58 - 「女の子なんだからエッチしたっていいでしょう?(夏の出会い編)」


「あれ、もしかして相原じゃないか?」
「え……み、宮村先生ですか!? うわ〜、ご無沙汰してます!」
「いや〜、久しぶりだな。見違えたよ。……まあ、言葉通りなんだが。また女になってたんだな」
「ははは……突っ込まないでください。最近は色々と不幸が重なりすぎちゃってて、いっぱいいっぱいなもんで……」


 夏のある日、短期バイトを終えて地元の駅までようやく帰りついたあたしは、駅を出たところで宮野森学園での担任だった宮村先生とばったり再会した。
 で、立ち話もなんだからと、先生のお勧めの喫茶店へ。テーブル席に着き、アイスコーヒーを注文すると、心地よい空調の涼しさもあって、ホッと一息を付いてしまう。
「結構大きな鞄抱えてるな。どこかに旅行に行ってたのか?」
「場所だけならリゾートですけど、バイトですよ。臨時のホテルスタッフで二週間ほど。も〜、こき使われるし、セクハラされるし、散々でしたよ」
「そんなに酷かったのか?」
「暇があったらヘルプに行けって言われて、厨房で料理したり、ハシゴ抱えて電球替えたり、立食パーティーの準備とかてんやわんや。それなのに正規のスタッフが順番に休みとるから、こっちに仕事丸投げされるんです。目の前が海でも、夜まで休憩とれなかったり……水着持っていったのに、一度も着ませんでしたよ」
「ははは、そりゃ災難だったな。まあ、楽して儲けられる仕事なんてそんなにないって。今回はいい経験したと思って、次の仕事を選ぶときの参考にすればいいじゃないか」
「そうは言っても、色々と要り様なんですよね……」
 そんな風に談笑していると、注文していたコーヒーが運ばれてきた。それに口をつけ、少し乾いていたノドを潤していると、そんなあたしを見ながら宮村先生が口を開いた。
「その分だと、男に戻れるのはまだまだ先らしいな。相原が研究費を稼ぐために学園に黙ってバイトに明け暮れてたのを思い出すよ」
「………ア〜、ソウイエバ、ソウデシタネ」
「あの時はオレも結構心配してたんだよ。それで校長に……ん? どうした、遠い目をして」
「ア〜…エ〜…ウ〜………」
 言うべきか。
 言わざるべきか。
 あたしの周囲の人間は既に知っていることだけど、昔の担任である宮村先生とは、それほど懇意にしているわけでもない。ここで話して、変な噂が広まったりしないだろうかと、そんな不安が頭をよぎる。
 でも、目の前で訳が解らずに首を捻っている宮村先生を見ていると、言わないことに罪悪感を覚えてしまう。
「……………ジツハ、デスネ?」
 あたしの口が重いので、何かあるとは察してくれたのだろう。急かすでもなく、凝視もせず、ただ黙ってコーヒーを飲む宮村先生に優しさを感じつつ、どう説明したものか思索をめぐらせる。
 いや、要点はただ一言で済む。……済むのだけれど、どうにも言い辛い言葉を、どうでもない風に軽く言えないだろうかと頭を悩まし、悩まし、悩ました末に大きく息を吸って、


「「「宮村センセ〜〜〜♪」」」


 まるで心臓を電極を突き刺されたみたいにビクッと身体が跳ね上がった。そんなに緊張していたのか……とドキドキと暴れる胸をなだめていると、その隙に宮野森学園の制服を着た三人の女子生徒がテーブル横にまでやってきていた。
「ああ、お前たちか。どうした、こんなところに」
「うわ〜、見ちゃった見ちゃった、先生ってば隅に置けないんだから♪」
「ん?」
 宮村先生が首を捻った。
「浮いた噂一つたたないあの宮村先生が、こ〜〜〜んな美人と喫茶店でデートだなんて♪」
「へ?」
 美人ってあたしのこと?
「外から真剣な顔で話し合う二人を見て、私たち、ピーンときました! 乙女の感です! この二人、出来てるって! 間違いありません!」
 そんなとんでもない勘違いをする乙女の感など捨ててしまえ。
「それで? それで? お二人はどこまでいっちゃってるんですか!?」
「お前たち、少し落ち着け。相原とは別にそういう関係じゃない。お前たちの先輩だ」
「私たちの……?」
 ここは、自己紹介したほうがいいのかな?
「えっと……はじめまして? 宮野森の卒業生の相原って言います。みなさんは、宮村先生のクラスの―――」


「「「卒業生〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」」」


 何でそのフレーズに食いつくの!?
「ま、まさか、衝撃の展開! 宮村先生が、卒業生と付き合ってただなんて!」
「あの、もしかして相原さんって、在学中から宮村先生と!? きゃ〜! 禁断の教師と生徒のコイバナ〜〜〜♪」
「こんな巨乳美人に手を出してたなんて! 宮村先生グッジョブ! このネタ、新刊にいただきです!」
「あっはっは、おい待てお前たち。オレはともかく、変な勘違いをしたら相原が困るだろ。相原とは偶然再会しただけなんだから。変な噂を流すなよ?」
「わかってます! 私たち、自分の目で見た事実だけを伝えますから♪」
「偶然の再会! そこから燃え上がる昔日の想い! やがて二人はフォーリンラブですね!? それとも三角関係が四角関係になって、ああもう、私の頭がパンクしそう!」
「落ち着こう、落ち着いて、妄想全部書き出して! あ、相原さん動かないで、今ささっとラフ切るから。それと写真一枚いい?」
 ダメだ……この子らの見てる眼が色恋フィルタがかかってるから、まったく信用できない。それに事実を認識してる頭の中も絶対にわざと誤解と脱線するように出来てるでしょ!? 手を動かすな、ノートに何を書いてる貴様!?
 だというのに、宮村先生はニコニコ笑ってキツいことを言わないんだから……まったく―――
「それに三人とも誤解しているが、相原はこう見えてオ―――」
「ちょっと待ったァ! 先生、それ言っちゃダメ!!!」
 そう言ってから「しまった!」と口を押さえたけれど、既に遅し。
「「「“お”?」」」
 この姦しい三人娘は、あたしの秘密に繋がるその言葉を耳ざとく聞きつけ、獲物を見つけた猫か犬か狐かのような恐ろしい笑みを浮かべた。
「“お”って何だろうね。幼馴染? っていうのはありきたりかな?」
「お付き合いしている人がいるとか……まさか、先生ってば本当に卒業生と三角関係で不倫で浮気でN・T・Rだったんだ……!」
「恐ろしく強いから気をつけろ……って言うのはありえないよね。美人ですっごくスタイルいいけど、なんかトロそうだし」
 ―――ち、ちっくしょう! 本人に聞かせないようにしてるようでバッチリ聞かせつつ言いたい放題言いやがって!
 こちらに背を向けている三人の他珠に拳骨を落としてやろうかと拳を握り締めるけれど、終始笑顔の宮村先生に「まあまあ」と宥められては我慢せざるを得ない。
「ところでお前たち、オレと相原を冷やかしに着ただけなら、早く店を出たほうがいいぞ。ここのマスター、起こらせると怖いからな」
「おっと、そうだった。相原さんが面白いからついつい遊んじゃった♪」
「こ、この……!」
「相原は学生の頃から、いじられやすい性格だったからなァ……」
「先生までそんなこと言うの!? あたし、もう泣いちゃうよ!?」
「それはさておき」
 おくなよォ!
「先生、明後日って暇ですか?」
「あたしたち、二泊三日で合宿の予定だったんですけど、顧問の先生が盲腸で急に入院しちゃって困ってるんですよ」
「もう旅費も振り込んじゃっててキャンセルきかないから、校長に相談したら宮村先生なら代理を引き受けてくれるんじゃないかって」
「そういうことならかまわないぞ。美術部は夏休みに出てきて頑張ろうってヤツはいないからな」
「「「やったぁ〜♪」」」
 受け持ちの美術部は暇でも、先生には夏休みも仕事があるはず。忙しくないはずがないのに、そんなことはおくびにも出さず、二つ返事で引き受ける宮村先生を見て、あたしは「相変わらずだな…」とため息をついていた。
「そういえばその合宿、人数が増えたりしてもかまわないか?」
「大丈夫ですよ。借りるコテージは部屋が余ってますし」
「宮村先生ならまったく身の危険の心配もないしね〜♪」


「そうか……それじゃ相原、お前、バイトしないか?」
「……………へ?」


 思いがけもしない言葉に一瞬で混乱し、間の抜けた返事を返してしまう。
「もし次のバイトが決まってないようだったら、こいつらの引率を手伝ってくれ。バイト代は校長に交渉して出させるから。俺に急に話を振ったんだから、それくらいは出してくれるだろう」
「ん〜と……まあ、予定もあいてるし、手伝うくらいならかまいませんけど……」
「よし、話は決まりだ」
 そういうと宮村先生は自分のコーヒーを一気に飲み干し、立ち上がってあたしの手をとる。
「今から宮野森に行く。すぐに打ち合わせやらなにやらしないと間に合わないからな。一緒に来てくれ」
「へ? 今から? ちょ、ちょっと、あたし戻ってきたばかりで疲れてるのに!」
 こちらの都合もお構いなしに、宮村先生はあたしの手を引いて歩き出す。そんなところを三人娘に見られて「「「キャー! 大胆〜!」」」とか言われてるんだから、少し待って、あたしに落ち着く時間をくださいぃぃぃ!
「あっはっは、まさか相原と一緒に仕事をすることになるなんてな。人生って不思議なものだな」
「名言ぽいこと言ってごまかさないでぇ〜〜〜!!!」
 そうして話はとんとん拍子に進んで、あたしが宮野森学園テニス部の合宿に、なぜか付いていくことは本決まりになったのだった……


 −*−


「すまなかったな。いきなりお前のことを巻き込んで」
「ホントですよ。ラーメン一杯じゃ誤魔化されませんからね!」
「ははは、仕方なかったんだよ。俺一人じゃ、女子テニス部の面倒なんて見れないんだから。それに他に当てを探すにも時間がなかったし」
 打ち合わせがかなり長引いてしまい、宮村先生と二人並んで歩く道もすっかり暗くなってしまっていた。
 宮野森学園前を通る最終のバスも出てしまっていた。大通りまで出ればタクシーでも通りがからないかと、旅行カバンを宮村先生に持たせて夜道を二人して歩くものの、なぜかあたしはプリプリ怒りながらもドキドキが押さえられなかった。
 ―――男の人と二人きりって言うのは……なんというか……あう〜……
 意識するなというのが無理な話だ。なにせ、先日までのホテルスタッフのバイトでは、こういうシチュエーションではたいていエッチを求められたのだから。
 ホテルの支配人に同じバイトスタッフにチーフに……「夏は出会いの季節だから」とふざけた理由で毎日のように迫られ、時には押し負けて身体を許してしまったり。まだ夏が終わってないのに帰ってきたのも、女性オーナーがその事実を知って、スキャンダルになる前にと中心人物だったあたしに口止め料を渡して追い出したからに他ならない。
 ―――男から女になると、男運が悪くなるのかな……
 弘二も女になったときには周囲から悲惨な目に合わされたはずだ。留美先生と相談して、レポートにまとめてみるのも面白いかもしれない。ただサンプル数が絶対的に少ないけど。
「それにしても相原」
「なんですか?」
 宮村先生の三歩前を歩きながら、振り返りもせずに呼びかけに応える。


「―――綺麗になったな」
「……………………!?」


 ―――な、何を言い出すんですか!?
 身体が震え、胸がドクンと大きく鼓動した。うるさいぐらいに音を響かせて全身へと熱く火照った血液が流れ出し、あたしは下唇を噛み締めて、かろうじて歩む足を止めなかった。
「女になったお前の姿は知ってると思ってたんだけどな……街で出会ったあの時、思わず見違えたよ。受け持ってたヤツに会うことは時々あるんだけど、相原ほど美人になっていたのは他に思いつかないな」
「それは……あたしが元々男だったから、そのギャップで、そう感じただけじゃないんですか?」
「苦労、してるんだろ? 外見は綺麗になっていても、その分だけ、思い悩んだ顔をしていたぞ」
「……………」
 ―――見透かされて、いるんだろうか?
 ふと気が付けば、宮村先生はあたしの隣を歩いていた。
 ちらりとそちらを見れば、先生の顔はあたしに向けてきていない。そのことに少し安堵を得ると、迷いつつも……今は宮村先生の優しさにすがりたくて、言わなくてもいい事を口にしてしまう。
「あたし……男に戻れなくなったんです?」
 度重なる性転換。二人のマッドサイエンティストが生み出す様々なタイプの薬や機械でモルモットのように人体実験を繰り返され、これまで重大な副作用が出なかったのが幸運だったというだけの話。いや、女性として性別が固定されただけで、生命に関わる致命的な被害が出なかったことこそが僥倖といえる。
 そしてこのことで、恋人と別れた。絶望的であっても、元に戻るためには研究を続けてもらわなければならず、そのための研究費としてバイトに精を出す日々。何も知らない男性たちからは肉体関係を強要され、弄ばれているのに感じてしまう自分の身体への忌々しさ……
 どうせ犯されるのなら、いっそ風俗で働く法が稼げるかと思いもしたけれど踏ん切りが付かず、ただ時間だけが流れていく。
「もう三ヶ月かな……戸籍上は男のままだけど、このままなら、いろんな事を考えなきゃいけないかなって思ったり……」
「そうか……」
 もうそろそろ日付も変わるだろうか。
 窓明かりの消えた住宅街を大通りに向かって進みながら、あたしは小さな声で宮村先生にいろんな事を話してしまっていた。
 ―――学生時代も、宮村先生には相談しやすかったっけ……
 男同士でならともかく、女になった今では、その優しさが何よりもうれしい。
 湧き上がる不安に蓋をして、将来を見ないようにして、ただバイトをしてお金を稼いでいるだけで、結局は同じ場所で足踏みしているだけでどこにもいけない。情けなくさえ思える自分の今を話し終えると、
「そうか、大変だったんだな……」
「――――――!?」
 急に、宮村先生に肩を抱きしめられた。
「あ、あの、先…生ぇ……」
「いいじゃないか。自分じゃどうしようもないんだから、他人に頼ったって。不幸な目には遭ったけれど、相原は相原に出来ることをちゃんとしてる。間違っていない」
「……………」
 胸の高鳴りが、加速する。
 新しく服を買うお金もなかったので、姉の夏美の服を借りていたのがいけなかった。先生の手が直接触れてているむき出しの肩から伝わるぬくもりがスゴく心地よくて、開いた胸元には火照っていく肌からにじんだ汗が雫になって伝い落ちていく。
 ―――こんなに密着しちゃったら、意識しちゃうんだけど……
 大丈夫、これはあたしを慰めようとしているだけ。安心させようとしているだけ。やましい気持ちは先生にはない。あたしの考えているようなことが絶対にない。あたしと先生が……シちゃうだなんて……
 自然と歩みは遅くなり、胸の鼓動が大きく聞こえてしまうほどに、無言で静かになってしまう。
 けれど不意に、宮村先生が足を止めると鞄を持った手で横の古びた家を指差し、
「ここ、俺の家なんだ」
「え………?」
「あがっていかないか?」
「え………っ!?」
 そういえばここはどこだろうか。知らないうちに見知らぬ道に入り込んでいた。
「お前を、このまま帰したくないんだ」
「――――――ッ!?」
 ドサッと鞄が地面に落ちる音が聞こえたときには、あたしは宮村先生に両手で抱きしめられていた。
 そして………あたしの唇は、宮村先生の唇で塞がれていた。
 ―――ど、どうして……!?
 あまりの出来事に、驚きで動けなくなる。
 でも、宮村先生の舌先に促されるままに唇を浅く開くと、あたしの舌を絡めとられ、クチュクチュと唾液のはぜる音が鳴り響く。
「だ…ダメェ……センセェ……あたし…汚いから………何度も、犯されて、穢されてるァ……」
「じゃあ、オレもお前以外の女性としてくればいいのか?」
「………それは、なんかヤダ」
 あたしの“女”心も、複雑です。
 でも、指差された家には明かりがついていない。つまり宮村先生は一人暮らしということだ。
 なら、あたしは先生と二人きりになるということだけど……先生は柔和な笑みを浮かべてあたしを見つめ返してきている。その優しい瞳に魅入られたみたいにポ〜っとしていたあたしは、
「やっぱりいやかな。俺なんかとじゃ……」
「……イヤじゃ、ないです。先生となら」
 あたしはドキドキする胸を先生の身体に押し付け、震える声で、すがるように言葉をつむぐ。
 でも、ずっと先生の顔を見ている恥ずかしさをこらえられなくなり、目を伏せてしまう。
「相原……いいんだな?」
「……………」
 声を出せず、ただ小さくうなずくと、あたしは肩を抱かれたまま先生の家の門をくぐり、家の中へとつれられて入る。
 そして、
「ん………」
 玄関の鍵をかけると、あたしたちはお互いの唇を重ね合わせていた。
「はぅ…ぅぅぅん……」
 やさしくて、やわらかい口付けに、あたしは甘い吐息を漏らしていた。
 こんな風に、男の人の腕の中で力を抜いていられるには、いつ以来だろう……たぶん、女になってから初めてだと思う。
 おずおずと、意外と逞しい先生の背中にあたしも腕を回し、アゴを上げて舌を差し出すと、先生の手があたしの頭をゆっくりと撫でてくれる。
「んっ………」
 あたしの身体を戒めていた緊張の糸がゆるんでいく。
 そして、唾液にまみれた唇が離れていくと、あたしは視姦した身体を立たせていることができず、玄関でへなへなと崩れ落ちてしまった。
「大丈夫か?」
「ごめん…なさい……すぐに、立ちますから………」
「いや、オレも、もう我慢できないから」
「あっ……」
 玄関に身を横たえたあたしの身体を仰向けにすると、胸の上に先生の手が押し付けられる。小さく声を漏らし、ぴくんと震えてしまうけれど、あの宮村先生が我慢できなくなるほどあたしを求めてくれていることに……こんな場所でしようとしてるのに、なぜか喜びが込みあがってきた。
「あっ……んん、ダメ……ふあ…ァ……」
 先生の唇があたしの頬、首筋、胸元へと滑り落ちていく。長期のバイトから帰ってきて、汗もいっぱいかいて汚れている肌を嘗め回される恥ずかしさに顔をそむけるけれど、服の上から胸を揉みしだかれ始めると、徐々に溢れる声が大きくなってしまっていった。
「んあっ……せんせぇ……なんか、手馴れてるゥ………」
「おいおい、今は過去の詮索なんてするなよ」
「ご、ごめんなさい……ふあっ!」
 まるで余計なことを聞いたことを叱るかのように、先生の指が乳首を探り当て、グリッと押し込んでくる。突然な強烈な快感にノドをそらせて大きな喘ぎ声を口から迸らせていた。
「そ、そんなに、いじっちゃダメ、あ、ああぁん、ふあァ!」
 今までのか細い声ではなく、はっきりと快感を訴える声を溢れさせているうちに、あたしの服の胸元を開かれ、ブラをたくし上げられ、じかに乳房に触れられていた。そして片方の手がスカートの中へ滑り込み、
「あああっ!」
 くすぐるように太股をなで上げられ、股間に触れられると、パンツのクロッチからグシュッと大量の愛液が滲み出してしまった。
「もうこんなに濡らしてるのか……」
 真っ暗な玄関では気づかれないとは思うけど、その一言であたしの頬はまた一段と熱くなる。
 ―――宮村先生に触られて……もう、どうしたらいいかわかんないよぉ……!
「大丈夫か……?」
「う…うん……んんんゥ!」
 あたしが過敏な反応を見せたからだろうか、宮村先生が気遣うように訊ねてくる。
 だけどその手はあたしのクリトリスを摘んでこね回し、割れ目を押し広げて粘膜を擦り上げ続けてる。
「ああッ、やァあああ……! そんなにいじっちゃ、んあっ! ふぁあああああんっ!!!」
 最初はいろんな場所にやさしく触れてきていた宮村先生は、あたしがビクッと身体を震わせるほどにより鋭く指先を滑らせてくる。
 何も握るもののない玄関の床を引っかくようにして快感に抗おうとするけれど、クリトリスを重点的に攻め抜かれ、ネットリとした愛液を溢れさせている膣口に指先を押し込まれると……溜め込んだ快感が一気にはじけ、あたしは恥丘を突き上げるようにして悲鳴じみた声を上げてしまっていた。
「うあァ!!!」
「本当に女になってるんだな……オレの指をこんなに締め付けて。イヤらしいおマ○コだ」
「や、だァ……んあ……そこ、擦られたら、やッ! あッ、はァアアアッ! センセ、ダメェェェ〜〜〜!!!」
 二本でおマ○コを隅々までかき回しながら、先生の親指がクリトリスの先端を擦り上げてきた。内と外からの二重の快感に、あたしは流れ落ちるほどに汗を滲ませ、歯を強く噛み締めながら、はしたないとは解っているけど股間を何度もヴァンプさせてしまう。
「だめ……も………イっちゃう、イっちゃう、イっちゃうぅ! センセェ! イク、出ちゃう、あ、あああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
「イっていいよ。ここだろう、相原が感じるのは。こんなに潮を噴いて……そんなに気持ちいいのか?」
「いい、スゴくいいぃ! センセ、だから、宮村先生だから! 先生に、されてるから、あたし、もう、おかしく、なる、なっちゃうぅぅぅ!!!」
 あまりにも強烈過ぎる快感美が半裸の身体を駆け巡り、股間と脳天で同時に弾ける。
 もうショーツの中は愛液で物凄いことになってる……沸騰した愛液が一気に迸り、先生に触られて感じていた恥ずかしい気持ちも一緒に脈動と共におマ○コから溢れ出していた。
 それなのに、
「やァアアアアんゥ! ダメ、センセ、イク、イクの、イきっぱで、壊れる、ヤっ! ああッ、クァアアアアアアアアアッ!!!」
「こんなにおマ○コをうねらせて、ビクビク痙攣させて。“オンナ”になってから随分とこっちのほうも勉強したようだな」
「イヤアあぁ! そんなこと、言わないで、違うの、あたし、ん、んんんゥ〜〜〜〜〜〜!!!」
 先生の指はどんなにあたしがイこうが動きを止めようとはしない。それどころか、より深く二本の指を捻じ込んできて、何度も男根に貫かれるうちに感じるようになってしまった膣奥の敏感な場所まで責め立ててきた。
 声を上げてはいけない……近所の誰かに聞かれるかもしれない……と理性では解っているのに、声を上げて快感を少しでも発散していないと頭がおかしくなりそうだ。
 だというのに、恥辱の絶頂に何度も身体を震わせて喘いでいると、下着を脱がされて腰を持ち上げられ、びゅくびゅくと愛液を迸らせているおマ○コが天井へ向き、ぱっくりと口を広げてしまう。
 まんぐりがえし……あたしの腰に腕を回した宮村先生は、悶絶したくなるほど恥ずかしい格好をあたしに強要すると、片方の手で淫核を摘みながら、愛液にまみれたおマ○コへ舌先を捻じ込んできた。
「あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!」
 腰がどんなに暴れても、あたしの身体は力強く抱きしめられて束縛から抜け出せない。その間に、宮村先生は割れ目をネットリと舌の腹で嘗め回され、小さなダイヤルのようにクリトリスを捻り回される。
「………我慢できなかったんだ。相原が、何人もの男に弄ばれたと聞いて、想像して、怒りが湧き起こって……その何十倍も、興奮して、お前を犯したくて!」
「や、やめ、もう、また、イっちゃう、イっちゃう、ダメ、ダメぇえええええええええっ!!!」
 先生が勃起しきったクリトリスに強烈に吸い付いてくると、あたしは悲鳴じみた嬌声を迸らせた。
 下着という防波堤を失った股間からは、下にあるあたしの顔めがけて幾度も愛液が降り注ぐ。それでも先生は肉突起を舐めしゃぶり、膣口を舌先で押し広げ、とめどなく湧き出てくる愛液を音を立てて吸い上げてくる。
「あァ―――――――――――――――――――――――ッッッ!!!」
 ピンッと突っ張った足の先に壁が当たっているのに、それが右か左かもわからない。
「相原、相原……マ○コの中、スゴく熱いぞ。こんなに、お漏らしして、本当にエロくなったな!」
「せ……先生の馬鹿ァァァ! 中で、舌、動いてるぅ! もう、アアァ、アアアアアアアアアアぁああああああああああああああッ!!!」
 身体を真横にねじりながら、あたしは放尿のごとく愛液を噴き上げた。自分だけじゃなく先生の顔にまで愛液を撒き散らしながら一際大きく身体を震わせ………気づくと、ぺちぺちと先生に頬を叩かれていた。
「大丈夫か?」
「あ……あた…し………」
「悪い。少し苛め過ぎた。少し気を失ってただけだよ」
 そうなんだ……まだ身体には連続絶頂の余韻が残っており、呼吸も荒いまま。まるでテレビの電源が落ちるみたいにいきなり意識が飛んだので、イってすぐという感じに喘いでいる身体がどこか自分の身体じゃないような違和感を覚えてしまう。
「せんせぇ……んッ♪ あたし、気絶してたのに……んんっ、そんなに、乱暴にもまれたら……あっ、んんぅ……!」
「すまん。こんなに立派なものを見せられると、どうしてもな……」
 気を失ったあたしを心配してくれたのは本当だろうけれど、その手は熱を帯びて汗ばむ乳房をイヤらしくこね回している。
「もう……先生のエッチ……まさかそういう目で見てたなんて……」
「馬鹿言うな。お前だけだよ、相原」
 そう言いながら、先生の指はあたしの乳首をコリッと刺激する。
「きゃうううぅんっ……! だからって……あァ……こ、こりこりしちゃだめェ……また、あたし……あっ、あぁ、んっ、んんぅ………!!!」
「相原……」
「や、あ…あた、し…っ! こんな、に、感じて、ああっ、んんんゥ……!」
「安心しろ。全部俺に任せて……ほら、お前も触ってみるか?」
「え……あ、ウソ……こん…な………」
 乳首をこりこりと弄びながら、宮村先生は自分の股間へとあたしの手を導き……手の平に触れたその感触に、思わずあたしは息を飲んでいた。
 大きい……あまりにも大きすぎる。そして太い。
 触れた指先が火傷しそうなほどに熱を帯びている男根は、優しく包み込んだあたしの手を跳ね返すように力強い脈動を繰り返し、手の中がヌルヌルになるほどに大量の先走りを溢れさせている。
 握った指を根元から先端へと滑らせれば、浮き出た血管や張り出したカリ首、張り詰めきった亀頭の形が暗闇の中で脳裏に鮮明に描き出され、再びおマ○コに抜き差しされだした指の動きと重なり合うと、快感と興奮と期待とでキツく収縮したおマ○コから二度目の絶頂汁が音を立てて噴き上がってしまった。
「あ…ああっ、あ…あっ、んっ…セン…セェ……も…もう、あたし、んあっ! また、んんっ! ああああああァ〜〜〜〜〜〜!!!」
 脈打つヴァギナから滾りきった愛液が放たれる。
 固い床に後頭部を擦り付けるようにして頭を振ってよがり泣きながら、あたしは何度も心臓の鼓動を跳ね上げ、先生の指先にされるがままに繰り返し絶頂させられてしまう。
「ああ、あっ! んァあああああああああァァァ~〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
 火が出そうなほどに頬は熱くなり、涙を溢れさせ、押し殺せない声を快感のままに迸らせる。
 近所の人に気づかれないはずがない……そんな考えが脳裏をよぎって恥ずかしさがますます加速するけれど、宮村先生はそんなあたしにさらに声を上げさせようと膣内で指を蠢かせ、抽送し、たまらず狂おしいまでの悲鳴を迸らせて四肢を撃ち震わせた。
「スゴいな……ここまで濡れてるのを見るのは、さすがに初めてだ」
「ハッ!……ハァ!……ンッ!……ハァ、ハァ、ハ…ァ………」
 キツく緊縮しているおマ○コから指がチュポンと引き抜かれる……きっと垂れ落ちるほどに愛液にまみれてるんだろうなと思うと、暗闇でお互いの表情も良く分からないのに思わず顔を背けてしまう。もっと恥ずかしい想いを既にしてるのに……
「み…みやむらせんせぇ……も…あたし……これ以上イったら……も…ダメ……耐え…られな…ぃ………」
 卓越したテクでイかされる快感も、あられもない羞恥心も、そして男だったときの担任の先生に身体を弄ばれる倒錯感も……それら全てがない交ぜになって湧き上がってくる期待感に細い腰をくねらせ、膣の奥で子宮が戦慄いてしまう。
「せん、せぇ……きて………」
「言っておくけど……俺も我慢の限界だからな。優しくなんて、してやれないからな」
「センセェに……全部任せてるもん……だから、好きにして、センセェに、あたし、思いっきり愛されたいか…ら………♪」
 自分でとんでもなく恥ずかしいことを言っていると気づいたときにはもう遅い。
「―――………♪」
 暗闇の中で引きちぎるようにシャツを脱ぎ、ズボンとパンツを蹴り飛ばすように脱ぎ捨てた宮村先生は、膣口へ肉棒の先端を押し当ててきた。
 ゴクッと、ノドの鳴る音が聞こえた。……あたしだけじゃなくて、先生も緊張しているんだとわかると、不意に口元に笑みが浮かんでしまい、床に手を着いて前かがみになっている宮村先生の首に腕を回し、引き寄せて、自分から唇に吸い付いていた。
 そして、
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!」
 膣口に力が加えられたかと思うと、狭い入り口を押し広げた先生の肉棒が荒々しく一直線にあたしのヴァギナを貫き、先端を子宮口へと叩きつけてきた。
「ん…んあァ……お…奥に……んあッ! も、もっと、やさしく、ダメ、そんな、はげしいのォ!!!」
「む、無理だ、止まれるもんか、相原のマ○コが、締め付けてきて、く…くぅうぅぅぅっ! ああ、おかしくなりそうだ、相原、行くぞ、受け止めてくれッ!!!」
「くぁあああああ……ッ! ダメって、言ってるのに、ふぁあああああああああああぁぁぁぁんんんっ!!!」
 あたしの耳に荒い息を吐きかけながら、宮村先生が乱暴に腰を振りたくる。
 巨大なチ○ポにあたしのおマ○コは蹂躙され、押し広げられ、左右がすぐ壁の狭い玄関に木霊するほどに愛液をかき回され……それなのにあたしは信じられないぐらいの巨根が抜き差しされているのに口元に笑みが浮かぶのをこらえられなくて、熱く滾ったおマ○コからブジュッ…ブジュッ…と音を立てて大量の愛液を溢れさせていた。
「ダメェェェ! もっと、ゆっくりィ! じゃなきゃ、あ…あたしぃいいいいいっ!!!」
「ダメとか言いながら、気持ちよさそうじゃないか。もっとこうして欲しいんだろ? そらッ!!!」
「くァアアアあぁあぁぁぁあああああぁぁァアアアァァァァァ!!!」
 宮村先生が身体を起こし、あたしの腰を掴んで一際力強くチ○ポを捻じ込んできた。
 あんなに周りから慕われていた優しい宮村先生とは思えないほどに、乱暴に、荒々しく、おマ○コの肉ヒダがめくれあがるほどに激しくペ○スを突き入れてくる。そして不意に動きを止めたかと思えば円を描くように腰を動かしてヴァギナの奥をかき回し、強弱をつけた快感にあたしは是も非もなく翻弄されてしまっていた。
「んあっ、んあっ、んあぁああああああああああああああああッ!!!」
 喘ぐようにノドを動かしても、ピストンの衝撃でろくに息を吸うことも出来ない。張りのあるバスとを重たげに弾ませ、感じる場所を深く抉られると痛いぐらいに膨らみきった尿道口からシュパッと鋭く絶頂汁が迸る。
「セン…セェ………!!!」
 もう、とまれない。
 バラバラになりそうな身体を押さえ込むように胸の下で身体を抱きしめ、先生の腰に絡みつかせた両脚に力をこめる。
 先生の巨根は、もう根元まであたしのおマ○コに捻じ込まれていた。深く強く押し込まれた分だけ子宮を突き上げられ、苦しいはずなのに……もう、止まれない、抑えきれない、先生、愛してる、男になんて戻れなくてもいいから、このまま、ずっと、んァあああああああああああああああああああッ!!!
「くっ! うォおっ!? 相原、締め付けが……!」
 だって! 我慢できないんだもん! ああ、もうあたし、このまま死んじゃうゥ! ああァ、んあァん! イく、イくぅぅぅ! もう、許して、センセェ、イっちゃう、あたし、こんな、スケベじゃないのに、先生だから、先生に抱かれてるから! だからキてェ! あたしの膣内(なか)に! おマ○コに! 抜かないで! そのまま出してッ! 先生、愛してる、愛してるのォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
 ピストンのストロークがさらに加速し、短いストロークに切り替わると、続けざま揺さぶられる子宮から訳が分からなくなるほどの快感が込みあがってくる。
「相原、イくぞ、射精(だ)すぞ! ウォオオオオオオオオオオッ!!!」
「んハァああああああああっ! 壊れ、ちゃう、のに、気持ちイイのぉ! こんなの、初めて、ああ、イっちゃう、イっちゃうぅぅぅううううううううううッ!!!」
 その瞬間、腰がぶつかり合うほど強烈に叩きつけられた宮村先生の肉棒がおマ○コの中でブワッと膨張したかと思うと、
「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ッ!!!」
 声にならない声を迸らせ、背中を弓のように反り返らせたあたしの膣内へ熱い精液を迸らせた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜ゥ! ―――ッ! 〜〜〜〜〜〜………ッッッ!!!」
 ペ○スが大きく脈動するたびに、スゴい量の精液があたしの身体の奥へと流し込まれる。
 それをガクガク身体を震わせ、よだれにまみれた唇をだらしなく開いて放心しながら受け止めていると、宮村先生が覆いかぶさってきてより深くペ○スの先端を子宮の入り口へと押し付けてきた。………あたしを、孕ませようとして。
「相原………」
 あたしの名前が耳元でささやかれると、ドクンと胸が大きく弾んだ。
「んっ………」
 先生も、満足してくれた……元々は男であるという抵抗感も今ではどこかに消え去り、こうして二人で満ち足りたSEXが出来たことがスゴくうれしくて、あたしは顔を横に向け、宮村先生の頬に唇を押し付けた。
「こんなに膣内(なか)に出して……できちゃったら、どうします?」
 もうずっと女のままでいい……だから、愛しい人の子供が出来たらな〜という気持ちで聞いてみると、先生は小さく笑い、あたしを抱きしめる腕に力を込めてくれる。
 これが女の幸せなのかな……と心が満たされていく反面、あたしにはまだまだ不満があった。それは、
「先生……背中とか腰とか頭が痛いんだけど?」
 玄関の固い床の上で激しくエッチしたので、あちこち痛い。
 だから、
「次は……ちゃんとベッドの上で愛してくれますか?」
 自分でも信じられないくらいに、幸福の余韻を含んだ甘く蕩けるような囁き声。
 濡れた唇が耳たぶに触れそうなほどに近くでそう呟くと、あたしのおマ○コに挿入されたままになっているペ○スが大きく脈打ち、二回戦への期待で熱くなっちゃったおマ○コの中で瞬く間に硬さを取り戻してしまった。
「いやらしいな、相原は……」
 自分でもショックを感じるぐらい驚いてるけど……先生を、男の人を好きになれたことで、ちょっとだけ素直になれたんだと思う。
 とまあ、衣服を着たままエッチを受け入れちゃった自分自身に言い訳をしていると、意外に逞しい先生の腕があたしの背中へ回され、そのままグイッと身体を引き起こされた。
「んあッ………!」
 繋がったまま対面座位へと移行すると、自分の体重が先生との結合部へ一気に押しかかり、精液にまみれたおマ○コがギュッと緊縮した。
「それじゃあいやらしい相原には、先生として色々と教えてやらないとな。朝までタップリ男のよさを教えてやるよ」
「や、やだ、もう! 先生のバカ、エッチ……スケベ……………ちゃんと責任、とってね♪」
 互いに唇から突き出した舌をネットリと絡ませあい、零れ落ちる唾液をすするように唇を絡ませる。
 そして、しがみつくあたしのお尻に手をかけた先生はそのまま立ち上がり、


 グキッ


 と鈍い音を響かせた………


 −*−


「軽いぎっくり腰だね。二〜三日入院して様子を見よっか」
 深夜に救急車で運ばれ、即入院。
 まあ急に激しい運動したり、日ごろの運動不足がたったのか。とにもかくにも、付き添いとして病院で一夜を明かしたあたしは、
「すまんが明日の引率、相原一人にやってもらわなきゃならなくなった……」
「んっ、んふっ…ちゅ……ちゅる……れろ……はぁ……んん………」
「き、聞いてるのか…な、相…原………うううッ!」
 大部屋をカーテンで区切っただけの狭い空間の中で、あたしは宮村先生の股間に顔をうずめ、巨根を口の中いっぱいに頬張って嘗め回していた。亀頭をノドの奥で締め付けると、とめどなく先走りの汁を溢れさせる先端に舌先を滑らせ、音を立てて啜りとる。そして小刻みに舌を蠢かせて上下に頭を振ると、先生のペ○スにビクッと痙攣が走ったので、そこであたしは口を離して顔を上げた。
「お前、そこでやめるのか……!?」
「だって先生……責任とってくれなかったんだもん」
 そりゃいきなりぎっくり腰で先生が大変なのは分かる。朝からあちこちに連絡してテニス部の引率を変わってもらえる人を探したけれど、昨日の今日でそんな話を引き受けてくれそうなのは当の宮村先生ぐらいのもの。仕方なく、もともと同行する予定だったあたしに引率代理としてお鉢が回ってきたんだけれど、それと身体の火照りは別問題だ。
 エッチを受け入れる抵抗感が薄くなったような……宮村先生に抱かれ、男の人に愛情を感じられるようになったのと共に女の快感を抵抗なく受け入れられるようになると、途端にSEXに対する抵抗感や罪悪感まで薄れてしまい、頭の中がピンク色のまま悶々とした夜を過ごすハメになってしまった。
 もしもこんな状態で本当に宮村先生に一晩中愛されていたら、あの巨根でズコバコ犯されていたら、きっと身も心も宮村先生のモノにされていたと思う。
 でも、
「んあっ、あッ、んッ、んうゥ! わ…わかってる……ちゃんと、センセェの、かわり、シて…クゥうううっ!」
 背後からバシンバシンと肉のぶつかり合う音が響き、あたしの身体が前後に揺さぶられる。開いたブラウスの胸元から露わにした乳房は既にブラをたくし上げられていて、ベッドに仰向けに固定されたまま責めるようでいて羨ましそうな眼をしている宮村先生の前で激しく弾んでいた。
「あッ! んっ! ちゃ…ちゃんと、先生にも、して、あげるから、だから、許して、愛してる、一番愛してるからァ……!」
 唾液にぬめる先生のおチ○チンをしごきながら、あたしは気持ちよすぎて涙が溢れそうになっている瞳を背後へと向けた。
 窓から差し込む光が透けているカーテンには、あたしのおマ○コへ二週間性欲を溜め込んだ男の姿がくっきりと浮かび上がっている。
 そして先生にフェラするために後ろへ突き出したあたしの下半身は、カーテンの向こう側で下着をずり下ろされ、誰のチ○ポでもさらに感じるようになってしまったおマ○コに名前も知らない人の肉棒を捻じ込まれ、もう何度もアクメを迎えてしまっていた。
「も、もう、三回なの、三回、膣出しされたのに、硬い、まんまなの、んっ! あぁん! あ、あァ、そこ、ダメ、セン、セッ、ちょっと、待ってて、すぐ、イく……イく、からぁ……!」
 昨晩の宮村先生に出されたのより大量の精液で満たされた子宮を突き上げられ、おマ○コから床へザーメンをポタポタ滴らせながら、おマ○コを昨晩以上に戦慄かせる。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜………!!!」
 射精(だ)しても射精(だ)しても、後ろの人はあたしのおマ○コへチ○ポを突きたててくる。ここがカーテンで仕切られただけの病室だなんてお構いなしに、サルのように腰を振って射精することに耽っていた。
「ダメェェェ……! イク、イク、イクッ、イくゥ……! んぅうぅぅぅぅぅ………!!!」
 宮村先生のおチ○チンを握り締めたまま、シーツに顔をうずめて声を押し殺しながら腰を震わせてイき悶える。
 お腹の中はザーメンでいっぱいで……スゴく熱い。お互いの絶頂直後におマ○コに力を入れて絞りたててみると、残ったザーメンがビュクッと吐き出され、あたしはまた軽く昇りつめながら、宮村先生には味合わせてもらえなかった幸福感に酔いしれてしまう。
 そして、オルガズムの余韻に浸っていたあたしは、カーテンの向こうからの強く引き寄せる力に抗えなかった。
「きゃっ……!」
 引き込まれるそのままの勢いで隣のベッドに押し倒された。そして覆いかぶさってきた隣の患者さんに濃厚なキスで唇を塞がれると、お漏らしするかのように大量の精液を溢れさせているおマ○コへ再び肉棒を捻じ込まれた。
「んんんんんんんんんんゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
 なんんども膣内射精を繰り返され、荒々しいSEXにおマ○コをかき回され、治まる暇がないほどに続けざまに絶頂を迎えていた。
 汗が止まらず、ノドが乾き、それでもおマ○コからは愛液と粘つく摩擦音が止まらない。
 すぐ隣で、あんなに愛を確かめ合った宮村先生がいるのに……全てを聞かれ、全てを知られ、あたしのおマ○コはビクビクと震えながら、精液を搾り取るように肉棒を締め上げる。
「ハァ……ハァ………スゴ……ィ………」
 やっと溜め込んでいたものを全て吐き出したのか、男性はあたしの乳房に顔をうずめ、気を失いかけていた。
 おチ○チンの大きさと激しかったSEXの割りに、明らかに年下の可愛らしい顔をしていた彼をベッドに優しく横たわらせる。そして、なんでこんなにも満足感を得ているのだろうかと自分に嫌悪感を抱きつつも、宮村先生のベッドに戻ろうとしたところで、あるものに目をとめてしまった。
「やだ………♪」
 宮村先生のいるほうとは反対のベッドとの間仕切りのカーテン。それが急角度で勃起した浅黒い肉棒によってたくし上げられていた。
 次は、あの人と………宮村先生が隣で、勃起したままあたしの帰りを待っているのに、激しく犯されて疲れているのに、見知らぬ人のチ○ポを眼にした途端にあたしの身体の奥で性欲がドクンと脈打つように沸き起こる。
「ん………」
 その衝動を抑えきれない。
 あたしはごくりとノドを鳴らすと、宮村先生のいる方とは逆側へとベッドを降りる。
 大きく高鳴る胸の先端は硬く尖り、胸の膨らみは今にも母乳が迸りそうなほどに興奮して張り詰めている。
「ふふっ………♪」
 思わず、笑みがこぼれてしまう。
 あんなにも、男性に求められ、男性に犯されることを苦痛に感じていたのに、宮村先生に抱かれて女の悦びを受け入れられるようになると、なんだか歯止めが利かなくなったみたいにSEXがしたくなる。頭の中がボォ…として、気持ちいいことをしたくてしたくてたまらなくなってくる。
 宮村先生、ごめんね……本当に好きだって言えるのは先生だけなのに、あたしはエッチなことしか考えられない。
 床に跪いて、おチ○チンにそっと手を添えると、満足に洗えておらず異臭を放つ肉茎に唾液にまみれた舌先を滑らせていた。
 ツンッとしたオシッコ臭さが……先走りの汁から滲む生臭さが……今では甘美な香りとなってあたしの中へ入り込み、身体の新から疼かせ、とめどない火照りを沸き起こらせる。
「こんなにして……いやらしいんだから………」
 それはあたしの方なんだけど……タップリと唾液をまぶしたチ○ポから唇を離すと、人差し指で裏筋をくすぐりながら、とろけた眼差しで亀頭を見つめていた………


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