第1話 水上つり橋渡り −河合あい編(2)−
ホテルの中とは思えないほどの広大なプールが広がり、天井からは眩しい照明が当てられていた。
天井まではちょっとした体育館はあろうほどの高さがある。
会場の中央の天井からは映画館並みの巨大スクリーンが3枚映し出されており、中央のスクリーンに競技が
表示された。
「第一ステージ 水上つり橋渡り」と表示されている。
左のスクリーンには、挑戦する女の子の写真とプロフィールが、そして右のスクリーンには挑戦する女の子が
リアルタイムで映されていた。
周囲を見ると、クレーンカメラマンが3基、水中カメラマンらしき人が5名、そして無人浮遊カメラが2基ほど
設置されている。
これらを使って私たちの挑戦を撮影し、右スクリーンに映されることになっている。
このフロアは、全体がジャングルを思わせるセットで作られており、室温は30度を示していてかなり蒸し暑い。
スピーカから更に司会者の声が会場に響き渡る。
最初のゲームは、ご存知、水上つり橋渡りです。ルールは簡単、水上3mに設置されたつり橋を渡って
いただきます。」
そして、第一ステージがスタートした。
「このフロアの最初の関門です。みなさんの目の前にあるつり橋を渡り、向こう岸まで渡りきればクリアです。
しかし、全長10mのこのつり橋は、だんだん狭くなってきます。バランスを崩してプールへ落ちてしまったら、
その時点で失格ですが、つり橋に手を付いてもセーフです。ただし、ペナルティがありますが・・・」
どうやら、バランス感覚が重要な関門らしい。でも、ペナルティって?
私のゼッケンナンバーは8番、すぐに順番がまわってくる。
「それでは、最初のチャレンジャーの女の子の登場です。」
すると、スクリーンには、一人の水着の女の子が映し出された。
『松本亜里沙です。絶対最後まで渡りきるぞ!』
「かわいらしくガッツポーズを決めてくれました。それではスタート!」
水色のビキニに黒のニーソックスという格好で、亜里沙ちゃんがスタートした。
腰には、名前と番号が書かれたゼッケンバッジを付け、恐る恐る渡っている。
「さあ、亜里沙ちゃん、順調に渡っています。なお、チャレンジしている女の子の音声は、水着にセットされた
特殊マイクで会場に聞こえるようになっています。」
『あっ、あ・・・』
会場には、かわいらしい悲鳴が響き渡り、吐息まで音を拾うほどの特殊なマイクとなっているらしい。
「さあ、5m、半分まできましたよ。ここから少しずつ狭くなっていくぞー!
身長160センチ、スリーサイズは上から82,56,83という、すばらしいプロポーションだ!」
『ん、あっ!!』
危ない!つり橋が少し右にねじれるように傾いたかと思うと、彼女の体も右側に大きく傾いた!
どうやら司会者のスリーサイズの解説に動揺したらしく、突然大きくバランスを崩し、必死に耐えている。
『あ、あ、キャアアアァァァァァッ!!』
会場に響き渡る最後の悲鳴!!
バシャアァァァァァァーーーン!!!!
「あーーっと、残念、亜里沙ちゃん、ここでバランスを崩し、プールへまっさかさまに転落です!」
彼女は、司会者の言うとおり、頭からあられもない格好でプールへと転落してしまった。
大きな水しぶきを上げ、彼女は水中へと消えてしまった。
その瞬間、会場の女の子から大きなどよめきが起こった。
なんと、中央のリアルタイムスクリーンには、亜里沙ちゃんの全裸になった姿が!
プールはかなり深くなっているらしく、なかなか水面に顔を出すことができないで苦しそうな彼女が映っている。
流水プールになっているらしく、彼女は急流に飲み込まれ、壁の方へと流されていく。
「それでは、失格となってしまいましたので、ホテルから追放させていただきますっ!」
スクリーンを見ると、なんと10階から1階まで高さ20m以上は在るかと思われる高さから、ウォーター
スライダーで強制的に落下させられてしまう。
落ちた先は屋外で、深さ5m、しかも壁面がすべて透明なアクリル板でできた巨大水槽であった。
しかも水槽の周りには、男性ギャラリーがおよそ300人囲むようにして集まっていた。
ギャラリーは待ってましたとばかりに、
「おおおーーーっ!!」
「いいねぇーーっ」と一斉に獲物を食い入るように取り囲む。
もちろん、撮影用カメラは水中に4基、そして周りからはパシャパシャとシャッターを切る音が響き渡る。
「いいですかーみなさん?失敗すると、ホテルの外で女子高生マニアの餌食になってしまいますよぉー。
しかも、みなさんの着ている水着は、水に溶ける特製ですから、注意してね」
失敗したら最後、全てをさらけ出すという恐ろしいゲームだった。
私の番が来るまでに、成功したのはたった1名、6人の女の子たちはバランスを失い残念ながらプールへ
落ちてしまい、悲鳴を残して水槽プールの餌食になってしまっていた。
絶対に渡ってみせる!さらけ出すなんて絶対にしないから!
「それでは、8番、河合あいちゃんのチャレンジです!」
私は震える足を押さえながら、スタート地点へと上っていった。
「それではスタート!83,55,85のあいちゃんが歩き出しました!」
私は一歩一歩確実に渡っていった。スピードは遅いが、安定した渡り方でつり橋は揺れなかった。
「さあ、5mまできました。ここから気をつけてください。細くなってきますよ。」
司会者の言うとおり、幅がかなり細くなり、安定感もなくなってきていた。
残すところあと3mまでたどり着いたが、つり橋のため、5m付近からゴールまでが、たるみのために上り坂
になっている。
足を滑らせないようにゆっくり上っていった。
「あと1m、がんばれ!」
司会者の声を聞き、私は視線をゴールへと移した。もう目の前にゴールの文字が!
その時・・・
ズルッ!!
なんと、ニーソックスのため、右足を大きく滑らせてしまい、前へと倒れ込む私!
会場からは女の子たちの悲鳴が!
あーーーっ!!
『キャアッ!』
ガシッ
なんとか転落は免れたが、腕だけでぶら下がる形になってしまった。
「おーっと、危ない。」
私は、つり橋の上へと戻ろうと、足を上げた。
「しかし、手をついてしまいましたね、ペナルティです!」
全身に響き渡る快感。
『ン、ハアッ!』
会場に私の吐息交じりの悲鳴が響き渡る。
「色っぽい声ですねェ。このゲームのペナルティは、特製水着に仕込まれています、『性感帯刺激装置』が
作動するというものです」
私の乳首を挟むように、ビキニのブラジャーの内側では装置が作動し、思わず声が出てしまう。
しかも、水着のパンティは突起がバイブし始め、足が無意識に開いてしまう。
『ン・・・あっ・・や、やめて・・ください・・・ああっ!』
「おっと、足に何かはずかしい液体が垂れ始めているぞぉー」
『はあっ・・やめて・・・』
私は無意識のうちに吐息が溢れ、口からは涎がではじめ、恥部もビショビショにぬれ始めていた。
「あーーっと、水着が少しずつはずかしい液で溶けはじめているぞーっ」
『ハア、ハア、もう・・・限界・・・』
私は必死に戻ろうとするが、すでに体力に限界が来ていた。
このまま堕ちてしまうの?私?
「空中で、ボロボロのビキニを着た女の子が、なやましい格好でもだえているぞーっ!!」
もうダメ、そう思った瞬間
『あっ、アアアァァァァッ!!』
私の腕は限界を向かえ、つり橋から手がすべり、無情にも私はプールへと落下していった。
ザバアアアアアァァァァン!!!
「あーっと、残念!!ついにあいちゃん、プールへと落ちてしまいました。健闘しましたが、1mを残して
惜しくも力尽きてしまいました。しかーし、私たちを十分に楽しませてくれました。惜しいですが、よく
がんばりました。ありがとう!!」
溺れる・・・助けて・・・流水に乗り、流されていく私。
ザバアーーーン!!
つり橋にぶら下がっていたため、少し破れ汚れた白い手袋と黒いオーバーニーソックスだけの格好で、私は
透明水槽に落ちていった。
ああ、落ちてしまった。私の体力もここまでだった。
そして、私はここでも恐ろしい体験に遭ってしまうのであった・・・
(続)
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