その8
「ちゅぷっ…・・・んふぅ……ちゃぷっ。はぁぁ…んむっ……ちゅうううっ」
すぐ横でリアンが無心にキノコの先端部を舐めしゃぶる音が聞こえる。
アタシはその脇で、いまだに決心がつきかねていた。
とかなんとか言いながら、リアンに教えてもらったとおりにキノコの胴の部分をコスコス扱いていたりもする。
やがて、妙にリアルな形状をした先端の切れ込みに、とろりとした透明な粘液が滲み出してきた。
リアンの言葉を借りるなら、これって男の子のモノと同じ反応なのだという。ふわりと甘いような、不思議な香りが
鼻腔をくすぐった。キノコから湧き出した粘液の匂いだった。 さっきはこんな匂いはしてなかったような気がする。
なんだかうずうずしてくるような魅惑的な香りだ。
「姫様ぁ、早くしゃぶってくださいよぉ。凄くエッチな味……あぁ…」
トロンと蕩けた表情で、リアンが声をかけてきた。その口元はキノコが分泌したお汁と唾液の混合液でぬめ光っている。
王国一の女剣士がこんなに甘い声を上げるなんて……ちょっとびっくりするやら何となく羨ましいやら…。
「わかったわよ! やればいいんでしょ、やればっ!」
アタシは半ばやけくそ気味に言うと、キノコの先端を「かぷっ!」とくわえ込んでいた。口の中にふわりとうす甘い
味が広がる。なんだかまだ熟成していない果実酒みたいな甘味だった。思っていたよりもひどい味じゃなかったので
少し安心する。
しかし、これってただしゃぶるだけじゃなくて、最終的には女のこの方に挿入しなきゃいけないんだよね……それが
ちょっと憂鬱だったりもする。
ちろっ。ちょっと舌を動かしてみた。それに反応するかのように、トロリ、と甘い粘液が切れ込みから滲み出してきた。
なんだかそれが面白くて、アタシはチロチロ、ぺろぺろと舌を閃かせ、キノコの先端部を舐り回す。
エッチな気分がどんどん強まり、頭の中がぼうっとかすんできた。
「はぁぁんっ、姫様ぁ……私、もうそろそろ挿れさせていただきます」
リアンがいきなり声をかけてきた。
「ふぇ! えっ! もうやっちゃうのぉ!?」
リアンったら、どんどん先に行っちゃう…アタシはなぜだか焦りのような感情を覚えていた。そんなに焦らなくても
いいはずなのだが、なぜだか競争心みたいなものが湧いてくる。姫様であるアタシより先に「経験」しちゃうなんて、
リアンはずるい!
「そうじゃ! もう少し待ちなさい。乙女が恥じらいながらも二人並んで挿入するところが見たいのじゃ! はぁはぁ……」
すぐ脇の岩陰から顔だけを覗かせたキノコ仙人が声をかけてきた。
あれっ? 何でキノコ仙人があんな所に・・・…何か大事な約束をしたような気がするのだが、お酒に酔ったような気分
で、記憶が混乱している。
まぁ、いいか……。別に見られて減るもんじゃないし。
「ええっ! だってぇ、もう、お○こがビクビク疼いてたまらないんですよぉ!」
リアンがなんだか物凄いことを口走っていたが、アタシはなぜだか驚けなかった。
それどころか、一緒になって卑猥な言葉を思いっきり連呼したくなってしまう。
「おおおっ! そうかぁ! ビクビク疼くのかぁ! はぁはぁはぁ……ど、どこが疼くんじゃ? もう一回言ってみい」
興奮で鼻息を荒げながら、キノコ仙人がリアンに問い掛ける。
「はぁぁんっ! お○こ! お○こが熱くてビクビクってしてるのぉ!」
うっとりした表情を浮かべ、王国一の女剣士が引き締まった肢体を艶かしくくねらせながら、洞窟内に響き渡るよう
な声で卑猥な言葉を連呼していた。
「ほぉぉぉぉっ! 萌えるっ! 萌えるぞぉぉぉぉっ! 疼いてるだけなのか? おぬしの恥ずかしいワレメはどう
なっておるんじゃ?」
「んふぁぁぁ……グチュグチュになってて、恥ずかしいオツユが止まらないのぉ……溢れてきて、こぼれそうなのぉ」
アタシはキノコへの「ご奉仕」も忘れてその声を聞いていた。今度はどんなにいやらしいことを訊かれるんだろう?
それに対してリアンはどんなにいやらしい返事を返すんだろう? 物凄くドキドキしながらアタシはキノコ仙人の
次の質問を待っていた。
どうしてアタシにも尋ねてくれないんだろう。何て思ったりもしてしまう。
「おお、おお、そうかぁ、ひょほほほほっ! それじゃあ、こぼれないようにしっかり手で押えておれ」
「ああんっ! 押えたらぁ……押えたら指が動いちゃうっ! 動いて、いやらしいクチュクチュしちゃうのぉ♪」
そう言いながらもリアンは両手で股間を覆い、小刻みに指を蠢かせ始めた。
「はぁぁんっ! らめぇぇ! やっぱり動いちゃうのぉ! 姫様も見てるのに……見てるのにいやらしいこと
しちゃうのぉぉ!」
膝立ちになって軽くのけぞったまま、リアンは鍛え抜かれた肢体を汗にぬめ光らせながら自ら慰め始めた。
「おおおおおっ! リアン殿、おぬしはいい娘じゃぁ! 実況付きの女剣士の恥じらいオナニー、これぞ醍醐味!
キノコ仙人やっててよかったあぁぁああっ!」
岩陰から踊り出さんばかりに身を乗り出し、キノコ仙人は叫ぶ。
「ふわぁぁぁぁんっ! キノコがぁ! キノコがお腹の中に入ってくるよぉ!」
すっかり忘れていたシェリナの声が洞窟内にこだまする。
「おおっ! あっちもかぁ! リアン殿、少し待っておれ! シェリナちゃ〜ん、いまいきましゅよ〜」
キノコ仙人の声が遠ざかっていく。
「ふぁ……ああんっ! あああんっ! 指が止まらないよぉ! 溢れちゃうっ! エッチなお汁が溢れちゃううううっ!」
リアンの甘い声がアタシの脳にビンビン響いてくる。アタシだけが置いてきぼりになっていた。
続く
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