学校裸々サイト(がっこうららさいと)
−ニパニパ生放送編− その2


文章:iroさん  ちょっとだけ修正:ぺた@ぺん

[当日からゲーム開始前まで]  本番当日がやってきた。謡子は友子と一緒に連絡があったA駅にいくと、 ニパニパ生放送のスタッフが二人を出迎えた。その中のスーツ姿で背が高 いその男性は、自分のことを司会者だと紹介した。 「やぁ、よく来てくれたね友子さん、謡子さん、僕の事は司会者と呼んで くれ。少し事前に打ち合わせをしたらすぐに本番に行くけど調子はどうだ い?」 「ばっちりです」 「頑張ってね、友子」  友子のIDで裸々サイトを通して企画の内容は二人とも予め確認済みだ。 しかし、本来はこの打ち合わせて初めて企画の内容を知ることになる。  スタッフと打ち合わせに行った友子を見送った謡子は、周りを見回して みた。A駅周辺はそこそこ賑わってはいるものの少し遠くに目をやれば、 やや寂れた雰囲気が漂っている。  実際にはゲームに挑戦しないことになるはずとはいえ、親友である友子 に卑猥な番組に関わってもらうのは申し訳なかったが、友子は快く引き受 けてくれていた。 「裸々サイトを潰すためなんでしょ?喜んで協力するよ」  親友の友子のためにも、絶対に裸々サイトを潰してやると意気込む謡子 であった。  スタッフと友子が戻ってくると、司会者は皆を見回すと声をかけた。 「じゃあ放送を開始するよ、スタッフの皆は準備をよろしく。友子さんは 僕の隣に来てくれ。謡子さんも最初にちょっとだけ友子さんを応援すると ころをシーンを撮りたいから友子さんの隣に待機していてくれないかい? よし、本番開始だ」  カメラマンはやや太めで背が低い男性だった。それ以外には2.3人の スタッフが常時待機している。小さな会社だろうと侮っていた謡子だった が、カメラマンは様々なタイプのカメラを用意しており、今撮っているの もなかなか本格的だった。 「視聴者の皆様、ニパニパ生放送が始まりました。早速今日の挑戦者を紹 介しましょう」  司会者は軽快なトークで放送を進めていた。友子の紹介をしつつ、なぜ 挑戦したかを説明していく。 「部員想いのいい子じゃないですか、これは僕も応援しなければいけまん せんね。応援と言えば、今日は友子さんの親友の謡子さんが応援にきてく れています、謡子さん、ちょっと友子さんにを声かけてあげてださい」  司会者が謡子に話題を振ってくる。予定ではここで謡子にカメラが向け られて、その姿を見た男子達がコメントを打つはずだ。 「友子、ファイト!」  謡子はちょっとの間画面に映っただけだったが、視聴者から謡子のこと が美人だというコメントがいくつも流れていく。次第に謡子に挑戦してほ しい、というコメントが増えていった。もちろん最初は裸々サイトの男子 たちによるものだったが、次第に数が増えて行った、どうやら一般視聴者 も謡子の挑戦を望んでいるようだ。  司会者がコメント画面を確認し、驚いたような声を上げた。 「おやおや、視聴者諸君もよくばりですね、確かに謡子さんは美人だけど、 今日の挑戦者は友子ちゃんですよ」  しかし、謡子の挑戦を求めるコメントは一向に減らず、困った顔をした 司会者が提案をしてきた。 「視聴者の意見は重要ですからね、しかたがない。謡子さんが友子さんの 代わりに挑戦してくれるって言うなら賞金は約束の額の1.5倍にしまし ょう!」  悩む姿を見せつつ、友子のためなら・・という風を見せて、謡子は挑戦 を受けた。 (自然な流れにできたわね・・それにしてもお金が必要だっていう設定は 大事だけど、色々と盛りすぎよ)  どうやら裸々サイトによって作り話が増やされており、お金が準備でき ないと友子は退学して働かなくてはならないことにされてしまっていた。  さらに司会者は、謡子のギブアップを封じるために続けた。 「いくら親友だからってこんなゲームに挑戦するのは嫌じゃないですか?」 「いえ、親友のピンチですもの、私も頑張らないと」 「うーん、でも謡子さんはギブアップしても平気だし、友子さんも交代し ても良かったのでしょうか?」 「謡子はそんな人じゃありません! 謡子は頼りになるし、むしろ私がや るより安心です。絶対にギブアップなんてせずにクリアするって信じてま す」 「これは失礼。なんとも美しい友情ですね」 「え、ええ。もちろん私はクリアして賞金を持ち帰ります」 (これじゃあ簡単にギブアップしたら私が親友を見捨てる薄情になっちゃ うじゃない。まぁいいわ、ゲーム内容は予め聞いていたとおりだし、下調 べもばっちりよ、これなら余裕だわ)  その頃裸々サイトの掲示板では放送を見つつ、男子達の会話が書き込ま れていた。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 男子A>ここまでは計画通り、それにしても友子は演技が上手いなぁ。上 手いこと生徒会長を追い込んでるじゃないか。 男子B>司会者も良い感じ動いてくれてるじゃないか。企画者からちゃん と伝わっていて安心したぜ。 管理人>あの司会者が企画者ですよ。一応これは秘密ってことになってま すが。 男子C>マジか!そりゃあこっちにとってはありがたいな。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 「それでは、ゲームについて説明致します。今回は商店街に協力していた だいて、かなり大がかりなゲームにできました。スタッフの自信作ですよ」  司会者がイラストを交えて視聴者と謡子に説明を行った。  ゲーム内容はすごろくと野球拳を組み合わせたようなゲームになってい た。  今謡子達はA駅にいるのだが、そこから1〜2km離れた所に別路線の B駅がある。今回のゲームの舞台はA駅とB駅を結ぶ商店街だ。A駅とB 駅の間はもともと行きかう人が多く、立派な商店街があったのだ。  しかし最近はどんどん寂れて行ってしまいシャッターが目立つ状態だっ た。今回のニパニパ生放送の企画は商店街の復興も兼ねており、商店街の 組合による全面協力のもとで行われているらしい。  A駅からB駅までの道にある店をすごろくのマスに見立てて、サイコロ を振って出た目だけ進み、B駅まで着いたらゲーム終了、賞金ゲットとな る。ギブアップ以外では挑戦者の負けは無い。  マス(店)に泊まるとそこで野球拳が始まる。しかし店が賭けるのは服 ではなく商品だ。  店は1〜5個の(できるだけ)1000円以上の商品を用意し、これを 賭け金として野球拳ができる。全ての商品を取ったら挑戦者はサイコロを 振り、次の店へと進む。(ちなみに手に入れた商品は視聴者プレゼント)  こんなルールではあっという間に挑戦者が全裸になってしまいそうだが、 そんなことは無い。というのは挑戦者が服を脱ぐのは3連敗した場合だけ なのだ。そのため、挑戦者は単純計算で服×8程度の掛け金を持っている ことになる。  挑戦者が全裸になった後は脱衣の代わりに罰ゲームをこなすことになっ ていた。罰ゲームはレベル1,2,3があり、5個あるレベル1のくじを 全部ひいたらレベル2(これも5枚)へレベルアップ、という感じだ。た だレベル3は数が多く、しかも一部の過激な罰以外は箱に戻すのである。 つまりレベル3はずっと引き続けられることになる。  最後に司会者は 「レベル3の過激な罰は一回限りということですが、まぁこれを引いたら もうギブアップするしかないと思うので、あまり意味は無いと思います」 とのことだ。  謡子が事前に調べたところ、以前に行った似た企画では、平均すれば4 個くらいの商品が用意されていた。自分の店に止まれば商品は必ず持って いかれてしまうため、出費がもったいないことや、自分がエロいと思われ たくないのが理由なのだろうか。A駅とB駅の商店街は謡子が事前に訪れ た時には30店舗くらいが開業していた(サイコロをふるから単純に1/3/5 の数にしか止まらない)。  謡子は考える。 (裸々サイトの罠は店舗を増やすために店主に接触することと、商品数を 予めお金を渡して5個にしてもらうこと。らしいわね)  しかし、所詮は学生のやることだ、どんなに多く見積もっても50店舗 が限界だろう。運が悪くてサイコロの出目が悪くても止まる店舗は14、 全て商品が5個でも70個分だ。 「さて、今回は服の数なんだけど、一応8枚にして欲しいのですが大丈夫 でしょうか」 (ここからが問題ね、どれくらい譲歩させるか)  本来は8枚でも下着が出るくらいで商店街をクリアできるが、裸々サイ トの作戦がすごい上手くいっていればこのままでは全裸どころか罰ゲーム まで受けてしまう。 「ちょっと服のカウントを増やしてくれませんか?」  元々ゲームは挑戦者が納得するルールで開始することになる。なので条 件の緩和を要求することは難しくない。そもそもスタッフ側の都合に合わ せて挑戦者を変更しているのだから、多少は無茶を言ってもおかしくは無 い。  しかし謡子には無茶を言いにくい事情もある。興が削がれると判断すれ ば、再度挑戦者を友子に移されるかもしれない。友子に迷惑をかけるのは 絶対に避けたい謡子は、ぎりぎり許容されそうなラインを見極めなければ ならなかった。  結局服の数は11枚となった。(靴靴下で4、スカートスパッツパンツ で3、上着Tシャツ肌着ブラで4)これで、88個分の商品が出ない限り 全裸にならなくて済む。(アクセサリーも付いていたのだがこれらはゲー ム開始時に没収された、一応謡子も納得済み) 「あとは大丈夫ですね?」  ただ商店街側のリクエストもあり、それは店の名前が入ってる服を着て 欲しいということで洋服店が謡子が着ているものと、ほぼ同じものを用意 してきた。(この流れは事前に謡子も了承済み) (注意するのは何か服に細工されてりるかだけど、特に細工されている様 子はないわね)  謡子は案内された脱衣所で着替えることに。全て交換するので裸にはな らないといけないが、ここで出来るのは精々、盗撮するぐらいで、謡子に してみれば今までの恥辱と比べれば、これぐらいは容認するしかないと思 った。  それに盗撮を見るのは裸々サイトの連中なので、見るなら見なさいと思 ったが、管理人はそれを承知して更なる恥辱を用意していた。  さっさと着替えようと謡子は脱衣所に入っていく。  目の前の全身鏡がいかにも怪しいのだが、服を脱いて裸になったときに 明らかに鏡の奥で人の声らしきものが聞こえてきた。 (こ、これ盗撮じゃないの?よく考えたら、この脱衣所があった場所も何 か変だったし..)  謡子は裸のままでスマホで位置確認すると、何と今居る場所は商店街の 寄り合い所を注していた。 (ま、まさか、この鏡ってマジックミラーなの?)  が、証拠を見つけなければ文句をいう事も出来ず、時間が限られてる今 は諦めれて着替えを続けるしかなかった。 (店主の中には協力者もいるってことね..油断は禁物ね)  ちなみに今、謡子が今立っている場所は普段は寄り合い所の壇上であり、 鏡の向こう側は店主たちが畳の部屋に入りきれないほどに詰め掛けていた。     そして5分ほどの謡子のストリップショーは大盛況で終わったようであ った。


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