぱり女だったみたいだな」 「あ・あのわ・私、いや僕は..」「もう今さら遅いぜ、ひひ」 どうやら私の行動に怪しく思った男が、仲間を連れて私の様子を伺っていたみた いだ。 そうとも知らずに私は女性の行動を取ってしまい、女であることがばれてしまった。 「さあ、俺たちと遊ぼうぜ」「そうそう、楽しいことしよーぜ」 「ちょっと!手を離してよっ」 水泳キャップを深くかぶってるから正体がばれることはないけど、このままじゃ ひどいことをされてしまうよぉぉーー! (お母さんのバカァァァ!見ているなら早く助けてよぉぉぉぉーー) ちなみにこの時、お母さんは近くに寝てしまったらしく、私の危機に最後まで反応 しなかったのであった。 このまま私の運命は終わりかと思ったのだが、この時はある偶然が私を救ってくれた。 そう、男たちに強引に身体を抱きかかえられて人の気配がない岩場の方へ連れていか れる途中、運良く遠くの方でショーみたいのがやっていたので私は大声で叫んで助け を呼んだ。 「誰か助けてぇぇーー!」「おいっ!口を押さえろ!」「んんん〜〜〜!!」 すぐに口を塞がれてしまったが、誰かがこの声を聞いてくれることを祈った。 そんな私の祈りが通じたのが、突然岩場の方からバイオリンの音色が響いてきたのだ。 よくわからないけど西部劇に出てきそうな格好をした人が岩場に足をかけてバイオリン を弾いて語ってきたのだ。 「ちっちっちっ、いけねーな!休みできたつもりなのに事件に出会ってしまったぜ」 「誰だ!てめー!」「ふざけた姿をしやがって」「俺たちを相手にするつもりか」 (よく見ると..何か女の子に見えるような気もするけど..この際、誰でもいい から何とかしてぇぇーー) 「今日はこれから仲間とあう約束があるんでな。手短に片付けてもらうぜ」 そう言って、いきなり鞭を取り出して、投げつけてきた女の子。 というより何で海にバイオリンや鞭を持ってきているのがわからないんだけど! この後は次々と男たちを魚を釣り上げるかのように海に放りこんでしまった。 「あ・ありがとう」「ちっ、ちっ、お礼は無用だぜ。お嬢ちゃん。じゃあ、あたい はこれで。会う事はないが、もし次に会う事があったら珈琲でもおごってもらうぜ」 キザな台詞をはいて、バイオリンを背中に担いで走り去った女の子。 かなり変わった子だったけど、助けてくれたことにはすごく感謝した。 この後は慌てて探しにきたお母さんを反省させて無事に済んだけど、もう1歩で処女 を失ってしまったところだったわ。 ==========【回想おわり】====================================================== (はぅぅぅ・・・あの時は恥ずかしい目や危険な目にあったりと散々だったわ) 回想を終えた私の耳に、クラスの笑い声が響いてくる。 特に大笑いの蘭が机を叩きながら大爆笑していた。(何か頭にくるわぁぁ) まあ、誰もが私がこんな出来事を体験してたとは思ってないだろう。 沙智菜ちゃんもくすくす笑っているし、完全なお笑い話になってしまったわ。 だが、この後で意外な再会を迎える事になるとは思っていなかった。 私の後の自己紹介で突然、バイオリンを奏でる女子がいた。 どうやらヴァイオリストであることをアピールしたかったみたいが、違和感ある カウボーイハットをかぶってるとこを見るとあの時の女の子に間違いなかった。 「あたしの名は来崎 凛(らいざき りん)!悪党は許さない性分なので、この 中に悪の幹部や手下、影の総統が居るなら、あたしが倒すから名乗るんだな」 再びクラス中は大爆笑の渦となるが、この子が本気で言ってるのを知っていた私 は笑えなかった。 不思議なことに大笑いの蘭が顔を真っ赤にして他人のフリをしていたのには驚い たが後で聞いた話によると、この2人は小学校からの同級生だったらしい。 こうして大爆笑だらけの自己紹介が終わり、その後のクラス委員(学級委員)の 選出をやってから今日の授業は終わった。 ちなみにクラス委員には私が選ばれることになり、もしかすると高校でも連続で しそうな気がするかも.. (はぁぁ〜、まだあの大笑いが耳に残るわ..沙智菜ちゃんも先に帰ってるし..) クラス委員としての初の仕事をしてる間に、沙智菜ちゃんは濡れた下着が気になっ たせいか急いで帰っていってしまった。 (疲れたぁぁ..少し休んでから帰ろ..) 何かいろいろ疲れてしまった私は1人、1階の自販機で飲み物を買って休むことに したんだけど.. 「学級委員さん、あの時の約束って珈琲をおごってくれないか?」 「えっ!ら・来崎さんっ!まだ残ってたの?そ・それにあの時のこと、覚えてたの!?」 「おっと、大声は禁物だぜ。あんたとは裏の協力者として力を貸して欲しい」 (なっ!何なのよ..裏の協力者ってぇぇーー!何をやらかす気なのよ!) 表向きはただのクラスメイトとして、裏では親友として力を貸して欲しいと言って きた来崎さん。 何かとんでもないことに巻き込まれてしまった気がします.. と言うより、あの大笑いの蘭に頼めばいいんじゃないのっ!昔馴染なんだから! 「蘭はまともな高校生活をしたいそうさ..平和ぼけしまったみたいで悲しいもんさ」 (って言うのか、その貴女の格好に抵抗あるんじゃないかと..) と言うことで変な女子と友達になってしまったよぉぉぉ〜、沙智菜ちゃん。 どう接していいか教えてちょうだいぃーーー! +++++美紗里の勝手な予想+++++++++++++++++   「美紗里、ここは助けてもらった恩に返さなくちゃ!」   「それにしても海水パンツの露出は私も見習いたいわ」   「それと、私の方は蘭ちゃんと友達になったから〜♪」 +++++++++++++++++++++++++++++++ 「なんで〜、あんな大笑い蘭と友達になってしまうのよっ。納得いかないわ! こっちは変な子と裏で友達になってしまったと言うのにぃぃぃーー!」 けど、海水パンツの露出はもう1回やってみたいかもぉぉーー ただ、また男と勘違いされたら屈辱もんだわっ!


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