第十一章-番外・娼館設立編 1-2
『体験会は浜辺の小屋で行う。先に男性人が向かうはずだから、少し時間を置いてからルーミットも向かってくれ』
―――と言われてきたんだけど、ここが体験会の場所……で、いいんだよね?
支持された場所に来てみると、、民家から離れた砂浜の建っていたのはどこからどう見ても掘っ立て小屋としか形容の出来ない掘っ立て小屋だった。
雲ひとつない空から降り注ぐ月明かりに照らされたその姿は、あちらこちら隙間だらけで中を覗き見し放題。海からの潮風にさらされてボロボロになった壁は、あたしの蹴りでも穴が開きそうなほどにボロボロで、正直言って男女が秘め事を行うような雰囲気の建物にはとても見えなかった。
―――むしろ、引きずり込まれて酷い目に合わされそうな場所よね、ここ……
聞いた話では、ここは漁から戻った漁師さんや海女さんが、身体を冷やさないようにと暖をとり、濡れた身体を乾かす休憩場所らしい。
でも、建物の中に火が灯されている様子はない。男の人が数人が先に来てあたしを待っているはずなのにだ。建物の用途を考えれば火を起こせない場所ではないのに、中に明かりが隙間だらけの壁から漏れこぼれていない。
その佇まいは、まるで息を潜めて気配を消しているかのような感じさえする。建物に足を踏み入れれば、男の人数人がかりであたしを組み伏せて強引に事に及ぶ……どう見たって、そっちの方がしっくり来る場所だ。
―――さて、どうしようかな。男の人が来てないって事はないと思うんだけど……
危ない場所に近づきたくないので、回れ右してさっさと宿屋に帰ろうと本能や理性が言っているけれど、今回は村の人に娼婦と言う仕事がどういうものかと解ってもらわなければならない。もしこのまま帰ってしまうと、娼館の建設は出来なくなり、マーメイドたちにまで迷惑をかけてしまうことになりかねない。
一方で、もしあたしが無理やり襲われ、相手が勝手に満足したとしても……それはそれで娼婦の仕事に誤解を与えかねない。なにせ、
―――エッチをすることだけが娼婦の仕事じゃないから。
確かに、娼館に男性が期待することのほとんどは娼婦とのSEXだろう。需要が多いからこそ、多くの街に風俗系の娼館が軒を連ね、大勢の娼婦が男性と肌を重ね合わせている。あたし自信も、星の巡り合わせが悪いのか、金欠で娼館で働かざるを得ない時にはその手の店に配属され、無数の男の人に仮初の女の身体を蹂躙されてきた。
でも本当の所はと言うと、娼館の仕事はそれだけではない。『お客様を満足させる』のが基本的な考え方であり、男性の横についてお酌をしたり、マッサージをして疲れを取ったりすることも、娼館の業務に含められている。中には本番無し、エッチも無しと言う娼館もあるぐらいだ。
―――だからまあ、マーメイドたちに娼館で働いてもらうと言っても、とっかえひっかえSEXしろってわけじゃないのよね。
臨時とは言え、あたしが娼館を任されたのだから、お店の経営方針はSEXを安売りすることのない高級志向と考えている。その手のお店ではあまり働いたことがないので不安ではあるものの、開店前には娼館ギルドからヘルプの人が来て手伝ってくれるそうだし、なんとかなるだろう。
また高級志向にする事で、娼館建設に反対している村の人にとっても受け入れやすくなるはず。―――まあ、無い知恵を絞り、娼館の経営書などを急いで読み調べてひねり出した結論はこれだ。今夜はその事をわかってもらうために色々と説明したかったのだけれど……呼び出された場所からして、娼婦に対して大きな誤解を抱かれているのが丸解りだ。
―――どうしよっかな……あの建物に入ったら強姦されそうだし、かと言って入らなかったら入らなかったで建設反対の口実になりそうだし……せめて外に出てきてくれれば―――
今ごろ、壁の隙間から外を覗いて、ドレス姿で砂浜に立ち尽くすあたしのことをジッと見つめてハァハァ息を荒げているに違いない。こちらは砂の上を慣れないヒールで歩かなきゃいけなくて大変だというのに、この立場の差はいったいなんだ!?―――と怒りが湧き起こりかけるのと同時に、ふと、妙案といかないまでも良い考えが頭の中に思いつく。
―――掘っ立て小屋に入ったら犯されるんなら……別にこっちから入らなきゃいいだけよね。
夜の浜辺に押し寄せる波の音、建物からこちらを覗く視線、履き慣れないヒール……それらを一つにつなげて考えたあたしは、小屋の前を素通りすると海の方へと歩を進めていく。
「そう言えばここにきてから、慌しい事ばかりでゆっくりと海を見ている暇なんて無かったなァ……」
波打ち際の手前でヒールを脱ぐと、窮屈な靴に締め付けられて熱を帯びた素足で砂を踏みしめる。そしてドレスのスカートを小さく摘んで軽く持ち上げると、足を波にひたし、クルリとその場で回転してみせる。
―――ガタンッ
後ろの掘っ立て小屋から物音が聞こえる。肌を露わにして誘惑したりしていないはずなのだけれど……自分の今したばかりの行為を思い返すと、可愛らしい女の子が波と戯れるといった、そんな言葉が思い浮かんでくる。
―――あはは、少し恥ずかしいけど……ロマンチックって感じの演出になってるのかな。
月の光の下、静かな夜に響く小波の音の中で、あたしは踊るようにスカートを振って身を回す。
濡れた砂が指の間に入ってくるくすぐったさに、足首まで浸かった海の心地良い冷たさに、あたしは夜空を見上げて笑みを浮かべ、唇を開いていた。
「―――――――――――――――――――」
歌う。
それはあたしの故郷の歌で、このあたりの人はきっと知らない歌。
けれど声が明るい夜の闇に長く響くほどに、あたしはそれに引かれる様に言葉を紡ぎ、星空と海へ向けて歌を朗じる。
自分の歌が上手いなんて、今まで一度も思ったことはない。それに、山奥にある故郷の歌と海の村となんて、何一つ歌詞の意味は重なりはしない。
ただ、歌に帰れない故郷への想いが募る。
そして、声にいつか帰りたいと願いが重なる。
まるで空に浮かぶ星にまで届いてと、そして遠くにいるあの人にまで届いて欲しいとばかりに喉を震わせる。
―――大丈夫。
―――あたしはきっとそこへと帰り着く。
―――元の姿で、本当の自分を取り戻して、だから、いつの日か……
つたない歌を終えると、想いの余韻は小波にのまれて空気に溶ける。
あたしは寂しいのだろうか……火照りさえ帯びた身体に、ふと空虚さを感じ、それ埋めるように両手を重ねてドレスの胸元を押さえる。
―――傍に人がいるから、優しい人たちがいるから……
寂しさを感じる暇なんてない毎日。あたしがあたしでいられるために、故郷から遠く離れたこの地で、どれほど多くの人に支えられているかを噛み締めながら、あたしは口元をほころばせる。
………あれ? そういえばあたし、何で海岸に来てたんだっけ?
声を出して歌うなんて子供以来のことだったので、思い返し、恥ずかしさがぶり返し、口元に浮かんでいた微笑も頬を紅潮させながらの照れ笑いに変わっていく。涼しい夜風にさらされる顔をさらに手で仰ぎ、熱を下げながら二十秒ほど考えた後、やっとここへ何をするためにきたのかを思い出す。
「え…え〜っと……」
こめかみに冷や汗が伝い落ちるのを感じながら、放ったらかしにしていた背後の掘っ立て小屋を恐る恐る振り返る。
「………………」
「………………」
「………………」
いつまでも建物に入ってこなかったからか、立て付けの悪そうな扉をあけて男の人三人が出てきていた。
小屋の大きさからしてそれ以上は中に人はいないと思うんだけど……真夜中にいきなり歌を歌いだすようなお馬鹿なあたしに呆れてか、それとも娼婦とSEX出来ると聞いてずっと昂ぶらせていた興奮ゆえか、三人の男の人は俯き気味にして顔を隠し、無言のまま、身体を小さく震わせていた。
―――ま、マズい、なんだかよくわかんないけど、この展開は非常にマズい気がする!
強引に犯されるのはイヤだから何とかしようと思ってあれこれ考えるより、度胸を決めて中に入って犯されていた方がよかったかもしれない。そんな今さらな公開を感じながらあたしが一歩後退さると、三人はこちらに向けて腕を伸ばしながら勢い良く飛び掛ってくる。
「イヤァ―――――――――!!!」
逃げようとして、足を砂と水に取られ、あたしの身体は振り向くことすら出来ないまま仰向けに水面へと倒れこんでいく。
そんなあたしに、あたしよりも体格のよい男三人が覆いかぶさってくる。星の光が身体の影に隠れて視界が暗くなり、それを最後にまぶたを閉じたあたしは、そのまま水の中に倒れこんだ―――
−*−
「んグッ……ンッ、んんゥ……!」
「オラオラ、気合入れてしゃぶらねェと朝になっても終わんねェぞ、娼婦様よォ!」
全身ずぶ濡れになった身体を引き起こされたあたしは、身にまとっていたドレスや下着を力任せに引きちぎられ、わずかに残った布切れだけを身にまとったまま、浅瀬に四つんばいにさせられていた。
―――やっぱり……こういう展開に……んんんゥ!
三人の男に力ずくで来られてはどうしようもない。ゴツゴツとした六本お手に海水で濡れた身体をもみくちゃにされると、犯される今日に萎縮しているあたしの唇に野太い生殖器が捻じ込まれ、背後からは秘所にむしゃぶりつかれてしまう。
―――ヤダァ……こんなの…やめて……やめてよォ………
あたしの目から涙がこぼれても、男は乱暴に腰を振り、すえた臭いのする肉棒を縦横無尽にかき回す。
「んううううぅ……!」
唾液がグチャグチャとかき鳴らされ、喉の奥へと祈祷を押し付けられても、吐き出すことさえ出来ない。
逞しい身体にふさわしい剛直に何度となく唇を犯され、ただ性欲処理のためだけの道具として扱われる……おそらく、彼らにとって娼婦であるあたしは、女性でもなく人でもなく、本当にSEXをして満足を得るためだけの存在でしかないのかと思うと、声を出せない喉から抗いの言葉を絞り出そうとして、よりいっそうの苦しみをあたしにもたらしてくる。
―――こんな扱い、娼婦にだって…しちゃいけないに決まってるじゃないのよォ………!
まだ娼婦として奉仕する方が苦しみも無く、割り切りさえすれば肉体的快楽を得られるだけマシだけれど、強姦ではそうもいかない。
いきなり唇からズルリとペ○スが引き抜かれたのもつかの間、すぐまた別の男の男根を押し込まれ、唾液に濡らされた秘唇には指を突き入れられ、皮膚が固く、ザラザラとした指で膣粘膜を擦り上げられる。
「んんッ、んうゥ、ん〜〜〜〜〜!!!」
「いろんな男と寝てる女だって聞いてるけど、ここの色は綺麗なもんじゃねえか。中に何か仕込んでるかと思ったけどよお」
―――な、何をそんなところに入れてるって言うの……んんっ、やめ、クリをそんな乱暴に……んイィィィ!
クリトリスに激痛が走り抜ける。女の身体で一番敏感な場所を雑に摘まみ上げられ、思わず口の中のモノをかんでしまいそうになるのを堪えるのに必死になっていると、指を引き抜いた男はあたしの腰を引き寄せ、いきり立ったものの先端を十分に濡れていない秘所の入り口にあてがってきた。
―――まだ準備も整ってもないのに……やだ、今入れられたらあたしのおマ○コが…い、いやァアアアッ!!!
湿り気が少ない分、いつもよりも強烈な摩擦と圧迫感とがあたしに秘所を襲う。まるでもう一度処女を奪われたかのような痛みと、なす術も無く犯される悔しさに涙が増え、けれどそれにも関わらず、男たちは悪びれた様子を見せずに前と後ろからあたしの口と秘所とに容赦なく腰を押し付けてくる。
「んんんうゥ〜〜〜………!!!」
「くっ…あああああぁ……こいつは具合いいぜ。娼婦ってのは……本当にどスケベな女なんだな。ザーメン欲しさにマ○コ締め付けて」
「口マ○コもだ。そんなに俺たちのスペルマをゴックンしたいのかよ。街の女は淫乱だって聞いてたけど、まさにその通りだな!」
「ッ……………!!!」
女性を喜ばせるつもりのない身勝手なピストン運動に身体を揺さぶられ、身体の下で前後に弾む乳房にもう一人の男の手が伸びる。
「たまんねえよな、このオッパイは。うちのカアちゃんの垂れたおっぱいとは全然揉み心地が違わァ」
そりゃあたしのオッパイは膨らんでから半年ほどのピチピチだし……などと言葉を返すはずも無く、代わりに一度あたしの口の中で唾液をまとわり付かせた肉棒が脇に押し付けられ、そのおぞましい感触に全身を緊縮させてしまう。
「何だ、この女。胸をもまれたらマ○コがキュウキュウ締まりだしたぜ。おい、もっと揉んでやれよ、俺たちだけ楽しんでたら不公平だしな、ちょっとは感じさせてやんないと」
最初から自分たちだけ楽しむつもりしかなかった男の言葉とも思えない。けれど確かに、身を竦ませるほどにヴァギナの中でゴツゴツとした肉棒の圧迫感がグンッと跳ね上がる。その分だけ、あたしのおマ○コが男の肉棒をキツく食い締めてしまっているのだ。
―――胸を刺激されただけで、こんな……!
子宮の入り口に届くほどにまで強引に捻じ込まれる亀頭が押し広げられた分だけ押し返そうとする膣壁と擦れ合い、嗚咽が漏れるほどの痛みを感じながらも次第にグチャ…グチャ…と言う湿った音が摩擦する性器の間から響き始めてくる。
鼻の奥の突き刺さるようなオス臭さに包まれ、男に身体を汚されていると言うのに、女の身体の当然の反応なのだろうか、何度もこね回され、赤く腫れ上がるほどに揉みしだかれた乳房は先端は固く尖り、摩擦の強い結合は抽送のたびに内臓ごと引き抜かれるような虚脱感に四肢が引きつり、その直後に一気に子宮まで穿たれると目映いばかりの愉悦がヴァギナから脳天にまで突き抜け、ペ○スを咥えたまま悶えの呻きを唇から溢れさせてしまう。
―――キツ…いィ……こんなに乱暴なの……いやァ…ゆすら、ない…でェ………!!!
呼吸すらままならない前後横からのストローク。胸を持ち上げ、下乳の谷間にズコズコとペ○スを擦りつけられ、そんな扱いを受けてなお……それでも……あたしの身体も、頭の中も、次第に熱を帯びて、声にまで甘いものが混じりだしてしまう。
「んっ……んんゥ………」
水面の下で砂を握り締めながら、あたしは口の中にあるペ○スに舌を絡みつかせていた。知ってしまっているがゆえに抗えない女の悦びに、膣口から噴き出さんばかりに愛液が溢れ、火照りが昂ぶるほどにヴァギナの肉が甘く蕩けて肉棒に絡みついてしまう。
―――やめ……ダメだったら、どうして……どうしてあたしの身体は、いつもあたしを裏切って……こんなにも感じるのよぉ!
体中を濡らしていた海水が乾き、代わりに全身からネットリとした汗が噴き出し始めると、唇の端を吊り上げたイヤラシい笑みを顔に張り付かせたまま、男は言葉を忘れ、ひたすらにあたしの肉体を貪り始める。
―――前後から串刺しにされて……こんなにも乱暴に犯されて、感じてなんか……!!!
頭を両手で押さえられて根元まで唇に肉棒を押し込まれるリズムに合わせ、痙攣するヴァギナを肉の杭に内側から押し広げられる。
「ああァ……たまんねェなァ。処女のマ○コよりもキツキツのくせに、チ○ポをくわえ込んで離さねェなんて……おうッ!」
がっしりとヒップを鷲掴みにされ、どんなに腰を振っても逃れられない。頭もそう。漁師仕事で鍛えられている腕力には、非力なあたしの抵抗なんてものの役にもたちはしない。限界が近づくにつれてピストンは速く、激しく、深くなり、あたしの身体の奥底までもが引き裂かれるように肉棒を捻じ込まれる。
「んんんうううぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜!!!」
―――もう、許してよォ、娼館なんてあたしにはどうだっていい、無理やりやらされるだけなのに……どうしてここまで酷い目に合わされなくちゃいけないのよォ!!!
ただペ○スを喉と子宮、そして胸の膨らみに押し付けるだけの一方的なSEXは快楽なんてもたらさないし、身体がバラバラになりそうな痛みと嫌悪しかない。口を塞がれていなければ、村の家々にまで届くほどに悲鳴を上げて泣きじゃくってしまっているはずだ。
そう、気持ちよくなんてない。気持ちよさなんて欠片もない。気持ちよくなんて……あるはずがないのに、
「んウぅ―――――――――――――――ッッッ!!!」
口元とアソコから大量に涎を撒き散らしながら、あたしの身体が弓のように反り返る。そして涙に濡れる瞳を大きく見開くと、海に手足を付いた身体をガクガクと震わせ、ブシャ…ブシャ…と絶頂の大潮を噴き放ってしまっていた。
―――ウ…ソ……イった…の……? 無理やり犯されて……相手がイくよりも早く……い…イかされ…イかされたァ………!!!
まぎれも泣く、あたしの身体はオルガズムに打ち震えていた。男たちがあたしが昇りつめたことに気付いて卑猥な罵声を投げつけてくるけれど、それすら聞こえないほどに深い深いアクメの中であたしの意識と理性が粉々に砕けていく。
―――そ、そんなはず……イくわけが…こんなに苦しいのに感じてるわけないのにィ……!
「なんだよ、イったらマ○コがさらに締まるようになったじゃ……クッ、俺ももう……!」
「くふッ、んうゥん、んムッ、んうううゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「これが娼婦かよ。へへへ、たまんねェな。オラ、後で俺のチ○ポでも犯してやるから、ザーメン全部飲めよ、飲めよッ!!!」
「俺は乳だ。たっぷりとこのエロ乳をミルクまみれにしてやるよォ!!!」
頭の中でどんなに気持ちよくないと繰り返しても、昇りつめてしまった身体をいたわれることなく犯され続けると全身に電流が駆け巡るかのように快感が込み上げる。
「どんなにすました顔してたって、娼婦なんてSEX好きの女じゃねえか!!!」
「うひひひひ、楽しみだなァ、マーメイドたちも娼婦になるんだろ? 犯してやるよ、毎日たっぷり犯してやるからよォ!!!」
「そォら、欲しがってたものくれてやるぜ、俺らのザーメン、たっぷりと受け取れやァァァ!!!」
痙攣し、緊縮した膣の奥に大量の愛液を潤滑液にして肉棒が押し込まれ、同時に頬張らされている肉棒までもが喉の壁を押しのけて食堂にまで膨れ上がった亀頭を押し込んでくる。
―――やめ……そんな奥に出さないでぇぇぇ!!!
意識が弾け飛びそうな快感の中、口と膣とに奥深く捻じ込まれたペ○スが大きく震え、さらに一回り膨張した直後、散々掻き回された二つの穴へ同時に濃厚な白濁液が撒き散らされる。
「んゥ―――――――――――――――――――――――――――――――――ッ!!!」
男たちは獣のような声を上げ、体内に、口内に、そして乳房にまで、次々と精液を浴びせかける。
そして……それを、拒まなければいけないそれを、あたしの全身は甘い蜜でも舐め取るかのように貪欲に受け止めていた。
「くァあァァァ……最高だぜ、お前のマ○コ。ざ…ザーメンが搾り取られてやがる……!!!」
―――もう…ヤダぁ……あたしは……こんなことなんて……こんなことなんてェ………
もしかするとこれは、マーメイドたちを娼婦にしようとしたことへの天罰なのだろうか……液体とは思えないぐらいにドロドロで粘膜に絡みつく精液で汚された口と膣から射精を終えたペ○スが引き抜かれても、嗚咽を漏らす暇すら与えてもらえない。場所を変えた男たちは、体位を変え、さらに激しくあたしの身体を蹂躙し始める。
「すぐまたぶち込んでやる。泣いて悦べ、ははっ、ハハハハハハハハハッ!!!」
もう……あたしの心は完全に折れてしまっていた。
身体はあたしの意思などおかまい無しに、捻じ込まれた肉棒を締め上げ、精液を搾り取ろうとしている。これがあたしの……あたしと言う“メス”の本当の姿なのかと絶望する心を、さらに砕くかのように重たい精液の一撃が子宮の中へと注ぎこまれる。
―――こんなの……酷すぎるよォ……
けれど、これでよかったのかもしれない。
マーメイドたちと共に、これからあたしは毎日のように村の男たちに犯されることになるだろう。そして娼館が出来れば、押しかける客たちと毎日のようにSEXをする……その苦しみを、彼女たちと共に味わえるのだから……
―――結局……あたし、帰れなくなっちゃうんだね……
まぶたを閉じても、村にいる大切な人たちの顔も思い出せない。
―――これから……こうやって無理やり犯されて……
そうなれば、あたしの気が狂うのも時間の問題かもしれない。だったらそうなるまで、あたしはずっとここにいよう……マーメイドたちと共に、この二度と抜け出せない凌辱の村に、ずっと………
−*−
―――と、こういう最悪の展開を予想していたのだけれど、
−*−
「いい歌だったよなァ……上手くなかったけど」
「聞いてると胸が熱くなってジーンとしちまってよォ……練習必須だな」
「俺、涙が止まらなくなっちまったよ……ぶっちゃけ、下手だった」
―――こ、この人たちは、褒めるのか貶(けな)すのかどっちかにしろォ!!!
幸いと言うべきかどうなのか、あたしが唄った望郷の歌は、小屋の中で待ち受けていた男の人をどういうわけか感動させていたらしい。海の中に倒れこんだあたしは助け起こされると、強姦されることもなく、風邪を引くといけないからと小屋の中で焚き火に当たらせてもらい、こうして歌唱力の批判を延々と聞かされ続けてしまっていた。
「と…ともあれ、お解かりいただけましたか? 娼婦といっても身体を売るだけじゃないんです。お客様に一時の癒しをご提供する仕事だとお考えください。お酒のお酌をすることもあれば、心を慰める歌も唄います。奥様がおられる方でも、一夜の安らぎを求めてこられる人もいらっしゃるんですよ?」
「よくわかんねェけど……好きしていいって言われてたからさ、娼婦のことを誤解してたかもな、俺たち」
「あんな歌を聴かされた後に犯そうって思えるほど、俺たち外道でもないしな」
「娼館が出来れば観光とかで村にも金が入ってくるんだろう? なにも反対する理由とかないんじゃねえかな?」
本当に……歌を聴かれたことは恥ずかしかったけれど、それがこうして和解の道になったのだから、世の中はどう転ぶのかなんて分からないものだ。
話を聞いている限りでは、あたしの説明に耳を傾けてくれたこの人たちから受ける感触はそれほど悪くはない。「女性が身体を売る」と言う一点だけで娼館や娼婦に抱いていた偏見や誤解も、こうして言葉を交わすことで氷解してくれたようだ。
「村の連中には俺たちから話しておいてやるよ。ま、悪いようにはなんねえだろ。新しい村長も話の分かんねーやつでもないしな」
「ありがとうございます。これでマーメイドたちも救われます」
「そのかわりと言っちゃあなんだけどよ、娼館が出来たらさ、俺たちにも上手い酒、たまには飲ましてくれよ?」
「お姉ちゃんみたいな美人となら、今度こそ一発やってみたいけどな」
「ちがいねえ。実を言うと俺、今夜はこのルーミットちゃんて子を孕ませて、嫁にしちまおうとか考えてたんだけどもな」
「それ俺も。うちの村の女どもは、みんな肝っ玉据わってるから、夜這いもしにくいったらありゃしねーしなァ!」
「ルーミットちゃんも気をつけろよ。この村な、嫁取りするのは夜這いから始まるって風習があるからな。あんたみたいな美人なら毎日のように男どもが寝床に忍び込んでくるぜ、ハッハッハァ!」
―――いや、その…豪快に笑われたところで、夜這いされるのはあたしとしても困っちゃうんですけど……
ともかく娼婦については、これから時間をかけて少しずつ村の人たちに解ってもらえればいいだろ。少なくともこの三人には、犯されることもなかったわけだし、解り合えないと言うことはないはずだ。
だから今夜のことは上手くいったと考えていいだろう。むしろ、抱かれてしまうより良い方向に話が転がってくれたとも思う。
「―――あ、そうだ」
焚き火を囲んで談笑を続けるには、夜も更けすぎてしまった。あたしもあたしで、明日もまた建設現場で建材の切り出しを行わなければいけないので、そろそろ宿に帰らなければならない。
でもその前に、この人たちに訊いておかなければいけないことがある。
「ところで……あたしの事を“好きにしてもいい”って言ったのはどこのだれですか?」
「え? あの魔法ギルドのお偉いさんだって言う美人の先生だけど?」
“現時点で”この村にいる人間でもっとも娼婦に対して誤解をしていた人に対し、あたしがこめかみに青筋を立てつつも笑顔で魔力剣をぶっ放したのは、そのすぐ後のことだった―――
stage2「聖天の主」-00へ