第十一章「賢者」32


 ―――あうう……途中で女になったりして生まれてきた事を呪うような悲惨な人生送ってきたけど、まさかアメーバにまで落ちぶれるなんて……はうはうはうぅ〜……
 もっともアメーバ側からすれば、あたしが同類になるのは嫌がるかも知れない。ただでさえ故郷の村では魔法が使えないことで悲惨な幼少期を過ごしてきたのに、アメーバになってまで村八分にされるなんてあんまりだ。
「せめて……せめて元の体に戻ってからアメーバになりたかった……」
「ほう、そんなにアメーバになりたかったとは思わなかったな。あれは怯えさせるためのでまかせだったんだがな」
「………ほえ?」
 先行に耐え切れずにキツく閉じていた目蓋には、もう先ほどまでの眼球に突き刺さるような光は感じられない。留美先生からのないに送られたイメージに最後の最後でダメ出しをしてしまい、あまり良い思い出のない走馬灯の上映会が開催されるほどに自分の人生の人間編完結を覚悟したのだけれど……“目蓋”があって“□”があるという事は、どうやら人間の体のままではあるらしい。
 が、
「な、なんだこれェ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!?」
 恐る恐る自分の身体を見下ろした途端、あたしは以前と変わらない女のままの声で大声を上げていた。
 シャツの胸元に手を当てる……胸がない。
 ズボンの股間に手を当てる……おチ○チンがある。
 隠し様がないほど膨らんでいた乳房と何にもなくなった股間に刻まれた縦筋は女の体の象徴だったけれど、今のあたしには逆に男の体の特徴が現れていた。
 うんうん、ほんの数ヶ月なのに、何年かぶりに感じるほど久しい男の体……なのだが、念願がようやく叶ったと言うのに、ほとんど喜びは湧き上がってこない。それよりもむしろ、
「なんで子供になっちゃってるんですか、あたし!?」
 体勢は変化の指輪の効力が発動する前と変わらず、ベッドの上で壁にもたれかかったままだ。それなのに何故か、目の前にあった留美先生の顔が、今は頭上にあった。
 もしやアメーバになってしまったのではという恐怖心もあって、光が収まって目を開けるとすぐに自分の身体を確かめたのだけれど、手足はきちんと揃っているものの、変化前よりも少し短くなっている。座高……つまり身長も、男の時は平均よりも低くかったけれど、今はさらにそれ以下だ。
「クッ…これは……少々予定外……ククッ…クッ………!」
「わ、笑いをこらえるなァ! 一体誰のせいで……誰のせいでェ〜〜〜!!!」
 いくら元の“男”の体に戻りたかったとは言え、これはいくらなんでもあんまりだ。それに、体は子供でも男になっているのに、声は女の時のまま。口調だって元に戻っていない。これは……いくらなんでも、あたしが望んでいたものとは大幅に異なる結果だった。
「いやいや、そんなに怒らなくても。お前のイメージどおりに変化するよりも何倍もマシな結果だと思うぞ。ほら」
 留美先生が身体を起こしながら指を鳴らすと、肌が軽く粟立って留美先生の魔法の使用を告げ、目の前の空間が捏ねた水飴のようにグニャリと歪む。
 これは直進する光を屈折させ、自分の位置からは見えない光景を見る際に用いられる魔法だ。これを使えるようになった男はたいてい一度は覗きに使うと言われていて、これを覚えるために猛勉強する者までいるぐらいの性犯罪者御用達の魔法なのだ。
 ただ使いようによっては遠距離の光景を望遠鏡もなしに見れるので偵察用にはもってこいだし、今のあたしの目の前で発動しているように、鏡代わりに用いることも出来る。
「こ…こんなはずじゃ……こんなはずじゃ……」
 眼前の空間に映し出されているのは、見た目は十歳から十五歳の間、幼過ぎず、かと言って大人に一歩も近づいてもいない、まさに“少年”と言う言葉がぴったりのあたしの姿だった。
 けれど、あたしの幼少期そのものの姿というわけではない。記憶の中にある少年時代の自分顔よりも少し線が細く、肩幅も狭い。腕白少年ではなかったものの、森の中の村では男と言うだけでそれなりに力仕事も手伝わされたし、ここまで細くはなかったはずなのだけれど、映し出されたあたしは“少年”の前に“美”の一文字が付けられそうな顔立ちをしていた。
 ―――いや、どっちかって言うと……美少“女”?
 一番大切な一文字が入れ替わってしまいそうなほど整った顔立ち……少年の面影はある。けれど少女としての面影もある。中性的と言うよりもハッキリ女性的と言い切れるほどの自分の顔にショックを受けていると、手足もただ縮んだのではなく、女性を感じさせるラインを残したままであることに気付く。うっすらと柔らか味を帯びた白い肌やダイエットの心配は何も要らなさそうな細いウエストは、今の自分は男なのか女なのかと頭の中が軽く混乱してしまうほどに“少年”のものとは言い切れない違いを帯びていた。
「ううう……あたしが望んでたのはこんなんじゃないのに……」
「だからと言って、あの筋肉ダルマはダメだ。私の美意識が許さん。……まあ、可愛らしい姿になれたじゃないか。嬉しい誤算ではないか?」
 確かに……あたしの考えていた筋肉ムキムキのイメージは、今になって考えてみればあまりに不気味だ。個々の部位だけを考えてイメージを構築したので、全体のバランスが崩れてしまったのだろう……が、ここまで女っぽくなったのは、どう考えても留美先生の手抜きイメージの影響だとあたしは断言したい。
 ―――だけどあたしの言葉なんて聞いちゃくれないだろうしなぁ……
 もう何を言っても無駄か……何もない空間に男の子になった姿を映し出していた魔法が音もなく解除されると、あたしはがっくりとうな垂れた。
 ―――この指輪じゃ、元の姿には戻れないってことか……
 考えてみれば、効力は永遠に発動するわけじゃない。嘘に嘘を重ねるように、女の体である事を誤魔化して手にいれる男の姿に本当の価値はないのだと気付くと、期待に胸膨らませていた分だけショックも大きくなる。ましてやあたし一人では自分自身の正確なイメージすら出来ないのでは、指輪を使ったとしても元の姿に戻れないのだから、結局のところ自分の姿を自由自在に出来ても何の役にも立たないことになる。
 ―――ううう……結局振り出しに戻っただけなのね……何時になったら元の姿に戻れるのよ……
 胸の内では心の涙が豪雨のように流れまくっている。もう何度ため息を突いたか分かりはしないけれど、ようやく見つけられたと思った男の体に戻る手がかりが何の役にも立たなかったのだ。しばらくの間はこの失意から逃れられそうになかった。
 けれど、
「いつまで落ち込んでいるつもりだ? お前にはまだやることがあるんだぞ。顔を上げろ。前を見ろ。下を向いていて何かを成し遂げられると思っているのか?」
 留美先生の一言が、一気に薄くなった胸に突き刺さる。
 ―――そうだ。まだ男の体になれただけマシなんだし……イメージさえ正確に構築できれば元の姿に戻れるんだし。それに今は、綾乃ちゃんを助けに行かなくちゃいけないんだから……!
 留美先生に言われたとおり、今のあたしに落ち込んでいる暇はない。
 ここで落ち込むのなら、最初からフジエーダの街でずっとウジウジグダグダしていればよかったのだ。
 そして大切なパートナーである綾乃ちゃんがマーマンとの戦いで危険な状態にある村の中で危機に陥っているかもしれないのだ。とどまってなんかいられない。ダメだと分かったのなら、すぐにでも探しに行かなければいけない。
 奥歯を強く噛み締める。失意を歯と歯の間で噛み潰し、無理にでも気合を入れて頭の中をハッキリさせると、あたしはベッドを見つめていた顔を上げる。そして上を向いた顔を留美先生の手の平に挟まれると唇を押し付けられ……って、
「んむぅううううううううううッ!?」
 目の前に、距離にして1センチもない場所に、なぜか瞳を伏せた留美先生の顔があり、柔らかく温かい感触があたしの口内をクチュリクチュリをかき回し、あたしの舌に擦り付けられていた。
「ん………!」
 留美先生の舌に唇が割り開かれているのだと気付いた時には、あたしの体は美人魔法使いの両腕に抱きしめられ、一回りも二回りも小柄になった身体がピクッと震えてしまっていた。
 柔らかい膨らみを失ったあたしの胸に、ワンピースに包まれた留美先生の豊満な膨らみを押し付けられる。その柔らかさを肌と骨とに圧力として受け止めるのは初めて味わう感覚だった。今は本当に男の身体なのだと実感する一方で、どうして留美先生に唇を奪われているのかという疑問が頭から離れず、けれど口の中の唾液も空気も全て吸い上げられるような口付けに小さく呻きを洩らしてしまい……錯乱して何も考えられなくなったあたしは、ただ気持ちよさだけを求めてしまう。
「んぁ…ん……」
 唇の隙間から吐息がこぼれ、行くあてもなく彷徨っていた手指が留美先生の服を鷲掴みにする。喘ぐように留美先生との口付けに溺れ、男性器が興奮のままに硬く勃起して布地と擦れあう感触をズボンの下で久しぶりに感じていると、あたしの身体は上等とは言えず硬さを感じさせるベッドの上に押し倒されてしまう。
「ん…ふゥ……可愛い顔をしているのに……いやらしいキスをして……」
「はァ……ァ………」
 散々に口内を蹂躙した留美先生の舌がズルリと唇から引き抜かれる。
 口の周りを二人分の唾液でベトベトにしたまま、不意打ち気味に濃厚な口付けに、押さえ込もうとしても押さえ込めないほどに股間へと熱く煮えたぎった血液がドクドクと流れ込んでいる。女の身体とは異なる昂ぶり方に違和感と懐かしさを同時に味わってしまうと、ズボンの中のモノは狂ったように脈動し、留美先生の前で恥も外聞も忘れて完全勃起してしまいそうになる。
「女の快感は男の三十倍だと聞いていたが……今はどちらの快感を感じている?」
「ひハァん!」
 シャツの上からキュッと乳首をつねられ、あたしは全身の筋肉を緊縮させながら悲鳴を上げた。ふくよかな乳房の先端の突起はそれほど大きかったわけではないけれど、子供の身体になった今はそれよりもさらに小さくなっている。それを指先で捉えられ、右に左にとよじられるたびにあたしはベッドの上で身を捩じらせ、体中を駆け巡る鋭いに情けないほどにむせび泣いてしまう。
 ―――お、男でも、乳首が感じちゃうなんて……変態だよ、あたしィ!
 その場所は男女でつくりに違いが無いのか、指先から開放されたあたしの胸の中心では、ごわごわして着心地の悪くなったシャツを突き上げるほどに小さな乳首が硬く尖っていた。開放され……ようやく安堵できたはずなのに、あたしが見つめるその突起はまだ愛撫をねだるかのように痙攣を繰り返していて、自分の周りの空気が急に熱くなっていくのを感じながら、何かを期待するようにゴクッとノドを鳴らしてしまう。
「触られて……感じたのか?」
 改めて問われると、無性に恥ずかしさが増してくる。胸をこれ以上刺激されないように手でかばうと、赤くなった顔を留美先生に見られまいと横へと背ける。
 ―――こんなことされたら……本当に男に戻ったときに……
 癖になったら困る。胸の先っぽをいじられながらおチ○チンを勃起させている今の自分の姿を想像してしまうと、むしろそれもいいかもしれない……と言う思いが沸き起こり、あたしは慌てて頭から振り払った。
「そんなにイヤならやめてもいいぞ。でも……せっかく“はじめて”を優しく奪ってやろうと思っていたのにな」
「は、はじめてって……そんな……」
「女の身体では経験があっても、男の身体ではまだだろう? それなら童貞ということになるじゃないか」
 そう言われても……実は女性と繋がった経験はこれが初めてじゃない。
 フジエーダの娼館で貰った双頭ディルドーのおかげで、クラウド王国の王女の静香さんに旅のパートナーの綾乃ちゃん、それに途中で知り合った舞子ちゃんらと擬似的にではあるけれど何度か経験しており、まるっきり童貞というわけではなかった。
 けれど……“男の身体で”と言うのなら、初めてであることに違いは無かった。
 ―――ば、馬鹿。留美先生みたいな美人があたしを相手にするはず無いんだから……絶対にからかわれてるに決まってる……はず…なんだけど……
 年上の美女からのお誘いに、若くなりすぎてしまったあたしの身体は敏感すぎるほどに反応してしまいそうになっていた。口付けや乳首をいじられる以上の期待が沸き起こり、唇を歯で噛みしめていないとズボンの中でおチ○チンが暴発してしまいそうになる。
「構わないのだぞ……私は……」
 留美先生が少し恥じらいの色を帯びた笑みを浮かべて身体を起こす。そして今度は魔法を使わずに、自分の手でワンピースを肩から滑り落としていく。
「ッ………」
 どこか楽しげに口元をほころばせ、留美先生の滑らかな肌が露わになっていく様子を、あたしは固唾を呑んで凝視してしまう。短パンの中では若くなりすぎてしまったおチ○チンに血液が集中しすぎてズクズクと疼き、ただ見ているだけなのに呼吸すらままならなくなるほど気持ちが昂ぶってしまっていた。
「ふふふ……♪」
 一瞬、あたしは切り落としてしまった右腕の付け根に視線を向けてしまう。
 白く汚れも傷も無い肌にうっすらと引かれた赤い直線……留美先生の美しい肌に痕をつけてしまった罪悪感が胸を締め付けるのに、まるで感嘆するようにため息が洩れる。
「先…生……」
 あって間もないはずなのに、まるで昔から教えを受けているような畏敬と、それを上回るほどの興奮を胸の中でせめぎ合わせながら、あたしは傷痕に左手を伸ばしていた。
「………治りかけのキズは敏感で……くすぐったいんだぞ……?」
 そんな事を言いながらも、大人の雰囲気をかもし出す黒の下着に彩られた乳房をワンピースの下からさらけ出した留美先生は、自分からあたしの手へと肩の傷痕を近づけてくる。
 優雅なラインを描く鎖骨に、黒のブラとの対比で白さがさらに際立った胸元があたしの顔へと近づいてきた。
 胸のラインはボディーラインと見事に調和が取れた美巨乳で、視線をわずかに動かすだけでほっそりとくびれたウエストにわだかまっているワンピースが視界に入ってくる。
 ―――なんか……全裸よりも……
 もう唾を飲んだのは何度目になるだろうか……それでもノドの渇きを癒せぬままに、あたしはお酒に酔ったみたいに赤く火照って何かを待っている留美先生の顔を一度見上げ、それから指先を自分がつけてしまった斬撃の跡へと滑らせた。
「んッ……」
 上から下に……切り落とされたとは思えないほど滑らかな肌触りで、歪(いびつ)に引き攣ったところなど何処も無い。それなのに、なんだかあたしは取り憑かれたように傷痕を優しく、けれど何度も指先でなぞってしまい、そのたびに留美先生は肩からこぼした長い髪を震わせるように小さく息をつめる。
「くすぐったいって……さ、最初に……言っただろうが……」
 確かに聞いた……けれど、「やめろ」と言う言葉は一言も聞いていない。
 耐え切れなくなった留美先生があたしの左右に手を突く。瞳を伏せ、唇を引き結び、あたしの前で決して恥ずかしい表情を見せまいとしているけれど、赤らんだ頬の色だけは隠し様が無い。それにあたしの視界を塞ぐようにたわわな膨らみが顔にすぐ間近にまで寄せられていて、今にもブラのカップから零れ落ちそうな柔らかさにも思わず目を奪われてしまう。
 ―――触っちゃったら……やっぱりダメなのかな……
 チラリと留美先生の顔をのぞき見るけれど、傷痕に触れられるくすぐったさを堪えるのに必死で、胸の事には気付いていない。
 ―――なんて無防備な。自分であたしを男の子にしておきながら………わ、若い男の子は、が…我慢なんて、出来ないんだから……!
 目の前で揺れる膨らみに催眠術でもかけられたのか……今は綾乃ちゃんを探しに行くのが最優先だということも忘れ、あたしは右手を下から上へと持ち上げるように食い込ませる。
「ふあァあッ! だ、誰が触っていいと……んんゥ……!」
 もともとのあたしの胸の大きさに勝るとも劣らない膨らみに、ムニュゥゥゥ…とじっくりと時間をかけて指先が押し込まれていく。手の平に乗っかる膨らみの重みと、指先を押し返そうとする心地よい弾力に、まるで呆けたように唇を開いたあたしは、傷痕をなぞっていた左手でも乳房を揉みしだき、その心地よさを思うがままに堪能してしまう。
「やめ……んうゥ! や……はあァ……い…イヤらしい触り方を……はあ…ッ!!!」
 次第に留美先生の身体の震えが激しさを増し、両手で支えていた身体が扇情的にくねりながら、徐々にあたしの身体の上に降りてくる。自然とあたしの顔は二つの豊かな膨らみの間に挟まれてしまい、それでさらに理性の糸が一本プツンとはじけ飛んでしまうと、顔をよじってブラの上から乳房の先端に吸い付いていた。
「んはあッ!!!」
 頬を柔肌にこすりつけるほど柔乳に顔を埋め、下着の上から突起を軽く噛み締める。唇で布越しにはさんでチュパチュパと吸いたて、舌先で押し込むように輪郭をなぞり、根元に前歯を食い込ませて完全に勃起した乳首を先端へ向けて扱き上げると、弄ぶのを指へと切り替え、そのまま反対の胸に顔を埋めた。
「あぁ……んんぅ……ふッ……いッ、あ…あああァ………!」
 ここまで来てしまうと、あたしももう止まれない……鼻先を引っ掛けてブラから右の胸を引っ張り出すと、あたしは年上の美女の乳首にじかに吸い付いていた。
「くッ……ふゥう…んぅ……!」
 がっくりとうな垂れた留美先生の吐息が頭上から吐き掛けられているのを耳たぶに感じながら、ワンピースを纏わせたままの腰に左手を巻きつけて引き寄せると、あたしの顔に圧し掛かる乳房の圧力が増す一方で、ズボンを突き破らんばかりに大きく膨らみ、ドクドクと脈打っている肉棒と、今ダメにしてはいない留美先生の秘所とが密着し、グリュッと擦れあってしまう。
 ―――い、挿れたい! こんな……服を着たまま触れ合うのなんて、拷問もいいところだよォ!!!
 ズボンの膨らみがよほど良いところに当たったのか、留美先生は頭を跳ね上げ、大きくノドを震わせている。薄いショーツ越しでも押し込まれた恥丘からは熱い愛液があふれ出し、あたしのズボンにも染み込んでくる……が、あたしの肉棒に伝わってくるのは圧力と温もり、それに湿り気だけだ。
 これじゃ蛇の生殺しもいいところで、一時とは言えせっかく取り戻せたペ○スは留美先生と接し、擦れあうほどに暴走の危険が高まっていく。あたしの顔に乳房を擦りつけるように身体を前後にスライドさせて割れ目に沿って膨らみを秘唇に擦り付けられると、未だ窮屈なズボンの中にしまわれたままのペ○スが脈動してしまい、腰を痺れさせる射精感の昂ぶりにはもうどう足掻いても抗いようが無かった。
「る…留美…センセェ……んっ…ううッ!」
 もう我慢も限界だ。あたしは留美先生を抱きしめる左腕に力を込めると、乳房の曲面に吸い付きながら右手をズボンへと伸ばす。
 どうしてあたしを男にしてまで、こうしてベッドの上で身体を重ね合わせているのか……その理由は分からないけれど、止められていないのなら、高ぶりが最高潮に達している肉棒で……という考えは、ズボンに触れようとしていた手が暖かい手の平に包まれたことで押しとどめられた。
「ダメじゃないか……脱がせるのは私の楽しみだといっていなかったか?」
「だって…もう、もう―――!」
「いけない子だ……でも、そんなに“私”とSEXしたいのなら、かなえてやらんでもないが?」
「んゥ――――――!!!」
 留美先生の恥裂に切っ先を食い込ませていた盛り上がりがようやくズボンの締め付けから解き放たれる。
「は…ぁ……ショタが入ってるくせに……なんてチ○ポを……可愛い顔をして……なんて……あぁ……♪」
 力強く脈を打つ肉棒に、留美先生の熱い吐息が絡みつく。何ヶ月ぶりかに味わう自分自身のペ○スの感触を紛らわせるためにも留美先生を両腕で抱き寄せると、丸々とした乳房にかぶりつき、瀬間課からお尻へと滑らせた左手を乳房にも負けない張りを持ったヒップへと這い回らせる。
「ああ……あああァ……! わ、私が……こんなに乱れて……ん…くッ……は、ァァァ……!!!」
 戦闘では無類の強さを誇った美人魔道師が、あたしの愛撫の前にはあえなく屈し、あたしの頭を豊満な乳房の谷間に抱きかかえてあられもない声を迸らせる。鼻の奥に突き刺さるような留美先生の汗の香りとあたしの全身を包み込む甘ったるい体臭とで限界かと思われていた興奮はさらに突き抜け、先端から脈動と共に堪え切れなかった先走りを迸らせてしまう。
「本当に……イヤらしいおチ○チンをしおって……こんなのを見せられたら…わ、私だって我慢できなくなるんだぞ……?」
「ふあぁあああっ! あ、ダメ、る、留美先生、はァ、あああああァん!!!」
 もういつ射精してもおかしくない男根に留美先生の指が絡みつく。少しひんやりとした指が熱くたぎった性器に触れるだけでも、背筋に氷を滑らされたみたいな強烈な快感美が脳天へと突き抜けてきて、
 ―――なんか……留美先生が二人いるみたいな……あ、やっ、さ、先っぽは……ダメェ!!!
 と全身を緊縮させるのと同時に、
「お、お前は何をやっている!?」
 身体を起こして後ろを振り向いた留美先生は、唇と舌をあたしのペ○スに絡みつかせているもう一人の留美先生を怒鳴りつけていた………どうやら貧血で幻でも見ているらしい。イき場を逃したあたしはいきなり開始された二人の留美先生の言い合う声を聞きながら、思考する事をやめて完璧に現実逃避をし始めてしまっていた―――


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