第一話「ヴォルカノ」


ヴォルカノ様は旦那様の愛犬…幼い頃から犬好きだったという旦那様が、町中で拾ってきて可愛がってる 雑種犬…だったりする。しかし… 「ワン!ワン!!はぁはぁ…」 旦那様はこの犬の何処を気に入ったのか…まったく分からない… こうして掃除する私の足下にまとわりついてくるわ、腰を振ってくるわで、私にはバカ犬にしか見えない… おまけにどこからどう見ても雑種… それなのに身体が無駄に大きいから体力もそれなりにある。 しかも下手に扱うと旦那様の怒りを買ってしまうのが余計に辛いのよね… だからと言って、いつまでも構っていると掃除が終わらない。 「はいはぁ〜い、おもちゃですよぉ〜」 私はゴムで出来たペット玩具に彼の注意を引きつけて部屋の隅に投げた。 メイド仲間から教わった方法… こうするとヴォルカノ様はそのおもちゃを追いかけ、一心不乱に武者振りつく。 初めてした時はその仕草がちょっと可愛らしかったけど… 何回も見ているとその卑しさに呆れてしまうわけで… 「手元がお留守ですよ、ルーミット…」 「ジャ、ジャスミン先生!も、申し訳ありませんでした!すぐに取りかかりますぅ!」 「次に来るまでの間に済ませなさい…」 「は、はい、先生!」 (ふぅ……ジャスミン先生ってば、突然来るんだもの…って、抜き打ちの見回りだから仕方ないけど…) 「ワン!ワン!」 「きゃあ!」 振り返るとヴォルカノ様が憎たらしいまでの無邪気さで尻尾を振っていた。 「もぉ…ビックリさせないでよね……今度はもっと大きなおもちゃですよぉ〜」 しかし…私が投げたおもちゃは不幸にもベッドの下に転がってしまった。 (やっちゃったぁ…こうなると身体の大きなヴォルカノ様では取れないのよね…) 私は仕方なくベッドの下に腕を伸ばした。しかし、指先には触れるものの、掴み取ることが出来ない。 (はぁ〜…こんなコトしてる場合じゃ…早くお掃除を終わらせないと…ジャスミン先生のお仕置きがぁ〜) 焦る私の手をあざ笑うかのようにおもちゃがさらに奥へと転がってしまった。 (もお…これは潜り込まないと駄目かな…道具が使えれば楽なんだけど…旦那様と一緒で、ヴォルカノ様の 所持品も常に手で扱うように言われてるし…大体、ペットの分際で専用のベッドなんて…世の中なんか間違 ってるって…) 私は大きく成長した胸を床に押しつけ、やや狭いベッドの隙間に頭をこじ入れた。 そして手を思いっ切り伸ばし、やっとの思いでおもちゃを取った。 「ふぅ〜」 だが、ほっとしたのも束の間… 「え!?…何!?…」 私の太股に、サラサラというか…ごわごわというか…何とも表現しがたい感触が這いずっていた。 確認したくても頭が自由に動かせないから全然見えない… だけど…何となく想像は出来ていた…そして… その想像は太股に伝わるヌメ〜〜っとした感触によって、ありがたくないことに確信へと変わった… (ヴォルカノ様がスカートの中にいるぅうううぅ〜〜〜!!) 生暖かい鼻息… ナメクジのような舌… 嫌悪感はMAXに達し、私は少しでも逃げようと腰を上げていった。 だけど…その行動はヴォルカノ様に更なる自由を与えたらしく…舌の動きは私のアソコへ徐々に近付いて いった。そして…少しでもそれを阻止するために私は左右にお尻を振った… だけど…ふと、自分の姿を想像してみると… (あううう…私…もしかして…とんでもない格好をしてるかも…) 頭をベッドの下から動かせず、腰だけが高く上がってる… それはお尻をヴォルカノ様に与えるような、まぎれもなく“とんでもない”格好だった。 しかも、大きなお尻は誘ってるかのように左右に揺れている… (このままだと危ない……早くここから逃げないきゃ!…でも…どうやって?…頭を抜くためには後ろに 下がらないと…だけど…後ろにはヴォルカノ様が…) そうこうしてるウチに… 「あ!…ひゃあ…あぅううぅん…」 ヴォルカノ様は遂に私の下着に辿り着き…激しい舌使いで責め始めた… 「いやぁはぁ…そ…そんな…は…はげ…はげしすぎるぅうううう…」 一心不乱に舐める舌はパンティ越しでもしっかりと私のアソコに伝わり… 旦那様やジャスミン先生に調教され、開発された私の身体は直ぐに反応してしまった… (まずい…まずいよぉおおおぉ…このままじゃ…私…) 「あうぅん…だめぇ…や…くぅうん…」 犬の舌でイかされる…心では拒否しようとしても身体は快楽に溺れようとしていた… しかし…あと少しのところでヴォルカノ様は私から離れた。 不満を訴える身体を抑え、私はこのチャンスを逃すまいとベッドの下から這い出た… そして自由になった私の目に飛び込んだのは、ヴォルカノ様をあやすジャスミン先生の姿だった。 「………」 (うわわわわ……目が…怒ってるぅ…) 「これは…どういうこと?」 「あの…その…実は…ヴォルカノ様がお掃除の邪魔を…」 「そう…とても邪魔されてるような声ではありませんでしたが…まぁ…良いでしょう」 (ほっ…) 「しかし…与えられた仕事を終わらせてないのも事実…この部屋は他のものに任せます」 「え?…あのぅ…私は何をすれば…」 「ヴォルカノ様の散歩相手よ…仲がとてもよろしいみたいですし」 「そ…そんなのじゃ…ありません」 「あら…そう?無理に否定しなくたって良いのよ…」 「本当に違うんです」 「とにかく…散歩はきちんと行うように…分かりましたね?」 「はい…」 「それと…今夜は…分かってますね?」 (あう………やっぱり…ダメかぁ……) 「いつものように深夜零時、地下の懲罰室…ですね」 「よろしい…では午後の散歩…がんばって下さいね」 「はい…」 ジャスミン先生を見送ると、私はヴォルカノ様をお庭へ連れ出して散歩に出かけた。 続く


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