46 - 「XCmas2012 サンタがおもちゃを買いにやってきた!(後編)」
「んイィィィ! あアァアアアっ!!!」
張り詰めていた乳房を揉み潰され、無遠慮に恥丘のふくらみに触れられたあたしは、細く整ったアゴを前に突き出すようにしながら、ビクンビクンとサンタコスに身を包んだ身体を激しく戦慄かせた。
突然お金を払ってくれた相手の指は、あたしなんかよりもずっと太く、女性に触ることに慣れていないのが丸分かりのたどたどしい動きだ。けど……その太い指が下着に包まれていない淫唇をこじ開け、粘膜もクリトリスもお構いなしに乱暴に擦り上げてくると、まるで火でも噴いたかのようにあたしの股間は一気に発情した。まるで電極を直接押し当てられたみたいにヴァギナが一気に緊縮すると、男性客の腕の中で何度もヒップを跳ね上げ、膣奥で煮えたぎっていた愛液を大量に噴出してしまっていた。
「す、ススススゴい、おっぱいもおマ○コも、どっちも俺の手に吸い付いて、も、持ちきれないよ。へへ、お、お金払ったんだから、お前はもう、オレのものだからな、変態女……!」
目の前のレジでは、衝立で顔の隠れた店員さんが、店内でいきなり始まった行為に声も上げられず、ただただ立ち尽くしている。
でも、驚いているのはあたしだって同じなのに……服の上から分かるほどに乳首を硬く尖らせ、誰かに襲われること予想していなかったわけじゃないけれど、他の人がいる場所で始められてしまう予想外のハプニングに、露出行為で昂ぶり続けた身体を抑えるタイミングを逃していた。
―――お、男に犯されるのなんて、も…もうイヤ……なのにぃ……!
男性客は“あたし”と言う極上のクリスマスプレゼントを手に入れたことで欲望に歯止めが効かなくなっているのか、力を加減せず、あたしの敏感な場所を責め立ててくる。どんなに大きな手の平でも収まりきらない豊かな乳房をキツく揉み絞られ、敏感な先端部分を乳肉へ押し返すように乳輪へ指先が突き立てられれば、あたしの唇からは悩ましい声が否応なしにこぼれ出し、ひそかに待ち望んでいた直接的な刺激をむさぼるように身体の震えは激しさを増していく。
他にもいる店内の客の目に晒されながらも、ミニスカートがヘソまで捲くれ上がってむき出しになった太ももの付け根も、脈打つたびに愛液を溢れさせる恥丘の膨らみも隠すことが出来ないハズかしさに、あたしは涙をこぼしながら声を上ずらせていた。男の手指ではトドメ切れない愛液が太ももから膝へとダラダラと滴り落ち、それでも何とかしようと股間に力を込めれば、下腹部が際限なく熱くなり、今にも頂点を極めんばかりに痙攣を繰り返してしまっている。
「―――ふあァん!!! イッ、く…うううっ! はうっ! ああっ、そこ、ぬ、抜い…んああああああああっ、イく、イくぅぅぅ〜〜〜〜〜〜!!!」
おもむろに、あたしの膣内へ男性客の指先がねじ込まれる。しかも二本も。膣口を探り当てた指先がそのまま入り口を押し広げ、ジュブブブブッ…と卑猥な音を周囲に撒き散らしながら根元まで突き入れられると、想像以上の下腹部の圧迫感に、あたしはサンタ帽を揺らすほどに頭を振り、何度も意識を飛ばしながら喉を震わせてしまっていた。
「気持ち、い、いいだろ? こうやって、たっぷり愛撫、してから、オレの、俺のチ○ポで、タップリ犯してやるから……!」
―――そんな、そんな乱暴に、あたしの膣内(なか)、かき…かき回さないでぇぇぇ!!!
狭く、しまりの強いあたしのヴァギナに、男の指二本はかなりキツい。とても愛撫とは呼べないけれど、それでも女になってから幾度となく犯され、悦びをたっぷり教え込まれてきた膣穴は、責め立ててくる指に壊れることもなく、同性に嬲られる汚辱感とそれを上回りそうな恍惚の狭間で、もう押さえられない緊縮を繰り返しながら昇りつめてしまう。
「イッ…くゥ! んアッ、アッ、あっあ、もう、止まんな、ナあッ! もうやめ、ラメェエエエッ!!!」
「イった!? イったよね。おマ○コビクビクさせて、本当に、オ、俺の手でイったんだ、イかせたんだ……!」
―――ど…して……女の身体の快感なんて、どうして、こんな、す…スゴすぎて、声、が、我慢できないのよぉ!!!
男の身体では決して味わうことの出来ない身も心もバラバラに吹き飛ぶようなオルガズム。店内で他の人にも視姦されながらの恥辱行為に乳首を捻りあげられながら悶え泣く。膣奥とザラッとした膣の天井を容赦なく蹂躙する指をダラダラ愛液を垂らしながら貪欲に締め上げ、ついには精液ミルク欲しさに子宮が大きくうねり始めてしまうと、子宮口の周囲をグチャグチャ攪拌していた男は不意にあたしの身体をレジの上へと突き倒した。
「きゃあっ!」
「も、もう我慢できない。へ…へへへ、淫乱な変態サンタは、今すぐここで犯してやる……!」
―――あ、頭の中、現実とAVがごちゃ混ぜになってるんじゃないの!?
もう気が狂っているとしか思えない言動に、ゾクッとする冷たい震えが背筋を走る。
「やめて! おねがい、正気に戻って!」
「うるさい! お前は俺が買ったんだ。だからオレに口答えするなよ、淫乱サンタ! どうせAVの撮影なんだろ、だったら、お、おとなしく犯らせろよ!」
身体を仰向けにされ、レジに後ろ肘をついて仰け反るような姿勢をとらされる。自然とむき出しになった恥丘を突き出され、恥ずかしさを覚える間もなく男の手で引きちぎらんばかりの勢いでサンタコスのトップをめくり上げられ、張り詰めた乳房までも露わにされる。
―――こんなところで犯されるなんて……
恥ずかしさをこらえきれず、唇を噛み締めながら男性客から顔を逸らす。すぐ前では男がベルトをハズし、勃起しきったペ○スを取り出そうとしているけれど、自分が犯される瞬間から、こんな滅茶苦茶な現実からも逃れたいという表れだったのかもしれないけれど、そこであたしは、レジの衝立を越えて、ジッと無言を貫いていたレジ店員の姿を視界の端に捉えてしまう。
「―――お客さん、そういう行為を店内でされると困ります。営業妨害ですよ」
あたしの膝を割り、店内であたしの肢体を見ながら興奮を募らせていた醜悪な勃起ペ○スを取り出した男に、背後から店員が声をかける。
「うるさいなァ、お前は黙って―――」
「言っときますけど、AVの撮影なんてやってませんからね。防犯カメラの画像、警察に出したら営業妨害どころか婦女暴行とか猥褻物陳列罪で捕まっちゃいますよ、お客さん」
どこか楽しそうに店員がそういうと、そそり立つ欲棒を握り締めたまま男が歯軋りをする。
―――でも、あたしを助けてくれたわけじゃない。この店員さん……
店員の浮かべている顔には、男性客に引けをとらないほどにギラギラとした欲望が漲っている。けどそれは直接的な性欲じゃなくて、嬲られるあたしの姿を見て愉悦を覚えている顔だ。
「―――うちはラブホテルじゃないんですから。楽しむんなら、ちゃんとうちの商品を“買って”くれないと」
そういってレジの下から取り出したのは、あたしが買ったのとは別のバイブやローターやら。まだパッケージに入ったままの新品のそれをカウンターに並べると、
「よし、それ、俺が買った!」
「だったら俺はこっちだ。へへへ、話の分かる店員さんだな!」
あたしと同じように「警察」と言う言葉で動きを押しのけ、他に二人いた男性客が叩きつけるようにカウンターへ一万円札を置く。それと交換に、それぞれが20センチを超える透明な極太ディルドーと、スイッチを入れると高周波のような振動音を響かせるイボつきバイブを手にし、
―――ジュブ
「くァああああああああああああああァん!!!」
とても膣内に収まりきらないような極太のディルドーが、強引に根元までねじ込まれる。あたしの膝を抱え、クリトリスに吸い付きながら、ドロドロの愛液まみれになった淫唇を割り開くと、男は肉茎にゴツゴツとした血管まで再現したディルドーを激しく前後に抽送する。
「くうううっ、いった…んんっ! ハァ、ハァ、太……んイッ! ああ、キツいぃぃぃ!!!」
クリトリスを刺激されるたびにディルドーを食い閉めるヴァギナを、硬くて冷たい異物が深々と貫いてくる。
少しでも楽になろうとして、身体は肘をついたまま弓のように反り返らせても、深々と膣肉に食い込むディルドーは絶頂を迎えてから痙攣がおさまっていない子宮口を突き上げてくる。肉ヒダがゴリゴリと掻き抉られ、とめどなく溢れ出る愛液が掻き出され、あまりの苦痛と圧迫感と恥ずかしさに、紅潮した肌に汗が滲み出してきてしまうほどだ。
「もう、やめて、おねが…おねがいしますぅ! こわれ、あたし、そんなに深いの、深く突かれるの、ああ、んあああああッ!!!」
「ヤらしいおマ○コしてるよな。真っ赤な膣肉がグチュグチュ蠢いてるのがよ〜く見えるぜ」
「や…やだぁ……見ないで…見ないでよぉ……」
自分でも見たことのない蜜壷の奥の奥にまで、食い入るように男が視線を注ぎこんでいる。
―――あたしの“オンナ”になってるアソコが……の、覗き込まれてる……イきっぱなしになってるのに、全部、あたしの全部が……あああァ……!
首がカクッと後ろへ仰け反ると、あたしの身体はレジの上へそのまま倒れこむ。荒い息を吐きながら、覗き込まれることでカッと熱くなってしまっているヴァギナの狂うおしさを堪えていると、三人目の男性客が振動を“最強”にしたバイブの先端をあたしの乳房の先端へ押し付けてきた。
「ふあああぁ、ああァ! ああああぁ! おっぱいが、おっぱいがラメェ! は、はげし、んあああああぁラメラメラメェェェ! そこまで責められたら、あたしもう、イっちゃう、イっちゃうゥ、イヤ、いやいやいやいやいやいやああああああああ――――――ッ!!!」
「スッゲェ、おっぱいがブルブル震えてやがる。どうだい、おっぱい犯される気分は。そら、もう一個サービスだよ!」
「くふぅぅぅぅぅん!!!」
もう片方の先端には小さなピンクローターだ。それをグリグリと乳輪ごと乳肉の内側へと押し込まれると、微妙に異なる二種類の振動が同時にあたしの乳房を芯まで震わせる。涙交じりのイキ声を上げながらも、身体の上で弾む二つの膨らみからもたらされる強烈な振動で全身が緊縮し、アダルトグッズ店に来るほどに性欲を持て余した男性たちに全身を弄ばれながら濃厚な絶頂汁を恥知らずなまでに溢れさせてしまっていた。
「さーて、うちの店で散々楽しんでるんだ。場所代代わりに、俺も楽しませてくれるかな」
踏み台を用意し、あたしの顔と腰の高さをあわせて店員がビンビンに勃起したペ○スを鼻先に突きつけてくる。
「んっ…ぁ……お、おチ○…チン……ぁ…ぁあ……!」
イき狂いっぱなしで頭の中が恍惚で埋め尽くされようとしているあたしは、ムワッとする発情したオスのチーズ臭に、まるで酔っ払ったみたいに生唾の溜まった口壷を開いてしまっていた。斜め上に向けて開いた唇からは艶かましい熱気と湯気が立ち上り、近づいてくる亀頭に下を伸ばして絡めとるのと同時に、
「ダ…ダメ、入れちゃダメぇぇぇ!!!」
いきなり下腹部からディルドーが引き抜かれ、最初にあたしの身体を弄った男性客が、まるでツチノコのように醜悪で、けれど巨大なペ○スをあたしの膣の入り口へと押し当ててきた。
「な、なに言ってるんだ。チ○ポ漁りがしたくて、こんなエロい格好で俺たちのところにきたくせに!」
「そうそう、うちの店もいい迷惑ですよ。だから迷惑料代わりに、さっさと咥えろよ、この淫乱サンタ!」
―――ち、ちがうのにぃ〜〜〜!!!
あたしの涙ながらの訴えは、暴走した男性たちの耳には届かない……そしてあたしの身体もまた、血の通っていないおもちゃで弄ばれるだけじゃなくて、火傷するぐらいに熱い肉棒で熱いザーメンを注ぎ込んで欲しいと子宮をヒクヒクと蠢かせてしまっていた。
―――い…いや……あたし、おとこに戻りたくて…だから、こんな恥ずかしい思いも我慢したのに……!
だたひとつの大切な願いさえもかなわぬままに、アゴをつかまれて唇に亀頭を押し付けられ、腰を抱えられて淫唇に射精口を押し付けられると、男たちはためらいもせず、あたしの中へ生殖器で押し入ってきた。
「んぶぅうううっ! んんッ! んふゥウウウゥ〜〜〜!!!」
「おぉおおお、この女、可愛い顔に似合わずフェラ慣れしてやがる。舌が絡み付いてきて、あっという間に吸い出されそう……!」
「おま○、おま○、おマ○コ、これが女のおマ○コかァ……!」
「なんだよニイちゃん、童貞だったのか? 童貞卒業させてもらって、エロエロサンタに感謝だな」
「ヒ…ヒダが、おマ○コが絡み付いてきてスゲェ……滅茶苦茶きもちいいいいいいいッ!!!」
人生初めての女性器の感触に……しかも名器名器とこぞて言われるあたしのヴァギナに、男は我を忘れ、激しく腰を叩きつけてくる。
「んグゥウウウウウッ!!!」
男の下腹とあたしの恥丘がぶつかり、粘膜が擦れ、はしたない汁が周囲に飛び散る。あたしの膣内はところかまわず突きまられ、グチュグチュとなる愛液の音にあわせて堪えきれずにあたしの腰も震えてしまう。
―――んあああああっ! イク、またいっちゃうゥ! こんなの、こんなのってないよぉ!!!
唇とヴァギナを硬い肉棒で犯されながら、さらに左右から伸びた手は、握り締めたバイブやディルドーでさらにあたしの胸やアナルを責め立てる。
どんなに涙を流して拒もうとも、喉の奥、膣の奥まで蹂躙される快感にあたしの身体は逆らえない。クリスマスに好きな人と過ごすこともままならず、名前も知らない男性たちにいい様に犯されながらも、あたしはこぼれそうになる唾液を啜って卑猥な音を響かせ、精液を搾り取ろうとするヴァギナを深々と抉られる快感に肉ヒダの一枚一枚まで震わせてペ○スを絞り上げてしまう。
―――んはァん! あ、アんぅ…どうしていつも、おチ○チンで犯されるとあたしはァ……!
キュンキュンと収縮を繰り返している子宮へ亀頭を叩きつけられるそのたびに、犯される恐怖も汚辱感も忘れるぐらいに頭の中がSEXの快楽で埋め尽くされる。いつしか両手にまで残り二人のペ○スを握らされていたあたしは、口の中を埋め尽くしている肉棒にネットリと舌を絡ませ、鐘のように身体の内側で鳴り響く粘膜の擦れる音にあわせて肉棒をすすり上げていた。
―――ああァ、ああァ、あたしの中でおチ○チンが、跳ね回って、擦れて、あt…あたし、恐いぐらいに、また、また、壊れちゃうよぉぉぉ―――――――――ッ!!!
「くうぅ、だ、出すぞ、僕のマ○コだ、一発で受精させて、俺専用のマ○コにしてやるからな……!」
―――だめぇ……あたし、元の身体に、戻るの……なのに膣内に出されたら、射精されたら、あたし。このまま、赤ちゃん? こんなやつの、赤ちゃんなんて、ダメ、絶対にイヤ…なの、にぃぃぃいいいいいッ!!!
あたしの口の中と膣内で、日本の肉棒が脈動を早めていく。これで最後とばかりに男性客と店員は腰の動きを加速させ、グッと力強く、肉棒の先端を子宮の奥へと押し込み―――そこで限界に達して、熱い精液をあたしの胎内へと一気にぶちまけた。
「んふぅうぅぅぅぅぅ!!! んんっ、ん、ムッ、ンむぅうううっ! んあっ、んあああああっ! 出て、でてるのぉ、あたしのおマ○コに、いっぱい出されて……ああ、あっついのが、あっついので、イク、イクゥウゥゥゥウウウウウウウウッ!!!」
絶頂に告ぐ絶頂に耐え切れず、さかさまになった頭を激しく揺らして悶えながら口内のペ○スを吐き出し、お腹の一番深い場所にある子宮の内側へ濃厚なザーメンを吐きかけられる衝撃に全身を打ち震わせる。まるで本当に大人の玩具のように自分本位の犯され方をしたのに、大量の愛液を潮噴かせ、最後の一滴まで吸いたてるようにヴァギナを蠢動させる。
「あ……イっちゃ……ァ……ああ……あた、し……ん、クッ……んぅうぅ……」
密着する子宮口と射精口が長い時間をかけて精液の受け渡しを行い、それを終えると名残惜しそうに、作成運動を繰り返すヴァギナから男のペ○スが引きずり出される。すると男はそのまま後ろへ二歩散歩とよろけると、棚に背中を預けながらヘナヘナと床に崩れ落ちた。
「ふえぇぇぇ……す、すごかった……オナホなんか、全然比べ物にならないぐらい、き…気持ちよかった……」
「じゃあ次は俺だな。ほらほら淫売サンタさんよ、休んでる暇なんてないぜ。俺たちと楽しいクリスマスを過ごそうじゃないか」
「だったら今度は、そのデカパイで挟んでもらうかな。フェラで最後までしてもらいたいけど、この胸を味あわない手はないからな」
「その前に、この子が買った玩具を全部試すってのは? せっかく高い“買い物”をしたんだから、その分楽しませようぜ」
―――も……勝手にすれば……いいじゃない……
ようやくローターとバイブの振動から胸が開放され、アナルに押し込まれた異物だけになってようやく一息つけたあたしの胸は、もう“間に合わない”という諦めの気持ちで埋め尽くされていた。
弱々しくて今にも砕けそうな心には奮い立たず、今度は別の男に身体を開かされ、顔の上をまたぐようにして店員が胸の間へペ○スを差し入れてきて……踏みにじられたあたしのささやかな“幸せ”は時間が建つほどに白く汚されていく―――
「へへ、生まれてくる赤ん坊は、俺たちのうちの誰の子供だろうな」
「ま、誰も認知なんてしないけどな。くくく、俺たちからのプレゼントだから、喜んで産めよな、アダルトグッズ屋で種付けされた赤ん坊をよ!」
床に引きずりおろされたあたしに、かわるがわる覆いかぶさってくる男たち。
いつしか新しく訪れた客も加わり、店内にあらゆるアダルトグッズの実験台にされる……クリスマスが過ぎても終わることのない“パーティー”の主役として、あたしは浴びせかけられる真っ白いザーメンをいつまでも受け止めさせられ続けた………
−*−
「財布の一円も入ってないって、どういうことよぉぉぉぉぉ!!!」
正月も間近になって、ようやく男たちのもとから逃げ出せたあたしは、ボロボロのサンタコスのままで「アダルトグッズを買ってくるように」依頼した“赤い服を着た老人”のところを訪れ、その首を締め上げていた。
「ぬぉおおおおおおおおおっ! 違う、手違い、あれは日本に来たとき、可愛い子がいっぱいいるお店があったからついフラフラと入って―――!」
「それでプレゼント購入資金を使いこんだんでしょうがァ! おかげであたしが、どれだけつらくて悲惨な目に遭ったと思ってるゥ!!!」
「ヘルプミー! い、いたいけな老人は大切にせんといかんのよ。これって万国共通じゃろうもん!?」
どこをどう見たらいたいけだ。お腹は出ていて、何十キロもある白い袋を担いで世界中を飛び回り、トナカイに引かせたソリを巧みに操るこの老人のどこが!
「あんたがいたいけでもなんでもど―――っでもいいけど、明日香に絶縁状叩きつけられたのよ!? クリスマス、他の男に誘われたっていってたのよ!? これどーすんの? あんたが風俗でお金使って、そのツケをあたしに何倍にもして押し付けて、このままで済むと思ってんの!? 思ってないよね!? あたし、今回だけは何するか自分でも分からないからね!?」
「わ、わかってます、わかりましたから、男に戻る薬、ちゃんと用意しますから!」
―――そう。それをえさに釣られて、悪乗りされてあんなスケベな格好させられて……ああ、もう、道端でこんなやつを見つけるんじゃなかった。おかげであたしはァ……!
本当なら、一時間もかからずに済むアルバイトだったのだ。最近はませた子供が多くなったらしく、エッチな本で覚えた大人の玩具を希望される場合が少なからずあるらしい。そのリサーチに協力するため、わざわざ指定のエロサンタの姿で買い物に行かされ……そして、ようやく帰ってこれたというわけだ。
帰りは遅くなったし、明日香との仲が非常に険悪なものになってしまったものの、あたしの足元には“使用済”ではあるものの、頼まれたグッズが一揃い詰まった袋が置いてある。これと引き換えに、クリスマスイブには男に戻って、ラブラブな夜を迎える予定だったのだ。もはや手遅れかもしれないものの、せめて元の姿に戻れなくては悔やみきれない。
「ではまあ、たくやちゃんご所望の薬じゃけど、ちゃんと用意するから安心せい。約束どおりクリスマスイブまでに―――おお、今年のイブは、とっくの昔に終わっておるの。んじゃ来年な」
………こらまて。
「イブの前に持ってきてくれておったらの〜。でも大変な目に遭うたわけじゃし、ワシとて鬼じゃない。来年のクリスマスイブ、たくやちゃんが寝静まったら、その枕元にワシ特性の男の身体へ戻る薬をプレゼンドブハァアアアッ!!!」
6万3千8百円のアダルトグッズのフルスイングが、立派なおひげの老人の顔にストライク、ホームラン、バッターアウト。トナカイじゃないけど、打たれて鼻を真っ赤にした老人はそのまま床へひっくり返り、あたしは、
「し…死んでやるぅ―――! あんたをトナカイのエサにしたら女のままで死んでやるんだからァ! うえぇ〜〜〜〜〜ん!!!」
「ブンブンブン!(訳:ちょっとたくやさん、いくらなんでもそんな爺さんのお肉なんて食べたくないです、お腹壊しますから!)」
「ワシの力はクリスマスだけなんじゃも―――ん! よし、トナカイ、逃げるぞい!」
そういって窓から飛び出した老人。あたしは慌てて窓辺に駆け寄ると、手にした6万3千8百円のグッズを逃げていく後姿の後頭部めがけて投げつけた。
「あたしの幸せを返せ、こんっちくしょ―――――――――――――――――――――!!!」
ストライク、滑り込み、バッターアウト。
アスファルトの地面に顔から突っ込んだ主犯格。大急ぎで外へ飛び出したあたしは、悲惨なクリスマスをプレゼントしてくれた相手の股間に、情け容赦なくつま先蹴りを叩き込んだのであった。
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