第十一章「賢者」裏6
『ハァ、……ッ、ンッ……ア…ンアァ……!!!』
あたしの舌先が割れ目をなぞるたびに、一糸まとわぬ姿のシルヴィアさんが布団の上で身をくねらせる。
喋れなくてもノドの奥から迸る嬌声は、あたしの上げる声となんら変わるところはない。仰向けのシルヴィアさんは形の整ったアゴ先を突き上げるようにノドを反り返らせ、あたしの舌と指とで幾度となく繰り返し昇りつめさせられた膣の入り口からは絶え間なく絶頂汁が迸っている。それを顔に満遍なく浴びてしょっぱい味わいを口の中いっぱいに味わいながら、ビクついている太股を肩に担ぐように抱きかかえて手の平で撫で回すと、柔らかい感触に包まれた美女の腰が布団の上で跳ね上がり、鼻先に勃起したクリトリスを押し付けられてしまう。
―――下半身が特に弱いんだ……
今まで腰から下が尾鰭(おひれ)だったマーメイドたちにとって、人間となんら変わるところのない二本の足を愛撫されるのは、まさに未知の体験なのだろう。絶頂続きで緊縮しっぱなしの陰唇から顔を上げて太股の付け根に唇を滑らせると、まるで踊り狂うように腰をカクカクと震わせる。
『アア―――ッ! ンア、ハァアアアァ――――――――!!!』
まだあたしとシルヴィアさんが肌を重ね始めてから、一時間と経ってはいない。
あたしと……つまり人間とSEXしなければならない不慣れさを考慮して念入りに愛撫した結果、マーメイドたちのお姉さん的な位置づけのシルヴィアさんは、他のマーメイドたちが見ているにもかかわらず、見た目の清純さをかなぐり捨てるように悶えていた。時折、仲間の視線を意識して唇を噛み締めて声を押し殺すものの、パンパンに張り詰めた乳房に手を伸ばして揉みたてると、限界まで唇を開いて泣き喘ぎ、その仲間たちの見ている前で股間から高々と粘り気の強い噴出液を打ち放ってしまう。
―――ここまで敏感だとは思わなかったけど、こうもいい反応されると……ねえ?
何度か娼館で仕事をして、あたしもそれなりにテクニックを身に付けたとは思うけれど、見た目年上の美女が全身の筋肉を引きつらせながら息も絶え絶えにオルガズムを繰り返す姿を前にすると、なんとも言えない気持ちが込み上げてくる。
それは相手を屈服させることへの喜びであり、喘がせることへの満足感。あたしが抱かれてきた男の人たちはこんな気持ちになっていたんだろうか……そんなことを考えながら、あたしの手は濡れそぼった秘所のすぐ傍で自己主張するように突出している赤い淫核の根元を摘み、指先の間から搾り出された先端に固く尖らせた舌先をチロチロ這い回らせていた。
『ッ――――――――――――――――――――!!!』
「ここはクリトリスって言うのよ。今までこんなに感じる場所はなかったんじゃない?」
『ヒッ、ン、ンゥウ〜〜〜……!』
「ふふふ、恥ずかしがらなくてもいいのよ……すぐに何も感じられないようにしてあげるから……♪」
クリトリスから舌を離したあたしは、恥ずかしさと快感から逃れるように左へと首をよじったシルヴィアさんを、さらに横向きにさせるように右足を抱え上げた。そして根元から内股、膝からふくらはぎへと絶頂潮にまみれた顔を擦り付けるように舐め上げ、顔と同じように滴るほど潮まみれにされた胸の谷間に脚を抱え込む。
『フッ………!』
あたしの乳房にむっちり吸いつく質感の白い肌とが擦れあう感触がくすぐったかったのか、シルヴィアさんが小さく鼻を鳴らして自分の指を噛む。それに構わず、どこに触れても感じてしまうイヤらしい脚をさらに抱きかかえ、反対の太股をまたぐように身体を密着させると、あたしが何をしようとしているのかにやっと気づいたようで、一度自分の股間に目をやってから、悪戯っぽい笑みを浮かべてシルヴィアさんの足の指を頬張っているあたしの顔を見上げてくる。
「女同士での楽しみ方を教えてあげる……♪」
『ア……アアアアアアァ!!! ヤッ、ハァアン、ハァアアアアアアアアアアァン!!!』
腰を前へと押し出すと、シルヴィアさんを悶えさせているうちに包皮から頭を覗かせるほど興奮していたあたしのクリトリスが、ヌチュ…と生々しい音を響かせて相手の粘膜へと押し付けられる。
―――女同士でってあんまり経験ないけど……これ…い、いい……♪
互いの太股を交互に絡ませあうような体勢で腰をうごめかせるたびに、あたしとシルヴィアさんの陰唇が絡み合ったまま相手の粘膜を心地良く擦り上げる。
「ああ……アソコがジンジンして……いッ……気持ち…い…いィ……♪」
愛撫するばかりで自分の身体の火照りを持て余していたあたしには、女同士でしか味わえない貝あわせの快感がたまらなく愛おしい。熱く潤んだ粘膜が絡まり、その中で方勃起したクリトリスが引っかかって弾け合うと、シルヴィアさんにも負けないほどに愛液が膣道を下り落ち、尿口がヒクヒクと痙攣していた。
綾乃ちゃんや希代香さん、46人の他のマーメイドたちに見つめられているのに、あたしとシルヴィアさんが足を絡めあっている食堂の真ん中からは粘ついた蜜音が絶え間なく鳴り響く。
恥ずかしさを忘れてしまっているわけではない……だけど白かった肌を桜色に染めた美女を快感で貶めている興奮がそれを上回っていて、あたしは次第に前へと体重をかけながらクリトリスを続けざまに擦り合わせてシルヴィアさんと二人一緒に派手に股間を打ち鳴らしてしまう。
―――ああぁ……こ、この感覚…なんか……い…いいィ……!
クリトリスが絡み合うと、瞬く間に腰が激しくわななくようになり、密着しあった股間からドッと愛液が溢れ出してくるのがわかる。ぐっしょりとするほど愛液が飛び散った内股を擦り合わせて腰を揺すりたてれば、小陰唇を一枚一枚めくり上げるような陰唇同士の口付けが最高潮に達し、あたしは布団の上で泣きじゃくって嬌声を迸らせているシルヴィアさんの後を追うように首をカクンと反り返らせる。
「はあァ、んあ、あァああああああ〜〜〜〜〜〜♪」
―――いいの、お…女同士のエッチが……すっごくいいのォ!!!
膣の奥を激しくうごめかせて粘つく愛液を次々とお漏らししながら、あたしはシルヴィアさんの脚を抱きかかえたまま自分のたわわな乳房へと指を食い込ませる。そしてコリコリしている先端を乳肉の中へ通し戻すように指先を突き立て、他の指の間からも柔らかい弾力が搾り出されるほど強く揉みしだきながら、あたしのおマ○コに吸い付いて離れないシルヴィアさんのおマ○コを恥丘で擦り上げる。
『んィィィィイイイイイイイイッ!!!』
「やっ、あっ、一緒に、あたしも…ああ、イっちゃう、イっちゃうぅぅぅ………!!!」
二人揃って感極まった声を上げたところを四十六人のマーメイドたちに見つめられ……あたしはそのままシルヴィアさんに身体を重ねるようにグッタリと倒れこんでしまう。
女同士でしか味わえない擦り付けあう絶頂感が身体の隅々にまで響き渡っていた。喘ぐように荒い呼吸を繰り返し、押し付けあう乳房を何度も上下させていると、あたしは無意識のうちに目の前にあるシルヴィアさんの唇にむしゃぶりつき、ネットリと唇を密着させて舌をノドの奥へと押し込んでいた。
『んッ……ん…ゥ………』
ビクッ…ビクッ…と不規則に跳ねる身体をお互いに腕を回して抱きしめあい、ノドの奥からとめどなくあふれ出してくる唾液を相手の口内へと流し込む。上から下へ、あたしからシルヴィアさんへと流れ込む唾液に溺れるようにむせる彼女を中身が詰まって弾力のあるあたしの乳房で押さえつける。
『ん…ん、んムぅ……!』
「大丈夫……“女の子”で感じれてるんでしょ……だったら力を抜いて……気持ちいいのを受け入れて……」
それはまるで、女になってしまったあたしにも言い聞かせるような言葉。日にちが経つほどに身も心も女の快感に溺れそうになっている自分を受け入れてしまう……そんな意思表示にもなりかねないけれど、
―――今は……エッチのことだけしか考えられないから……
綾乃ちゃんにも、希代香さんにも、そしてほとんど名前も知らない大勢のマーメイドたちの視線を一身に浴びながらも、あたしの身体は悦びを受け入れている。
シルヴィアさんと唇を重ねるほどに胸の奥が熱くなり、カラカラに乾いていくノドの奥へと吸い上げた人魚の唾液を飲み下していく。それでも身体の火照りはさらに高ぶり、あたしは朦朧とする意識のままにシルヴィアさんの股間に右手を滑り込ませて、衝動を押さえようともせずに次のステップへと足を踏み進めてしまう。
『ぁ……ヤぁ……ん、んゥ……そ…クァ………!』
秘所同士を丹念に擦り合わせて絶頂を迎えた秘所は愛液でドロドロになっている。そんな場所をなぞり、キュッとすぼまった膣口を指先で押し込むように揉みしだくと、あたしは怯えるように肩を竦めるシルヴィアさんを見つめながら二本の指で陰唇をクパァ…と左右に押し広げた。
『ッ〜〜〜〜〜〜……!』
「ふふっ……言葉が喋れたら、気持ちいいのか痛いのかわかるんだけど……」
でも、言葉にしなくてもわかることがある。―――間違いなく、シルヴィアさんは処女だ。
あの淫欲の権化のようなエロ本や寺田に捕らえられていたのに純潔がそのまま残されていたことに軽い驚きを覚えるけれど、今のあたしにはこの残された“幸運”にただただ感謝し、背筋を喜びに打ち震わせてしまう。
「綾乃ちゃん……“アレ”を持ってきて……」
口の周りが唾液まみれになるような濃厚な口付けから顔を上げると、あたしは顔を真っ赤にしてモジモジしていた綾乃ちゃんに声をかける。
何もない様に装うとしていても、スカートの下で擦り合せていた太股の付け根がどうなっているのかは、それこそ見なくてもわかる。あたしのたびのパートナーは突然のことに動転しながらも、両手は股間をスカートの上から押さえつけていることからも、あたしとシルヴィアさんのレズ行為を見て身体を疼かせていたのは明白だった。
「あ、あの……」
「テーブルの上に用意してあるでしょ? それを……」
言いながら、あたしはシルヴィアさんの上でお互いの秘所が眼前に来るように頭の向きを入れ替える。
そして、綾乃ちゃんの方に向いたお尻を掲げるように高く突き出すと、シルヴィアさんの秘書を割り開いて蜜にまみれたその指で、今度は自分の秘所を目いっぱい左右に割り広げた。
「ここに……挿れて欲しいの……」
「でも……あの……こ、これを………?」
困惑しつつも綾乃ちゃんがテーブルの上から手に取ったのは、マーメイドたちに魔力を注ぎ込むために必要な……言い換えれば、彼女たちのヴァギナを刺し貫いて膣内射精するために必要なアイテム、れっきとしたマジックアイテムの双頭ディルドー。女性の膣内へ片方を挿入すると、男性の快感を味わえる上に、愛液に含まれる魔力を吸収して擬似精液を射精できると言う、エッチにおいてはかなりの優れものだ。
それを胸の前で両手で握り締めた綾乃ちゃんは、ためらいながらも布団の傍にまで歩み寄ってくると、膣奥に溜め込んでいた愛液を大きく広げた膣口からトロトロと滴らせているあたしの股間の前に跪く。
けれど表情は固く、なかなかディルドーをあたしのおマ○コに挿れてくれようとしない……その時間が長く続くほどに、絶頂を迎えたばかりの秘所に二人分の視線を浴び、その羞恥心が甘美な脈動となって細くくびれた腰をくねらせてしまう。
「早…く……挿れて…ェ………!」
ヴァギナが強烈な周囲の中で痙攣を繰り返し、たまらず顔を上げれば、視線の先には息を呑んであたしやシルヴィアさんを見つめているマーメイドたちの姿があった。
―――ぜ、全部見られてる……ああァ、エッチしてるところを見られて、今も……あ…あふ…んんんぅ! い、イきそう、このままじゃ……んはァァァ、と、止まらない、早く、早くしてェ!!!
彼女たちにどんな風に見られているかを考えるだけで、頭の中は真っ赤になって沸騰し、おマ○コは緊縮を繰り返してシルヴィアさんの顔の真上でラブジュースを撒き散らしてしまう。
淫乱だと思われているだろうか? 痴女だと思われているだろうか? 変態だと思われているだろうか?……どんなに自分が男なんだと言い張っても、女の快感にのめりこんでいるところを他の女性たちの熱を帯びた視線の前に晒していると、湿り気を含んだ吐息を小刻みにシルヴィアさんの秘所へと吹きかけてしまう。
―――もう……我慢なんて……!
一度おマ○コの痙攣が始まってしまうと、イき癖のついているあたしがどんなにお腹を引き締めても、快楽を押しとどめることは出来ない。花弁を割り開いている指が押し負けそうになるほど下腹に緊縮してしまい、あたしは涙まで浮かび始めた目をお尻のほうにいる綾乃ちゃんへと向けながらクンッ…クンッ…とお尻を突き出して挿入をねだってしまっていた。
「見せて…あげて……今から…どんな風に犯されるのか……あ…あたしのおマ○コに…ディルドーを…挿れて……ッ!」
綾乃ちゃんの手でディルドーを挿入してもらう言葉を口にした途端、ヴァギナの奥から込み上げた抗い難い興奮の大波が膣口からブシャッと噴き出した。
「あ…ァ………♪」
どちらに顔を背けても誰かの視線がある……核使用のない自分の昂ぶりが甘美な快感を伴って二度三度と噴出するたびに、あたしの腕からは力が抜け落ち、豊満な乳房を押し付けるように崩れ落ちてしまうとシルヴィアさんの秘唇に顔を突け、愛撫を中断されてじれていたドロドロの粘膜に鼻先を押し込むほどに濃厚な口付けをしてしまう。
『んはァあぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!』
浮き上がったシルヴィアさんの腰に腕を回し、、キュッとすぼまった処女の膣穴と快感の味を覚えてしまったクリトリスを思う存分舌と唇で弄ぶ。おマ○コクンニを嫌がるかと思えば、まるで待ち望んでいたのかと思うほどに内間輪がわななき、淫核を強く吸い上げながらお尻から回した右手の指を浅く膣口に挿入すると、仲間たちが見ている前だと言うのに明らかに興奮の艶色を帯びた嬌声を食堂の真ん中で迸らせて喘ぐ。
『あヒッ、あヒィイイイイイイイイイイイイイイッ!!!』
銀色の髪のマーメイドの唇からは何度も快感を訴える叫びが放たれ、バウンドする股間からは間欠泉のように愛液が飛沫いた。
白くしなやかな美脚がせわしなく悶え、その声はあたしの下腹の奥にまで響く。そんな美女を指先一つ舌先一つで喘ぎ狂わせながら口内に流れ込んでくる濃厚な愛液をノドを鳴らして飲み込んでいると、不意に誰かの指唾棄があたしの淫裂に触れ、その中心に固いものが押し当てられる。
「先輩……い、挿れさせていただきます……」
綾乃ちゃんは震える声でそう言うと、激しく舌を動かして人魚の蜜を股間から吸い上げていたあたしの膣口に男根を模した魔法の杖をゆっくり……それは熱く煮えたぎったあたしのおマ○コをさらに焦らすかのような動きで押し込んできた。
「あむうぅぅぅ〜〜〜………!!!」
「う、動かないでください。暴れられると、その……」
「だって、だってェえええええ!!!」
きっと綾乃ちゃんも思ってる……あたしが淫乱なスケベ女だって。
それなのに、そう思われたくないはずなのに、あたしのヴァギナは女同士では得られない異物の挿入に沸き立ってしまっていて、双頭ディルドーのカリ首が膣壁と擦れるだけで火傷でもしたかのような熱さが込み上げ、痙攣する肉壁で喰い締めてしまう。
「あ…ヒッ……ん、クゥ………!!!」
自分の指で割り広げた陰唇の中心に太くて長いディルドーが押し込まれるほどに、亀頭の張り出した部分と肉ヒダとが絡み合う。もはや自分の意思ではどうにもならないほどに愛液を垂らしてディルドーを締め付け、表面の微細な凹凸に至るまでくっきり感じ取ってしまっていると、今まで感じていなかった衝撃が突然あたしの膣奥目掛けて突き抜ける。
「あひィ!!! ん、ハ、ああああああああああああああああああッ! こ、これ、イく、出ちゃ、ヤッ、は、んァあああああああああッ!!!」
深々と押し込まれたディルドーとあたしの神経とがつながり、擬似的に男根としての感覚を得た瞬間、もう一方、綾乃ちゃんの手に握られていた側の男根が、その手を払いのけるように膨張し、まだ何もしていないはずなのに力強い脈動を繰り返して大量の精液をあたしの膣奥から反対側の射精口へ向けて込み上げさせ始める。
―――いきなりこんな……あ、お…おチ○チンが……破裂しちゃ…うゥ……!!!
見なくても分かる。貝合わせで十分すぎるほど昂ぶり過ぎたあたしの快感のボルテージに合わせようと、魔法のディルドーはあたしのヴァギナから魔力を吸い上げて瞬く間に巨根と化してしまっている。充血したその身を内側から押し広げられ、本来なら何度も刺激を受けて溜め込まれていく精液が急速に充填されていく感覚に頭の中で何度も火花が飛び散りながら視界が真っ白に締め上げられていく。
―――ほとんどアクメ状態だったから……お、おチ○チンまでイきそうに…一気にイきそうになってる…ゥ!!!
首を仰け反らせて歯を食いしばるものの、唇の端からはとめどなく唾液が滴り落ちている。そんなあたしの脳裏で唯一つだけ思い返されているのは、先日、三人の留美先生によって精根尽き果てるまで搾り取られた“童貞”喪失時の快感の記憶だった。
―――らめエッ! あんなの思い出したら、止まんない、精液出ちゃうのが止まんなくなっひゃうゥ!!!
ディルドーと神経がつながってから、まだ一分と時間は経過していない。けれど既に先端では、必死になって精液を押しとどめようとする鈴口からブシャッ…ブシャッ…と音を響き、透明な先走り液を勢いよくシルヴィアさんの顔へと撒き散らしてしまっていた。
「あ…はぁぁ………!!!」
もしかすると、心の中ではこうなることを望んでいたのかもしれない……シックスナインの体勢でお互いの秘所を見つめあいながらディルドーを挿入されると言う痴女的行為の行き着いた結果に、背筋に続々と冷たくも熱い官能的な震えが駆け巡ってしまう。
―――意識が…も……飛んじゃいそう………!
全身に淫靡な熱をまとわりつかせながら、滾りきった勃起の中心を白い欲望の塊が這い上がってくる。でも……このまま何もせずに射精だけしてしまうのを、わずかに残った男のプライドが受け入れることを拒んでいた。
―――せめて…シルヴィアさんの中で……
ゴクリとノドを鳴らすと、あたしは目の前にある受け入れ態勢が整った秘所を見つめながら腰を浮かす……いや、浮かせようとした。けれどその動きは、熱い血液が駆け巡っているかのような擬似男根には冷たすぎるほどの指が絡みついた途端に止まってしまう。
「シルヴィア…さん!?」
『………………』
首を増したに向け、シルヴィアさんへと視線を向けるものの、あたしと相手のたわわな膨らみが邪魔してその表情まではうかがう事が出来ない。その代わりに、白魚のような細く美しい指が醜悪なまでに脈動している擬似男根へと絡みつき、そのひんやりとした冷たさに逆に興奮を高ぶらせた瞬間、彼女の唇に真っ赤に腫れあがった亀頭が飲み込まれるところを目撃してしまう。
「ダ、ダメェェェエエエエエ!!!」
叫んでも遅い。まるで目の前にぶら下げられた飴でもしゃぶるかのように亀頭を頬張ったシルヴィアさんは、明らかに初めてではない舌の動きで射精寸前の肉棒を舐めまわし始めた。亀頭先端の小さな割れ目にチロチロと舌先が這い回り、カリ首にもネットリと絡み付いてくる。
「やアァ……そんな…ヤらしい舌……ダメ……出ちゃう…シルヴィアさん、やめ…ああ、もう出るッ! 出ちゃうッ! んはぁああああああああああッ!!!」
とっさに離れようとしたあたしの腰にシルヴィアさんの左腕が絡みつき、さらに駄目押しのしごきを加えられながら肉棒を吸われ、何度も腰を震わせながらマーメイドの美女の口内目掛けて野太く濃厚な精液の塊を迸らせてしまう。
「ああ、ああ、ああああああ………ッ!!!」
涙を流しながら全身を反り返らせると、人一倍豊満な乳房を他のマーメイドたちへ向けてブルンと弾ませ、その一方で腰を真上を向いたシルヴィアさんの唇へと突き出してしまう。精液がディルドー内を駆け抜けるたびに、肉茎が倍以上に膨張したのではないかと錯覚するほどの強烈な射精感が全身を駆け巡り、ガクガクと腰を打ち震わせてしまっていた。
『ん〜〜〜……………!!!』
「ごめ……とまん…な……あァ………!」
まるでサキュバス(淫魔)に精を吸い上げられているかのようにディルドーの先端から放たれる精液は一向に止まろうとしない。シルヴィアさんの唇からは真っ白いミルクのような精液が逆流してあふれ出し、それでもあたしは暖かなマーメイドの構内にイって着残らず迸らせ、飲み下させるまで、白濁液と唾液とにまみれた擬似男根を引き抜くことはしなかった。
「ハァ……ハァ……ハァ……」
肩で大きく息をしながら布団の上へ腰を下ろすと、あまりにもあっけなく放たれてしまった精液で顔中を汚したシルヴィアさんを見つめる。口内に吐き出された粘液を唾液と絡めて何度もノドを鳴らして飲み下し、口元からノドへと垂れ落ちたザーメンを指ですくっては、微笑を浮かべた口元に運んで、水飴のように舐め取っていた。それも一段落すると、
「素敵………」
と―――言葉を喋れないはずのマーメイドは、うっとりとした表情を浮かべてそう呟いた。
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