第16話
「もうイヤ! もういやぁぁぁぁぁぁ!」
首筋にキスマークをつけられて、半狂乱になった私。
すると女性は言いました。
「許してほしいの?」
「だって罰ゲームだよ。ノリ悪いわねぇ」
「許して! 許してください!」
私は言いました。
「どうしようかしらねぇ…」
女性たちはニヤニヤ笑いながら、私の方を見つめました。
「ね、こんなのはどう?」
「なになに?」
そしてヒソヒソと話をすると、私に言いました。
「ねぇ。いつまでも男ばっかりのところでハダカでいさせるのも、かわいそう
じゃない?」
「そうよねぇ」
え。
バタン。
女性は、扉を開けました。
「キャーーー!」
「なにあいつーー!」
「最低ー!」
中から、たくさんの黄色い声が響きます。
そこには、十人以上のバスタオル巻きの女子中学生たちがいました。
「みんなー、こんにちは〜♪」
ヤクザの女性は、笑いながら言います。
彼女はもちろん、タオルを巻いています。
そして私は、ハンドタオル一枚です。
それをただ前に当てて、中に連れてこられました。
他にもヤクザの女性が2人。
さらにカメラを持った男子生徒が数名。
その中には、タオルを巻いたチビザルもいます。
さらにあとから、私の彼が全裸で連れてこられました。
その瞬間、さらに黄色い歓声が響きます。
「ぎゃーーーー!」
「最悪ーーーーー!」
「キモーーーーい!」
「ってかチビザル、なにしてんのよーー!」
女性は言います。
「みんな、同じ学校の女子なんでしょ?」
「ハーブサウナって、女の子しか来ないよねぇ」
「でね、みんな! このカップル、すっごい悪いことしたんだよー!」
「なんなんですかー?」
女子生徒の中の、一人が言いました。
「この温泉って水着禁止なの、知ってるでしょ? それなのに水着きてはいっ
てたのー!」
「げ。最悪」
「だから罰として、こうしてるのよ」
その言葉に女子生徒たちは笑いました。
「笑えるー!」
「ルール守らないのって、最悪だよねー!」
「でね、さっき相撲させたんだけど、このチビザルくんに負けたから」
「うんうん。だからね、許す条件として、とりあえずここでみんなの前で素っ
裸を晒すことにしたの」
その言葉に中学生たちは色めき立ちます。
「キャーーーーーーーーー!」
女子生徒たちは大声を上げます。
「さ、タオル取って」
女性は言います。
もう、仕方ありません。
私はタオルを下に落とそうとしました。
その瞬間です。ヤクザの女性は言いました。
「まぁ、私もオニじゃないから、ねぇ」
そして彼女は、視力検査の棒のようなものを取り出して、私の真横に座りました。
さらに一番ノリの良さそうなリーダー格の女子生徒を呼び寄せると、耳打ちしました。
彼女はニヤっと笑うと、その丸い部分を、私のあそこの前にあてました。
「これで安心でしょ?」
その少女は、ニヤリ笑っています。
これと同じシーンを、私はむかし、お笑い番組で見たことがあります。
ハダカを、オタマのようなもので隠すシーン。
しかしその隠されているのは、テレビの中では、もちろん男性タレントでした。
それが、今は私。
これ以上の屈辱はありませんでした。
「せーの!」
私はその言葉に、仕方なくタオルを落としました。
「わーーーー!」
「恥ずかしいー!」
「さいってぇー!」
私の胸は丸出しになります。
あそこの前には黒い丸の部分があり、ギリギリ隠れていました。
「中途半端に隠れてるのが、かえってエロくない!?」
「いえるいえるー!」
すると少女は、ニヤっと笑うと、棒をちらっと下げました。
「や、やだあああ!」
私はあわてて叫びます。
「ギャー! 毛、見えたー!」
「毛、うっすー!」
「さすがリナ! サービス心旺盛!」
「むね、でっか!」
「わっ! キスマークついてない!?」
生徒たちの声が響きます。
私は屈辱に、ただ耐えていました。
「どう? 自分よりはるか下の、女の子たちに見られる気分は?」
「まぁ、男よりも恥ずかしくないんじゃない?」
そんなことは、決してありませんでした。
好奇心にあふれた彼女たちの目。
さらに同性なのに、私をさげすむような瞳。
こんな屈辱は、ありませんでした。
私はすぐに手で隠そうとしました。
「ほら、手で隠さない!」
「頭の上で組んで!」
その言葉に、私は手を頭の上で組みます。
さらに生徒たちから歓声が響きました。
「お願い…。隠して…。隠して、ください…」
私は泣きながら、リナと呼ばれる少女に懇願しました。
「どっしよーかなー?」
リナはニヤニヤと笑いながら、そのオタマのような形のものを、上げました。
しかしその後も上げ下げが繰り返され、そのたびに歓声が響きました。
「うふふ。この子、才能あるんじゃない?」
「そうかもね」
「じゃあ、連帯責任だから。彼のも晒さないと、不公平よねぇ」
その言葉に生徒たちはシンと静まります。
そして同時に、最大の声が響きました。
「げーーー! マジーーー!?」
「すっげー! 私ガチで見るのはじめてー!」
「ほら、早く! 期待に応えようよ」
その言葉に彼は立ち上がらされ、女子生徒たちの前に押しやられました。
そして彼は私の横に立ちます。
彼は変わらず、手で股間を押さえたままです。
「放送禁止だから、ちゃんとオタマで隠れるようにしてね」
「あはははは!」
「こっちのオタマは、君に持ってもらおうかな?」
そして、やはり同じように他の女子生徒が呼ばれました。
「キャー!」
「いいなー!」
たくさんの声が響きます。
その生徒は、もう一方の手で、彼の股間の前にオタマを構えました。
私たちの左右から、二人の少女が、オタマを当てる格好になります。
もう一人の少女は彼の方を見て、ニヤニヤ笑いました。
「ちゃんと隠しますんで、安心して晒しちゃってください!」
彼は屈辱で、体を震わせてました。
「じゃ、ご開帳!」
「はやく頭の上で組んで!」
彼はその言葉に、観念するかのように、頭の上で手を組みました。
「キャーーーー!」
「あはははは! 笑えるー!」
「ほらほら、みんなー! 最低カップルが、オタマいっちょでマッパだよー!」
「宴会芸みたいじゃない!?」
「ね、マリ、どんな感じ!?」
「そーねー」
すると彼女は、のぞき込むようにして言いました。
「皮、かぶってる」
「キャー!!」
やはり歓声が響きます。
すると女子生徒たちは、ポーチの中から携帯を出して、写真を撮り始めました。
私たちは、頭の上で手を組んだまま、直立姿勢で立ちつくしていました。
中にはおずおずと反応を見守る生徒もいました。
しばらくするとリナはニヤっと微笑み、私のあそこを、パシンとオタマで打ちました。
「あうっ!」
私は思わず腰を引きます。
「キャーーー!」
「見えたーー!!」
「ほーら! いつまでも見えちゃうよー!」
女性たちははやし立てます。
私は痛みに耐えながら、隠れるように、腰を再びオタマの後ろに突き出しました。
するとリナと呼ばれる少女は、もう一人の少女の方に目で合図しました。
「やめて…。やめて、くれ…」
彼はその少女に懇願します。
しかし彼女は構わず、同じように、彼のあそこにたたきつけました。
バシン!
「ゃっ!」
彼は声にならない悲鳴を上げ、腰を後ろに突き出します。
「キャーーーーーーーーーーーーー!」
「ちんぽ見えたーーーー!」
「かむってるーーーーー!」
「ってかつるんつるんじゃないー!?」
「ほらほら、早く隠さないと」
女性の声に、彼は必死に耐えながら、同じようにオタマの後ろに腰を寄せました。
しかしその少女は意地悪をして、彼のあそこの、上の方しか隠しませんでした。
「あはははは! マジ笑える! タマがはみ出てるよー!」
「すっごーい! 本当にブランブランしてるんだー!」
「あ、出ちゃった!? やっばーい」
すると少女は、今度はかなり下げました。
今度は下の方は隠れていますが、上は出ています。
「ぎゃーーーーはっはっは!」
「イヤーーー!」
「さいてーーー!」
「ちょろんと飛び出したー!」
彼の包茎のおちんちんの、棒の方が晒されます。
「うりうりうり」
少女はオタマで、棒をぐりぐりと押しつけ、いじりました。
「笑えるーーー!」
「小さいのが動いてるー!」
中にははじめて見た子もいるのでしょう。
ほとんどの人が、ただ目を離さず、凝視していました。
そしてしばらくのあと、再びオタマで隠されました。
しかしいつのまにか女性たちからコールが湧き上がります。
するとその生徒たちも、同じようにコールを始めました。
「オタマ! おったっま! おったっま! おったっま!」
オタマを下げろ、という意味でしょう。
「やめて…。それだけは、やめてください…」
私は必死に右にいる少女に嘆願しました。
しかし彼女は、ただニヤニヤ笑っているだけです。
「どうします?」
少女はヤクザの女性に聞きます。
「ま、決まってるよね。観客には答えないと」
「はーい♪」
「ちょっ…。ちょっ………!」
少女はその言葉と同時に、オタマを落とします。
「や、やだあああああああっ!」
「ギャーーーーーーーーーーーーーーー!」
「モローーーーー!」
女性たちの大声が響きます。
同時に、シャッターが連射される音がなり響きました。
「動いたら、殺すよ?」
その言葉に私たちは、手を頭に組んだままのポーズを保ちました。
「皮、かむってるー!」
「すっげー!」
「きたねー!」
「やっぱ毛、うっすー!」
「ってか男、つるんつるんじゃん!」
「さいてーーーー!」
女子生徒たちの反応はさまざまでした。
私に注目する人。彼に注目する人。
それこそ左右交互に、キョロキョロと凝視しはじめたのです。
「はーい! これがね、人体の不思議!」
「男と女のリアル人体模型だから!」
「よく見ておいてねー!」
「性教育教材ね!」
女性たちの声と生徒たちの歓声が、サウナの中に響き渡りました。
(つづく)
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