第6話


気がつくと、マイは全裸の私の体を仰向けに倒していました。 「あははは! 丸見えー! なっさけなーい!」 女性たちの罵倒が続きます。 そしてマイは、私の妻に言いました。 「ね、ダンナさんの肩、押さえててもらっていいですか?」 「…は?」 信じられない言葉。 妻はそれを理解するのに、数秒かかりました。 「だからぁ、タナカさんの肩を押さえてて欲しいんですよ?」 「ど、どうして…」 妻は声を絞り出します。 するとマイは言いました。 「いや、宴会芸ですって! 夫婦共同の方がいいんですよ!」 「そうそう!」 「ほらぁ、奥さん以外の女性が、ダンナさんの体に触れるのって、マズいじゃ ないですかー?」 よく言った、とはこのことです。 今までさんざん私の体に触れたマイの言う言葉ではありません。 迷っている妻に、マイはさらにたたみかけます。 「あ、そう? 奥さんそんな非協力的なんだ? だったらいいですよ。タナカ さんが明日からどうなるか、楽しみにしていてくださいね?」 「や…やります…」 「そうこなくっちゃ!」 妻はハンドタオルを前面に固定しつつ、私の頭のそばに座ると、肩を押さえま した。 「ごめんなさい。あなた…」 「………」 私は、かける言葉が見つかりませんでした。 「ね、うちの会社名物の、ビリビリくん、やってあげたら?」 「もっちろん! そのためにこんな体勢にしたんだからー!」 私には意味が分かりません。 しかし名前から、あまりいい雰囲気は感じませんでした。 「えー? 面白そうね」 「さんせーい!」 「奥様と義妹さんの目の前でタナカさんがどんな反応するか、見てみたいー!」 女性たちはそう言います。 そしてマイが、私の両足を左右の手でつかむと、大きく開きました。 「う、うわっ!」 私はあわてて抵抗します。 「抵抗したら、もうアンタんとこの仕事、受けないよ?」 私はその言葉に、力をなくします。 「そうそう! それでいいの!」 「まぁ、体を張った営業、みたいなモンだよ!」 女性たちは好き勝手に言います。 するとマイは、私の股間に足をあてました。 まさか。 「や、やめてくれ!」 私は最悪の予感がして、すぐに叫びました。 するとマイは、しばらく考えてから、言いました。 「そうねぇ…。ちょっとアレだし、やめておこうかしら…」 「あぁ…」 私は安堵のため息をつきます。 しかしマイは言葉を続けました。 「直接足で触るのもきったないしさぁ、何出てくるからわかんないから、タオ ルかけてくれる?」 「オッケー! それもそうね」 そして女性たちは、私の股間に、ちょうど隠れるように、ハンドタオルを乗せ ました。 「よしっ! これで大丈夫!」 「まぁ、死ぬ人の顔に乗せる布みたいね」 「言えてる! 今から起こること、考えるとね!」 私は気持ちが凍り付きました。 そしてマイは、私のハンドタオルの上に、足の裏を重ねます。 「ビリビリくん。まぁ別名、電気アンマね」 「あははは! うちでは女の子全員がプロ級の腕前だから、名前もアップして 『ビリビリくん』なんだよね」 「マイなんて、社員何人も失神させてるもんねぇ」 Cさんも言います。 「ほんっと、マイさんのアレ、きっついっすよー! 前にやられたときなんて、 3日はマイさんの足の感触がつきっぱなしでしたからー!」 私の気持ちが、さらに凍ります。 妻と義妹も、不安そうな顔で、私のことを見守ります。 「ま、性機能には問題ないでしょ?」 「そりゃ、そうなんですけど」 「ちょっ…」 するとマイは、その瞬間、私のタオルごしに力を込めました。 ぐにっ。 そんな感触と共に、私の局部が形を変えます。 「ひぁっ…」 「うっわー! ぐにってしたー!」 マイは叫びます。 「それにこいつ、キモチ悪い声出したよー!」 「感じてるんじゃない!? タナカさん?」 その言葉に、頭のすぐそばにいる妻は顔を背けました。 「そ、そんなこ…」 「しゃべると、舌噛むよ?」 「…え…」 その瞬間、下半身にすさまじい激痛が襲いました。 「そおおおおおおおおおれ!」 「あぎゃっ! あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!」 私の局部が、何度も何度も振動します。 電気アンマ。小さな頃、友達とふざけてやったことがありました。 しかしその数倍の衝撃が、私の体を貫きます。 「あははは! 声にならない声って、こういうこと言うのねぇ〜!!」 「見てみてー! 体、弓なりに反ってるー!」 「口からヨダレたらして、バカみたいー!」 気持ちが良くないと言えば、ウソになるかもしれません。 激痛と、そしてその中に走る不思議な感触が、私の体を電流のように駆けめぐ りました。 「あ、あなた…」 「お兄さん…」 妻たちが私の姿を、信じられないような顔で見ています。 「み…見ないでく…れ…、見な…」 「あら、余裕あるネ? 速度あげましょうか?」 その声と共に、ますます股間への振動が強まります。 「あんぎゃあああああああ!」 「あはははは! 女子高生に電気アンマされて、マジ感じてるんじゃない!?」 「奥さんと義妹さんの前でねぇ! なっさけなーい!」 「そういうところ、全部カメラでとってあげてるからねー!」 そんな声と共に、またもシャッターの音が響きます。 しかし私は、そんなことを気にするヒマもありませんでした。 そして私が口から泡を吹き始めたときです。 「そろそろ…。チェックして?」 「はーい!」 マイの足が止まります。 そしてそれと同時に、一人が私の股間にあるタオルを取りました。 「やっだーーーーーー!」 「さいってー!」 私はその声を聞き、気持ちが定まらずも、局部を見ました。 「こいつ、ボッキしてるー!」 「きゃははははは」 「ボッキしても小さくないー!?」 その言葉で私は気がつきました。 私の局部は、興奮していたのです。 「ちっせー!」 「私が今まで見た中でも、最小だよー!」 「ボッキしても10センチないじゃん!」 「小指くらい!」 「あはははははは!」 「ほら、そのままね! 女子高生マイちゃんに電気アンマされた、ミニサイズ のタナカさんジュニア!」 そして私の耳に、シャッターの音が響きました。 これ以上の屈辱はない。 私はそう思いました。 しかし、マイは言葉を続けたのです。 「これで終わるわけ、ないよねぇ?」 「ね、あなたもやってみなさいよ」 「は?」 その言葉の先には、義妹であるサキコがいました。 「あなた新米だし、お義兄さんだから、別に汚く、ないでしょ? タオル、い らないよね?」 「そ、それだけはカンベンしてくれ…」 「してくれ?」 「し、してください…」 私は言葉を絞り出すように言います。 しかしマイは、笑いながら言いました。 「いいよ? 仕事に来る人、一人もいなくなると思うけど」 「………」 私は、もう言葉を継げることはできませんでした。 「さ、やってあげて。サキコちゃん?」 「で、でも…。でも…」 彼女は私の方を見て、そして妻の方を見ました。 妻は、涙を流すのを必死にこらえながら、顔を背けます。 「さ、タナカさんからも、お願いして?」 私には、選択権はありませんでした。 「…や…やってくれ…」 「命令形じゃないでしょう?」 「や…。やってください…。サキコ…」 「何を〜?」 「ビ、ビリビリ…を…」 「あははははっ! こいつ、自分の義妹に、自分のチンポ、電気アンマしてほ しいってお願いしてるよー!」 「それもちっこいチンポ、モロにボッキさせてねー!」 「さいってーな義兄だよねー!」 「奥さん、よくこんな旦那と結婚したねぇー!」 言葉一つ一つが、私の心に突き刺さります。 「ほーら? サキコちゃん? お義兄さんも、こう言ってるんだから?」 「やってあげないと…?」 「で、でも…。でも…。私、こんなの…」 彼女は私の方を心配そうに見つめます。 するとマイは、突然に大声で言いました。 「もしかして、初めて見たの!?」 「ま、まっじぃー!?」 女性たちもそれに声を続けます。 サキコはそれにたいして、ビクっとふるえました。 そうか。 そうなのか。 「やっだー! じゃ、最初に触るのが、義兄さんチンポってこと!?」 「さいあくー!」 「でも、いいんじゃない!? まずはちっこいので慣らすのが!」 「あは! 初心者用ってわけだー!」 全員、大声ではやし立てます。 「ほら、はやく?」 「………」 サキコは一歩も動くことはできません。 「クビになりたい人がここにいるみたいよ? パパ?」 マイの言葉に、彼女はピクッと反応しました。 「いけねぇなぁ。場の雰囲気を読むことは、社会人にとって一番重要なことだ ぜ?」 Aさんは、ニヤニヤと笑いながら言いました。 「さ? やるの? やらないの?」 最後のとどめになったのでしょう。 彼女は観念したかのように、私の足を両手でつかみます。 彼女の白く細い足が、私の局部に、直接、触れます。 「うっ…」 こんな状況を、今まで想像したこともありませんでした。 「感じてない? こいつ!?」 「うっわー! だとしたら最低ー!」 そんな言葉がさらに響きます。 「ほーら! 私のやってたの、見てたでしょう? 同じようにするのよ?」 「…ごめんね…。ごめんね、お義兄ちゃん…」 彼女は足を、少しずつゆらしはじめます。 「う…。うぁ………っ!!」 マイほど強い振動ではありません。 しかし小刻みな振動が、私の局部にダイレクト伝わります。 「うっ…。うぁあああっ!」 私の体は、つい反応してしまいます。 「あはははは! 奥さんのご姉妹、お二人の初めての共同作業ですー!」 「二人してダンナさんにお仕置きー!」 「笑えるー!」 「ごめんね…。お姉ちゃん…。ごめんね…。ごめんね…!」 サキコは何度も何度も謝りながら、涙目になりながら、私の局部を踏みつけま す。 「ほら、もっと強くー!?」 「え…。でも………。は、はぃ…」 その瞬間、振動がさらに強まります。 「うっ! くぅああああああっ!」 するとマイは言いました。 「ね、奥さん? タナカさんって、家ではどんな感じ?」 「夜とか、早く帰ってくる?」 妻はノドがカラカラになりながらも、必死に声を絞り出します。 「い、い…いえ、あまり…」 「へぇ! それで遅いこと指摘すると、何て言うの?」 「お…。男の世界に口を出すなって…」 「うわー! こいつ、実は亭主関白なんだー!」 「最悪ー!」 「んでも、笑えない? 亭主の面目、丸つぶれだよ!」 「あはっ! そうだね! こんなところで、全裸でモロチンさらして、奥さん と義妹さんに、電気アンマされてるんだからー!」 「そうそう! 明日から、どんな顔して会うんだろうね!?」 その言葉に、サキコと妻は、涙をこらえるかのように、顔を背けます。 「ダメダメ! ほらほら、よく見なさいよー!」 「あははは! ぜってぇ感じてるよ、こいつー!」 「さっきよりさらにビンビンだしさぁ!」 「そうね! それにしても小さいけどねぇ!」 「あははははっ!」 私は妻の方を見つめます。 妻は私の方を、冷たい目つきで見ているように感じました。 「よしっ! もちろんここも記念撮影ね!」 「ほら、サキちゃん、こっち向いてー?」 「お姉ちゃんとチンポと私ってタイトルね?」 私の姿は、何の容赦もなく、ファイダーの中に閉じこめられていきます。 私は口から、少しずつヨダレや泡を吹き始めました。 「あ…あぁっ! あぅうっ!」 「こいつキモーい! 変な声出してるー!」 「義妹さんにアンマされて、感じてるってー!」 肩に感じる、妻の腕の感触。 体を全く動かせない、この体勢。 背中に感じる、岩肌の硬さ。 そして、局部を小刻みに、それでいて強く刺激する、義妹の足の裏の感触。 いつ終わるともしれないこの感触に、私は意識がとぎれかけます。 すべての気持ちがゆるみきった、その瞬間です。 じょろっ。 「…ん!?」 じょろろろろろっ。 その瞬間、場の空気が止まりました。 私も、その状況を理解するのに、数秒の時間を要しました。 「きゃ…」 最初に声を上げたのは、サキコでした。 「きゃあああっ!」 堰を切ったように、女性たちの声が響きます。 「うわあっ!」 「さ、さ、サイアクーーー!」 「こいつ、ションベンもらしたよー!」 「くっさーー!」 「最低じゃない!?」 罵声は、次から次へと続きます。 「義妹さんに電気アンマされてオシッコもらす男なんて、世界ではじめてじゃ ないのー!?」 「そりゃそうでしょ!? 聞いたことないもん!」 「今まで電気アンマでオシッコした人、いたっけ?」 「…あ、ちょっとチビった人はいたけどさ、さすがにここまで全開なんて、い なかったじゃん」 「そうだよねぇー!」 私の局部からは、まだ尿が出ていました。 呆然とする妻たち。 サキコは驚きのあまり足を引いていました。 するとマイは言います。 「ほーら? 誰が止めていいっていったのよ?」 「え…」 「早く!」 「で、でも…」 「早くっ!!」 その言葉に、私の局部は、また彼女の足の裏の感触を味わうことになりました。 「ほらっ!」 「………」 サキコは再び足を振動させます。 「うっ! うぁぁっ!」 そのたびに私の性器が揺れます。 「きゃーあー! オシッコ出しながら揺らされてるー!」 「ブラブラ、ジョージョーってカンジー!?」 「放水機みたいじゃないー!?」 私は、その尿と共に、自分の誇りのすべてを失ったような感じを味わいました。 「あら…? そろそろ、おしまい?」 「そうみたいねぇ」 私は、すべての尿を出し切ったと同時に、放心しました。 「じゃ、尿切らないと?」 「ほら、足でブルブルッてフリなさい?」 「…は、は…ぃ…」 サキコが足を振ると、私の局部から、残っていた尿が少しだけ出ました。 「あはは! 全部出た!」 「後始末は、二人でお願いね?」 「………」 マイは呆然としている二人にハンドタオルを一枚ずつ渡すと、静かに風呂に入 りました。 私はしばらく何も考えることができないまま、妻と義妹が、後始末している様 を見ていました。 「すまない…。すまない…」 二人はそれには答えず、ただ尿を拭き取っていました。 (つづく)