第1話


2005年夏、私たちの高校に、あるテレビ局がたずねてきた。 どうやら、体育祭を撮影したいということであったが、賞金がかかった番組として収録するということであった。 この話は学校を直接通さず、生徒会を通しての依頼であり、生徒会長は学校の宣伝を兼ね、快諾した。 この番組は、各学校5名が参加し、毎週1校ずつピックアップして放送するものだった。 この番組に参加する有志を募集し、5名の参加者がそろった。 収録は、土曜日の夜、学校のプールで行うこととなっていた。 土曜日の昼間から、テレビ局スタッフが集まり、プールにセットを作り上げていった。 私たちは、収録前に説明会にて説明を聞いていた。 それは、以下のようなことであった。 「みなさんには、この水上サバイバルに参加していただきます。ルールは、5人が学校の代表として参加します。 プールにこちらで関門を作らせていただきました。これらの難関に挑み、賞金を目指していただきます。」 「ただし、水上に仕掛けられたこれらの関門に失敗すると、プールへと転落してしまうことになっています。 プールに落ちてしまった選手は、その時点で失格です。チームは残った人数で挑んでいき、一人でもゴールに たどり着けばその学校は成功となります」 「ゴールにたどり着く前に、5人が失格となり全滅になってしまうと、その学校は失敗となり、賞金は0です。」 私の名前は、水野 沙耶香。この女子高に通う2年生の17歳。体育は得意で、今はバレー部に所属している。 この説明会で、私は衝撃的な番組であることを知った。全滅してしまった時点で賞金はもらえないことは了解 したが、服装は体操服を着用、下着の着用は不可ということであった。着用するものは、すでに渡されていた。 SSサイズの紺のブルマ、SSサイズの白いTシャツ、そして5人それぞれ違うソックスと運動靴であった。 これでは、プールに落ちてしまったときにとんでもないことになってしまうに違いなかった。 しかし、これがテレビ局の狙いであったのだった。 そして収録の夜がやってきた。 私たちは、更衣室で体操服に着替え、プールへと集合した。 プールサイドには、テレビ局関係者以外は完全に立ち入り禁止となり、この現場は完全に外部からは遮断された。 「さあ、はじまりました。全国女子高生スーパーチャレンジ!第一回の今晩は、名門、私立聖華女子高等学校です。」 ナレーションの声が聞こえてくる。私たちの学校のプールは屋外にあり、照明は全くなく、カメラ用の小さな 照明だけであった。 「それでは、挑戦者の5人に登場してもらいましょう!」 私たち5人は、カメラの前へ進んでいった。 「さあ、かわいらしい女子高生5名が、体操服で勢ぞろいです。どんな戦いを見せてくれるのか、楽しみですねぇ。 それでは、早速ですが、ルールの説明です。」 ルールは、毎週5人の女子高生がゲームに挑戦していきます。競技はすべて水上で行われます。 見事成功すると、賞金が手に入ります。しかし、水中に落ちてしまったところでその女の子はアウトとなり、終了です。 ゴールするか、全員が失格になってしまった時点で、ゲーム終了です。 「それでは、今週のゲームは、これです!」 その声とともに、プールに照明が点った! プールには、一本の平均台が渡されていた。 「第一回は、『水上平均台』です!」 ルールは簡単、水上50mに渡された水上4mの平均台を渡り切ってもらいます。平均台の幅は最初は15センチ からスタートし、最後はなんと5センチという幅まで狭くなっていきます。 途中チェックポイントがあり、浮島になっています。そこでは時間内にミッションをクリアしなければ先に進めません。 見事ゴールまでたどり着ければクリアです。 「それでは、スタート地点へどうぞ。最初のチャレンジャーは、水野沙耶香ちゃん 17歳です」 あー、緊張してきたよー。私は、小さいブルマを気にしながら、プールサイドからスタート地点へ上っていった。 白いTシャツからはおへそが見えてるし、恥ずかしい・・・ 私は白いバレーハイソックスをひざ上まで伸ばし、バレーシューズの紐を結びなおした。 それでは、スタートです!平均台渡りには制限時間はありません。がんばって! そして、私の戦いは始まった! (続)


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