第5話「グルになった課長」


 エアコンの排水詰まりで水を浴びてびしょびしょになった結樹子。  あまりにも都合よく水がかかったことに疑問に思う結樹子がエアコンを 見ると排水口のところが外されてる上に何か細工をしているような感じが したのだ。  もちろん、このエアコンには細工が施されており、本来あるはずがない 水を入れるタンクがエアコン内に設置されていたらしい。  つまりはスイッチを入れた途端に所定の位置に大量の水が噴出すように しており、毎年部長が示す場所でポスターを貼った新入女子社員が水浸し にされたのだろう。  今年は結樹子がその罠にまんまとはまってしまい、これから部長の服剥 ぎ作戦が開始されようとしていた。 「う〜ん、ベストがびしょびしょじゃないか。とりあえず、ベストは脱い だらどうだ」 「ベストをですか..」 「どうしたかね?別に上を全て脱げとは言ってないぞ?」 (私がブラをしてないことを知ってるのね..)  おそらく全てを知った上での言葉である以上、ここは素直に脱ぐしかな かったのだ。  シャツの方はベストを着ていたことによって、あまり濡れていなかった が、それは意味がないものになっていた。  何故なら、今日のシャツは昨日よりも生地が薄くなっており、汗をかい ただけでスケスケになるものであった。  当然ながら、すでにベストでかいた汗によって、上半身は完全におっぱ いも乳首も見える状態になっていた。  部長はそんな結樹子をニタニタしながら観賞している。  そんな結樹子が恥かしがれば恥かしがるほど部長にとって悦ばしい事で あったみたいだ。 「まさか、上まで下着を着けて無かったとは意外だったなぁ〜」 「・・・・・・・・」 「まあ、君の性癖を考えれば当然だったな」 「・・・・・」 「しかし、その状態で帰るのは非常にまずいだろう?」 「は・はい..」  部長はその答えを聞き、ニヤっと笑った。 「そうだろ、そうだろ。どうだ。上着の方もここで乾かして行かんかね?」 「えっ!?で・でも..」 「おっぱい丸見えで帰る訳にはいかんだろ?」 「そ・それは..」 「しかし..乳首が見事に立っておるな..いつも、そんなビンビンで仕 事をしているのかい?」 「ち・違います..これは服が擦れたせいで..」 「そうか..じゃあ脱げは収まると言う事だね。服も濡れてるしな」 「・・・・・・」  結樹子は悔しい気分で一杯だった。もはや何を言っても部長の罠から逃 れられない事がわかっていたから.. 「ん?早く脱がんと風邪を引くかも知れんぞ。ほら」 「・・・・は・はい..お言葉に甘えて..ぬ・脱ぎます..」  結樹子は悔しさを抑え部長の言うままに脱ぐことを決意した。  上着のボタンを次々と外す結樹子。  全てのボタンは外され、あとは上着を引っ張ればいいだけなのだが結樹 子の動きが止まる。  こんな人の出入りがある所で脱ぐことは結樹子にとって屈辱的な事であ るからだ。 「何を手を止めているんだ?どうせ、あと数時間後の花見ではそれ以上の 事をするんだろう?今さら何を恥かしがっているんだ?」 「・・・・・・・・」(ひ・ひどい..)  結樹子は悔しさに堪えた表情で部長を見る。だが、部長はそんな結樹子 の表情を楽しんでいたのであった。 「さあ、早く脱ぎたまえ」 「・・・わ・わかってます..」  結樹子は諦め、上着を引っ張って脱いでいく。  男性なら思わず飛びつきたくなるような立派なDカップのバストが大き く揺れながら露わになった。 「ほぉー見事なボインだな。安心したまえ、私は場をわきまえてる社会人 だ。君と違って理性があるから触ったりせんよ」 「・・・・・・」  結樹子は手をぐっと握り、屈辱を我慢する。  そんな結樹子に部長はじっくりと結樹子のおっぱいを観賞していた。 「うーん、残念な事にまだ君の乳首は立ってるぞ。どうやら擦れた事が原 因じゃないな」 「そ・それは...」 「まあいい、まあいい。私は理解者のある人間だ」 「...ぅぅ..」 「それよりも、よく見ればスカートも結構、びしょびしょじゃないか」 「!!えっ....」 「それも乾かすといい。さあ、スカートも脱ぎたまえ」 「・・・こ・これも脱ぐんですか..」 「そうだ。今さら、おっぱい丸出しで何を言ってるんだ?」 「・・・・・わかりまし..た..」  もう何を反論しても無駄とわかり、ついに結樹子はスカートにも手を掛 け、横のホックを外した。  スカートはあっという間に下まで落ち、結樹子の全てが部長の前に晒さ れたのであった。 「・・・服..どこで乾かせばいいんでしょうか..」  結樹子は脱いだ服を手に持って部長に話し掛けた。持ってる手を微妙に 震わしながら。 「そこのハンガーに掛けたまえ。エアコンの向きを合わしてあげよう」 「・・・あ・ありがとうございます..」  結樹子は全裸のままでハンガーに服をかけ、恐る恐る部長にある事を聞 いた。 「・・・わ・私は乾くまでどうすればいいんですか..」  そう、全裸にされた結樹子は不安であった。これから何をされるのかが。  出来れば代わりの服が欲しいと哀願したいのだが、それは無理であろう。 「ふふ、さっきも言ったが安心したまえ。君が全裸になったからと言って 襲いはせんよ」 「・・・・・・・・」 「そうだのー。まずは、この机の横で手を横に付けて起立の状態で立って てもらうか。目の前に裸の女がうろつくと気が散るんでな」 「・・・・・・はい..そこに行けばいいんですね」  結樹子は全てを晒した状態で部長の机の横まで歩き、直立不動の状態で 立った。  まるで秘書が横にたって並んでいる感じのようだった。  だが近くで立っているからと言って部長が触ってくる事はなく、ただ視 姦されてるだけであった。  結樹子は服を乾くまでの辛抱と諦めてじっと耐えるしかない。  そんな中、部長が書類棚の方へ行き、何やら厚紙を束ねたようなものを 机の上にどんと置いてきた。 「もうすぐGWだからの〜。この時期に合わせて休む奴が多いので大変な んだよ〜」  どうやら厚紙は年次カードであり、部長の机には年次カードが100枚以 上積み重なっていた。 「私が承認の判子を押さないと、年次が取れない仕組みでな。この時期は 大量に申請するからたまらんのだよ」 「はぁ..」 「どうだ?そこでただ突っ立っているのはツライだろ。せっかくなら手伝 ってもらえないだろうか」「て・手伝うって何を?」 「簡単なことだよ。私が判を押し終わったら、終わった年次カードを引き 抜いて欲しい。そうすれば、判子をもったままで次の判が押せるだろ?」 「そうですね..わかりました。お手伝いします」  普通の仕事を頼まれた結樹子は素直に手伝うことになり、部長が判を押 し終わったのを見て、年次カードを1枚ずつ引き抜いていった。  当然ながら、この動作をする関係で結樹子の身体は部長に接近すること になり、判を押す部長の眼前では結樹子の豊満なおっぱいがぶるんぶるん 揺れまくっていた。 (憂鬱な判押しも、こうすると楽しくて仕方ないな。年次カードがもっと 多くてもいいのかも知れんな。ぐひひ)  結局、1時間ほど結樹子は判子押しの手伝いをされることになり、服も そろそろ乾いて着ることが出来そうな感じであった。  ただ、判子押しを終えた部長がとんでもない行動を起こしたのだ。 「もしもし、私だ。この前の契約はどうなったんだ?ちょっと来て説明し たまえ」  結樹子の顔が真っ青になった。  部長は社の内線で誰かを呼ぼうとしており、結樹子が横で全裸でいると 言うのに部屋に誰かを入れるつもりだ。  これが女性ならまだ少しは救われるが男性だったら結樹子は全裸を晒す 事になるのであった。 「あ・あの・・・だ・誰か来るんですか?」 「ああ、契約のことで確認したい点があったからな」 「ふ・服を着させてください..こ・こんな姿を晒したらマズイ事になり ます..」「まあ、私の立場もあるしな..」 「そ・そうですよ..こんなとこ、他の人に見られたら..」 「そうだな...」  部長がめずらしく結樹子の意見に耳を貸し始めたのだが、すでに遅すぎ た状態となっていた。  コンコン。「私です。部長、入っていいでしょうか?」 (!!こ・この声は課長!ど・どうしよう..早く服を..) 「渡部君が丸裸だから素早く入りたまえ」 「!!えっ?」(ど・どういう事?)  結樹子が慌てて行動しようとする前に、部長があっさりと中の状況を言 ってしまったのである。  ガチャ「では、失礼します」課長は部長に言われるまま素早く中に入っ てきた。 「おや?冗談じゃなかったんですね。本当に丸裸だったんですね」 「・・・・!?」  課長が丸裸の結樹子を見てもまるで動じる様子もなく平然としている。  普通だったら、自分の課の女子社員が裸でいたら、慌ててもおかしくな いだろう。  ともかく、結樹子は裸でいる言い訳をし始めた。 「あ・あ・あの・・こ・これは・・・」  なかなか、良い言い訳を思いつかない結樹子。どう考えても全裸でいる 事自体、おかしいのだが、ここは何とか誤魔化さなければならない。  だが、そんな結樹子の丸裸を見ている課長が、まるで普段のように話し かけてきた。 「渡部くん、何そんなにソワソワしてるんだ。トイレならちゃんと言いな さい」(えっ?ど・どういうこと..) 「すいませんね部長、彼女は時たまソワソワする時があるんですよ」 「そうみたいだな〜、渡部君、何をきょとんとしてるのかね。ちゃんと横 で立って待ちたまえ」 「は・はい..」 「何をやったが知らんが部長の言うとおりだよ。やましい事がないなら素 直に立ちたまえ」 「・・・・・・・」結樹子は少しずつこの状況を理解し始めた。 (課長も...知っていた..私がこうなっていたのを?)  部長に言われて、再び部長の机の横に直立不動で立つ結樹子。  そんな結樹子に課長が落ち着いた口調で問いかけてきたのだ。 「ところで、渡部くんは何故、裸になっているんだい?」 「・・・ふ・服が濡れたので..か・乾かしてます..」 「そうなんだよ。エアコンの排水詰まりで水が噴き出てしまってな」 「そうみたいですな。服が乾かしてありますね。濡れたのは服だけかね?」 「えっ..あの..」 「エアコンの詰まり水じゃ、濡れるのは服だけで済むと思うが、違うかね?」 「・・・そ・それは..」 「何故、下着まで脱いでいるのかね?渡部くん?」 「・・・・・・・」 「渡部君。もう正直に課長に言った方がいいんじゃないか?くくっ」 「〜〜〜!!」(そ・そんなヒドイ!)  結樹子は唇を震えながら、課長に正直に言うしかなかった。  いや..下はともかく、結樹子がノーブラであるのはわかっていたはず なのに、それを結樹子の口から言わせようとしたのであった。 「・・・・し・し・下着は付けていませんでした..」 「下着を着けていない?それは、どういう事かね?朝から着けてないとい う事か?」「は・はい..着けてませんでした..」 「まあまあ課長〜、渡部君にはきっと何か理由があったんだろ?」 「えっ..あ・あの..」 「どうした、理由があるならはっきり言いなさい」 「着けるのを..わ・忘れてました..」  こんな言い訳が通るわけないのを知りながらも、結樹子にとってはこれ ぐらいしか理由が思いつかなかった。 「そうか。今日はいろいろあるからの〜。課長もきっと、これで納得した だろ〜」「いいえ、部長。私は納得できません」 「それは、どういうことかね?課長」 「渡部くんは昨日もノーブラでしたんです。いや、ここ数日はブラを着け ていなかった様なんです。ただ彼女は真面目な社員でしたので、気づかな かったフリをしてました」 「なるほど、数日間も忘れ続けるなどおかしいことだな。じゃあ、私が課 長に代わって聞いてみよう。渡部君、昨日も下着を付けていなかったのか ねぇ?」  部長は課長に代わって下着についての質問をしてきた。  もちろん、部長の質問に対しては結樹子が肯定するのを知っての行為で あった。 「は・はい..昨日も下着を着けてませんでした..すいません」 「と言うことは忘れたわけではないということだねぇ?」 「・・・はい。わざと着けてきませんでした..」 「それは、昨日からかね?もしかするとここ数日は下着をしてこなかった ということだねぇ?」 「・・・はい。ここ数日はノーブラ・ノーパンでした..」 「そうか、よく正直に言ってくれた。課長もこれで納得しただろう」 「・・・嘘をついてしまって、すいませんでした」 「まさか、真面目な君がこんなことをしていたとはな..まあ、下の方も 穿いてない気はしたんだが、まさか本当だったとはな」  課長はわざとらしく愕然した様子を見せる。  それが明らかに演技であるのが結樹子にはわかっていた。 (こ・この2人..全て知った上で組んでいるのね)  結樹子はあまりにも不自然な行動を取る課長が部長とグルになっている 事に徐々に確信をもち始めていた。  そう..結樹子の言う通り2人は始めから組んでいた。  花見で痴態を晒すであろう結樹子の理性や抵抗を奪うためにきたのであ った。  花見までもうわずか...  いよいよ、2人による最後の仕上げが始まろうとしていた。


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