第13話
「何なのよ? さっきから見張り立ててたっつーのに」
女性がドアの方に向かい、うるさそうにドアを開けました。
するとそこには、ジャージを来た中年男性が立っていました。
顔には無精ひげがあり、頭はボサボサ。色黒の、体育会系の男性でした。
「あの! うちの生徒がサウナで騒いでいると聞きまして!」
助けてもらえる!
私はそのとき、胸をなで下ろしました。
しかし、です。
「いえいえ、そんなことないですよ? みんなで楽しく、授業してたんです」
女性は笑いながら言いました。
「保健体育に…なるのかしら?」
「なんか相撲してるんですよ。いいことじゃないですか?」
その言葉に、男性は顔を出して、中をのぞき込みました。
瞬間、彼の表情が固まりました。
目の前には、素っ裸の女が、お尻を突き出して、前傾姿勢のまま。胸には小さ
な学生をブラ下げています。
そして後ろからは、たくさんの学生たちが、私のお尻をのぞき込んでいます。
これを見て、「体育」だなんて思える男がいたら、そうとうおめでたい人間で
しょう。
私は見られた瞬間に、これ以上ない恥ずかしさを感じましたが、それと同時に
「これで助かる!」と思いました。
「こ、これは…。これは…」
男性は口をパクパクさせています。
すると女性が言いました。
「まさか、無粋なことはしませんよね?」
「みんなの楽しい時間を、壊したり、なんて…」
「そうだそうだー!」
生徒たちの無責任なブーイングが飛び交います。
「助けて…。助けて…」
私は思わず、その男性に言いました。
男性は、気持ちを決めかねているようでした。
女性は、それを見て、すり寄りながら言いました。
「センセも一緒に参加しません? 楽しいと思いますけど」
「いいじゃないですか?」
そして女性は、私のバストをつかむと、乱暴に揉み始めました。
「いたいっ!」
「ほぉら。やわらかいよ〜?」
それを見た瞬間、男性は無言で首をブンブンと前後に振りました。
そして男性は中に入ってきます。
私は、すべての望みが絶たれたことを知りました。
「オー! クマダ、話せるー!」
「さすがー!」
「お前ら、やかましい!」
「ほら、センセのために特等席を用意しておきましたから」
すると女性は、私のお尻の真ん前に、クマダと言われる男を座らせました。
「おおお!」
男性は目を丸くして、広げられた私のあそこを見ています。
「センセ、若い子の見るの、ひさしぶり?」
「あ、あぁっ!」
男性は首をブンブンと振ります。
「実は素人童貞だったりするんじゃない?」
その言葉に男性はビクっとふるえます。
「そう♪ だったらね、もっといいこと教えてあげる」
すると女性は、あらためて私のあそこを指さしました。
「あのねぇ、これが処女膜よ」
私の背筋に、冷たい感触が走りました。
私は、思わず体を硬くします。
そしてそんな私の反応を見ると、女性はニヤニヤと笑いながら言いました。
「あら? それっぽいものがあるから、まさかと思ってカマかけたけど…」
「うんうん。本当だったんじゃない?」
私は、ただ無言で、その言葉を聞いています。
「ねぇ、あんたまだ、そこにいる粗チンと、やってないの?」
「………………」
「答えるんだよ!」
その言葉に、彼氏は目を伏せます。
もう。言うしか、ありません。
「は、入らなかったん…。です…」
「マジ? 何回くらい試したの?」
「2…。2回です…。でも、どっちも私が痛くて…」
「それで?」
「結局、できなかったんです…」
しばらく、沈黙が走ります。
「あきれた! あんた処女だったわけ!?」
「処女なのに、全裸で相撲してたの!?」
「ってかバカじゃん!? 恥ずかしいとか、そういう気持ちないワケ!?」
女性たちは、好き勝手にいっています。
それに比して、男性たちは、生唾を飲み込んで、私のアソコを見つめています。
「お願いです…。閉じさせて…。閉じさせて、ください…」
「ダーメ! だとしたらなおさら、記念にみんなに、見てもらわないとね」
「ほら、これが処女膜だよー?」
さらに観衆の声が大きくなります。
「は、はじめて、見た…!」
教師は目をむきながら、私のあそこを見つめています。
同時にたくさんのシャッター音が響き渡りました。
その直後。
女性は私にとって、信じられないことを言いました。
「じゃ、処女膜に指つっこんでみたい人ーー!」
まさか。
「や………」
私は思わず言います。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「うるさいんだよ!」
女性の一喝。私は思わず言葉を飲み込みます。
「や、やめろ、やめろおおおおおお!」
彼氏も大声で叫びます。
すると彼の後ろにいた女性が、彼をあおむけにして、そのまま彼のあそこをつかみます。
「あぐっ!」
彼は思わず声をあげます。
「うるさいわねぇ、そいつ」
「じゃ、あなたに選ばせてあげるわ」
「??」
彼女は彼のあそこをねじりあげ、皮を根本まで押し下げながら、言いました。
「ううう…」
「彼女のあそこに指突っ込まれるのと、あなたの亀頭の中に指突っ込まれるのと、
どっちがいい?」
彼はその言葉に、思わず身を固くしました。
調子がいいかもしれません。ここで、確かに選ぶことなんてできないかもしれません。
しかし、それでも私は彼が、私のことを助けてくれると思っていました。
しかし、彼に返答はありません。
そんな。まさか。
「どうなの? やっぱり、自分がカワイイのぉ?」
「早く、選びなよ」
しかし、やはり彼は返答できません。
「ブー。時間切れ。じゃあ罰として、どっちにも突っ込むことにしたわ」
彼はその言葉に、あわてて何かを言いかけました。
しかし彼女は、それに耳を貸さず、亀頭の割れ目に指先をねじり混みました。
「あぎゃあああああああ!」
彼の大声が響き渡ります。
「あはははは。先にこいつに突っ込んじゃった」
苦しみを越えた彼の表情。
彼は下半身をピクピクと奮わせます。
それを見て、私はすでに抵抗する気がほとんどなくなってしまいました。
「で、誰が指、つっこんでみたい?」
<つづく>
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