プログラム204「終局へ(その2)」
プログラム204 最終段階(その2)
「うゆぅ、お姉ちゃん、いつまで抱きついてるの?」
今だにしっかり抱きつかれてます。あれからすでに1時間は経ってるはずなのに・
・・
「ん? どうしたの?」
「・・・うゆぅ」
なんでこうなったんだろう? お姉ちゃんって時々良く解んないや・・・
「ふふふ、可愛い可愛い・・・」
「う、うゆぅ」
ど、どうリアクションしたらいいんだろ?
「かすみも、こんなに大きくなってたんだね? いつもし合ってるのに全然気付かな
かったわ」
「? ふぇ?」
どういうことですか? お姉ちゃん。
「小さい頃はよくこうやって抱いててあげてたんだよ? 覚えてる?」
「うやぁ? そうなの?」
小さい頃って・・・何歳頃だろ?
「お母さんが亡くなって間もない頃だったの。ちょうどかすみがママ、ママって泣き
じゃくっててさ・・・」
おかあ・・・さん?
「私も小さかったのにね、変にかすみの事を守ってあげたいって思ってね。お母さん
の代わりをしてあげたいって・・・」
「・・・・・」
黙ってお姉ちゃんの話に耳を傾ける。どうしたんだろう? こんな時にこんな話を
するなんて・・・
「でもね、中々泣き止んでくれなくてね、結構途方に暮れたのよ?」
「・・・・・」
「最初の間はずっと泣き止んでくれなくて・・・でも、何度もこうやって抱き締めて
ると、ようやく泣き止んでくれたの・・・」
「・・・・・」
「あの時は・・・凄く儚い身体つきだったのに・・・こんなに立派になってたんだ
ね?」
「お姉ちゃん・・・」
抱かれてる腕に、手を差し伸べて、優しくその腕を掴む。何だか気恥ずかしいよ・
・・
「こうやって・・・抱きしめてるとね、落ち着くでしょう? かすみ」
「・・・うん。そだね・・・」
言われて、そんな気がした。確かに、落ち着いてる・・・何でだろ?
「何度も泣いて、その度にこうやって抱きしめて・・・そのうちに泣き止むように
なったの・・・そしたらね? 今度は泣くたびにこうやって抱きしめると、直ぐに泣
き止んでくれるようになったのよ?」
「・・・そう、なの?」
そういえば、昔からよく、かえで姉に怒られる度にこうやって後から抱きしめてく
れてたっけ・・・でも・・・
「どうしたの? お姉ちゃん。急に・・・こんな話して・・・」
「ん・・・? ちょっとね・・・何となく・・・思い出したのよ・・・」
「そう・・・」
「でも・・・今の方があの時より気持ち良いわ」
「うゆぅ?」
どうゆうことでせう?
「かすみの体温って・・・暖かいね? それが・・・あの時より気持ち良くさせてく
れてるみたい・・・」
「そ、そういうものかなぁ?」
確かに、お姉ちゃんと肌を合わせてると、暖かくて気持ち良いけど・・・
「ふふふ、今日はこのまま一緒に寝ようか?」
「ふぇ?」
「嫌・・・?」
「べ、別に嫌じゃないけど・・・」
「ん? どうしたの?」
「かえで姉が一人残されてかわいそうな気がする・・・」
「そっか・・・だったら、かえでさんとも一緒に抱き合って寝ようか?」
何かとんでもないことを・・・
「かえで姉、さっき遠慮するって言ってたでしょ?」
「だったら、私とかすみで挟むようにすればいいじゃない」
つまり、否応なしにすると?
「かえで姉が許してくれるとは思わないけど?」
「大丈夫よ。何だかんだ言っても、今は情緒不安定な状態だもの。寂しいに決まって
るわ」
「そ、そんなものかなぁ?」
因みに、かえで姉はというと、またお風呂に行っちゃいました。・・・ホント、お
風呂に入るのが好きなんだなぁ、かえで姉って。
「かすみだって、一人だった頃はそうだったでしょう?」
「そりゃ・・・そうだけど・・・」
「だから、一緒に寝て、気持ちを少しでも安らいでもらいましょうよ。ね?」
「・・・うゆぅ、了解ッス。でも、それらに関しては全てお姉ちゃんが最初に切り出
してよ?」
「ん? 大丈夫よ。ちょっとだけ強引にするだけだし・・・」
「うゆぅ、やっぱり・・・」
「まぁ、いざとなれば、今日は寂しいからって言えばいいし・・・」
そういうものかなぁ? 絶対違うと思う・・・
「かえでさんにも、こうやって普通にかすみを抱き締める心地良さを知ってもらわな
いとね?」
「うゆぅ・・・」
「ふふふ、照れてるの? かすみ」
「うゆぅ・・・」
「さぁ、かえでさんが帰ってきたら、実行するわよ?」
「了解ッス」
そう言ってる間も、お姉ちゃんは私を強く抱き締めた。まるで、不安を振り払うか
のように・・・
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