ルート3−1
「松永先生、ケイト、あけましておめでとうございます」
あたしと明日香は人ごみを掻き分けて二人へ近づくと、お決まりの新年の挨拶を述べて頭を下げた。
「あら、こんなところで会うなんて奇遇ね。相原くん、片桐さん、あけましておめでとう」
「オ〜〜ッ、たくやちゃん、明日香ちゃん、アケマシテ〜シメマシタ〜ですネ♪」
「今年もよろしくお願いします…ってケイト、それはわざと間違えてるでしょ」
「? ケイト、また間違えてましたか? 日本語、ムツカシ〜〜ですネ」
あらら、ケイトは今年も相変わらずか…たはは。
こうして二人に会えたのはなにかの縁だろうけど、お正月草々美女に出会えるというのはなんとも幸先がいい。白地に鶴の姿を金糸銀糸であしらった着物姿は、外国からの留学生のケイトの白い肌と金色の髪に見事なまでに調和していた。また松永先生もコート姿ながら、真冬だというのに寒くないのか見事な美客が開かれた合わせ目から覗いているし、セーターを押し上げる膨らみは相変わらず見事の一言しかない。
「ふふふ…相原くん、なかなか素敵なお召し物ね。もう女の子で生きていく決心がついたのかしら? だったら…ふふふ、これから私の部屋でいろいろと教えてあげるわよ。女の体のあれとかこれとか」
「そ、それは……え…えええっ?」
「松永先生、残念ですけどたくやは今年こそ男に戻ってまっとうな生活に戻るんです。変なことを言わないでください」
うわ…明日香ってば松永先生にあんな挑発的な視線を……まぁ、松永先生も冗談っぽかったし、明日香の様子にさして怒った様子を見せずに微笑んでるから大丈夫だろうけど……度胸がある、さすが明日香。
「OH! たくやちゃん、男の子に戻っちゃうですか? だったらケイトがたくやちゃんの恋人になってあげますですネ♪」
「「なっ!?」」
うわ、明日香とハモって驚いちゃった。ていうか、いきなりなんて事を言うのよ、外人だからってもうちょっと前置きとかそう言うのを大切にぃ〜〜〜!!
「ケイト、たくやちゃんと愛し合ったことが今でも忘れられないですネ。更衣室でおっぱいプニュッてくっつけた柔らさ、もう絶品だったですネ♪」
「ふ〜ん…そりゃよかったわね……」
ああああっ! 明日香の視線が、視線があああああっ!!!
「けど、最近は寒くて水泳部がお休みで、たくやちゃんぜんぜん来てくれないですネ。みんなもたくやちゃんと楽しみたいって――」
「あわあああああっ!! ケイトストップ、それ以上はストップゥゥゥ〜〜〜!!」
「そういえば保健室にも顔を見せてくれなくなったわね。……さみしいわぁ…そんなに私と顔を合わせたくないの?」
「ま…ままま、松永先生…それには深い意味が…あの、首に指這わせるのは…んうぅんっ!!」
「あん、先生、ズルいですネ。ケイトもたくやちゃんともっと肌を触れ合わせたいですネ♪」
「ひあ…っ! け、ケイト…舐めるのは…ダメ…こんなところで……あんっ!!」
「下着のラインが出てないわね。こんなにヒップラインを出しちゃって……きれいよ、相原くん…この場で食べちゃいたいぐらい……」
「やめ…やめて……指でお尻を…くぅんっ! あっ…あっああっ…奥に、指入れちゃ…あああっ!!」
「たくやちゃん、スゴく感じてるですネ。だったらケイトが楽にしてあげるですネ」
さっき痴漢に会って体に疼きが残ってるのに……そんな、左右から責められたら、あっ、あたし、感じちゃうぅぅぅ!! 見てるの、いっぱい人があたしたちを見てるのに、体が…はうんっ! 先生の指が…着物の中に入って…あ…アソコに……アソコに触れてきてるぅ…っ!!
「相変わらず敏感ね……もうこんなに濡らしちゃって。もしかして最初からこうして欲しかったのかしら? あ・い・は・ら・君。もうすっかり女の子ね」
「だめぇ…だめぇ…二人とも、あっ、まっ…も…うっ……あっ…あ―――っ!!」
「あんたたち、いいかげんにしなさいよねっ!!」
「明日香ちゃ〜ん、そろそろ機嫌直してもいいと思うですネ」
「怒ってなんかないわよ。別にたくやと私は何でもないんだから往来の真中ででもどこででも好きにしなさい」
「明日香、そんなぁ……くすん、あたしが悪いわけじゃないのに……」
調子に乗っていた二人もさすがに明日香の怒声に驚いて、ようやくあたしを責める手を止めてくれた。けれど――
「あら、だったら相原くんは私がもらっちゃってもいいのかしら? 私なら相原くんが男でも女でも構わずに愛してあげられるわよ」
「なっ…たくやと松永先生は生徒と教師じゃですよ。そんなの、認められるはずが…!!」
「片桐さん、そんな事は些細なことよ。周囲にばれないように関係を続けていく…あぁ……相原くん、結婚しましょう」
ぶっ! あ、愛人とか恋人とかすっ飛ばしていきなり夫婦ですか!? しかもスリルある学園生活のためだけに!?……やっぱりあたし、まだまだ松永先生を理解できない……
「ダメですネ。たくやちゃん、先生と結婚なんて神父様やマリア様が許しても、ケイトが許しませんですネ」
「ケイト……そうよね。あたし、もうちょっと普通の人生がいいなって思うし」
「たくやちゃんと結婚するのはケイトですネ。だから先生が相手でもたくやちゃんは渡しませんですネ!」
「待ったぁぁぁ〜〜〜!! だからなんでそういきなり話が飛躍しちゃうのよ。二人とも落ち着いてぇ〜〜〜!!」
「ケイトの国では、レズでもゲイでもノープロブレムですネ。だから、いつ女の子になっちゃっても、ケイトはずっとずっと愛してあげますからですね♪」
「あら、それはいい法律ね。だったら私は相原くんの愛人になろうかしら。みんなで愛を確かめ合うのもいいものでしょう?」
「オウ、ジーザス! 松永先生、それはナイスアイディ〜アですネ。たくやちゃん、今日から私と先生が奥さんになって愛してあげますネ♪」
「だ〜か〜ら〜〜〜!! どうしていったいそう言う展開の話になっちゃうんだってばぁぁぁ!!! いいかげん普通のテンションに戻って、お願いだからぁ!!」
「………よかったわねぇ。たくや、もてもてじゃない♪」
「はうっ…あ、明日香…さん。あの…これはね、二人もちょっとふざけてるだけで……」
「あら、私はいつだって恋愛には本気よ」
「ケイトもたくやちゃんとスタディーな関係になりたいですネ♪ そのために今日は神頼みですネ♪」
あ…あああ……だめ、あたしじゃこの二人を止められない……だれよ、この二人を明日香との初詣で遭遇させたのは………ん、初詣?
「そういえば…二人も初詣に来たんですよね。なにをお祈りに来たんですか?」
このまま話を続ければ明日香との関係に修復不可能な亀裂を生じさせない。そう思ったあたしは少々強引に話の展開を変えてみる。……が、松永先生の口からは予想外の言葉が飛び出てきた。
「いいえ。ケイトとも偶然会ったんだけど、私はここで用事があるの。知り合いに頼まれごとをされてね」
「頼まれごと…ですか? お正月から?」
「ここの神社では毎年お正月にある儀式を行っているの。私は学生の頃からそれに参加しているのだけど……そうね。もしよければあなたたちも手伝ってくれない? アルバイト代も私の方から出すから」
アルバイト……松永先生の頼みだし、着物姿でも良いならちょっとぐらい手伝っても良いけど、明日香が……
「なによ。あたしの顔に何かついてる?」
「い、いや、そういうんじゃないんだけど……」
「先生についていきたいなら勝手にしなさいよ。私はお参りしたら先に帰ってるから」
明日香ぁ〜〜…そんな邪険な態度をとらなくたって…クスン……
―――と、あたしたちを置いて明日香が先に行こうとすると、その腕をケイトがグイッと引き戻した。
「ダメですネ。明日香ちゃん、私たちと一緒に行きましょうですネ」
「離してよ。別に私がいなくたっていいでしょ!」
「ダ〜メ〜で〜す〜ネ〜〜〜!! 明日香ちゃんとたくやちゃんが喧嘩してると、ケイトもすっごく悲しいですネ! だって、みんなクラスメートだし、ケイト、明日香ちゃんのこともすっごく大好きだからですネ」
「ケイト……」
「だからエッチはみんなでするですネ♪ 明日香ちゃんも一緒ならきっともっと楽しくなるですネ♪」
「………私、帰る」
「明日香、待って、待ってぇぇぇ〜〜〜〜〜〜!!」
ケイトに任せていたら何かが致命的に終わっちゃいそうだ。
そんなわけで今度はあたしが明日香の腕を引き寄せた。
「――何で私まで先生の手伝いをしないといけないのよ。たくやがやりたいなら一人でやれば良いじゃない」
「そんな事言わないでさ。お正月早々みんなでなにかするって言うのも楽しいじゃない。ね?」
「そうで〜す。ケイトはたくやちゃんと明日香ちゃん、みんな一緒で嬉しいですネ♪」
「ま…いいけどさ」
ほっ…よかった。明日香の機嫌も不機嫌程度に直ってくれて。ケイトも明日香が好きだからいろいろ言ってるんだし、それを嫌がる明日香でもないしね。とは言っても……なんであたしたちはこんなお堂のど真ん中なんていう場所にいるんでしょう?
「松永様、今年もよろしくお願いします。それであちらのお三方は……」
「あの子達は私の教え子……弟子というところね。参拝客の処理で忙しいあなた方のお手を煩わせるのもなんですし、私の方で助手として連れてまいりました」
「そうですか。お心遣い、ありがとうございます。ですが、あなたの手伝いをできると喜んでいた若い者が悲しみますな」
「去年のあれはお手伝いとは言いませんわよ?」
「それはごもっとも。では札とカギ、そして例のものはこちらになります」
「確かにお受けしました。それではまた後ほど――」
「ワォ♪ なんだかジャパニーズミステリアスな雰囲気が漂ってきますですネ。先生、なにを受け取ったんですネ?」
子宝成就で有名なこの神社は参拝客も多く、ご本尊の仏像のある広間の大きさもあたしの部屋が5つか6つは入りそうなほど。その真中で座布団に正座させられたあたしたちの位置からは松永先生が布をかぶせられたお盆を受け取っているところまでしか見えず、それが何かまでは見て取ることができない。さすがに遠すぎる。
「う〜ん…細いものを積み上げてるようにも見えるけど。たとえば……」
「竹輪とか?」
「ケイトはチョコバナナが好きですネ♪」
「………あんたたちに話を振った私が馬鹿だったわ」
「ははは…まぁ、明日香の目がいいって事で。――あ、先生がこっちに来た」
松永先生が戻ったからといっても、ここは学園の外。それに形式にこだわるような先生でもないんだけど、三人ともつい背筋を伸ばして居住まいを正してしまう。
「緊張しなくてもいいのよ。これから体力を使うんだから気を抜けるうちに抜いておきなさい」
「ま、まぁ、なんとなくっていうか…正座してるとつい」
「ふふふ。そう言うものかしらね。――じゃあみんな、付いてきてきてくれる? さすがにこの場所だとやりづらいから」
確かに…何か犯るにしても、後ろのほうでは初詣に来た人たちの声がうるさいぐらいに聞こえてくるし、集中するには人目もありすぎる。
そんな理由もあり、松永先生に促され、あたしと明日香は少し不安になりながら、ケイトは今まで見た事もない神社の中を歩けることが嬉しいらしくきょろきょろと木造作りを見回しながら、神社の裏手に広がる森の中にぽつんと立つ離れへと連れ立ってやってきた。
細い山道を通り、神社裏の森の深いところに立てられたこの離れ家までやってくると、神社のうるさいぐらいの賑わいも遠くからしか聞こえてこない。純和風の建物を前に後ろを振り返ればあたしたち以外に人の姿はなく、どこか別の世界へとはぐれてしまったような寂しさを感じてしまう。
「みんな、中に入ってくれるかしら。カギは……」
「あ、先生、お盆はあたしが持ちます」
「そう? じゃあお願いするわ」
先ほど離していたお坊さんから受け取ったカギを取り出そうとする松永先生から盆を受け取る。――結構重い。幅が1.5メートルはありそうな漆塗りのお盆には何かが山の用に詰まれているけれど、白い布の下から覗く棒状の端の部分が丸くなっている事しか見て取れない。――が、離れのカギが開き、ケイト、明日香と順番に入り、松永先生に続いてあたしがよたよたと入ろうとすると、急に強い風が吹いて白い布がふわりと浮き上がった。
「………えっ?」
「あらあら。まだ見ちゃダメよ。後にとっておきたいでしょう…お楽しみは」
お楽しみって……今の、どう見ても…「アレ」の形をしてたんだけど……
アレというのは当然アレ――おチ○チンの事だ。松永先生が保健室に隠しているディルドーやバイブの様に、木製の男根を模した物がお盆の上に積まれていたのだ。
しかも形も一通りじゃない。イボ付きコブ付きねじれ付き。ぱっと見ただけでも、ノーマルなものから彫刻が施されたもの、両側に議事男根を向けた大きな物までさまざまな形状の木製男根が存在していた。
「相原くん、先に入って。入ったらお盆はテーブルの上においておいてね。――当然、布はかけたままよ」
「け、けどこれをどうするつもりで……」
「いいから。そうじゃないと……」
それは脅迫のようでもあり、どこか楽しげにも見える笑みだった。その意味を察したあたしは急に顔に火照りを感じると松永先生の顔を見れなくなり、わずかに割れ目だけを覆う小さなレオタード用の紐パンの奥でクチュリと愛液のはぜる音を響かせながら駆け込むように離れの中へと入っていった――
十畳ほどの和室には床の間があり、大きなテーブルが置かれておりと、一昔前の日本の一室という感じがする。けれど部屋には小さ目の採光用の窓しかなく、足りない光は和室にはあまり似つかわしくない天窓から取り入れていた。
「なんだか変な感じね。圧迫感があって……」
明日香が言うのももっともだ。あたしは手にしたお盆を明日香やケイトに見えないよう、自分の傍へと置くと、ケイトが長い着物の袖に悪戦苦闘しながら入れてくれたお茶を飲みながら室内を見まわした。
トイレや浴室も玄関横についてるし、台所も小さいながら完備だ。外を眺める事ができる窓や縁側がついていれば一人暮しも十分可能な建物なのに、窓のない壁が四方から迫ってくるようでどうにも落ち着かない。
けど……もしこのお盆に乗せられた物をあたしたちに使うなら、好都合な場所でもあるわけだ……
ここは言うなれば、和室という形状をした檻なのだ。
「……………」
「たくやちゃん、どこか痛いですか? よかったらケイトが痛いの痛いの痛くないしてあげますですネ」
「それを言うなら「痛いの痛いの飛んでいけ」だと思うんだけど……」
「オウ、そうとも言いますですネ。日本の言葉、ムズカシーですネ」
いや、難しくしてるのはケイトの個性だと思うんだけど…あ、先生も部屋に入ってきた。
「先生、それで私たちはなにをすればいいんですか?」
テーブル前でお茶を飲んでいた明日香は松永先生を少しキツいまなざしでねめつけると、なにも説明されていない以上当然の質問をためらうことなくぶつける。
―――この二人、もしかして相性が悪いとか?
少なくとも、明日香の方は松永先生に好印象を持ってはいないようだが、当の松永先生はコートを脱いで裏返しに丸めながら明日香の横へと腰を下ろし、
「そうねぇ…しいて言えば気持ちよくなる事かしら?」
そう言って、いきなり明日香の唇に自分の唇を押し付け、あたしの目の前で畳へと押し倒した。
「ワオッ♪ これはもしかして日本の伝統、「夜這い」ですか? でも、今はお日様が出てるから「昼這い」ですカ?」
「そう言うのじゃなくて! 先生、明日香になにしようって言うんですか!!」
「気持ちよくしてあげるのよ。最近恋人の誰かさんに愛してもらえてないようだから。……片桐さんだって欲求不満でしょう?」
「そんな事あるわけ……あっ…あっ…いやっ……んん…あ……」
うそ……あの気丈な明日香が松永先生に良い様にされちゃってる!?
「相原くんも自分の事だけじゃなくて、女の姿でも恋人だって言うなら強引にでも愛してあげなさい。――ほら、片桐さんもこんなに寂しがってたのよ」
「そ…そんなこと…ああ…っ!!」
必死に上からのしかかる松永先生を振り落とそうとするけれど、百戦錬磨の痴女の手がスカートの中にもぐりこみ、女になってから肉体関係を遠慮して触れる事がなかった恥丘へと達すると、平均以上は会ってもこの四人の中では一番小ぶりな乳房を突き上げるように背を反らせて体を震わせた。
「何ヶ月放っておかれたの? ここ…もうびしょびしょになってるわよ」
「あっ…ゆ、指が…入って……あッ、いッ、んんんッ!!!」
「可愛いわよ…怒っている顔よりもずっと可愛いわ。ほら、相原くんの前でイかせてあげる。弱いところは…ここ? 膣の天井?」
「んじゃあああッ!! 深ッ…あっ、あっあっあひィ!! やめ、抜いて、助けてぇぇぇ!!」
………はっ、あ…明日香!?
涙を流し、いやいやと頭を振りながらも松永先生の指使いで瞬く間に感じさせられていく明日香。腰を何度も跳ね上げ、まな板に乗せられた鯛の様にむせび、泣き悶える姿に、幼馴染の初めて見せる一面を見てしまったあたしは、助けを求める声を耳にするまで完全に硬直してしまっていた。
「松永先生、やめてあげて! 明日香、泣いてるじゃないですか!!」
「だとしたら、片桐さんを泣かせているのは相原くんね。こんなにも自分の彼女を欲求不満にして…そう思うでしょ、片桐さんも」
「あッあッあ――――――ッ!!! そこ、触っちゃ…くあ――――――ッッッ!!!!!」
―――グチュグチュグチュグチュグチュッ!!!
松永先生はひじまで使って大きく明日香のヴァギナを指でえぐり始める。すると、スカートの中の事なので見えはしないけれど、あたしが今まで明日香からは聞いた事もないような卑猥な水音が責め立てられているであろう場所から盛大に聞こえてきた。
松永先生は……すでに、明日香をその手中に収めていた。
明日香の恋人であるあたしに時折ちらりと視線を向けられるたびに、助けに行こうとするあたしの意識は萎縮されてその場から動けない。ただ、自分のもの…そう思っていた明日香があたし以外の人の手に悶えさせられている光景から目が離せず、もやもやとした気分を抱えたまま、松永先生の手を太ももでぎゅっとはさんだ状態でしなやかな体を痙攣させる明日香を呆然と見つめていた……
「明日香ちゃん……スゴく感じてますネ。ケイト、あんな明日香ちゃんを見るの、初めてですネ……」
「ケイト……」
一人でいるのは不安だったのだろうか、ケイトはいつのまにかあたしの傍へとよってきて肩を触れ合わせていた。
―――そのケイトを、あたしは帯を巻いた腰をつかんで引き寄せて、なにも考えずに唇を触れ合わせた。
「んッ……ひゃふやちゃ…んんッ……はぁぁ…たくやちゃんのキス…スゴく…上手ですネ……」
「ごめん、ケイト……あたし…自分でなにをしてるのかわかんなくて……」
「……なんとなく、分かりますネ、その気分……ケイトも、大切なお友達の明日香ちゃんがいじめられて…とても複雑な気分なのですネ。だから……」
体の向きを変え、赤い着物を着たあたしの胸と、白い着物を着たケイトの胸を押し付けあう。どちらも着物に締め付けられているせいかいつものボリュームはないけれど、それでも感じる弾力に、そしてどちらからとも泣く体をゆすって分厚い布地の下にある乳首を探り出そうとするくすぐったい感触に、お互いに熱い吐息を漏らしてしまう。
「たくやちゃんはケイトが慰めてあげますネ。だから…たくやちゃんは明日香ちゃん、ちゃんと見守ってあげてて欲しいですネ♪」
「んッ…んんっ…ケイト…ごめんね……あ、明日香が…あんなに悶えてる……信じられない……」
ケイトと乳首の探りっこをしながら視線をテーブルの向こうで繰り広げられる幼馴染の陵辱へと向けると、そちらはちょうど終焉間近の様相を呈していた……
「片桐さん、スゴいわぁ……こんなに濡らす女の子、めったにいないわよ」
「ち、ちが……そんな、されたら、もっ……」
「じゃあこのヌルヌルはなに? ほら、お漏らししたみたいにここからあふれ出てくるものは」
―――ズチュグチュグチュズブッグチャ!!
「学園でもアイドルで通っている片桐さんがこんなにイヤらしい音を出してるって知ったら、きっと男子が放っておかないでしょうね。どんな目に会わされるかしら…ねぇ?」
「ハアッああっあああん―――ッ!! 知らない…知らない………いいッ!!!」
あれほど手の動きを拒んでいた明日香の脚も、片方の膝が立ち、先生の指に良い様にもてあそばれていた。内股にはびっしりと汗がにじみ、普段は真っ白い美脚はほんのりピンク色に染まり、つま先を畳に擦りつけるようにもどかしくさ迷わせていた。
「あっ…んんっ……」
あたしは松永先生のテクニックを知っている……そのため、明日香の脚の間を穿つ指の動きを想像しただけで、腰に甘い疼きが広がっていく。まるで明日香が受けている巧みな指技をあたしにもされているかのように……
「ケ…ケイト……お願い、もっと…激しく……」
「オッケーですネ♪ ケイトもたくやちゃんのおっぱい、もっともっと触りたかったですネ」
「くうぅん…! あ………い…いい……ケイト…そこぉ……!!」
ケイトの両手が着物の上からあたしの乳房を掴むと、首筋に唇を滑らせながら指を押し込んでくる。
決して強烈じゃない…乳首を探り当てられても分厚い赤い布地越しでは摘まれる事もなく、けれどその事が逆に、あたしと明日香の感じるリズムを同調させてしまう結果になる。
「あっ明日香…明日香ぁぁぁ………!!」
「たくや…いやっ…たくやああああああああっ!!!」
「ハァ〜ン…たくやちゃん、いい匂いですネ……ケイト…それだけでもう…感じちゃってますネ」
「ほら、相原くんもイきそうよ。一緒にイってあげなさい。…ほら、ここをいじってあげるから……おしっこを漏らしてイっちゃいなさい。みんなに見られながらね、ほら、相原さんの指以外でイかされるところ、思う存分見てもらいなさい」
ケイトにしがみついて正座したまま身を伸ばすあたしの前で、明日香の腰がグゥッと持ちあがり、松永先生にアソコを責め立てられながらガクッガクッと体を大きく痙攣させる。
「ああッ、だ…だめぇ、やっ、だめぇぇぇ〜〜〜!! そこ、そんな、に…やらあぁぁぁ!! えっ、あっ…うそ、感じちゃ…うぅ……こんなの、はじめてぇぇぇ―――ッ!!!!」
「たくやちゃん、明日香ちゃんが…イっちゃいそうですネ……ほら、見てあげましょうですネ……」
「あ…あああ……」
あんなに感じて……あたしとの時にあんなに感じてる顔を見せたことなんてなかったのに……くぅん……あ…明日香…明日香…ごめん、あたしも我慢できないッ!!!
松永先生の容赦ない責め苦にウエストをしならせる明日香を見ているとあやしの胸は切なさや苦しさで張り裂けてしまいそうだ。
それを解消するため…忘れるために、あたしはケイトの首に腕を回すと前歯がぶつかる勢いで唇を奪い、舌をねじ込んで声にならない悲鳴を迸らせた。
「――――…ッ!! ―――――、――――――――――っ!!!!!」
「あら、相原くんのほうが先にイったのね。なら片桐さんも負けていられないわね。こんなに尿道びくびくさせてるんだから、お仕事の前に盛大にぶちまけちゃいなさい」
「あっああああああっ!! そ、こ、壊れるぅぅぅ!! 壊れ、ちゃう、ちゃ、あっ、ひッ、くううつ…だめッ…こんなのッ、くる、くるうううううう〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!!!」
ケイトとキスしているあたしと、悶える明日香の視線が重なり合う。――その次の瞬間、指先で畳を引っかいていた手を松永先生へと向けた明日香は美人教師とブチュッと言う擬音が聞こえそうなディープなキスを交わすと、唾液があふれ出るほど舌を絡ませあいながら、スカートの置くからビュッと液体を迸らせた。
あたしも初めて見る、明日香の射精液だった。
「むうううっ、むううううぁあああああっ!!! ああんっ、ああああんッ、また…イっちゃ…ひゃあああああああっ!!!」
明日香がイってる…あんなに射精してる……明日香……っ!
太ももを痙攣させ、1メートル以上上昇した白濁液が放物線を描いて畳の上に飛び散っていく。その快感、そのオルガズム……人一倍敏感なあたしが何度も経験した事のあるそれを初めて味わう明日香の反応を思うだけで、否応無しに快感と興奮が昂ぶってしまう。
明日香…ケイト……あたしも、あたしもイっちゃう……んっ……!!
それは明日香の絶頂に比べれば取るに足らないほどの高まりだったけれど、ケイトとキスを続けながら胸を擦り合わせたあたしの股間からも一度だけ、愛液がドブッと吐き出される。
明日香の射精、松永先生が手を抜いてもまだ続いていた。お腹を弾ませ、お尻を浮かせ、涙を流しながら大量の射精液を空中へとぶちまける。
それを横目に見、あたしは後ろめたさを覚えながらもケイトと絡み合うように畳の上へと倒れこんだ―――
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