前編-前 投稿者:鶴翼斬魔 投稿日:2024/10/20(Sun) 16:03 No.4164
それは昔の……俺たちがまだガキだった頃の話だ。
当時、クラスには何かと騒ぎを起こす一人の男子が“いた”。 同じクラスになって初めて顔を合わせた時は凄く綺麗な女子だと思ってドキドキしたんだけど……そいつはれっきとした男子。股間にチンチンのついてたので間違いない。 体はあまり大きくなかったけれど、見た目に反して運動神経は良く、体を動かすのが大好き……というか一秒もジッとしていられないなヤツだ。おかげで、アイツの顔を馬鹿にして逆鱗に触れた上級生たちとの大喧嘩とか、運動会での壮絶な死闘など、その頃の思い出は騒動に事欠かない。 俺もなんやかんやと酷い目に遭わされはしたけれど……ま、納得した上でアイツの友達をやっていたし、楽しかったことだけは間違いない。
だけどとある夏の朝、アイツはスゴくいい笑顔で教室に入ってきて、
『聞いて聞いて、オレ、女の子になっちゃった!』
いきなりとんでもないことをカミングアウトした。
興奮が隠しきれない様子だったけど、見た目はいつもと変わらない。ボサボサの髪が伸びたわけでも、胸だって大きくなっているわけでもないし、顔は……元から美少女顔してるから、変わったのか判別不能。 だから女になったなんて言われてもクラスの誰も信じようとしない。『見て見て♪』と言いながらくるくる回っているけれど、誰も何処が変わったか答えられないし。答えのない間違い探しをさせられているようなものだって。 最初は笑顔だったアイツも誰も彼もが疑問の表情を浮かべている事に、徐々に機嫌を悪くしていった。俺のところにももっとよく見てと詰め寄ってきたりしたけど……バカ、そんなに近づかれたらドキドキするだろうが。もっと離れろ。とりあえずシャツの襟もとから覗けた胸が真っ平らなことは分かったから。
だが、男か女かどうかを一発ではっきりさせる方法が一つだけある。 誰だって気付く事なんだけど、人前でやるのは色々と問題がある方法なんだが……誰も女だと信じない空気に業を煮やしたアイツは『だったら証拠を見せてやる!』と叫んで、その場でズルリと半ズボンをずり下ろした。下に履いてるパンツごと。
人間の性別なんてヒヨコよりも分かりやすい。チンポのあるかないかを確認すればいいだけなのだ。 だけどさすがにアイツでも股間を見せるのは恥ずかしいらしくて顔を真っ赤にしているが……それでも見せるのだから、さすがに度胸がある。
そして……アイツの股間にあるはずのモノが何処にもなかった。
その日から、俺達の思い出はこれまでと方向性が一変した。 アイツが何で女になったのか判らないけれど、隣にいる女顔の子が本物の女の子なのだ。 しかもアイツは男の時と態度が変わらず、嬉しかったら飛びついてくるし、体育の時だって男子に混ざって着替えする。女子と一緒に着替えるのが恥ずかしいらしいが……平らに見えて実はうっすらと膨らんでいる胸とツンと突き上がったサクランボの様な小さい乳首を俺たちにさらけ出して着替えるのはどうなんだ? 中でも特に騒ぎになったのが水泳の時だ。アイツ、女子用の水着じゃなく前年にも使ってた男子用の水着を持ってきて、トップレスで堂々と授業に出やがった。……股間に膨らみがないこと以外、去年とそんなに変わらない格好のはずなのに、アイツのせいで休息に女体を意識し始めていた俺達は思わずガン見。しかも周囲にはスクール水着姿の女子たちもいるし、巨乳で美人な担任まで体のラインがくっきり浮かび上がる競泳水着姿なのだ。勃起するなというのが無理な話。おかげで股間を抑えて蹲った俺達男子は女子から大顰蹙を買い、アイツは女子用の水着着用が強制され、着替えも女子とするようになったのだった。
『女子と一緒に着替えられるなんて羨ましいな』 『だったら変わってくれよ。アイツら、オレが着替えるとこジッと見てくるんだぜ!?』
―――それは俺達もだったんだけどな……
ともあれ、後に「もっこり事件」と呼ばれるようになった騒動の末に、アイツは少しずつ女子との交流やしていった。……その分だけ俺たちと遊ぶ時間は減っていったけれど、女になったんだからそれも仕方がない事なんだと寂しい気持ちには蓋をしておいた。
だが、もっと衝撃的なことが起こったのは、そのすぐ後の夏休みだった。
二学期になって久しぶりに顔を合わせたアイツは、夏休み前と違っているように思えた。 綺麗に日焼けしていたけれど、そんな事じゃない。相変わらずの元気の良さだし、他の男子や女子は久しぶりの再会を喜び合っているのに……アイツを見ていると、何故か俺の胸はドキドキと高鳴ってしまう。
その理由が分からなくて、授業中もアイツの事ばかり考えてしまうから勉強に手が付かない。 だから放課後の誰もいない教室で、思い切ってアイツに何かあったんじゃないかと聞いてみた。 すると、
『オレさ……セックスしちゃったんだ。えへへ……♪』
テレるのを隠しきれていない顔で、アイツの口から想いもしなかった答えが返ってきた。
−*−
オレの父ちゃん、夏頃が一年で一番仕事忙しいんだって。 母ちゃんもいないし、家にオレ一人だと危ないからって、夏休みになったら面倒を見てくれる親戚の家に預けられるんだ。去年も話したから知ってるだろ? 今年いったのはおばさんち。海のすぐ近くでさ、毎日だって海で泳げたんだぜ。 水着? もちろん海パン一丁! 女の水着って来てるとなんかムズムズするんだよ。おしっこもしづらいし。 近所の連中とも仲良くなったんだけど、オレが女だって言ったらびっくりしてた。もちろんアソコも見せてやったぜ。おマ○コって言うんだってな、あの割れ目。 だけどあいつら、妙にスケベでさ。何日か経ったら裸で泳ごうって言いだしてきたんだ。……まぁ、後で話を付け足すことあるけど、みんな裸なのにオレだけ海パン履いてるのっておかしいから、オレも裸になったんだ。 そしたら海の中でみんなして抱き着いてくるんだよ。オレ、男だったってちゃんと言ってたんだぜ? それなのにオレの尻とか脚にチ○チン押し付けてきて、気持ち悪いったらありゃしない! 胸も痛いぐらい揉んでくるし、挙句に唇をブチューって! いい加減アタマに来たから何人か海の中に放り込んでやってさ、しばらくそいつらと一緒に遊ぶのはやめたんだよ。
でもさ、おばさんちからすぐの場所だと、結局そいつらと顔あわせるじゃん。 だから自転車借りて、少し離れた浜まで泳ぎに行ったんだ。 岩場に囲まれてる感じでじっちゃんばっちゃんの散歩コースからも外れてるし、ちょっとした穴場なんだって。 そこで久しぶりに一人で泳ぎまくったんだよ。水着はちゃんと履けっておばさんに怒られたから履いてたけど。 んで、泳ぎ着かれたから浜で休憩してた時にさ、岩場の奥の方から男の人が出てきたんだよ。三人も。全員大学生だって。
―――なんだ、その顔。オレ、まだ何があったか言ってないんだけど?
その人たち、夏休みを利用して車であっちこっち旅してる人たちでさ……まぁ、いいや。 話聞いててオレも最初はすげーって思ってたんだけど、その時に、一人がオレが女だって気が付いたんだよ。 オレって顔は女っぽいはずなのに、言わなきゃ誰も女だって気付いてくれないから、言われてびっくりしちゃって。……え、海パン一丁なのが悪い? そっかぁ……ブラジャー着けてなきゃ女ってわかんないのか。 話を戻すけど、女だってことに気付いてもらえてからあれこれ聞かれたんだ。親はどこだとか、家は浜から近いのかとか。 隠す事でもなかったから夏休みの間だけおばさんちに泊まってることとか、男だったこととか、喋ったんだよ。お兄さんたちも色んな所な色んなこと話してくれて、だったらご飯でも食べながらもっと話して、それから一緒に遊ぼうって頃になって。
―――オレがなにされたか、もうわかってるんじゃない?
お兄さんたちに囲まれて車のところまで行ってご飯食べさせてらってた最中にさ、お兄さんたちがオレの左右に座ったんだ。腕がくっつくぐらいにぴったり。もう一人は車の中でごそごそしてた。 なんだろなって不思議に思ってたら、横から伸びてきたお兄さんたちの手が、オレの肩と腰に回された。 触れられた瞬間、なんかゾクッとした。くすぐったかったはずなのに、『ひょわ!』って変な声が出ちゃうぐらい。 そしたら右側のお兄さんが耳元に口寄せてきてさ、『初めて?』って聞いてきたんだけど……意味がよくわかんなくてオロオロしてたら『力を抜いて、楽にして』って言われて、もう何もわかんなくなって、されるがままになってたら、また来たんだよ、ゾクッて!
鶴翼斬魔 > 久しぶりに書いて気合入ったのか長過ぎて、投稿二回に分けました(汗) (10/20-16:06) No.4166
鶴翼斬魔 > なお後編を書く余力があるかは不明。これで全部通院のせい(汗 (10/20-16:07) No.4167
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