プログラム108「最終段階・・・」
プログラム108 目覚めた先には・・・
「う・・・ん・・・?」
深い闇の中から徐々に意識が覚醒してくる。だが、瞼は今だに重く、身体は倦怠感
に包まれていた。
「は・・・ん・・・ん・・・」
起き上がろうとしても身体に力が入らない。これほど疲弊しているのは初めてだ。
「ん・・・ふぁ・・・あ・・・れ・・・?」
半ば強引に起きてみる。頭がクラクラするが頭を振って何とかハッキリしようとす
る。
「うぅ・・・何? 身体がだるい・・・。どうして・・・?」
「よう。ようやくお目覚めだな」
何があったのか思い出そうとした瞬間、下萄が話し掛けてきた。そして、その瞬間
自分の身に何があったのか思い出す。
「あ・・・下萄・・・」
ふしだらな出来事を思い出し、顔を赤く染めて下萄の方へ向く。なぜか切ない情感
が込み上げてくる。
「どうやら余程消耗してたんだな。丸一日寝てたぞ?」
「そう・・・なの・・・」
何故か気恥ずかしさに視線を逸らしてしまう。
「まぁ、それだけ激しくしたからな、無理もないさ」
妙に優しく接してくる下萄に、恐怖と言いようのない安心感を感じてしまう。今ま
ではこんな事は無かったのに一体どうして?
「う・・・そんな・・・恥ずかしいこと・・・」
俯きながらそう言ってしまう。妙にしおらしい自分に驚きを隠せない。
「くくく、そうとう感じていたからな。まぁ、途中で苦しい思いをさせてしまったか
らな、今日はゆっくり優しく調教してやるよ」
「え・・・?」
優しく・・・その言葉に甘いトキメキを覚えてしまう。身体が淫らな行為に反応し
てしまう。
「さぁ、まずは朝食を摂れ。調教はその後だ」
そう言って下萄は昨日と同じパンと牛乳を渡してきた。
「ん・・・ん・・・ん・・・」
恐らく昨日の朝食で摂った水分以外何も飲んでいなかったはずだ。だから凄く喉が
渇いていた。一気に牛乳を飲み干していく。
「はぁ・・・」
「そんなにがっつかなくても食料は十分にある。ゆっくり食べな」
「喉が渇いてたから・・・」
「そうか。なら他の飲み物も用意してやるよ」
「すまない・・・」
妙に優しい下萄に戸惑いを覚えてしまう。何か裏がありそうで怖い・・・
「気にするな。予想以上に早く出来上がったからな。繰り上げて一気に調教するだけ
だ」
「う・・・」
また頬を朱に染めてしまう。身体を弄ばれることを確実に私は望み始めている。
「くくく、そうやって素直にしてれば快感だけを与えてやるからな」
「・・・・・」
その言葉に俯きながらパンを頬張る。何を照れているんだ私は?
「じゃあ、飲み物を取ってくるから待ってろよ?」
「あ? あぁ・・・」
下萄は微笑を浮かべて飲み物を取りにいった。しかし、この後その笑みが悪魔の微
笑みだと気付かされろ事になった・・・
「ねぇ・・・ふぁ・・・まだ・・・? まだなのぉ?」
今私は股縄を施されて手綱で引かれている。目隠しをされ、両腕は後に縛られてい
る。
「ねぇ・・・んくぅ・・・人に見られちゃう・・・お願い・・・行くなら早くして・
・・」
そして、昨日と同じように外を歩かされている。露出の快感に目覚めつつある私
は、淫らな疼きに悶えながらも、何とか歩いていた。
「くくく、心配か? だが安心しろ。そんなに遠い場所じゃないからな。後10分も
すれば着く」
「ふぁぁ・・・10分もぉ・・・? んはぁ・・・やぁん・・・」
昨日の事もあって、快感に目覚めたとはいえやはり恐怖を感じてしまう。後10
分、後10分程の時間が異様に長く感じる・・・
「くくく、安心しろ。こうやって移動するのは今回が最後だ」
そう。最後の段階に入ると言った下萄は、私に股縄を施して移動するよう促してき
た。しかし、私に拒否権は無く、大人しく指示に従っているんだが・・・
「んはぁ・・・はぁん・・・くぅぅ・・・」
「ほらほら、しっかり歩けよ? でないと10分が20分にも30分にもなるぞ?」
「んぁぁ・・・そんな事言われても・・・」
股縄の刺激を完全に覚えた私の恥部は、縄を食い込ませ、甘味な刺激を送り続けて
くる。その快感には全然慣れていない為、どうしても足取りが重くなってしまう。
「くくく、まぁ別に遅くなっても構わんがな。人に見られて恥ずかしい思いをするの
はお前だしな」
「やぁ・・・人に見られるのは・・・いやぁ・・・」
「だったら早くしな。それともまだ露出の快感に酔い痴れたいか?」
「そんなぁ・・・そんな事ない・・・」
「なら早くしろ。もう目の前なんだからな」
「え・・・?」
「もう目の前にあるんだよ。目的の場所が」
「そう・・・」
思わず安堵の溜息が出てしまう。早くこの恥ずかしい行為から解放されたい・・・
「ほら、早くしな」
「んぁん!! そんなに強く引かれたら感じちゃうぅ・・・」
「なら感じながら来い」
「んぁぁ・・・ヒドイィィ・・・」
しかしそう言いながらも、私は何とか目的地まで移動できた。
「さぁ、ここが最後の調教部屋だ。覚悟しろよ?」
そう言って中に入る。目隠しをされているので何も見えないが・・・
「くくく、部屋に着いたらお前の先輩にあたる奴隷がいる。仲良くしろよ?」
「え・・・? 他に誰かいるのか・・・?」
中を進みながら下萄はそう言った。つまり、今日からはその人と一緒に調教される
のか?
「まぁそう言うことだ。っと、そんな事話してたら部屋に着いちまった。いよいよ感
動のご対面だぜ、準備はいいな?」
「・・・もう、好きにして・・・」
「そうか。なら入りな。そのまま真っ直ぐ進むんだ」
「・・・解った」
指示されるまま進んでいく。不思議な期待感と共に・・・
「よし、そこで止まれ」
言われると同時に歩を止める。一体・・・どんな人なんだろう・・・?
「さぁ、目隠しを外してやろう。感動の対面をするがいい」
そして目隠しは外され・・・ゆっくりと晴れていく視界の先には・・・
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