サクラ大戦「初夜」
闇撫 明
−悪巧み−
ここは大帝国劇場のマリアの部屋の中である会話が行われていた。
「なぁ、マリア。あの二人さ、何とかならないかな。端から見ている方がもどかしいんだよな。」とカンナが言った。
「オオ、それなら子供をツクラセテしまえばイイじゃないですか。」と織姫が言う。
「でも織姫はん。劇場内じゃ無理ありまへんか?」と紅蘭。
「みんな、何勝手なこと言ってるの。とは言ってもあの二人をどうにかしてはあげたいんだけど・・・」と部屋の
主である、マリアが言った。
ここの話題のあの二人とは「大神 一郎」と「真宮寺 さくら」のことであった。
この二人、ちょっと前に行われた「幽玄・大久保 長安」の怨霊との戦いに置いて、最強の霊子甲冑「双武」に二人で
乗り込み怨霊であった「大久保 長安」を倒し説得して帰った来たのであった。周りの人間がやきもきしているのは
その後二人が互いを意識しすぎて会話も出来ない状態になっていることだった。
「みんな、何話しているの?」
突如、マリアの部屋のドアが開き一人の女性がはいってきた。
「あっ、かえではん。いやな、あの二人をどうにか出来へんものやろかと思って・・・」
「で、子供でも作らせちまえばいいんじゃねぇかなとは俺も思っちゃいたんだけどさ。」
「デモ、ここの環境ジャ無理デスネ。」
「何かいい案ありませんかかえでさん?」
「そうね。それじゃ、二人の結婚式を開いてしまいましょうか?二人が相思相愛なのは端から見ていても判るしね。」
「でも、かえではん。あの二人になんと言ってそんなことをさせるんでっか?」
「劇中にそう言うシーンがあるからと言ってしまえばやるんじゃないの、紅蘭。」
「そうか。さくらはここの女優だもんな。劇と言われればやるしかないな。」
「では、あの二人以外の全員にそのことを言っておいた方がいいですね、かえでさん。」
「そうね、お願いできるかしら。マリア。」
「はいお任せ下さい。で、いつにしましょうか?」
「ちょっと待っててくれる。ついでだから新婚旅行も付けてあげようと思うから。」
「ソレとてもイイ案です。」
「じゃあ、ここでの会話は秘密よ。判ったわね?」
みんなうなずきその場はお開きとなった。
−準備−
2ヶ月後悪巧みは本番を迎えた。巴里華激団を翔鯨丸で迎えに行ってさらに神父さんまで連れてきたのだった。
「さくら、ちょっといいかしら。」
「なんでしょうか、かえでさん」
「今度の劇でねあなたに花嫁の役をやって欲しいのよ。まだ、相手役は決まってないんだけどいいかしら?」
「わっ私がですか?」
「そうよ。これはねマリアもその方がいいんじゃないかと言ってるのよ。だからお願いしたわよ。」
「はっはい、判りました。」
「それじゃ、相手役のこと大神支配人と話してくるから。」
私はそう言うとその場を後にした。さくらは顔を真っ赤にしている。かわいらしいこと。
私は支配人室前に来ていた 。
「支配人よろしいでしょうか?」
「ああ、かえでさんどうぞ。鍵は掛かってませんから。」
ふふっ、大神君たら依然と変わらないんだから。
「支配人、もう少し強い口調でもいいんですよ。私は支配人の補助なんですから。」
「ですが、かえでさんは自分にとって先輩ですから。」
「うふ、変わらないはね、大神君は。今日はね今度やる演目について話に来たの。」
「新しい演目でありますか?」
「ええ、そうよ。そこで今回は大神君にも出演して欲しいのよ。」
「自分も出演するのでありますか?」
「ええ、そうよ。これは花組みんなの意志よ。加山君がもぎりをやってくれると言ってるしね。」
「はぁ、判りました。でも自分で大丈夫でしょうか?」
「今回の役は大神君じゃなきゃ駄目なのよ。」
「判りました。全身全霊、身を粉にして頑張らせて頂きます。」
「大神君そこまで堅くならなくていいわよ。明日リハーサルをするから舞台袖に来てね。ただし、内緒でね。」
「はい判りましたが、何故内緒なんでしょうか?」
「それはね、みんなは無理だと思っているからよ。だから内緒にしておいてみんなを脅かすのよ。」
「判りました。では明日の何時に自分は行けばいいんでしょうか?」
「明日の12時からやるから少し早めに来ていてね。ただし、みんなには見に来たって言うのよ。」
「はい、判りました。」
ふふっ、これで仕込みは完璧ね。明日が楽しみ☆!
−結婚式−
「これが衣装か・・・。まさか、新郎の役とはな。じゃあ、新婦役は一体誰がやるんだろう?」
俺はそう言いながら何故か納得していた。結婚式のシーンではみんな男役はやりたくないだろうなと。
「さて、これでいいかな。でも緊張するな。ほんとに相手役は誰だろう?」
色々思いながら舞台に向かった。
そのころ会場ではさくら以外がにやにやしていた。
「マリアさん、何か隠していませんか?」
「さくら、何も隠してなんかいないわよ。」
「そうですか?でもみんなの様子も変だし。」
「そんなことないわよ、さくら。緊張しているんじゃないの。」
私はマリアさんに言われて確かにと思った。何せ私の今の格好はウェディングドレスを着ているから、緊張している
のかも知れないと思った。
「そうかも知れません。こんな格好もしているから。でも、マリアさんどうして私だったんですか?」
「カンナとの身長差を考えたら、さくらしかいなかったのよ。」
「そうですわよ。こんなすばらしい役。このトップスタァである神崎すみれ様を差し置いて出来るのですから、光栄に
思いなさい。」
「そうだぜ、さくら。まあこの蛇女じゃ相手役は本物の蛇じゃなきゃだめだろうしな。」
「カンナさん。あなたって人は・・・」
「はいはい、そこまでよ。ほらカンナも着替えてらっしゃい。」
「おう、じゃあ着替えてくるぜ。」
そう言ってカンナさんは衣装部屋に向かっていった。
「さあ、さくらもこっちに来て。ここに立っていてくれる。」
「はい。マリアさんここですか?」
「そうよ、そこにいてくれる。カンナが着替えてきたらすぐに始めるから。」
「はい判りました。」
私は待つことにした。その間に色々な準備をしていたが神父さんがいないので不思議に思いマリアさんに尋ねた。
「マリアさん、神父さんの役は誰がやるのですか?」
「ふふっ。今日はね勉強の意味も込めて本物の神父さんに来て頂いているのよ。」
「あっそうなんですか判りました。」
本物の神父さんか・・・。大神さんと式あげる時は・・・私なに考えているんだろう。大神さんとだなんて。そりゃ
大神さんのお姉さんとはお会いしたけど・・・。
あっ来た。凄い、外国の人かな?そう言えば翔鯨丸で誰か迎えに行ってたみたいだけど神父さんを迎えに行ってたんだ。
「ドウモ、こんにちハ。」
「どうも遠くからありがとうございました。」
「ユビワの準備は出来てマスカ?」
「はいそれはもう。」
「かえでさん、指輪まで用意したんですか?」
「そうよ、さくら。劇とはいえきちんとしないとね。」
「そうですね。」
でも凄いなぁと私は思っていた。あそこにある指輪は多分、白金せいだと思われるからだった。劇の為のとはいえ予算
がかかりすぎて大変だったろうなと。
「おーい、みんな待たせちまったな。準備終わったぜ。」
「カンナ、ちょうどいいタイミングよ。じゃあその門の所で待っていてくれる。」
「おお、判ったぜ。」
「そう言えば大神支配人は?」
「支配人ならもうすぐ見に来るわよ、さくら。」
「そうですか、かえでさん。」
そうなんだ、大神さんも見に来てくれるんだ。いくら劇のリハーサルだからと言っても大神さんが見てくれるんなら、
しっかりやらなきゃ。
「それじゃ、さくら。始めるわよ。」
「はい。」
「それでは、これより、大神一郎中尉と真宮寺さくら君の結婚式を行います。」
「えっ!!!」
私は耳を疑っていた。これって劇のリハーサルじゃ・・・
「さくらはん堪忍な。でも見ててもどかしゅうて。」
「そうですわよさくらさん。」
「さくらお姉ちゃんおめでとう。」
「さくら、御免ね。」
「さくらさん、イイコトです。」
「大神、結婚はいいなぁ俺相手いないけど。」
「貴公もとうとう結婚か。相手を泣かせるでないぞ!」
「イチロー最高にかっこいいよ!」
「大神さんその・・・さくらさんと・・・御幸せに。」
「大神、さくらお前らお似合いだぞ!」
見回すとそこには帝国華激団・花組は勿論のこと、帝国華激団・風組の元帝劇三人娘、帝国華激団・月組隊長の
加山さん、巴里華激団・花組のみんな、引退なされた米田元中将、そして私のお母さんと大神さんのお姉さんまで
来ていた。
「みんな、どうして・・・」
私はそれ以上言葉が続かなかった。驚いて混乱したこともあったけど、嬉しいと思う気持ちや恥ずかしいと思う
気持ちなど色々複雑に絡まっていたからだ。
「さぁ、さくら君行こう。俺も今知ったけど、いつかは挙げる式だし、みんなに祝福されてあげれるんだから」
そう言って大神さんは手を差し出してきた。私はその手をそっと握り二人でバージンロードを歩き始めた。
そして神父様の前に立ち、洋式の結婚式が始まった。
式はつつがなく進んでいた。
俺とさくら君にとっては不意打ちみたいなものではあったが、やはりみんなが祝福してくれたのが凄く嬉しかった。
そして式の終わりの方に来て神父様から質問が投げかけられた。
「新郎・大神一郎よ、汝はこれなるさくらを妻とし、何時如何なる時も守り助けお互いに協力しながら、永遠に
暮らしていくことを誓いますか?」
「はい、誓います」
「では、新婦・真宮寺さくらよ、汝はこれなる一郎を夫とし、何時如何なる時も守り助けお互いに協力しながら、
永遠に暮らしていくことを誓いますか?」
「はい、・・誓います」
さくら君は少し顔を紅くして答えた。
「それでは、指輪の交換です」
俺はさくら君の薬指に、さくら君は俺の薬指に互いにはめあった。
「それでは最後に誓いの口吻を」
この台詞を聞いた時俺は自分の顔が紅くなるのを感じた。もっともさくら君はまるでゆでだこのように顔を真っ赤に
していたけど。さらに周りのみんながとんでもなく期待の目で見ている。それを感じ取ってしまってさらにさくら君
は紅くなっていた。
「さあ、誓いの口吻を!」
神父さんも念を押してくる。
「さくら君にいいかい?」
「はっはい。」
そう答えるとさくら君は目を閉じて顔を少し上に向けた。
俺はその小さな顔に手を添えて口を合わせた
「いまこの時を持って、この二人夫婦とす。この二人の行く末に幸あれ。」
『おめでとう』
「それじゃあこれはね、結婚した二人へのプレゼントよ。」
「これは何ですか?かえでさん。」
「新婚旅行の招待券よ。6泊7日だからゆっくりしてらっしゃい。」
「こぉら大神。」
「あっ米田支配人、お久しぶりです。」
「いいか。子作りをし忘れるんじゃねえぞ!」
「なっ何を、いっ一体」
「さくら、お前も大神の子供が欲しいだろうが。照れるな照れるな。じゃあな、おらぁ帰るかんな。」
「米田支配人、もう言いたいことだけ言って帰っちゃうんだから。」
さくら君は顔を紅くしながら口をとがらせていた。
−新婚旅行−
俺達は北海道の函館に来ていた。なんと翔鯨丸でかえでさんが送迎してくれるというのだ。
「かえでさん、ありがとうございました。」
「二人とも楽しんできてね。あと、米田元支配人じゃないけど私も期待してるから。それじゃあね。」
かえでさんは言うだけ言うと帰っていった。
「それじゃ行こうかさくら・君。」
「はっ、はい大神さん。」
俺達はこれから一週間お世話になる旅館に向けて歩き出した。
そして、目的の旅館の前で懐かしい顔に出会った。
「つぼみ君、お久しぶりだね。元気にしてたかい?」
「つぼみちゃん、元気だった〜?」
「あっ、大神さん、さくらさんお久しぶりです。それからご結婚おめでとうございます。」
「あっ、ありがとう」
「つぼみ君はどうしてここに?」
「私は乙女学園の卒業旅行でこの近くのプリンスホテルに来ているんです。そしたら、かえでさんから携帯キネマ
トロンに大神さん達の事が連絡されてきたんです。それじゃあ私は帰りますね。観光中に会えましたら。」
「それじゃあ、つぼみ君頑張ってね。」
「元気でね、つぼみちゃん。」
俺たちはつぼみ君を見送り旅館に入っていった。
「ようこそ、当旅館へ。」
「あのすみません、大神というものですが・・・」
「ああ、ご予約、お伺いしてます。大神御夫妻さま。こちらのお部屋になります。」
俺たちは旅館の人に連れられて奥の方の一室にやってきた。
「こちらのお部屋です。」
部屋は最高級の部屋と言った感じで少しあっとされていた。
「で、お客様大変申し訳ございませんがただ今大浴場を修理中で使えないんですよ。そこで普段は家族風呂として
貸しきりで貸しているものをご利用下さい。ただ、ご利用時間は19:30〜20:00までの間でお願いします。
それ以外の時間は他のお客様に割り当ててしまっていますので。よろしくお願いします。」
それだけ従業員の人は言うと部屋から出て行った。そして二人きりになったとたんに気まずい緊張した空気が流れた。
「さくら君・・・」
「大神さん・・・」
二人して互いを呼び合ってまた沈黙が訪れてしまい、何とも気まずかった。
−−−−このままではまずいな。やはり結婚したんだから・・・
「大神さん、一郎さんって呼んでもよろしいですか?」
「それはかまわないさ。では俺は、さくらって呼んでもいいかい?」
「はい、お、一郎さん。ふつつか者ですがどうぞ末永くよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくな、さくら」
「なんか不思議ですね。一郎さんにさくらって呼ばれると、凄く安心できるんです。」
「そうか。ところで、さくら。お風呂どうする?」
「時間も短いですから、私がお背中お流しいたします。」
「そう・だね。たの・めるかな」
「はい、一郎さん。」
俺は凄く緊張していた。さくらに背中を流してもらえることではなく一緒に風呂にはいることが緊張の元だった。
そして、19:20頃俺たちはお風呂に向かっていた。
さくらは少し顔を赤らめていた。多分俺も顔が赤いだろう。初めて一緒に風呂にはいるのだから。まあ、帝劇の風呂場
で裸を覗いてしまったこともあったが・・・
「一郎さん、恥ずかしいからあまり見ないで下さいね。」
「あっああ。」
俺はほとんど上の空だった。家族風呂と言うことはそれほど大きくないだろうからほとんどくっついた状態になって
しまうだろうなと思うと、どうしても顔がゆるんでしまう。
「一郎さん、スケベそうな顔してますよ!」
「そっそんなことないよ。」
「いいえしてましたよ。」
そんな会話をしていたら家族風呂の前についた、ちょうど前の家族が出てきて挨拶を交わして俺たちは中に入っていった。
中は予想したとおりあまり広くなく大人二人と子供一人が入ったら一杯になりそうだった。そして俺もさくらもここで
気付いてしまった。
「一郎さん、ここで服ながなきゃ駄目ですよね・・・」
「さくら、俺先に入ってようか?」
「いえ、時間も少ないので私も一緒に・入ります・・」
「そうか」
「でも、あまり見ないで下さいね。」
「ああ」
俺たちはその後会話も交わさずに服を脱いでいった。ただ俺は背中で聞こえてくるさくらの服を脱ぐ音に緊張していた。
さくらが俺の後ろで裸になってる。そう考えるとものすごく興奮した。
「一郎さん、入りましょう。」
さくらはバスタオルで体隠した状態で入っていった。俺も下だけは隠して風呂に入っていった。
「やっぱり恥ずかしいですね。」
「そうだね。俺も少し恥ずかしいんだけど・・・」
「だけど・・・、何なんですか一郎さん?」
「それは、さくらの裸がみれたから・・・」
「もう、一郎さん、スケベなんだから。前も一回帝劇のお風呂場で覗いていたでしょう。」
「そっそれは、あっあのだから、ええっと・・・」
「さらに米田支配人も覗いてるんだから」
「いや、その・・・。ごめん」
「もういいですよ。こうして結婚もしたんだし。それに一郎さんにならみられても嬉しいし。」
「えっ、なんて言ったの。」
「何でもありません!!」
そう言うとさくらは顔を赤らめて背中を向けてしまった。
俺はさくらの背中を眺めていた。とても綺麗な背中で見入ってしまう。この小さな体で帝都を脅かす敵を倒し、帝都を
守ってきたのだから・・・。
「いっ一郎さん、一体どうしたんですか?」
俺は思わず背中からさくらに抱きついていた。
「いや、この小さな体で強大な敵と戦ってきたんだなと思ったら急にいとおしくなって・・・」
「いえ・・・、一郎さんが歌劇団のみんなが居たから戦えたんです。私一人じゃ何も出来ませんでした。一郎さんが
居てくれたから、一郎さんが支えてくれたから、戦えたんです。」
「いや、俺もさくらが居たからどんな敵でも向かって行けた。さくらありがとう。」
「一郎さん・・・」
俺とさくらは口を合わせていた。そして時計を見てはっとした。
「さくら、あと10分で次の人が来るから早くでないと。」
「えっ、はっはい。」
俺とさくらは体も洗わず(←と言うより洗う時間なし)あわてて風呂から飛び出した。
−初夜−
お風呂から上がった俺たちは部屋で会話もせずにうろうろしていた。さくらも何となく顔を赤らめている。俺も理由は
わかっている。結婚して新婚旅行、そして米田元支配人やかえでさん達があおっていったことが思い出しているのだろう。
「一・郎・さん?」
「どう・した。さくら?」
「あの・ですね・・・ええっと・・・」
俺はさくらが言わんとしていることが何となく判っていた。
「さくら、布団に行こうか。」
俺は少し声をふるわせながら、でもはっきりと言った。
「は・い」
さくらは小さな声だったがしっかりとうなずいていた。
俺たちは寝室に来ていた。部屋の中は月明かりで照らされており、幻想的だった。
「お風呂でも言いましたけど・・・あまり見ないで下さいね。」
「さくら・・・俺は見たいんだけど・・・でも」
「一郎さんが見たいなら・・・」
そう言ってさくらは俺の前で服を脱ぎだした。俺はまっすぐ見つめていた。
「一郎さん・・・そんなに見つめないで下さい。恥ずかしいです。」
「でも、凄く綺麗だから・・・見ていてもいいだろう」
「それは・・・はい」
さくらは俺の前で生まれたままの格好になった。とても幻想的で俺は息を飲み込んでいた。
「さくら、ものすごく綺麗だ。俺はもう我慢できないよ。さくら、君が欲しい。いいだろ。」
「は・い」
そしてさくらと俺は、一緒の布団に入った。
まず緊張を解きほぐそうと思い口吻をした。
そして俺はまず胸を触った。
「あぅ、一郎さん、痛い・です。」
「あっごめん。」
俺は撫でるような感じで胸を揉みほぐした。
「あっ、あっ、そんな、凄く、いい・です。」
俺はその声を聞きながらさくらの股間の方に手を伸ばしていった。
「あっ、そこは駄目。」
さくらは、急に抵抗したが、今度は気を逸らそうと思い胸を口に含んだ。
「あっそんな。胸が・・・胸が・・・」
そうしているうちに俺は視線をさくらの股間に移していた。
「恥ずかしいから見ちゃ駄目です。」
「綺麗だよ、さくら。」
「そんなこと言って誤魔化さないで下さい!!」
俺はさくらの胸から口を離し、あそこをしっかりと見つめていた。濡れてきているのかキラキラしてとても綺麗だった。
俺は躊躇わずそこに口を付けていた。
「そんな汚い所に口を付けちゃ駄目です。」
「さくらの体に汚い所なんてないよ。全てが綺麗だよ。」
「そんな・・・」
さくらが恥ずかしがっているうちに俺はあそこの奥まで舐めるように舌をのばした。
「いや、舌なんかで舐めないで下さい。」
「さくらの愛液おいしいよ」
「一郎さん、そんなこと言わないで下さい。恥ずかしいです。」
俺は胸を揉みながら、あそこを舐め続けた。
「あっ、そんなっ、あっあん。気持ち・い・い。」
「さくら、もういいかい?」
「あ、はい。さくらのをもらって・下さい。」
「じゃ、さくら、行くよ。痛かったら言ってね。」
「はい、でも、痛くてもそれが一郎さんのくれるものですから、我慢します。だから最後までして下さい。」
「判った、さくら。でも痛くても言ってくれよ。それじゃ、行くよ。」
俺はそう言うとさくら君の中に入っていった。中はとても暖かくて凄く締め付けてきた。
そして、何かに当たったような感じがして俺は少し息を吐いた。そして、さくらの処女膜を破る為に一気に力を込めた。
「いっ」
「さくら、大丈夫かい?」
「大・丈夫・で・す。一郎さん続けて下さい。」
「でも、そうだ痛みが治まるまで少しこうしてよう。」
「でも、大丈夫ですから・・・」
「いいから、痛みが治まったら言ってね?」
「一郎さんありがとうございます。」
俺たちはその体制のまま4・5分抱き合っていた。
「さくら、もういいかな?」
「はっはい。」
さくらは顔を少し紅潮させて、うわずった声で答えた。
俺はゆっくりとさくらの中で動き出した。さくらの中はとてもきつくて動きにくいものはあったが、初めてなのだから
当然だし、さくらにも負担を掛けたくなかった。
「一郎さん、私に気を遣わないで・・・」
「いや、さくらが苦しんでいるかをは見たくないから・・・」
俺はそう言いながら、ゆっくりとでも確実に動いていた。
さくらの反応を見ながら俺はだんだん動くスピードを速くしていった。
「あっ、はぅ、ああっ、いいっ、一郎さん、私の、なっ中に・・」
「さっさくら、いいのかい?」
「はっはい。一郎さんの子供が欲しいんです。ですから・・・」
さくらは顔を真っ赤にさせながら、しかしはっきりとした口調で俺に言ってきた。
「大久保さんの願い通りに・・・」
大久保長安・・・帝都を怨みながら怨霊となり、最後にさくらの言葉で帝都の守り神となった帝都を作った幽玄。
その長安の願いこそ、帝都で子供を育ててくれというものだった。
俺はだんだんと限界が近づいてきているのを悟っていた。
「さっ、さくら、中で、出しても、・・・」
「はっ、はい、一郎さんの、こっ子供を・・・」
俺は次の瞬間さくらの中にぶちまけていた。
「さくら、もう少し中に入れていてもいいかい?さくらを感じていたいんだ。」
「はい」
俺はさくらの中に入れたまま、さくらを抱きしめていた。
そしてこんな幸せな時が何時までも続くことを祈っていた。
(完)
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作者の言い訳
ええっと、完全な純愛ものです。書いてるうちに寒気を覚えました。
そんなものですから、全く見直してません。
誤字脱字等がありましたら、皆様のたぐいまれなる読解能力で
読み進めて下さい。こんな所まで読んで頂きありがとうございました。