麻美編 −夜の街−


(…ああ、もうこんな時間なんだ……)
気がつけば窓の外から見える空は真っ暗になっていた。
 宮野森学園科学部“元”部長。現在は薬科大学院生となった佐藤麻美は、ついつい研究に熱中して時間を忘れてしまうことが多い。学校側も用も無い生徒が遅くまで残っているのならば注意もするが、研究を期待されている麻美は信頼も厚く、逆に邪魔しないようにと配慮されているため、熱中して日が変わる事も少なくない。
肩で揃えた髪を揺らし、麻美は大きく伸びをする。長時間同じ体勢をとっていたので身体はカチコチだ。研究の進みも悪くない。今日は研究を切り上げようと決めた。
 白衣をロッカーにかけ、ハンドバックを取り出す。
(そう言えば…あの子…最近姿を見ていないわね…)
 携帯に着信がないか調べた時、ふと1人の後輩の顔が浮かび、携帯のアドレス帳から探す。
 慣れた手順でその名を見つけて、ダイヤルボタンを押す直前に指が止まる。考えてみればこんな時間にあの子が暇なはずがない。他の女の子と仲良くやっているのか?それか大切な彼女と一緒もいることだろう。
「…ふんっ……だ」
 ディスプレイには【相原拓也】…世にも稀な運命を持つ後輩の名が表示されたまま、結局コールされること無く閉じられた。


あのまま帰ってもつまらない。どことなくおもしろくない気分なので久々に麻美は夜の街を歩くことにした。
金曜日の夜、世の中不況と騒がれていても、繁華街ではほろ酔いの学生やサラリーマンで溢れている。
賑やかなのは得意ではないが最近、気分転換をかねて(ふと人恋しさに耐えかね?)こうして街をぶらぶら散策することもある。
「おね〜さん、おっぱい大きいね。今ヒマ?」
いかにも軽薄そうな男が赤ら顔で声をかけてくる。すでにアルコールがまわっているのだろう。見た目は悪くないが、誘い文句が最低なので無視。
八部袖のジャケットに黒のインナーシャツとパンツ。学生らしいと言えば聞こえがいいが、ファッションとしては地味で目立たない。にもかかわらず麻美に声を掛ける男は少なくなかった。先ほどの男も言っていたがその圧倒的な容量の胸のせいだろう。体系隠しのジャケットはまるで役に立たず、麻美は窮屈そうに服の中へ押し込めている。
 断っても断ってもきりのないナンパに、うんざりした麻美が帰ろうかなと思った時…。
「あれ、麻美先輩?」
相変わらずの頼りない…どこか人懐っこい印象の後輩―相原たくやはびっくりしたように麻美を見ている。内心の驚きを隠しつつ、麻美はいつもの年長者らしい笑顔で応える。
 こんな広い街で偶然ばったり会うことに期待していた訳ではないが、もしかしてとは考えていた。
「偶然ね?相原くん」
 麻美ですら及ばないスタイルをもつたくや。生物学的にみれば今現在は女性だが、本来男性である。自分の薬をきっかけに今では何度目の女性化なのだろうか?こちらに駆け寄ってくる仕草は誰が見ても女性のそのものだ。
 ピンクのカットソーから大胆に開けた谷間が男性の注目を集める。
「先輩どうしたんです?こんな時間に」
「……小学生じゃないんだから、こんな時間って言うほどでもないでしょう?
 相原くんはどうしたの?こんな時間に…一人で」
片桐さんは?との言葉を咄嗟に飲み込む。たくやの口から恋人の話は聞きたくない。
「あ……一人じゃないんですよ」
忘れていたとばかりに周囲を見回し人だかりの一角にいる、絵に描いたような二人の酔っ払いサラリーマン達に向け手を振っている。麻美は生まれて初めてネクタイで鉢巻をしている人間を見た。
「この子も〜ぉ、たくやちゃんの友達かい〜」
「うわ〜!!! おっぱいやっぱ大きいねぇ」
酔っ払い丸出しの言動。世の中の男は皆、こんな脂肪の塊にすぎないものが好きなのだろうか?ついつい自分とたくやの胸元のふくらみを見比べてしまう。
(そういえば…相原くんも胸ばっか見ていたな…)
麻美が初めてたくや…いや、拓也と結ばれた時の事を思い出す。やはり、大小かかわらず男性は胸に魅かれるのだろう。
(まぁ…確かに触られると気持ちいいけど……)
無遠慮に見つめるサラリーマンズからその大きな胸を隠すように麻美は腕を組み、たくやを引き寄せ小声で呟く。
「ちょっと…あの人たちとどういう関係なの?」
 たくやとサラリーマンのつながりが想像できない。
「……気になります?あっ…ヤキモチですか?」
いたずらっ子のように微笑むたくやの脇腹をおもいっきり摘む。
「あら…細いウエスト…きゅっと締まってて…うらやましいわ」
「イタイ!イタイ!ですって先輩!わかりました…バイト先で知り合ったんですって〜!!!ああっぐりぐりはいやぁああ!!」
「バイト先って…?」
「昔カラオケ屋でバイトしている時に知り合って…あっ…」
 麻美をじーっと見つめるたくや。
「なっ…なによ?」
 至近距離で見つめられ麻美の鼓動が早まる。その様子にたくやはにっこりと微笑み、
「これからカラオケ行きますけど麻美先輩もどうです?」
 どうです?と聞きながら、麻美の腕を取りサラリーマンズと歩き出す。
(もう…。まあ…いいかな。せっかく久しぶりなんだし…)
「よぉおおし…楽しい夜にしますかぁ!」
 おお〜と盛り上がるたくやとサラリーマンズに強引に引っ張られる形になりながらも麻美は満更でもない表情を浮かべた。


「〜〜♪〜」
 一曲歌い終わりやや証明の落ちた部屋の中でポーズを決めるたくや。サラリーマンズからやや大げさな拍手と声援が飛ぶ。
「いやぁやっぱ気持ちいいいですね…」
 たくやはおじさん達の声援に応えながら枕元に置かれた飲み物に手を伸ばし、心地よさそうに喉を潤す。
「たくやちゃん!サイコーだったよ!!」
「ほんと、ちょ〜かわいい!!」
 褒められて悪い気はしないのだろう、男二人のお世辞にたくやはまんざらでもなさそうに頭を掻く。
「あはは…あっ!次先輩も歌いましょうよ?」
 おじさん1、麻美、おじさん2、たくやとベッドをソファ代わりに座る4人。おじさん2越しにマイクを渡してくるたくやのボリューム豊かな胸が男の目の前で揺れる。
 おじさん1が「麻美ちゃんの歌も聞きたいなぁ」と言いつつ、肩越しに麻美の胸の曲線に視線を送っている。
「…よ」
 麻美が何か呟くが、誰も聞き取れない。「何ですか?」とたくやが身を乗り出すと、麻美にむんずっ!と肩をつかまれる。
「何で!!カラオケボックスじゃなくて!!……ラブホなのよ」
世間慣れしていない麻美は建物の入り口前で「へぇホテルみたいなカラオケ屋さんね」と言った時のたくやのいたずらな笑みの理由をようやく理解した。ホテルみたいなではなく、ホテルそのものだった事を。
部屋に入り、サラリーマンズが服を脱ぎ始めた中、慣れた手つきでカラオケを入れるたくや。結局一曲聴き終わるまで麻美は呆然とするしかなかった。
「イタイ!イタイ!!イタイですって先輩!!!カラオケに行くって言いましたけどカラオケ屋とは言ってないじゃないですかぁ〜!ああっ!ぐりぐりが2倍にぃ!!!」
「ラブホテルとも言ってないでしょ!!」
「だって言ったら麻美先輩来ないじゃないですか〜」
「当たり前でしょうが!」
たくやと二人でならば…とも思わなくもないが、今回はサラリーマンズと言うオプション付だ。と言うか、たくやは麻美と会わなかったらこのまま3人でホテルに来ていたのだろうか?男二人と女一人…まぁ…戸籍で見れば男3人なのだが…。
「帰る!」
麻美はたくやから手を離し、そのままベッドから腰を上げるが、
「駄〜目ですよ♪」
元が男だからか、意外に強い力でたくやは麻美をベッドの中央へと引き戻す。「きゃあ!」と可愛い悲鳴を上げる麻美の唇を、自分のもので塞ぐとそのまま舌を口内に差し入れる。
…ちゅ…っ…レロ…レル……ちゅぱ…くちゅ…
(あ…キス……久しぶり…)
 唾液を攪拌する音が麻美の耳元で響き、久しぶりの口付けの感触に抵抗することも忘れて、自ら舌を絡ませ唾液を嚥下する。
「…相原…くん…」
「ひさしぶり…なんですから…ね?」
 ベッドに横たわり見詰め合う二人。
 照れくさそうに麻美が視線を外すと、たくやは麻美の胸に手の平を乗せる。
「ちょ…だめよ!!」
 慌てる麻美の声に耳を貸さず、たくやの5指が服越しに胸を押す。
「ドキドキ…してますね…麻美先輩? 鼓動が伝わってきますよ…」
「それは…こんなことされたら…んんっ!」
 胸に乗せられたたくやの指が少しずつ動き、もどかしい快感が湧き上がってくる。
「あいは…ら…くん…だめ…見られてる…」
 おじさん1、2の刺すような視線を感じ、たくやを制止しようとするが、胸を揉む手は止められない。
「麻美…先輩…見られると感じません?」
 耳元でぞくりとするたくやの淫蕩な…欲情し媚を含んだゾクリとする声に耳をくすぐられ、麻美は口から切なげな吐息が漏らすが、それでも何とか抵抗しようと身を捩じらせると、服とブラ越しにもかかわらず、たくやは胸の敏感な突起を探り当て指で挟みこんだ。
「ああんっ!」
「ほら……硬くなってますよ?」
 きゅう…きゅっと強弱をつけ、弾力を楽しみながらその感触を確認するたくや。
「ね……? 気持ちいいって言ってくださいよ…」
「んんっ…そんなこと……んっ…言えるわけないじゃない…」
「って!がまんでき〜ん!!」
 目の前の2人の美女の絡みに、沈黙―まぁ雰囲気にのまれていただけだが、サラリーマンズの欲望が限界を超え、興奮しきっている男2人はそれぞれ目の前の美女を組み伏せる。
「きゃあ!!」
「はぁ…はぁ…」
 初対面の、それも脂ぎった中年に押さえつけられ、欲情に濁った目と荒い呼吸を向けられた麻美の全身に鳥肌が走る。
「いやぁ!!助けてぇ!!相原くん!」
 おじさん1から逃れようと、手足に力を込めるがビクともしない。ただクネクネと身体をくねらす麻美の姿は男の劣情を更に昂ぶらせる。
「唇…若い娘の唇…んっ〜〜〜っ」
「ひっ!!」
 ひよっとこのように口を尖らせ、麻美に迫るおじさん1。
(駄目…相原くん!!)
 麻美の恐怖が限界に達し、その瞳から涙が溢れそうになったその時、
「ほんげぇえええええ!」
「こらこら、麻美先輩を怖がらせない! かわいそうに…怯えているじゃないですか…」
 何とも情けない悲鳴を上げておじさん1が仰け反り、その背後からたくやの顔が覗いた。
「たくや…ちゃ!!タンマ!痛い!痛い!タ…マ潰れる!!!」
「そ〜れ、ぐりぐりぃ〜」
 楽しそうなたくやの声と反比例に悶絶する男。たくやの左手がおじさん1の股間へと消え何をしているのか想像したくもない。
 助けてくれた…麻美は安堵の息を吐き、くねくねと身体をくねらせているおじさん1の下から抜け出すが、
「相…は…ら…くん?」
 涙の滲んだ瞳が捉えたものは、ブラジャーとカットソーを捲り上げ、もう一人の男にその大きな胸を揉まれて気持ちよさそうに身体を揺らすたくやの姿だった。


 女の裸身が薄暗い光の下で跳ねる。背後から男に突き上げられ、激しく揺れる女の豊満な乳房がその質量のため大きく弾む。女を攻めているのは一人では無い、もう一人、目の前に立っている男の剛直を女は咥えていた。力強い動きで腰を揺すられるたびにくぐもった声を上げるが、喉奥まで迎えこんでしまうが口を離そうとしない。
「ひどいなぁ。たくやちゃん。散々焦らしておいて…今日はさせてくれるって言ったのに。おじさんのタマ…潰れるかと思ったよ」
 たくやの口に肉棒を咥えさせたおじさん1は恨めしそうに言う。
「だからぁ…んんっ! はふっ! こうして慰めているじゃ…ひんっ!!
 それに…んっ!麻美先輩をムリヤリ…んふっ…襲おうとするから…はぁ…ですよ?先輩は…くひっ!!あ…まだ慣れてないんんっ! ぺろ…んん〜〜っ!…はぁ…はぁ…んっ」
 たくやは喋りながらも肉茎に舌を這わせつつ、後ろから突きやすいようお尻を高々と上げている。
 口とヴァギナに肉棒を咥え、汗に塗れた裸身を快感によじらせるたくやの姿を麻美は呆然と見ていた。
 目の前で、確かに男の子だったたくやが男達に犯されている。いや、男達を受け入れている。
 甘く湿った吐息、上気し蕩けたたくやの喜悦の貌。
(そんな顔…知らない…)
 苦しそうに眉をひそめながらも2人の男達を受け入れるたくや。その姿は苦しそうではあるが、どこか楽しんでいる様子がある。雰囲気からこの狂乱が一度や二度では無いことを物語っていた。
(あんなに…後ろから突かれて…胸だって……あんなに…)
 心配になるくらい弾む乳房。ぴしゃんと湿った音を立ててぶつかり合う下半身。
(男の人をあんな…おいしそうに…音もイヤらしい。あ…いま吸ってる…じゅずずずずって…何て音出すのよ…もう。
 後ろの人…あんなに腰振って…相原くん…あ、今気持ちよさそうに腰がぴくんって…)
 目が離せない、麻美は自分の身体を押さえつけるよう抱きとめる。
「んっ…ああ! 先輩が…先輩が! あんっ!! 見てるのにぃ〜!!」
 麻美の視線を受けた肌が紅潮し、激しい動きに汗の玉が飛びちる。
(…見てるわよ!見られて…気持ちいいんでしょ!!)
 視線が交わり、説明のつかない激情が麻美の心に渦巻く。
「ああっ!! 気持ちいい!見られているに…いぃいいいいいいいい!!」
 たくやの腰が大きく跳ねる。しばらく喉を震わせ、そのまま力無くベッドへと倒れ込む。
「あれ…たくやちゃん? もうイっちゃったの?」
男達はいつもより早いたくやの絶頂に驚く。柔らかなクッションに沈んだたくやの横顔は満足気で、大きく開いた口から唾液が溢れている。
(イっちゃった…)
 からからの喉に無理やり空気を流し込む麻美。ぐったりと弛緩しているたくやの荒い呼吸に合わせ自分も荒い息をついていた。
「はぁ…はぁ……はっ…ああっあああああああぁああ!!」
 満足気に閉じられた瞼が絶叫と共に再び開く。おじさん2が腰の動きを再開させたのだ。
「だめぇ!! いまは…はぐぅ! イったから!! イっちゃったからぁああ!」
 余裕無くたくやが声を震わせ哀願する。
「大丈夫! まだ一回目でしょ? まだまだぁ!!」
 おじさん2はたくやの腰を高い位置まで持ち上げると細腰にがっちりと腕をまわし、力の抜けたたくやの身体に容赦ないピストン運動を送り込む。
「はひんっ!! 強い! もっと…やさ…くふぃ! やさしくぅうううううう!」
(…相原…くん)
 たくや達から発散される性臭に鼻腔を犯され、身体の奥からじんわりと興奮が湧き出してくる。身じろぎひとつできず麻美はたくやを見つめていた。
 目の前でたくやの裸身は揺れ、途切れることない嬌声、男が突き入れるたびに下腹部から聞こえてくるくちゅくちゅとした水音。目の前の光景に現実味がまるで感じられない。麻美は目の前の嬌態に当てられ、無意識に自らの指で慰め始める。
(んんっ…)
 男に後ろから圧しかかられ自重とベッドに挟まれたたくやの胸が、腰の動きに合わせ無残に形を変えるが、そのたびにたくやの口から嬌声が上がる。
(相原…くん…気持ちよさそう…)
 自分の胸を弄りながら、空いた片方でパンツの下から秘所を撫でる。厚い布地の上からショーツを押さえると、濡れた音がわずかに聞こえ、麻美は体を痙攣したように振るわせる。触らずとも下着の感触で濡れていることはわかっていたが、ぐちゅぐちゅになっていることを確認し、麻美は羞恥に顔を染めながらそれでも胸を弄る手も、秘芯を刺激する手も…そしてたくやの痴態を見つめることも止められない。
 その麻美の姿に、すっかり取り残されたおじさん1が気付く。
(この娘…自分でしているじゃないか…)
 麻美の視線を遮り、男が近づく。
(ああ・・!)
 麻美の白い喉がごくりと震える。目の前に立ち塞がった男の股間にそそり立つ肉棒に、声を上げる事も忘れて魅入ってしまう。実際そう変わらないのだが、火照りの燻ぶる麻美の目には、年期の入った使い込まれた肉棒は、自分が知っている唯一のモノと比べてずっと逞しく見えた。
(大きい…相原くんのより…ごつごつしてるし…先っぽもあんなに大きく開いて…あんな大きなモノが私の中にも…入ってきたんだ…大きくて…熱くて……)
 目の前に突き出された肉棒を、麻美は拓也のモノに重ね自分が抱かれた時を思い出す。たまらず秘唇に指を押し付けるがぼんやりとした快感しか得られず、物足りなさが募るばかりだ。
(ここに…アレが…拓也くんの…拓也くん…拓也くん…んっ…んんっ!! 届かないよぉ!! あんなに…大きいのに! 力強いのにぃ!!)
 もどかしさにパニックに陥ったよう麻美は何度も布地の上から刺激し身体を震わせた。
「ほら、たくやちゃん。見なよ」
 おじさん2に胸を掴まれ、強引に上体を起こされるたくや。
「ひっいいいいいぃい!!」
 そのまま男の上に乗せられると自分の体重で肉棒は更に奥へと入り込んできた。ずんっと身体の奥底に響いた衝撃で霞んでいた意識が覚醒し、男にうながされるまま麻美の方へ顔を向ける。
「あ…ああっ…せんぱぁ…い…はひぃいん!!」
 麻美は熱に浮かされたような表情で、目の前の肉棒を見つめその手で自らの豊かな乳房と秘所を刺激している。
(あは…麻美先輩も…)
 狂おしげに悶える麻美の姿に、たくやの膣内は無意識に締め付けてしまいその存在をより強く感じてしまう。視線を麻美に向けたまま、腰を前後に時には左右に捻り膣内を抉る肉棒の角度を自ら調整して性感を上げていく。
「んんっ!! すごい!! 当たって…深いところに…いぃああああああ!!」
 今日初めて会った男の肉棒を物欲しそうに見つめる麻美の姿は、たくやの心をきりきりと締め付けていた。
(あの…先輩が……)
 決してこういう事に積極的ではない先輩、自分が初めての男となった女性。それが今、初対面の男のモノを前に興奮し、身体を疼かせている。麻美を興奮させているのが【相原拓也】では無いことに、たくやの心に暗い快楽が浮かび、ジリジリと心を焦がし始める。
(欲しいんですか?!? 麻美先輩? 私の目の前で…処女を捧げた相手の目の前で他の男のモノが!?)
「あ! あ! あ! あ! あ! ぉおおおお!!」
 たくやの口から搾り出すような嗚咽と絶叫。膣壁のヒダ一枚一枚で男のモノを舐めしゃぶり圧迫する。
 嫉妬に近い、黒い感情がたくやの性感を一段押し上げる。
「…うっ…はんん!!麻美…先輩…」
 麻美の名を呼ぶ。【相原拓也】の存在を想いださせる為に。
 麻美はビクッと身体を強張らせ、自分を呼ぶたくやの声にノロノロと顔を向ける。
「キス…しましょう?」
 泣きそうな、どうしたらいいのかわからないと言った表情を浮かべる麻美を見て、淫欲に蕩けた声でたくやが求める。
「相原くん……私……」
 申し訳なさそうに…それでも身体の火照りを抑えきれない麻美は、迷子の幼子のように不安に身体を震わせながらたくやに近づく。
 後ろから抱えられ、男の上で腰を振るたくやの汗ばみ悩ましい光沢を浮かべる肢体。汗に濡れた乳房は大きく弾み、快感のため隆起した乳首。衝撃におののく背中と腰。閉じることを許されず、男の足に引っかけられた大きく開かれた白い足。そして麻美に見せつけるよう突き出され、涎を垂らしながら男のモノを咥えこむ下の唇。その全てを麻美に晒しながら、たくやは麻美の首に手を回し、抱き寄せる。
 にっこりと…麻美の心を見透かすよう微笑むたくや。
「いいんですよ? 先輩? 気持ち良くなりましょう?あの時のように二人で一緒に……」
 ゆっくりと2人の距離が重なり合う。
 唇を寄せ、互いの舌を交差させながら赤い舌が絡み合う。
「んっ…ぴちゃ…ちゅっ…ちゅる……くっ…ちゅ…」
 口角から溢れる唾液をお互いの舌で受け止め合う2人。
「欲しいん…んっ…ですよね? んちゅ… 先輩?」
 麻美を抱き止めながらも、目で再びあぶれたおじさん1に合図するたくや。濡れた唇を大きく開き、互いの舌が絡み合う口へと誘う。
「相……原…くん」
「たくや…でいいですよ? 麻美…ちゅ…っ」
「んっ…たくや…くん」
 唇より唾液の線を伸ばし、互いの名前を呼び合う。「くん」付けしてしまうのは先輩の意地か…たくやの大切な人への遠慮か…しばし見詰め合い再び口付けを交わす。
 軽い、ついばむ様なキスを繰り返しながら、おじさん1の肉棒を迎え入れる。たくやの腕に抱かれ、麻美は躊躇する事無くソレに舌を這わせる。二人の舌は絡み合い、肉棒を介してキスを続ける。たくやが亀頭に唇を付けると、麻美も追いかけ先端にキスをする。たくやの動きをトレースし、麻美は肉棒全てに濃厚で情熱的なキスを続ける。
「こりゃ…たまらん」
 顎を引き、快感を堪えるおじさん1.除けものにされていた処に濃厚なご奉仕を…それも2本の舌が熱心に。男の弱点を知りつくされたたくやの大胆な動きと、おずおずと遠慮がちながらも追従して動く麻美の舌動きに、我慢できそうにないおじさん1。雰囲気に飲まれ腰が止まっている相棒に助けを求める。
「あひゃぁあああんんっ!!」
 頭を仰け反らせ、嬌声を放つたくや。おじさん2の動きが激しくなり、肉棒から口を放してしまうがたくやの唇が消えても麻美の奉仕は止まらない。いままでの反応から特に反応がよい部分に重点的に舌を這わせる。
(おち○ちん…たくやくんの…おち○ちん)
 愛おしそうに舐めあげる。舌先に血管の脈動を感じながら、見知ったものではない肉棒を拓也のモノと置き換え、その熱さと逞しさを確認するたびに身体の奥底が疼いてくる。
「ふふ…先輩…もう夢中ですね…」
 膣肉を収縮させ、中の肉棒を柔らかなヒダで締め上げて、おじさん2を大人しくさせたくやの顔が麻美の耳に吐息を吹きかける。
「さぁ…先輩……そろそろ…入れさせてください…」
 耳元でまるで自分が入れるよう呟くと麻美は肉棒を口から放し、唾液の橋をかけたままコクンと頷ずく。


 一糸纏わぬ姿でベッドに横たわる麻美。
 重力に負けることない張りをもった胸は形を保ったまま、遠目でもはっきり判るほど張りつめた乳首と共に天井を向き、呼吸に合わせ上下に揺れる。下も同様、本来隠しておきたい陰りを晒したまま、麻美は現実感を感じない空間に身を置いていた。
 ベッドに自分以外の体重がかかり、軋む音をたて目の前にたくやの顔が現れる。
「たくや…くん…」
 安堵の笑みを浮かべる麻美、火照りに浮かされ潤んだ瞳が喜びに開かれる。迎え入れるようたくやの顔を引き寄せ唇を重ねる。
「麻美…」
 麻美の耳元で呟くだくや。そのまま何度も麻美の名を呼びながら、閉じ合わさった内ももに手を這わせ、そのまま指を付け根へと滑らせる。
 耳をくすぐる吐息と、登ってくる淡い快感に麻美はただそれだけを求めてしまう。
 くちゅ…。
 濡れた水音をたて、たくやの指が麻美の秘唇へと触れる。そのまま割れ目に沿って上下に指を動かし、溢れる愛液を飛沫にして飛び散らせる。
「あっ…いやぁああああああ!」
 たくやの愛撫に身をくねらせ、腰を上げて迎える麻美。
「麻美…感じてますね…もうこんなにして…」
 小陰唇を掻き分け、指を膣内に潜らせ、湧き出す粘液を掻きだすよう指をくねらせると、膣肉がたくやの指に吸いついてくる。異物を確認する肉の動きに指を逆らわせ刺激を送り込む。
「ひっ…ぃいいいいいぃいいい!」
 ひと際高い絶叫と共に肺の中の空気まで絞り出し、全力疾走したような荒い息が麻美の口から漏れる。
「ゼヒッ…セハ…はぁ…はぁ…もう…ダメ…お願いぃ…イかせてぇええ!」
 先ほどから…嬌態を晒すたくやの姿を見ながら高めていた性感の出口を近い。しかし最後の一歩をだくやの指ではあたえてもらえない。
(あの…熱い……拓也のアレじゃないと…)
 ―絶頂できない。
「たくやの…お…おち…おち○ちんで…おねが…イかせてぇええ!!!」
 身体の奥底で教えられた快感を蕩けた頭で思い出し、潤んだ瞳でたくやに懇願する麻美。
「チュ…はい…良く言えました…麻美…」
 軽く触れる唇。たくやは上体を少しずらすと。
「おち○ちん…いきますよ?」
「あっ!! ひっ!! あああああああああああぁああ!」
 ずんっ、と衝撃と共に、熱く、硬いものか体内に一気に押し入ってくる。
 再び絶叫と共に空気が押し出され、麻美の口がパクパクと動く。
 たくやの指の変わりに麻美の体内に潜りこんできたおじさん1の肉棒が、膣内を入り口から奥底まで一気に埋め尽くした。
 抱え上げられた両足を大きく広げられているが、恥ずかしいと思う余裕もなく、頭の中は渇望していた刺激を得ることしか考えられない。ゆっくりとだが、大きなストロークで抜き差しされるたびに身体の奥底からぐちゅぐちゅと愛液が漏れだす。
「こりゃ…すげえ!!きつきつに締め付けてくる!」
 男の喜びの声も耳に届かず、ただ突きいれられる麻美の表情は泣きそうな…涙と愉悦の混じり合い。学者然とした普段の姿から想像できないほど蕩けた表情で悶えている。
「んっ! そりゃそう…はぁあん! ですよ…あれだけ蕩けさせて…」
(それに麻美先輩は…んん…快感を知ったばかりだし…)
 自分がそうだった。憶えたての快感を刺激され、性を渇望し、それを満たされればー止まれない。たくやはおあずけさせていたおじさん2に再び背後からのしかからせ、麻美の上体に覆いかぶさっている。こうすれば麻美の悶える表情は自分一人のものだ。
 クチュクチュと湿った音と4人の嬌声が部屋中に響き渡る。
「ああっ! あはっ!……んっひぃ!」
「はぁ! ああ…んんっ!!ああん!!…んふ♪」
 膣内を穿つ肉棒に、麻美とたくやは満足そうに喘ぎを漏らす。
「すごい! すごい! たくや! ぃいい! ……前の時より! 大きくて! あついいいいいいぃい!」
 麻美の口から漏れる喘ぎに複雑そうに顔をしかめるたくや。前後不覚に陥った麻美は体内の肉棒をたくやのものと認識している。
(前の時より…ねぇ…)
 わずかに残った男の心がズキリと痛む。女の時は人並み以上のスタイルだが、男の時は…。
(少なくとも…並くらいはあると信じたい…)
「いいですか? せんぱぁい…んんんっ! あふっ! おち○ちん! 気持ちいいですよね!!」
「いいっ! あひっ! ひぃんん! たくや! 気持ちいいのぉ!!」
 あと少しで唇が触れ合う距離で見つめあう二人。押し入る肉棒に合わせ、大きく実った4つの乳房が擦れ合うと快楽のアクセントになり、敏感になった乳首を自ら擦り合わせるたくやと麻美。じんじんとした疼きが豊満な胸の奥底に甘い快感を渦巻かせ、ペニスに圧迫されたお腹の奥に溜まる重苦しい快感となり解放を求め身体の芯で荒れ狂う。
「ひぎっ! ぎぃいいいいいぅあああああ!」
 両方から上がる獣のような声。男のストロークが早くなり、送り込まれる衝撃が強く激しいものとなる。
 朦朧とした意識でたくやを見上げ、気持ち良さそうな表情に安堵する麻美。かすかに開いた唇から唾液が滴り顔を濡らすが気にせず、その柔らかな身体を抱きしめる。
「だめっ!!麻美っ! それだめぇえええええ!」
 悲鳴を上げるだくや。抱きしめられた身体は衝撃を逃がすことが出来ず、まともに受け止め、肉棒はその勢いのまま好き勝手にたくやの膣内を掻き回す。それは麻美も同様、互いの胸がひしゃげるほど密着し固定した身体を跳ね上げさせられる。
「いっぎぃいい!! あっ! ふひぃ!!」
 シンクロする二人の嬌声と、濃厚な汗と行為独特の性臭が部屋を満たし、キツキツに締め上げる膣内に男二人も限界が近づいてきている。顎を仰け反らせながら、麻美を貫く男に余裕が無いことを悟るたくや。
「ああっ!! んんくぅ! せん…ぱ…麻美! イきますよ! 中で…はひっ!! 出しますよぉお!」
「来て! 来てぇえ! たくやぁ! 中に…熱いの! 出してぇええええ!!!」
 考える間も無く、中出しを受け入れる麻美。言葉と同時に膣内がきつく収縮し、肉棒を更に締め上げる。
 たくやは自分を貫く男も、膨張した亀頭の感触から限界が近い事を察し、膣奥に届いた瞬間に意識的にぎゅうっと圧迫し射精に導く。
 予想外の動きに男たちは顎を跳ね上げながらも、限界に向けて絡みつく膣襞を無理やり振りほどき、膣内の往復を続ける。
「くっ…スゲぇ! 絡みついて放しやしない! くそぉ! もう!!」
「ダメだ!! おじさん! もう…!!」
 限界が近づいた男達の射精するためだけの荒い抽送に揺れる身体を、強く抱きしめ合うたくやと麻美。
「んっ! ああ! 身体が! 震えて…もう! もう…くふぃいいいいい!」
「イク! んんっ!! あ! あ! あっんん!」
 ときおり身体をビクンと痙攣させ、その振動で肉棒を咥えこんだ膣肉が収縮する。それは絶頂直前の男達の膨張しきったモノに最後の刺激となり、遂に限界を迎えさせる。
 どくんっと脈動を繰り返しながら、ほぼ同時に二人の中に精が迸る。
「たくや! いくううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!」
「あさみっ! 私もっ! 私もっ! いっ…くふうううううううううううううううううううううう!!」
 二人が同時に絶頂を告げる声を上げる。秘芯から駆け昇ってくる快感の奔流が、彼女達の脳を快感で焼き尽くしていく。
「あっ…ああっあ!ああぅああああああ!!」
「熱い…いっぱい…」
 満たされるー幸福感に包まれながら麻美は体内の最奥を満たす液体を感じる。
(ドクン…って…震えてる…んんっ…また…あんっ! …たくさん出てる)
 肉棒が大きく波打ちながら熱い精液を吐き出し続ける感触に身を震わせ、麻美は絶頂に溶けた視線をたくやに向ける。
「たくや…いっぱい…でてる…」
「んふっ…ですね……気持ち…よかったですか?」
(私とするより…)
 心のなかで呟くたくや。
 自分にそれを問いかける資格は無いし答えを知りたくもないが、ついそう思ってしまったのは自分に苦笑し、
「ん〜……ふぅ…くちゅ…」
「あっ…んふっ…ちゅ……んん〜!!」
 麻美が何か言う前にその唇を塞ぐ。絶頂による倦怠感に包まれながら麻美は進入してくる舌へ応える。
「んんっ…ちゅっ…あんっ…」
 離れていく唇に残念そうな声を上げる麻美。
 すっかりかわいくなった麻美にたくやは微笑み、射精を終え脱力する男達に「気持ちよかったですよ♪」とウィンクを送る。荒い呼吸のまま顔を見合わせて男達も笑う。
「先輩……」
 たくやは麻美の髪に指を遊ばせながら、物足りなそうなその唇にもう一度キスをした。


「信じられない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 絶頂の余韻も抜け、正気を取り戻した麻美が真っ赤な顔を枕にうずめる。
「信じられないって…? 何がですか?」
「この状況よ! 私…相原くんの前で…知らない人と…」
 頭隠して尻隠さず…。麻美の喋りに合わせて、ふるふると揺れるお尻がかわいい。
「気持ちよくなかったですか?」
「……知らない」
 否定も肯定も無し。
「私は気持ちよかったですよ? 久々に麻美先輩と一緒に…」
「…でも…」
 枕から少し顔を離し、たくやを見る麻美。「怒ってない?」と目で訴えている。
「……かわいかったですよ? 男の人に抱かれて、気持ちよさそうにしている麻美先輩♪」
「やめてぇええぇえ!」
 再び枕で顔を隠す麻美。隠し切れない耳は朱に染まっている。
「素直じゃないのは昔から先輩の悪いところですね…」
 恥ずかしげな麻美の表情やもじもしと揺れるお尻を見ていると再び興奮してしまう。
(う〜あんなにイったのに〜)
 日々、淫乱になっていく自分の身体。しかし受け入れたことに後悔は無い。今さら女の快楽を捨てる事はできない…と思うのは自分が淫乱だからなのだろうか?他の女性はどうなのだろう?憶えてしまった快楽に逆らえるのか?
 時計を見るとまだ朝まで時間はたっぷりある。たくやはベッドに腰かけ静観しているおじさん2人に目線を送ると、察したのか「まだまだいける!」と頷く。
「せ〜んぱい♪…うりゃ!」
 突き出されたお尻を押さえ、たくやは後始末のすんでいない麻美の膣内を指でかき混ぜる。ぐちゃぐちゃと大量の水分を含んだ音と共に、留まっていた精液がこぽっ…とこぼれ出す。
突っ伏した頭を跳ね上げ麻美が叫ぶ。
「んふっ…ん! ちょ…相原くん!!」
 麻美の制止の声を歯牙にもかげずたくやは指を動かし続ける。
「ほらほら…ちゃぁああんとキレイにしないと…今から研究です♪【知らない】なんて先輩らしくないです 学者が探求心をわすれちゃおしまいですよ♪」
「うそぉ! …冗談でしょって…その目は何!! 限界だって! 体力も!! おじさん達!! ちょ!!何大きくしてるんですかぁあああ!!」
 そう、学者が探求心を忘れたらお終いだ。
(まずは…快楽を憶えてもらうところからはじめましょう♪ 麻美先輩)
 瞳の奥で黒い炎がゆらり。
 
 
 結局、絶頂の余韻が消えぬまま相手を交換しての【特訓】は、麻美が「気持ちいい」と認めた瞬間に朝まで【何回イけるかの研究】に変更され、身も心も快楽に侵された麻美は喜んでたくやと共に研究に参加して一晩中部屋内に嬌声を響かせるのであった…。


(…ああ、もうこんな時間なんだ……)
気がつけば窓の外から見える空は真っ暗になっていた。
宮野森学園科学部“元”部長。現在は薬科大学院生となった佐藤麻美は、ついつい研究に熱中して時間を忘れてしまうことが多い。学内は静寂に包まれ、残っているのは麻美一人だ。
 白衣をロッカーにしまい、帰る準備を整える。むき出しの肩をのぞかせたブラウスを押し上げる胸、ぴっちりしたミニのスカートからのぞく白い足を見せつけて麻美は夜の街を歩く。
 あの夜から麻美の生活は変わった。たくやを拒めぬまま一緒に何度も男達と肌を重ねた。時にはたくやの知り合いの女の子も交えることもあり、決まって失神して朝を迎えた。
(流されてるなぁ…私)
 窓に映る自分に向けて笑う。昨日も失神するまで男達に抱かれたのにこの時間になると身体が疼きだす。さて…今日はどんな体験ができるのだろう?想像しただけで恐さにも似た歓喜の震えが麻美の身体を包む。火照った身体を夜風に晒し、麻美は今日もたくやの待つ夜の街へと歩き出した…。


千里編_前篇へ