第6話「逃れらない罠」


 今、結樹子は部長室で全裸で立っていた。  直立不動で手を横に揃えて立っている結樹子はおっぱいもおま●こも隠 す事が出来なかった。  ものすごく恥かしく、今すぐでも隠したい結樹子だが、それを許す雰囲 気ではなく、ただ服が乾くのを待って耐える中、課長まで部長室にやって きて、結樹子を更なる恥辱に落とそうとしてきたのであった。  結樹子の裸を見ながら、課長は相変わらずわざとらしい愕然とした表情 を見せてくる。 「いや〜がっかりしたよ。渡部くんにそんな性癖があったとはな」 「まあまあ課長、誰しも言えないものがあるもんだよ。なあ?渡部君」 「はい..すいません課長..」 「しかし参ったな。まあ、私も君が下着を着けていない事は何となくわか っていたんだよ」「・・・・・・・」 「男性社員も結構、噂してたから気にはなっていたのだが..」 「課長、それはどんな噂かね」 「ええ、何かうちの女子社員がノーブラで男性を誘惑してると」 「!!し・してません!そ・そんな事は!」 「そうは言っても君だって気付いてたはずだろ?男子社員が変な角度から 見てるのを」 「・・・・そ・それは..」 「変な角度とはどういう事だね。課長?」 「何やらある角度から見ると渡部くんの服が日差しで透けて見えるそうです」 「つまり、おっぱいが丸出しという事か。渡部君は、その時どうしてたん だね」「・・・・・それは、その...」 「彼女はそのまま仕事をしてましたよ。私は彼女が気付いてないと思って 男子社員に注意をしようと思ったんですが、今思えば、しなくて良かった かも知れませんね」 「そうだな。渡部君は見せ付けていたんだからな。そのおっぱいを」 「ち。違います..それは..先輩たちに言われたんです!!」  結樹子はついに正直に言ってしまったのであった。  そう、先輩OLたちの命令によってこんな姿を晒している事を。 「ほぉ〜それは良くある社内イジメってやつか?課長、これは大変な事だね」 「そうですな。渡部くんがこんな事をするとはおかしいと思ったんですよ」 「じゃあ、関係してる女子社員たちを呼びつけますか」 「そうですね。事実を解明しませんとな。渡部くん、良く言ってくれたよ」 「・・・・・・・・は・はい..」  結樹子は少し戸惑った。  何かやけに2人が納得しているのに疑問に思ったのだが、次の部長の言 葉ですぐに理解出来たのであった。 「さぁて、花見準備室の内線番号は..しかし残念だよ、ここまで我慢し たのにな」「部長..あまり変な事、言わないほうがいいですよ」 「!!!」  結樹子の顔が一瞬で真っ青になる。そう、2人が事の真相を知らないは ずはない。  ここまで結樹子が肯定で質問を返したことで、上機嫌になっていた部長 が、ほんの少しだけチャンスを与えたきたらしい。 「あ・あのっ!!電話は待ってくださいっ!!」 「うん?どういう事かね?渡部くん?」部長は自分が与えたチャンスを生 かしてきた結樹子に機嫌を良くしながら、耳を貸してきた。 「あの...さっきのは嘘です..先輩たちは何も言ってません」 「どういう事かね?渡部くん?」 「わ・私が自分から誘惑してました..」 「誘惑していたという事は、おっぱいが見えてるのを知っていたんだね?」 「はい..知っていました..」 「じゃあ、おっぱいを見せ付けてたという事かい?」 「はい、見せ付けていました..」 「そうか..良く言ってくれた。課長、渡部君も素直になったんだ。許し てあげたらどうかね」 「そうですね。まあ残念なことですね。こんな子だったとは」 「す・すいません...」 「まあいい、私も部長と同じ理解のある人間だ。君の性癖は素直に認めよう」 「・・・・・・・・・・」 「それじゃ、時たま君が乳首を立させて仕事をしてたのも感じてたんだな」 「そうなのかい?課長?」 「ええ、私はてっきり服が擦れたせいだと思ってましたが違かったみたい ですね」 「そうだな..今でもピンと立ってるしな。どうだね?渡部君?」 「は・はい..感じてました..今でも興奮して立っています...」 「そうか、じゃあ机の前板外しも君が望んだことかね?」 「!!あ・あれは...」  普通、事務机だと股間部が見えない様、前板が固定しているのだが、結 樹子の机は型が古いため前板が自由に外せるのであった。  数日前に先輩OLたちがこっそり外してしまい、学校の机の様に股間部 が見える様にされていたのだ。 「もしかして誰かに勝手に外されたのかね?渡部くん?」 「い・いえ..私がお願いして外してもらいました」 「前板を外すとどうなるかわかってるだろ?あの席は」 「・・・・は・はい。わかっています...」 「ん?課長、それはどういう事かね?」 「はい。実はレイアウトの手違いであの席の下に電源コンセントの差込み 口が来てしまったんですよ。それも座る真ん中に」 「いくつぐらい差し込んでいるのかい?」 「ちょっと蛸足配線で7、8個つけてますね。部長」 「それじゃ渡部君はいつもどうしてるのかい?そんな配線がいっぱいだと」 「・・・あ・足をひ・開いてます...」  そう、蛸足配線になったのも、つい最近の出来事である。それまでは自 分の機器だけだったので足を開くほどじゃなかったが今では足を開かざる 状況にされてしまったのであった。 「おいおい、確か君はノーパンだったろう?足なんか開いたら丸見えだろう?」 「部長の言う通りですね。幸い覗くものは殆ど居なかったが覗いたらマズ かったんじゃないか」 「・・・・・・・す・すいません..」 「おや?課長。よく考えてみると先日、君の所で鼻血を出した社員がいた が、それはもしや..」 「あっ、そう言えばいましたよ、部長。確か空いてるコンセントを探して いた直後の事ですよ」「・・・・・・」 「渡部君、君はその事件を言っているかねぇ?」 「・・・はい、知っています..私のとこのコンセントを入れてから、少 し離れて歩いたとこで鼻血を出してたので..」 「そうか、君のコンセントをね..ところで渡部くん、その時の君は穿い ていたのかね?」 「・・・・は・穿いてませんでした..」 「すると彼は何を見たんだろうな。なあ?渡部君?」 「渡部くん、何を見せたか言いなさい」 「・・・わ・私のアソコを見たと思います..」 「アソコ?もうちょっと具体的に言いたまえ。渡部君」 「・・・私のお・おま●こを見たと思います..」 「そうか、これはかなり刺激的なものを見せてしまったな。なあ課長」 「ここ数日、何人かの男子社員が君の前で小物を落とすのもそれが原因かな」 「・・・・・・・・・ぅぅ..」  そう、幾人かの男子社員には覗かれていたのであった。  鼻血を出したのは1人で、大半の男子はニタニタしながら真っ赤になっ ている結樹子のおま●こを鼻を伸ばしながら見てたのであった。  特にここ2・3日は結樹子が花見のイケニエだとなった事が多く広まっ たせいか、結樹子の前で小物を落とす男子社員が多かった。  当然、結樹子も覗かれてるのを知りつつ、黙っておま●こを見せるしか なかったのであった。 「渡部くん、ここ数日はいっぱい見られたと思うのだがどうなんだい?」 「課長、それは聞かなくてもわかってるでしょう。感じてたんだよな?」 「・・・・は・はい。感じてました..」 「はぁ、情けなくなるな。私の部下に、こんな淫らな部下がいたとは。 じゃあ、あれもわざとだったのかい?」 「どういう事かね、課長。他にも何かあったのかい?」 「ええ、2日前ちょっと日差しが暑かったのでみんな上着のボタンを少し 外して涼んでだのですが、渡部くんは殆どのボタンを外してたんですよ」 「そ・それは・・・」  そう、ボタンは結樹子が外したのではなかった。  先輩OLが結樹子のとこに来て、「渡部さんも暑いから少し外したら」 と殆どのボタンを外してきたのだ。  その上、「風通しもよくしてあげるわ」と襟口をつかまれ、胸元を大き く開けられてしまい、おっぱいの谷間が見える状態にされてしまった。  もちろん、シャツを元に直すことなど許されておらず、今でもこぼれそ うなおっぱいをそのままにするしかなかった。  それも大きく開かれたことにより、見る角度によってはおっぱいが丸見 えとなっており、この時の結樹子はおま●こ丸出しポイントに加え、おっ ぱい丸出しポイントまで出来てしまったのであった。   「あの時はかなり男子社員が群がって、大変でしたよ。部長」 「おいおい、それじゃおっぱいを周りの連中に見せ付けていた感じじゃな いか?課長」 「はい、暑いから多少の事に目をつぶってましたが、わざとおっぱいを見 せつけていたかも知れませんな」 「なるほど..課長が言ったのは本当なのかい?渡部君」 「はい..わざとおっぱいを見せていました..」 「おっぱいまで見せていたとは大胆だな。なぁ課長」 「嘆かわしい..そんなに見せるのが好きだったとは..」 「・・・・・・」 「まあまあ、渡部君は今回の花見のメインだよ。丁度いいじゃないか」 「そうですね。適材適所ってやつですね」 「そうそう、渡部君も今日はすごく楽しみだろう?」 「・・・はい。楽しみです...」 「部長、今ふと思い出したのですが、ひょっとすると研修最後の親睦会で した野球拳も、わざと負けていたのかも知れませんね?」 「!そ・それは..」 「おっ、酒によって私が羽目を外してしまった野球拳のことかね?課長」 「そうです。部長が新入女子社員を野球拳で最後まで脱がしてしまって問 題になった件ですよ」 「いや、酒に酔ったとはいえ、あの時は大変なことをしてしまったよ。し かし、その時の新入女子写真が渡部君だったのか?」 「は..はい。私です」 「部長、ちょっと聞いてみてください。どうも最初から同じパタンでジャ ンケンをしていた感じがするんですよ」 「そうなのか?じゃあ、聞いてみるとするか。渡部君の方も酔っていたか ら、覚えてないのかも知れんが、本当に同じパタンで出していたのかねぇ?」 「・・・・・・」  この質問だけは少し答えをためらった結樹子であったが、ここは正直に 言うしかなく、真実の言葉を出してきた。 「はい..最初からパー、グー、チョキを繰り返して出してました。脱が されるのを分かっていても最後まで繰り返しました」 「そういうことだったか。君は部長が酒に酔ったのをいいことに恥ずかし い姿を披露したってことか」 「はい..その通りです。課長」 「何て恥ずかしい社員なんだ!君ってやつは」 「すいません..」 「まあまあ、いいじゃないか。酒の席での出来事だ。私が利用されていた とは一本取られたな。ははは」 「・・・・・」(一本何か取ってないわ..部長も途中から私のパタンに 合わせてきたんだから..)  そう、部長は結樹子がパタンを繰り返すことを最初から知っていたので あろう。  どうやら、花見をする前の度胸試しということで結樹子は野球拳で素っ 裸になるように命令されていたらしい。  恥ずかしい命令はそれだけではない。男子社員が覗いてる女風呂で結樹 子が他の女子社員の裸に目が行かないように、自分が覗きの犠牲になった 件もくじ引きで選ばれたわけではなく、最初から結樹子がすることが決め られていたのだろう。  事実、結樹子は親睦会が終わった後にも先輩OLが指定された時間に女 風呂にミニ浴衣だけを身に着けて入りにいっており、大勢の男子社員が覗 く中で身体のすみずみまで見せ付けながら洗っていたのだ。  この時、結樹子に告白した平田は就寝しており、再び覗かれたことや、 着ていたミニ浴衣を盗まれてフェイスタオル1枚で部屋まで戻る羽目に遭 っていたことに気づいてなかった。  そんな数々の恥ずかしいことを先輩OLたちは結樹子が自主的にやった ことにしようとしており、部長や課長も全てを知っているにも関わらず、 2人で口合わせをした様に結樹子を責めてきたのだ。 「男子社員の噂だと女風呂を覗いていたら、渡部くんがわざと見せ付けて きたという話も聞きましたぞ。部長」 「まあ、それに関しては不問にしよう。どう考えても覗く方がまずいから な」「しかし、事実は確認した方がいいですよ、部長」 「そうだな。一応、聞くだけ聞いてみるか。渡部君、君は覗いてるのを知 ってて、見せ付けていたのかねぇ?」 「・・・はい..知ってて股を開いて身体を洗ってました」 「何ていうことだ。ここまで、露出癖があるとは思わなかったな。だが、 男子社員を誘惑するのはけしからん事だ!ですよね部長?」 「うむ、確かに課長の言う通りだ」 「けど、私は今でも君がそんな子でない事を信じてるんだよ。渡部くん」 「・・・課長?」 「課長、残念だけど彼女の性癖は治らんよ。まあ男子社員を誘惑した罰は 受けてもらうとするか」 「!?ば・罰ですか?」 「部長、それは名案です。どうせなら彼女が本当に淫らかどうか確かめま しょう」 「・・・・・?」 「どうやって確認するのかね?」 「簡単ですよ。淫らなことをさせて、それで興奮しなければ問題ないとい う事で」 「なるほど。いい考えだよ。課長。時間も少ないしそれで行くか」 「そ・そんな...」  課長の提案で結樹子に更なる仕打ちが襲い掛かろうとしていた。  花見が近づいてきてるのに結樹子が恥辱から開放される事はなかったのだ。


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