第4話「熱湯チャレンジ」


 生着替えタイムでおっぱいを晒してしまった衣愛代。  よく見てみると観客席は満席状態となっており、いつもの2倍近くの 観客が入っていた。  これはかっての清純アイドル衣愛代の復活を楽しみに集まった人たち であろうか?  いいや、いつもより増えた分の観客のほとんどは局関係者やスポンサ ー関係であることから何か嬉しい事が起こるのを事前に知っていたのだ ろう。  作山がちょっとやりすぎてしまったという表情で上半身を丸出しにし ている衣愛代を見ていた。 「ここまで楽しませる必要はなかったんだが..仕方ないか」  スポンサーたちはこの上ない至極の笑みを浮かべて衣愛代のおっぱい を楽しんでいた。  幕が下りてからCMが入るまで衣愛代は動くことは出来なかった。  おっぱいを丸出しにしているという恥辱を受けているのに隠すことが 出来なかった。  まあ、時間にしたら1分ほどの出来事なのだが、ようやく身体を動かす ことが出来た衣愛代が遅すぎる悲鳴をあげてきた。 「きゃああああああぁぁぁーーーー」  悲鳴と同時にとっさにしゃがんだが、すでにゲスト側や観客席にははっ きと見られスタジオは騒然となっていた。  ただ、視聴者用のTVカメラの方は背を向けてる事と、司会者がうまい ぐあいに影となって隠してくれた為、恥部が長時間放映されることはなか った。  顔を真っ赤にして、しゃがんでる衣愛代に司会者が少し、場の雰囲気に 合わせてやらしいことを言ってくる。 「おおおーービーチクがモロ見えでしたねーー!!」 「おおーーばっちり!!」「うおおーー」「やったーー」 「これからが、さらにお楽しみだぞぉぉ!今回は手隠しだぁぁーー!」 「手かくしー」「手かくしー」「手かくしー」  司会者の掛け声でスタジオはいつのまにか手隠しコールが鳴り響く。  そう、今回は運悪くタオルなしを選んでしまい、まさかの手隠しで入る 最悪の状況になってしまったのである。  衣愛代が恥ずかしさで身体中を真っ赤にする中、司会者はあっさりと手 で隠してる衣愛代をつかんで起こして変な台まで連れていく。 「あ・あの・・・どこに?」 「生なんだから、ほら早くこっちへ」  台まで連れて行かれた衣愛代は言われるがままに台の上に乗せられてし まう。 「!あ・・あの・・この台は?」 「着替えた後は、すぐにこの台に乗ることになってるんだよ」 「・・こ・この状態でですか?」 「そうだよ。ちゃんとおっぱいを手で押さえて置いてね」 「そ・そんな・・・」 「じゃあ、時間もないから回転お立ち台スタート」 「えっ?」  変な音楽と共に衣愛代は胸を押さえた姿で立たされ、その台がゆっくり と回転し始めたのであった。  カメラは回る衣愛代の全身を捕らえながら映していた。ただし何かその 映し方に不自然さが出ていた。  いつもだと全身のクローズアップから各身体のパーツのズームアップへ いくのだが何かを意図的に避けて映していたのだった。  そう、実はあわてて台に乗りパニックになってる衣愛代の手隠しは甘く 何と右胸の乳首が指の間から飛び出ていたのであった。  司会者も出演者は当然、知っていたが衣愛代本人が気付いてない事から わざとそれについては誰も注意せず楽しんで見ていた。  ただ、TVカメラには映すのはマズイと判断したとこから、不自然な映 し方となってしまった。  衣愛代はそんな事に気付かず、ただ顔や身体を真っ赤にして台の回転に 耐えていたのであった。  いや、一番恥ずかしい胸を手で押さえてる事自体で頭が混乱しており、 右乳首が出ていることなど気が回らなかったのだ。  そんな台での羞恥な披露が終わるとすぐに衣愛代は熱湯の前まで連れら れてきてしまう。 「はい、スタンバイ。スタンバイ。生なんだから」 「は・はい」  急がす司会者に衣愛代は抵抗する事が出来ず、ついにしかたなく熱湯風 呂のミニ階段を上りスタンバイの状態になった。  Cカップの胸を両手で押さえているそのアングルは見事であり男性から 多くの歓喜が続いていたのであった。  もちろん、ここでもTVカメラは不自然な映し方を続けている。  相変わらず、右手の間からはピンク色の綺麗な乳首が顔を出しており、 その映像に誰もが生唾を呑み込むほど興奮していたのだった。  その上、恥ずかしさのせいか、指の間の乳首は先ほどよりも少しピンと 勃っている感じでもあるのだ。  一方、衣愛代自身はそんな目にあってる事に気づかず、今はこの胸を両 手で押さえてるバランスの悪い状況の中で、どうやって熱湯に入るかを考 えてた。  しかし、考えがまとまらない内にスタートの音が鳴ってしまい、衣愛代 は少し飛び込む形でその熱湯の中に思いっきり入ることにした。 「きゃあっ!あついっっっ!!」  予想以上に熱い熱湯に衣愛代は思わず条件反射で両手を離して熱湯から 出てしまう。  時間としては数秒だが、その間の衣愛代の両胸は思いきり丸出しする形 となった。  カメラの方はカメラマンがとっさにアングルを変えてくれたのでTVと しては0.5秒ぐらいしか映ってなかった。  片手で胸を押さえながら容器に用意されていたかき氷で熱くなった箇所 を冷やす衣愛代。 「衣愛代ちゃん、すごく熱いでしょ?」 「は・はい..」 「まだまだ秒数が少ないから、もう1度頑張らなくちゃ駄目だよ」 「もう1回入るんですか?」 「当たり前だよ。ほら早く階段を上って」 「はい..」  PRタイムが少ないため、再び手隠しで熱湯風呂のミニ階段を上る衣愛代。  今度は上手くCカップの胸を両手で押さえていたのでTVカメラもいつ ものバストのズームアップ映像を映している。  ゲスト側もいろいろなハプニングで興奮してたせいか、衣愛代がスタン バイの状態になると一斉に「いあよぉぉーーいあよぉぉー!」の衣愛代エ ールをし始めてきた。 「おおぉーー衣愛代エールが巻き起こりましたぁぁぁーー頑張れ衣愛代ちゃん」 「はいっ..」  あまりのエールに少しやる気が出てきた衣愛代に2度目のスタート音が 鳴り響く。  バシャァァーーンン 「くぅぅっ..」  先ほどの熱湯で少しは身体が慣れたせいか、今度はすぐに飛び出すこと はなく浴槽の床にきちんとお尻をつけて入ることが出来た。  そんな衣愛代に司会者がいきなり肩を押さえつけ、強制的な手助けをし 始める。 「ちょ・ちょっとぉぉ・・・押さえないでくださいぃ〜」 「耐えろっ!耐えるんだっ!衣愛代ちゃんっ!」 「無理ですっ・・・もうむりですぅっ!!」  熱さに耐え切れなくなった衣愛代が強引に熱湯から出ようとする。  熱さに慌てていながらも今度は両手でしっかりと胸は隠していた。  だが、手が使えないこの姿で無理に出ようとしたのがハプニングをおこ してしまう。  何と浴槽から出ようとした時、淵に足をつかえていまい、衣愛代はその 場で1回転してしまったのだった。  まるで綺麗に投げられたかのように、そのまま床に叩きつけられてしま った。  パシーンッッーーー  床に大の字に近い状態で叩きつけられた衣愛代。  その瞬間、完全に両手は離れ、さらには仰向けで叩きつけられたので完 全に衣愛代のCカップの胸はあらわになってしまった。  衣愛代は少しの間だけ意識が飛んでしまい、その間の10秒間近くは完 全に胸を丸出しのままだった。  意識を取り戻した衣愛代はすぐに手で隠しはしたが、スタジオの騒然ぶ りを見ると手遅れに近い感じになってた。  スタジオが騒然とする中、ハプニングに慣れてる司会者がうまく取り繕 い始める。  それと同時に、ようやく熱湯PRの終了ゴングが鳴り響いた。  カンカンカン〜カンカン♪ 「さあ、衣愛代ちゃんのPRタイムは8秒です。いろいろあったけど頑張 ってPRしてちょーだいね」 「は・はい...」  胸を押さえながら急ぎ足でPRのボックスに入る衣愛代。  このボックスは熱湯で得た時間を過ぎると自動的に上の扉が落ちてPR が強制的に終わってしまう仕組みだった。  そのボックスに入った衣愛代がボックスの中に誰かがいることに気づいた。  そう、マネージャーの作山が会場にもカメラにも気づかないボックスの 中で様子を伺っていたのであった。  そんな作山がスタジオに聞こえない小声で衣愛代に指示を出してきた。 「さ・作山さん..」 「よくやったよ。衣愛代ちゃん。8秒なら上出来だ。後は打ち合わせた通 りにPRをしてくれ」 「えっ..あ・あの私..上のほうの水着が..」 「少しぐらいなら問題ない..ほら、時間もないんだ。ちきんとやるんだよ」 「そ・そんな..」  何か最初に打ち合わせた事と違う状況になって変更を求めた衣愛代だっ たがそんな時間は無く、司会者がPRタイムの掛け声を出してしまう。 「さあ、8秒間PRをしてもらいましょう!PRタイムスタートッ!!」 「あ・あの・・少し昔とイメージが違ってしまった私ですがこれから頑張 りたいのでお仕事をくださいっ・・・」  ここで少し言葉が詰まった衣愛代。実はこの後が問題が生じたシーンで あるからだ。  ========打ち合わせ回想=================================================    「いいか、衣愛代ちゃん。PRはおそらく10秒以内になると思う     から簡潔に自分を明るくPRするんだよ」    「はい、明るく簡潔にですね」    「1番、大事なのは最後に「よろしくお願いします」と丁寧で綺麗     なお辞儀をすることだ。中途なお辞儀は絶対にしちゃ駄目だし、     忘れてしまうのも駄目だよ。これだけは守ってくれよ」    「はい。わかりました」  ========回想終了=======================================================  丁寧で綺麗なお辞儀..それは胸から手を離してしなければ成り立たな いものであった。  あれ程、念を押された礼儀、衣愛代自身にもそれが1番大事であること は、よく理解していた。 (そうよ..お辞儀はしなくちゃ..少しぐらいは我慢しなくちゃ..)  衣愛代は意を決して胸から手を離して背筋をピンと伸ばした。  そして、背中を丸めずピンと伸ばした状態で腰を45度に曲げてお辞儀 をした。 「よろしくお願いします」  ちょうど、丁寧にお辞儀を終わったと同時にボックスの上の扉が落ちて PRが終了したのだった。  胸を気にしない潔ぎよいお辞儀にゲスト側は自然に拍手を喝采し始めた。  そう、衣愛代の取った行動は恥ずかしながらも成功といえるものだった。  こうして衣愛代の出番はこれで無事?終わり、後日TVの放映をチェッ クした所、意外にも例の転んで胸を露出したシーンも最後の胸出しお辞儀 も胸が映らない様に編集されており、結果としては胸が見えるシーンは1 回目の熱湯から出る時の0.5秒のシーンだけだった。  結局、PRは8秒と少なかったが、何故かこの後から2本のレギュラー 出演が決まり衣愛代としては結果的には良いものとなった。  しかし、敏腕マネージャー作山にとってはまだこんな事は序盤ですらな かったのである。


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