第1話


私はマキといいます。大学生です。 つい最近、大学でミスコンがありました。私はその中でなんと優勝。 そのご褒美に、彼氏に温泉に連れて行ってもらいました。 そこは、栃木のとても綺麗な露天風呂です。 でも気が進まなかったのが、そこが混浴ということ。知らないおじさんたちに私の体を見られるなんて、耐えられません。 私が嫌がっていたら、彼が水着を持ってきてくれたんです。 そのため私たちは二人で水着を着て入っていました。 まわりの人はみんなタオル。さらに温泉には「水着着用禁止」となっていました。 周囲の人はイヤな目をしていましたが、気にせずに入っていました。 今から考えると、とんでもないことをしていたと思います。 そのうちのひとつ、4メートル四方くらいのお風呂に彼と入っていたところ、周りにたくさんの男性が入ってきました。 全員、腰にタオルを巻いたままでした。 タオルはあっても濡れているので、少しだけ中が透けています。 私は彼のしか見たことがなかったので、目のやり場に困りました。 さらに男性はみな彼のより大きめに感じました。 そして驚いたのですが、男性たちはみな強面。 特に一人は右肩にキズがありました。 「まさか、ヤクザ…?」 私はそう思いました。彼も同じように考えているようでした。 すると彼らは、私たちを囲むようにして湯船に腰掛けました。 出ようにも、出られません。 少し不安になったとき、男性の中でもっとも強い立場のような人が言いました。 「おい兄ちゃんたち。ここは水着着用禁止って書いてあるだろ?」 「………」 私たちは言葉を失います。 「なめとんのか?」 その言葉に私たちの顔から血の気が引きました。 彼はあわてて謝ります。 「す、すみません!」 「謝るくらいなら、どうしてはじめから着てくる」 「すみませんでした!」 「ふざけんな」 そうしていると、そこに後ろからバスタオル巻きの女性が二人やってきました。 二人とも茶髪で化粧は濃いめ、30代くらいのヤンキー系の女性でした。 「何してるん?」 すると男性は言いました。 「こいつら調子こいとるから、シメとんじゃ」 話しぶりからして、男性たちの奥さんのようでした。 「へぇ…」 するとその女性の一人はニヤニヤと笑いながら言いました。 「脱がせちゃえば?」 私は最初、その言葉の意味が分かりませんでした。 「だいたいさっきからナマイキなんだよねー。水着着て歩いてるだけじゃなくてさ、周りを見下した目、みたいなさぁ」 すると男性はニヤリと微笑みました。 「そうやな。脱げや」 彼は言いました。 「わ、分かりました…。脱いできます…」 「なにいうとんの? ここで脱ぎなよ」 女性は言います。 私はその言葉が信じられませんでした。 「か、かんべんしてください! すぐに出ます!」 彼はすぐに言いました。 すると男性は言ったのです。 「出たら済む問題ちゃうやろ。水着で風呂汚しておいて、そのまま出ようってのか」 「それとも、わしらが脱がすか?」 「いや、すみませんでした。本当にすみませんでした!」 彼は必死に謝ります。 大学ではヤンキー風でケンカも強い彼ですが、さすがにたくさんの男性たちに気圧されしているようでした。 情けないと思いましたが、やはり私も怖くて彼の手をつかみました。 その瞬間です。 「なめんじゃねえぞ!」 彼らの一人が、彼の顔を平手で殴りました。 「キャー!」 私は驚きます。 彼は殴られ、恐ろしいことに少し鼻血を出しました。 「あと一度しかいわん。そこで脱げ」 彼はその言葉で観念したらしく、湯船の中でパンツを脱ぎました。 「よこせ」 その言葉に彼は、片手であそこをおさえながら、もう片方の手でパンツを持ち、男性のところまで持っていきました。 「バカじゃん、こいつー! 情けねー!」 女性たちの歓声が響きます。 そしてその男性は彼からパンツを取り上げると、一人にライターを持ってこさせ、焼いてしまいました。 「あ………」 彼はそれに何か言おうとしましたが、男性の眼光に言葉を飲み込んでいました。 「次はお前や」 男性は私に向かって言いました。 私は彼の方を見ましたが、彼は明らかに戦意を喪失しているらしく、静かに言いました。 「お、お風呂なんだし、しかたないよ…」 すると女性たちからコールが響きました。 「脱ーげ! 脱ーげ! 脱ーげ!」 男性たちも続きます。 「でっかいオッパイちゃん、見せてー!」 その言葉に他の露天風呂のお客たちも、私たちの方を見ます。 しかしほとんどが興味本位の男性たちで、誰も助けてくれようとはしませんでした。 私はその言葉に仕方なく見えないように湯船に潜って、ビキニのブラのヒモに手をかけました。 後ろだけで結んでいるブラなので、簡単に取れます。 しかし手が震えて、なかなか外すことができませんでした。 何とかヒモを外し、残ったブラを胸の前で押さえました。でもそれ以上取ることがどうしてもできませんでした。 すると、突然に男性の一人がブラをはぎとりました。 「いただきー!」 「キャー!」 突然のことにブラと手は胸からずれてしまいました。 「おおっ!ピンクの乳首ちゃん見えたー!」 「胸、でっけー!」 周りの男性からは歓声が響きます。 「やだっ! か、返してください!」 私はあわててその男性に近寄ります。 すると彼は片手にブラをもって立ち上がりました。 私は夢中で、両手でそのブラをつかもうと、湯船から立ち上がりました。 「おおっ! 大サービス!」 「ぷるぷるしてるー!」 その瞬間、さらなる男性たちの歓声が響きました。 私はあわてていたため、バスト丸出しでバンザイの形をしてしまったのです。 「キャーーーッ!!」 私はすぐに片手で隠しました。 そしてもう一方の手で、なんとかその男性の持つブラをつかみました。 でも男性はなかなか離してくれません。 「か、返してくださいー!」 そうこうしているうちに、男性たちの歓声が響きます。 「見せーろー! 見せーろー!」 それにこたえるようにブラを持つ男性が、手を大きく振り回します。私もそれに合わせて揺られます。 すると自然に、胸を押さえている手もズレてしまいます。 「おー! 乳首ちゃん顔出たー!」 「ピンクでかわいいー!」 彼はくやしそうな顔をして見ていましたが、助けてくれることはありませんでした。 そのうちに私の手はブラからすべり、湯船にしりもちをつきました。 当然ですが、手は外れます。 私は湯船からすぐに体を起こしました。 「ふたたびポロリー!」 「でけー!」 その言葉に、すぐに胸を隠します。 恥ずかしさと情けなさで、顔が真っ赤になりました。 その瞬間、男性はいったのです。 「次は、下も脱ぐんだよ」 (つづく)


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