麻耶の黒い下着(修正版) 第18回
沼 隆 登場人物 坂下大樹 アマチュア写真家 浩平の父親 坂下麻耶 大樹の妻 坂下浩平 大樹の先妻の子 峰 冴子 麻耶のいとこ ランジェリーショップ〈ラオラ〉の女主人 浜部朱美 大樹の写真仲間 浜部 淳 朱美の夫 (1) 大樹は、ランジェリーショップ〈ラオラ〉の前まで来た。 この店のオーナー店長、峰冴子(みねさえこ)は、麻耶のいとこである。 このあいだ、麻耶とラブホテルでセックスをした夜、 麻耶が着けていた黒い下着が、 大樹は、気に入ったのだ。 大きな蝶が刺繍してある、 シースルーのブラジャーとパンティ。 肌が透けて、エロチックで、 麻耶にとても似合っていた。 それで大樹は、麻耶に、下着を買ってやろうと思った。 いっそ、冴子の店に行ったほうが、話が早い、と思って、 来たのだった。 「いらっしゃい、大樹さん」 「こんにちは」 「思いがけない、お客さんだな、うれしい、大樹さん」 冴子は、大樹を歓迎した。 「麻耶に、下着を買ってやろうと思って」 「ええっ! すてき! 大樹さん、それって、 麻耶、すっごくよろこぶと思うよ」 「そうかな?」 「そうよ、ぜったい!」 「そうか、よかった、あいつ、いつも冴子さんの店で買ってるみたいだから」 「そうよ、お得意さまです」 「うん」 「今日から、大樹さんも、お得意さまになってくれるのかしら?」 「ああ、そうさせてもらうよ」 「じゃあ、すてきな下着を選びましょう」 「ああ」 大樹は、ショーケースに飾られた色とりどりの下着を眺める。 「どんなのを、贈りたいのかな?」 「あいつが、最近買った、黒い下着」 「えっ?」 「すけすけでさ、蝶々の刺繍が……」 冴子は、うろたえた。 「あ、ああ……あれ」 「あれ、あいつに似合っててさ」 「そ、そうね……」 あの日、麻耶が、浩平を連れてきた日、 その黒い下着を選んだのは浩平で、 浩平は、〈カノジョ〉に贈る、といった。 年上のカノジョに…… 年上の女って……麻耶……! 麻耶のことだったの……! なんてこと……! 血がつながってなくても、お母さんじゃないの……! 麻耶、あんたたち、なんてことを……! 「冴子さん」 大樹が、不審そうに見ているのに気がついて、 「ごめんなさい」 「どうかしたの?」 大樹が、心配そうに冴子を見つめている。 「ううん、だいじょうぶ」 「貧血?」 「え? え、ええ」 「だいじょうぶ?」 「う、うん、だいじょうぶ」 なんてこと…… こんな、ひどいことって…… 浩平が、黒い下着を選んだとき、 冴子は、驚いて、 「ええっ! アダルトすぎない?」 とたずねたのだが、 浩平は、平気な顔をしていた。 「カノジョ、どんな子なのよ、いくつ?」 と聞いたら、 「ええっと……ヒミツです」 と、はぐらかされた。 「もぉ……おとなっぽすぎないかなあ……このピンクのとか、どうかな?」 と、冴子がアドバイスしたら、 「カノジョ、これが似合いそうなんです、冴子さん」 と、浩平は答えた。平然と…… たしかに、麻耶には、似合うよ…… ああ、なんて子なの! 麻耶のために、選んだんだ…… 義理とはいえ、母親のために…… 水着を買ったし…… ピンクの極小ビキニを、いっしょに買った…… そうだ、麻耶が、 「こんな水着、どこで着るんだろ? 売れるの?」 て聞いたから、冴子は 「けっこう、売れるんだよ。ほら、最近、プール付きのラブホ、あるでしょ?」 って、教えたんだ…… ああ、なんてこと…… 麻耶の水着だったんだ…… いくら、血のつながらない女だといっても、父親の妻…… そんなひとと……エッチするなんて…… 冴子は、腹が立ってきた。 浩平が平気でウソをついたことが、腹立たしかった。 麻耶がだましたことに、憤慨した。 なんてやつ…… きっと、麻耶を、無理矢理…… そうよ、レイプしたんだ…… 麻耶、脅されているんだ…… 「冴子さん」 「……?」 「冴子さんっ! だいじょうぶ?」 「あ、ああ、ごめんなさい」 「気分、ワルそうだよ」 「い、いえ、だいじょうぶ……」 冴子は、なんとか笑顔を作った。 「どんなのが、いいかな?」 冴子は、大樹にたずねた。 「そうだね、やっぱり、黒い下着にしようかな」 「そうね……」 冴子が、大樹の前に数点広げていく。 あの日、カノジョのブラのサイズをたずねたのだった。 「ブラのサイズ、わかる?」 そうしたら、 「うん、知ってます」 と、平気な顔で答えて、 女の子のブラのサイズを知っているなんて、 と、冴子は思ったけれど、 そんなに変なことでもないのかな、とも思った。 「そっかぁ、知ってるんだ、浩平くん」 浩平がいったサイズは、麻耶のブラのサイズと同じだった……! いま思うと…… でも、そんなこと、いったい誰が想像する? 義理とはいえ、母と子がセックスするなんて…… 「これ、いいねぇ」 大樹が言った。 「しゃれてるでしょ?」 「うん」 「サイズ、調べますから」 冴子は、顧客リストをぱらぱらとめくった。 麻耶のサイズを、冴子は覚えている。 ただ、確認したかった。 浩平のカノジョも、麻耶も、ブラジャーのサイズが同じだった。 「ガーターベルト、見せてよ」 大樹は、そうやって、黒い下着のセットを選んでいった。 ブラジャー、ガーターベルト、キャミソル…… 「ショーツ、どうする?」 「ショーツ?」 「パンティ、のことよ」 「ああ、パンティか、そうだな」 「これ、どうかな?」 「いいね、セクシーだね」 大樹は、冴子が差し出したパンティを手に取った。 「ああ、手触りも、いいね」 すべすべした柔らかい下着。 デリケートな下着を扱う冴子の指先に、 大樹は見とれている。 冴子と目があった。 明菜に似ているな…… と、思った。 いとこ同士なんだから、自然なことかもしれないが…… なるほど…… なにが、なるほどなんだ……? 大樹は、明菜を抱くときの感触を、思い出しているのだった。 真壁宗男が、乱交の仲間に入り、 明菜を連れてきたとき、驚いたが、うれしくもあった。 明菜は、平静を装っていた。 本当に、平気だったのか? そうかもしれない。 ドスケベ大学教授が、飼育している女子大生。 明菜は、期待を裏切らなかった。 明菜と宗男で、前後から明菜のふたつの穴に入れたとき、 大樹も、宗男も、明菜の肉の蠢きにサオを絞り上げられて、射精したのだった。 冴子は、バツイチ子持ちだ。 たしか、幼稚園、年長サンだとか、なんとか。 おれたち夫婦の結婚式に、連れてきてたな。 「麻耶、浩平クンと、仲良くしてるのかな?」 「ああ、うまくいってるよ、最初は、心配したんだけれどね」 「そうなんだ」 「麻耶、冴子さんに、何か言ってるの?」 「ううん」 と、冴子は打ち消した。 「浩平クン、難しい年頃だから」 「ああ、たしかに。でも、麻耶が、うまくやってくれているようだ」 「そう、よかった……」 「冴子さん、心配してくれてるんだ、ありがとう」 それから、大樹は、冴子に名刺を渡しながら、言った。 「また来ます。麻耶の気に入りそうな下着があったら、 携帯に電話して」 「はい」 大樹は、下着が入った包みを手に店を出た。 ドアに下がったプレートで、〈ラオラ〉の定休日を確かめる。 〈近いうちに、お茶にでも、誘うか〉 と、大樹は思った。 (2) 水曜日、〈ラオラ〉の定休日。 冴子は、〈メルモ・スポーツクラブ〉に出かける。 麻耶が、いた。 けやき通りのフレンチの店で、ランチにする。 「冴子、きれいな下着、選んでくれて、ありがとう」 「ああ……」 「大樹、喜んでる」 「そう……」 「あたしも、気に入ってるよ」 「そう……」 「どうしたの?」 麻耶は、冴子の表情が、いつもとちがっていて、 不機嫌そうなのが、気になっていた。 「浩平くんと、仲良くしてる?」 と、冴子が聞いてきた。 「うん」 と、麻耶が答えた。 「そう……」 冴子の意味ありげな視線が、麻耶を見つめている。 「どうしたの、冴子、なんだか、ヘンだよ」 「浩平クン、カノジョと、仲良くしてるのかな?」 「カノジョ、って?」 「このあいだ、浩平クン、うちの店で、カノジョに下着買ったでしょ」 「ああ……」 「蝶の刺繍がしてある、アダルトな下着」 「そうだった」 「年上のカノジョ、だったよね」 「らしいね」 「知らないの?」 冴子は、麻耶に鋭い視線を向けていた。 「麻耶、わたし、浩平クンのカノジョが誰だか、わかったの」 冴子は、切り出した。 「どういうこと?」 「浩平クンが買った下着、誰が着ているか、わかったんだよ」 「えっ?」 「浩平クンのカノジョって、あんたのことでしょ」 「えっ? なに言ってるの、冴子」 「とぼけないで、麻耶」 冴子は、きつい表情をしている。 「大樹さんの話で、わたし、わかったんだよ」 「そう?」 「蝶の刺繍の下着、麻耶に似合ってるって」 「そうか……」 「麻耶、あんた、いけないこと、してる」 「だから……?」 「すごいね、麻耶、開き直っちゃった」 「ひどぉい、冴子の言い方」 「冴子、この話、ここでしたくない」 「いいいよ、出ましょう」 「浩平クンとエッチしたよ、冴子」 「白状したね」 「白状、なんて……」 「あんたがさそったの? それとも……」 「なんとなく……よ」 「なによ、それっ!」 「そうなったんだよ」 「これから、どうするんだよ?」 「そうね……」 「続いてるんだ」 「どうかな……」 「どうかなって……!」 「最近、浩平、夜出かけるんだ」 塾に行ったことになっているのだが、本当のところは、わからない。 それに、最近、浩平は、麻耶の身体を求めなくなっているのだった。 そして、大樹が、求めるようになった。 「浩平、カノジョがいるみたいなんだ」 「へえぇ」 冴子の返事には、皮肉がたっぷり込められていた。 「なによ、それ、いい気味、って、聞こえた」 「そんなこと、ないけど」 麻耶は、冴子に話した。 浩平は、半年もしないうちに、家を出て行く。 東京の学校に行きたがっているようだ。 そうなったら、浩平は、麻耶のことなど、すぐに忘れてしまう。 だから、自然に終わることになるだろう。 「それで、いいの?」 「いいよ」 冴子は、醒めた応対をする麻耶に、気後れさえしていた。 「そうだ、冴子」 と、麻耶が話題を変えた。 「冴子、つきあってる人、いるの?」 「え?」 「好きな人、いるのかな?」 「今は、仕事がおもしろくて」 「男とつきあってる暇、ない?」 「そういうわけじゃないけど」 「大樹が、冴子に見合いさせようか、って」 「見合い?」 「そう、お見合い」 (3) 秋が深まって、麻耶は、妊娠していることが、はっきりした。 生まれてくる子の父親は、大樹か、浩平か。 それは、麻耶にも、わからない。 大樹の子なら、浩平にとっては、弟。 浩平の子なら、大樹にとっては、孫。 どちらが父親なのか、麻耶にもわからない。 大樹は、喜んだ。 浩平は、醒めている。 マタニティ下着を着けるようになって、大樹は麻耶を抱かなくなった。 浩平は、ごくたまに、麻耶と性交する。 浩平は、目立ち始めた麻耶の腹を触っているうちに、 したくなった。 麻耶が、安全だ、と教えた。 おなかがせり出してくる麻耶とのハメ撮り写真が、 浩平のパソコンの隠しフォルダにある。 麻耶のマタニティ下着は、浩平には見たくもない代物だ。 妊婦とのセックスに、好奇心がわくのだが、 やはり、次第に遠のいていくのである。 (4) 浩平は、年上の人妻、浜部朱美とのセックスを続けている。 朱美や、オヤジたちがやっている乱交パーティのようなものに、 オレもいつか参加するのだろうか。 オヤジみたいに、主宰者になるのだろうか。 オレは、どんな女を連れて行くのだろうか。 大学で、乱交サークルをつくろうか。 東京の大学に入って、田舎モンの女子大生を犯しまくろうか。 【電話して、いいかな?】 浩平の携帯にメールが届く。 朱美だ。 浩平は、視聴覚教室にいた。 東京の鶯谷ゼミナールが制作した番組を視聴する時間。 浩平は、一番後ろの席に座って、カメラのカタログを見ていた。 【授業中?】 ほんの数十秒後に、かかってきた。 浩平は、イヤホンマイクを装着する。 「浩平くんの声、聞きたくなって」 朱美が言った。 浩平は、黙っている。 「授業中なんだね」 「……」 「浩平くん、声、聞きたいよ」 「……」 「無理なんだね、もぉ……」 「……」 「浩平クン、会いたいよ」 「……」 「浩平クン、なにしてるの?」 「……」 「まじめに、聞いてるんだ」 「……」 「会いたいよ、浩平クン」 「……」 「もぉ、いじわるぅ」 浩平を相手にすると、明美は、小娘みたいに甘ったれた声になる。 トシなんか、忘れてしまう。 それが、朱美の悦びなのだ。 「浩平クンと、エッチしたいよぉ」 「……」 「だってぇ」 〈ババァのくせして、甘ったるい声を出しやがる…… キショク悪いぜ……〉 そのとき、ゼミ講師の話がおもしろかったのか、 講義をまじめに聞いていた同級生たちが、どっと笑った。 ざわめきに乗じて、浩平は声を押し殺していった。 「オナニーしな」 「そんなひどいこと、言わないでよぉ」 「……」 「オナニーなんか、いやだよぉ」 「……」 「んんん……」 「……」 「おちんちん」 「……」 「おちんちん、おしゃぶり……」 「……」 「浩平くんの、おちんちん、おしゃぶり、したい」 「……」 「ウン……」 「……」 「浩平クンの……おちんちん……欲しい」 「……」 「して、欲しい」 〈ドスケベばばぁ……〉 「あたしの、あそこに、入れて欲しい」 浩平のサオが、硬くなっている。 「待ってるから」 (5) 夕食の後片付けを手早く済ませると、 明美は、外出の支度を始める。 「今夜も、かよ」 と、夫が皮肉たっぷりに言った。 「だって、ミナ子に、カラオケ誘われてるんだもん」 「いい加減にしろよ」 「いいじゃない、あたしだって、楽しみ、欲しいよ」 「いいけどさ……」 「あんたたち、しょっちゅう、釣りに行ってるじゃない」 「おまえも、写真、やってるじゃないか!」 「それは、あんたたちが釣りに行くからだよ」 「おまえ、近ごろ、へんだぞ」 「えっ?」 「妙に、若い格好してるしさ」 「おばさんみたいな格好した方が、いいの?」 「いや……」 「なによっ!」 そうなのだ、明美は、浩平とエッチするようになって、 着るものが、ちょっと若くなっている。 化粧も。 声も、華やいでいる。 30代半ばのおばさんが、浩平に嫌われないように、 おしゃれに気を配っている。 このあいだだって、 〈お嬢さん〉って呼ばれたんだ……♪ 〈奥さん〉じゃなくて…… それって、気分、いいよ…… もうすぐ、浩平に会える…… 合って、楽しい時間を過ごせる…… ああ、胸が、どきどきしてる…… うれしい…… うれしいよ…… 昼間、浩平とデートの約束をしたときに、 黒い下着に着替えてある。 夫には触らせたことがない黒い下着。 そう、以前、夫は、黒い下着姿の朱美を見て、 「いやらしい」 と言ったのだ。 うふ、思いっきり、いやらしくなっちゃうんだから…… 化粧を直しながら、朱美は鏡のなかの自分に微笑む。 (6) 朱美が家に帰り着いたのは、11時過ぎだった。 夫は、居間でテレビを見ていた。 パジャマ姿で、テーブルには、ビールの缶が2本。 「ただいま」 「おかえり」 夫は、テレビの画面を見たままで、振り向きもしなかった。 夫婦の部屋に入って、着替えを始める。 下着姿になったときだった。 「いやらしいの、着てるんだな」 夫が、部屋の入り口に立っていた。 朱美の下着姿を、不潔なものを見るような目で見ている。 「なによっ、いやらしいっ!」 「おまえこそ、何、言ってる!」 「そんな、いやらしい目で見て!」 「どっちが、いやらしいんだっ!」 夫は、酔ったせいなのか、怒っているからなのか、顔を真っ赤にしている。 「こんな時間まで、どこで、何やってたんだっ!」 「カラオケに行ってたんだよっ!」 「カラオケに、こんなスケベ下着で行くのかよっ!」 「おしゃれして行っただけだよっ!」 朱美は、夫に押し倒された。 「い、いたいっ!」 のしかかってきた夫が、酒臭い。 「やめてっ!」 パジャマの中でいきり立った肉棒が、朱美の太ももに押しつけられる。 「あっ、いやっ」 酒臭い口が、朱美の口を塞ぐ。 「うぐっ」 舌が、ねっとりとさし込まれ、 からませてくる。 ずじゅっ あふれるだ液を、夫はすする。 夫の指が、パンティの股布を乱暴にこじあけて、 淫裂をなでまわす。 じゅぷ 「こんなに、濡らしやがって」 「やっ!」 「なにが、いやだっ……ハメたがってるじゃないか」 「ああっ、いやぁぁ」 「この、スケベ女っ!」 夫は、ブラジャーをはぎ取った。 「いたいっ!」 ストラップのフックが、朱美の肌をこすった。 「乱暴に、しないで」 夫が、乳房にすわぶり突いてくる。 じゅぽっ 力強く吸われたときだった。 その場所に、疼くような快感がわき上がり、 夫の指が挿し込まれている肉穴に瞬時に伝わって、 ぎゅっ と、締め上げた。 「おっ」 と、夫が息を漏らす。 「こうすると、キモチ、いいのか」 「んん」 「そうか、そうか」 夫は、乳首の周りを大きく口に含むと、 激しく吸い上げた。 「あああああああぁぁぁぁぁっ」 肉穴からは、蜜があふれ出してきて、 夫の手のひらをぐっしょり濡らす。 「ふふ」 夫は、朱美の反応に、ほくそ笑んでいた。 朱美の頬は、上気してピンクに染まっている。 夫の指の動きにあわせるように、 腰をくねらせる。 〈こいつ、こんなに、乱れるなんて〉 夫は、パジャマのパンツを蹴脱いだ。 肉棒の先端についた先走りのツユが、 朱美の太ももを濡らす。 夫は、朱美の指を肉棒に導く。 朱美は、いきり立ったサオを握った。 「しゃぶれ」 朱美は上体を起こすと、 夫の下腹部に顔を沈めていく。 くわえると、サオは小便のニオイがした。 「しゃぶれ」 しゅぶ 口に含んだ亀頭を、朱美は舐め、吸う。 舌先で、鈴口を押し広げるように舐める。 それから、カリの張り出しを、カリのくぼみを、 丹念に舐めていく。 すちゅ、すちゅ、すちゅ 夫の両手が、朱美の尻をつかみ、 朱美はそれに答えるようにして腰をひねり、 夫の上半身にまたがる。 夫は、さしだされた尻を両手で撫でさすりながら、 目の前の、淫裂に口を寄せていく。 淫裂を縁取る縮れた陰毛が、 濡れて張り付き、つやつやと光っている。 両手の親指で広げると、 充血した粘膜の花びらが、 ビロビロと重なって、 その奥に、肉穴が口を開いている。 白濁した淫汁が、そこにたまっている。 夫は、顔をぎゅっと押しつけると、 唇を押しつけて、それをすすり込むのだった。 ずじゅ、ずじゅう、ずじゅじゅっ 「ああああんんん」 朱美は、サオを口から抜くと、背中を反らせながら、大きくあえいだ。 夫は、すすり込んだ淫汁を味わう。 朱美の性器からあふれ出した液体は、 粘っこく、塩気を含んでいる。 唇を外して肉穴を見ると、 とろとろと流れ出してくるのだった。 夫は、もう一度それをすすった。 朱美の淫水に、浩平の精液が混じっているとも知らずに。 うつぶせになった朱美に背後からのしかかり、 乳房を揉みしだきながら、ズッポズッポとハメ続け、 「うぐぉっ」 と、うめきながら、大量に射精した。 腰を、数回突きだしながら射精し終わって、 夫が朱美の背中に重なっていったとき、 「なに、してるの?」 と、子供の声がして、 部屋の入り口には、眠そうな顔をしたパジャマ姿の息子が立っていた。 「あ、いや、その」 夫が、つながったまま、うろたえているときに、 朱美が、荒い息の下から甘ったるい声で 「ママと、パパ、愛し合ってるの」 と言ったのだった。 息子は、父親がのしかかっているのに、 とろんとした目で、恥ずかしそうにしている母親を見て、 「そう」 と言うなり、自分の寝室に戻っていった。 「おまえ、ちかごろ、味が変わったなぁ」 「ん? あじ?」 「エッチのことだよ」 「ああ、味……」 「女の味だよ」 「そう?」 「うまくなったっていうか、テクあげたって、感じかなぁ」 「ん?」 「おれが突くと、突き返してくる」 「ふ」 「絶妙なんだよなぁ」 「んっ」 夫は、ティッシュで、朱美の性器をぬぐっている。 ぶじゅ 朱美が、尻を浮かせた瞬間、肉穴から白濁した液体が流れ出してくる。 朱美は、とろんとした目で、夫を見ている。 「なんか、ひさしぶりだな、こんなの」 「ん」 「おまえ、浮気してないよな」 「なによ、突然」 「いや、なんか、心配になってさ」 「なんでだよぉ」 「おまえ、急に、うまくなってるからさ」 「あんたが、うまくなったんだよぉ」 「そ、そうかなあ」 「そうだよぉ」 朱美の乳首が、ボッキしている。 夫は、ゆっくりと口を近づけた。 乳房を舐める。 「吸って」 朱美にうながされて、夫は乳首を吸い始める。 「ああっ、いいっ」 「そんなに、感じるのか」 「うん」 前は、これほどではなかった。 乳房を愛撫しても、気持ちよさそうにしてはいたが。 淫裂に指を探り入れて、 肉穴にさし込む。 夫の精液が混じって、ねばねばした液体が、 指先に絡みつく。 その指でそれで、クリトリスをこすりあげた。進む