麻耶の黒い下着(修正版) 第16回
沼 隆 登場人物 坂下大樹 アマチュア写真家 浩平の父親 坂下麻耶 大樹の妻 坂下浩平 大樹の先妻の子 峰 冴子 麻耶のいとこ ランジェリーショップ《ラオラ》の女主人 (1) ランジェリーショップ〈ラオラ〉である。 「あ、いらっしゃい!」 冴子が、にこにこしながら、麻耶と浩平を迎える。 「これから、ふたりで、お昼ご飯?」 「うん、そうなんだ」 「ヒルサイドテラスの、〈ピエトローネ〉、行った?」 オープンしたばかりの、評判のイタリアンの店だ。 「ふふふ、そこに、行くんだよ」 「なあんだ、おいしいって、教えてあげようと思ったのに」 「あたしたち、初めて行くんだよ、なにが、おすすめ?」 「そうねえ・・・・・・」 麻耶と冴子のおしゃべりを、ぼんやり聞きながら、浩平は、下着を眺めている。 「冴子さん、オレ、プレゼント、買いたいんです」 「ええっ! うれしいなあ、浩平くん、さっそく、ありがとうございます」 冴子は、好奇心をむき出しにして、浩平を見ている。 「で、どんなのを、プレゼントしたいの?」 女ふたりがおしゃべりをしているあいだに、浩平は選んでいた。 「これ」 「ええっ! アダルトすぎない?」 「そうですか?」 「カノジョ、どんな子なのよ」 浩平が、指さしたのは、黒の、シースルーの下着。 ブラジャーと、三角ビキニパンティ。 ブラは、トップのところに、蝶が刺繍してある。 ビキニパンティは、ヘアを隠すように、羽を広げた蝶の刺繍。 「セクシーで、きれいな下着だけどさあ・・・・・・」 冴子は、ためらっている。 どうしたものかと、麻耶を見る。 浩平くんの彼女、年上だと言ってたけど、二十歳かそこらなんだろうし・・・・・・ 「カノジョ、年上だって、言ってたよね」 「うん」 「いくつ?」 「ええっと・・・・・・」 答を待つ冴子の目は、好奇心で、きらきらしている。 「ないしょです」 「もぉ・・・・・・おとなっぽすぎないかなあ・・・・・・」 「カノジョ、似合いそうなんです、冴子さん」 ・・・・・・冴子、いい加減にしろよ、 オレが買うって言ってるんだからさあ、 売れば、いいジャン・・・・・・! 「ふうん・・・浩平くんのカノジョ、おとなっぽいんだ」 「うん、これ、カノジョにぴったりだ、ぜったい!」 「はあい」 冴子は、浩平にはぐらかされて、ちょっとくやしいけれど、 なんとか聞き出すつもりでいる。 「ブラのサイズ、わかる?」 「うん、知ってます」 「そっかぁ、知ってるんだ、浩平くん」 浩平がサイズを教える。 女の子のブラのサイズを知っているなんて、 と、冴子は思ったけれど、 そんなに変なことでもないのかな、とも思った。 「試着してみると、いいんだけど」 そうよ、カノジョ、連れていらっしゃいよ、と、 冴子は、考えた。 「カノジョ、連れていらっしゃいよ」 「ううん・・・・・・」 「浩平くんのカノジョ、あたし、会ってみたいな」 ・・・・・・そんなこと、できるワケ、ねぇだろ、バカ!・・・・・・ 「それは、ちょっと・・・・・・」 「そかぁ、きっと、かわいいひとなんだろうなぁ」 冴子は、浩平が教えたサイズのブラジャーを出した。 「これ、水着なんでしょ?」 「そうだよ」 「すごいなあ」 「イーブル・ウィーゼル、っていうブランドなの」 「知ってる」 「ええっ! 浩平くん、なんで?」 「ネットで、見たんです」 「ネット? ふうん・・・そっかぁ」 「これも、もらいます」 浩平が指さしたのは、ピンクのものだった。 冴子は、片手に握り込めそうな、極小ビキニを、いっしょに包む。 麻耶が、冴子に尋ねる。 「こんな水着、どこで着るんだろ?」 「海や、プールは、無理よね、いつか、大胆な子が、着ちゃうかもしれないけど」 「売れるの?」 「けっこう、売れるんだよ。ほら、最近、プール付きのラブホ、できてるでしょ?」 「そうか、ラブホね・・・」 〈ココミル〉だったかな・・・・・・ たしか・・・・・・ (2) 〈ココミル〉は、プール付きの《ペントハウス》が、空いていた。 プールといっても、直径が、たかだか3メートルほどの、 大きめの風呂というか、その程度のものなのだけれど、 カップルでいちゃつくには、十分なのだ。 麻耶は、裸になると、イーブル・ウィーゼルの超ビキニをつける。 「ふふふ」 「うふふ」 陰毛が、あふれ出して、おかしい。 「麻耶、剃るよ」 「だ、だめよ、だめよ」 「そんな、みっともない格好、見ちゃいられないよ」 「こ、浩平くん・・・・・・」 バスルーム。 マットを敷いて、麻耶は仰向けに寝た。 さっき立ち寄ったドラッグストアの紙袋から、シェーバーを取り出す。 「ねえ、浩平くん・・・・・・」 お父さんに、なんて説明するの・・・・・・? ・・・・・・そんなことは、訊けない。 お父さんなんて言葉、口に出せない。 どうして、ふたりきりの時に、「お父さん」などと言えるもんか。 浩平は、三角デルタにシェービングフォームを塗り立てる。 「こ、こわい・・・・・・」 「だいじょうぶ、ケガさせたり、しないよ」 「ああっ」 三角デルタの縁にシェーバーがあてられる。 ショリ 「ああっ」 ショリ ショリ、ショリ、ショリ、ショリ、ショリ・・・・・・ 浩平は、しだいに手際よくなっていき、 大まかに剃ったところで、麻耶の股間に湯をかけた。 そり落とされた陰毛が、マットの上を流れていく。 麻耶に、水着をつけさせる。 かなり剃ったつもりでいたのに、まだはみ出している。 水着を脱がせ、そり続ける。 淫裂が始まる、ぎりぎりのところまで、そり落とす。 それほど小さな、ビキニなのだ。 脇からはみ出そうな部分も、しっかりと剃り上げる。 湯をかけ、洗い流し、ビキニをつけさせる。 極小ビキニの三角布に、陰毛がおさまった。 丹念に仕上げていく。 排水溝に、縮れた陰毛がくず糸のように絡まっている。 マットに貼付いた陰毛といっしょに、シャワーヘッドから吹き出す強い水流で洗い流す。 麻耶は、流れ去る大量の陰毛に、驚いた。 バスルームの鏡に、淫裂をやっと隠すほどの極小ビキニをつけた自分が映っていた。 ピンク色のビキニパンティは、極薄いナイロン生地製で、 麻耶の漆黒のヘアが、くっきりと透けている。 それに、淫裂にしっかり食い込んでいる。 割れ目が、浮き出している。 それを見せる水着なのだ。 裸同然、というより、もっといやらしい。 浩平に手渡されて、ブラをつける。 パンティと同じ極薄い生地でできているので、 乳首がそっくりそのまま浮きでている。 こんな水着、どこで着るんだろう。 これを着て、泳げるんだろうか。 「来いよ!」 浩平に呼ばれて、プール室のドアを開ける。 浩平が、カメラを構えて、待っていた。 シャッターを押し始める。 アングルをかえながら。 「水に入って」 透き通った水はひんやり冷たくて、 「きやっ!」 麻耶は、悲鳴を上げる。 けれど、すぐになれて、気持ちよくなるのだった。 胸元を見ると、水着が濡れたせいで、乳首が透けて丸見えだ。 「泳いで」 浩平を見ながら、ゆっくりと泳ぎ始める。 浩平の構えるカメラを見つめながら。 浩平が、たっぷり撮影して、カメラをテーブルに載せた。 「浩平くんも、泳ぎなさいよ」 浩平は、素っ裸になって、プールにはいる。 「ああ、つめてぇ」 プールと呼ぶには滑稽なほど狭いけれど、 全裸で泳ぐと、キモチがいい。 麻耶が寄り添ってきて、身体が触れ、水中で抱き合い、唇を吸う。 ブラジャーをほどき、乳房をすわぶる。 水の味がするばかりだ。 ベッドに移り、冷えた身体を温めあう。 冷たい水で縮んだペニスを、麻耶は口に含み、舌の上で転がす。 それから、ハーモニカを吹くときのように、 ペニスの茎の部分を、唇と舌でこするのだった。 しだいに、暖まり、熱い血が流れ込んで、硬さを増していき、 すっかり堅くなったところで、 仰向けに寝ている浩平の腰にまたがると、 麻耶は尻を落としていき、 肉竿をつかみ、 亀頭を肉穴にあてがい、 浩平の目を見据えながら、腰を沈めていった。 「あああっ」 根元まで、すっかり埋め込まれる。 先端は、子宮を突き上げている。 麻耶のあえぎ声は、甘く、せつなくい。 硬さを味わうように、麻耶は肉穴を締め付けた。 くっ、くっ、くっ 「ああっ、ああっ、ああっ」 ぐっ、ぐっ、ぐっ 「浩平くん・・・堅い・・・すごく・・・堅い・・・」 麻耶は、浩平の腹についていた両手を、上げる。 それから、ねだるように両手を差し出す。 浩平は、手のひらをあわせるようにして、両手を握りあった。 麻耶は、ゆっくりと腰を動かし始める。 尻が動くにつれて、サオのつけ根が顔を出し、すぐに肉穴に潜り込む。 「ああっ・・・ああっ・・・ああっ・・・」 尻を前後させるだけではない。 締めつけ、ゆるめ、締めつけ、ゆるめる。 「おおっ」 浩平も、うめいてしまう。 「ううっ」 「いい?」 「ああ、いい」 「キモチ、いい?」 麻耶が、せつない声で、訊く。 「ああ、麻耶、いい、すごく、いい」 「あたしも、あたしも、あたしもよ、浩平くん」 浩平の下腹の上を前後に動いていた麻耶の尻が、 跳ねるように、上下の動きを始めた。 浩平の腹と、麻耶の尻にすきまができて、 麻耶の肉穴に出入りを繰り返す、自分の肉竿を、浩平はしっかり見た。 麻耶の肉穴は、濡れそぼっていて、 その蜜のしたたりが、浩平をいっそう気持ちよくしているのだ。 浩平も、尻をうごめかす。 「おおおおっ」 麻耶の動きに、自分の動きが加わって、 浩平は、サオからタマに凄まじい快感を感じたのだ。 下腹部に、強い電流が走り、精液が吹き上がった。 「ああああっ!」 「うううっ」 「ああっ、出てる、出てる、出てる」 サオが脈打つのを、麻耶は肉穴で、感じ取っていた。 浩平は、腰を突き上げ、最後の一滴まではき出した。 「あああああっ、あああっ、あああっ」 麻耶は、上体をのけぞらせる。 浩平は、麻耶の手をしっかりつかんで、支えた。 肉穴が、ひくひく痙攣し、淫水と混じり合った精液が、サオをつたって流れ出る。 身体の力が抜けて、倒れ込んでくる麻耶を、浩平の胸が受け止める。 サオが、ねじ曲げられて、締めあげられる痛みに、 浩平は、ひざを立ててサオの角度を変えたのだった。 精液が、タマ袋を濡らしていく。 麻耶の肉は、ゆっくりとうごめき続けている。 浩平は、麻耶を抱きかかえてまま身体を入れ替えていった。 抜きたくなかった。 麻耶が仰向けになり、浩平を見上げている。 麻耶は、キスをしたくなって、頭を持ち上げる。 同時に、浩平が腰を沈めて、サオが再び麻耶の奥深くに挿しこまれた。 麻耶は、肉鞘を絞める。 締め付けられて、押し出されようとしたので、浩平は、ぐぐぐっ、と突きだした。 膣のなかに残った精液のヌルヌルが、肉の感触を、弱める。 抜きたくなかった。 浩平は、あきらめてサオを抜き、手早くティッシュで拭い、 ブッスリと突き刺した。 浩平の突きに、麻耶も突きで応える。 浩平の退きに、麻耶も退く。 ずるっ、ずるっ、ずるっ、ずるっ・・・・・・ 長いストロークで、サオと穴とがこすれあう。 「あうっ」 何かのハズミに、どこかを突いて、麻耶はうめく。 痛いからではない、いいからなのだ。 麻耶が、眉間にしわを寄せても、 痛いからではない、いいからなのだ。 「あうっ・・・・・・あうっ・・・・・・あいっ・・・・・・」 とうとう、2度目の射精を終える。 麻耶に体重をかけてしまわないように、腕で自分の体重を支えながら、 浩平は、麻耶に覆い被さっていく。 麻耶は、浩平の頭を抱きしめる。 2度続けて射精した肉竿が、少ししぼむ。 「このまま、眠ろ、ね、浩平くん」 浩平は、麻耶の体温を胸、腹、サオに感じながら、まどろんだ。 深い眠りに落ち込んだのは、一瞬だったかのように、 ハッ、と目覚めた。 サオが、穴から抜け落ちた。 ほんのわずかな時間の、心地よい熟睡。 麻耶が、起きあがる。 もの問いたそうな浩平に、「おしっこ」と言った。 手洗いから戻った麻耶の股間は、洗ってあった。 ひんやりとして、味がしなかった。 麻耶は、浩平の股間に顔を埋めて、サオを丹念に舐めまわす。 それから、タマ袋も、舐めていく。 サオも、フクロも、麻耶の淫水や浩平の精液にまみれていた。 それを、麻耶は、舐めとっていく。 サオが、回復する。 麻耶の指で、太く、堅くなっていく。 浩平は起きあがり、麻耶を抱え上げた。 麻耶は、きゃっ、と悲鳴を上げて、喜んだ。 そのまま浩平はベッドを降り、プール室に行って、麻耶をプールに落とす。 水しぶきが上がる。 浩平も、プールに飛び込んだ。 抱き寄せ、それから、麻耶を後ろ向きにし、腰を沈めて、 サオを、麻耶の中に入れたのだ。 「あうっ」 水は冷たくて、肌に心地いい。 サオは、麻耶の熱い肉におさまっている。 麻耶を抱きかかえ、浩平は、腰を使う。 2度射精して、3度目は、時間がかかった。 ピッチを早めていき、やがて、射精が訪れる。 身体を離して、戯れる。 麻耶の股間から、粘りけを帯びた白濁液が、どろりと流れ出して、水中を漂っている。 熱いシャワーを浴びて、プールの水を洗い流す。 麻耶は、髪を洗い、ドライヤーをかけて、それから、化粧をし直した。 「これを、着ろ」 冴子の店で買った、黒い下着。 羽を広げた蝶が刺繍してある、シースルーの下着。 パンティをはく。 割れ目の周りに、わずかに残したヘアが、筋のように透けている。 ブラジャーを着ける。 「似合うよ、麻耶」 いまわしい記憶のせいで、見るのもいやだった黒い下着。 きょうからは、着れる。 浩平が、喜ぶのだから。 「きれい?」 「うん、麻耶、きれいだよ」進む