ルート2−4


 知らないうちに席を立っていた宮村先生は、襖扉を開けて今まさに部屋から出ようとしているところだった。  加えて言うなら、あたしの声を掛けられて固まった先生は抜き足差し足の格好。両手で柱と襖を持ち、なるべ くこっそり出て行こうとしているような奇妙な格好だった。 「あ……これはその…すこし食べ過ぎたからトイレに…行こうかと……」 「ん〜〜…トイレ?」  あ…明日香がやっと顔を上げてくれた。あのままじゃあたしも恥ずかしくて動けなかったもんね。たはは…  でも言われてみれば、あたしも甘酒をいっぱい飲んでお腹の中はたぷたぷだし、着物を着せられる前に行って から一度も用を足していない。先生の言葉を聞くまではなんとも思ってなかったけど、聞いちゃった以上はお腹 の圧迫感がどうにも気になってしょうがなくなってしまう。 「………だったら、あたしも行く〜〜♪」 「私も〜〜♪ なんだかさっきイっちゃってからアソコがムズムズしちゃうから♪」 「いや…君たち、あのね――」 「やだもう明日香ってば言い方がヤらしい〜〜♪」 「だって、たくやが変な事するんだもん。いきなりアソコ触られたのよ?」 「そっか〜、おしっこと潮を一緒に漏らしちゃうんだ。こないだ盛大に噴いちゃったもんねぇ♪」 「あ〜ん、そういうのを言わないでよぉ〜〜。たくやだっておしっこみたいに愛液溢れさせてるじゃないのぉ」 「それは濡れやすいからだも〜ん♪」 「あぅ……俺は先に行くからゆっくりどうぞ……」 「は〜〜い。先生、待っててね〜〜♪」 「ちゃんと話を聞きなさいよぉ。たくやってば自分が濡れやすいのを棚に上げてさぁ――」 「明日香だってさ、あたしがちょ〜っと触っただけで――」  畳に座って相手がどれだけお漏らししやすいかを言い合うあたし達。  数分言い合った後に部屋を見まわすと宮村先生の姿は無い。魔だと入れから戻ってきてないみたいなんだけど、 「たくや、おしっこ行こっか♪」 「うん♪ えへへ〜〜♪」  だんだんと剣呑になっていたおしっこ談議もトイレに行く事を思い出すと一時ストップ。何が楽しいわけでは ないけどニコニコ笑う顔を見合わせて大きく肯くと、二人そろって立ちあがる。 「それじゃあ宮村先生んちのトイレに向けてれっつごーーー♪」 「ごーごーー♪」  などと叫びながら腕を振り、あたしと明日香はトイレへと向かった。  頭の中はふわふわ〜として気持ち良く、意思力なんてこれっぽっちも残ってない。脚も左右にふらふら揺れて 危なっかしいけど、それでもトイレまでは無事に到着する。一軒家といってもそんなに迷うほど広くないし♪ 「ねぇねぇ、まだ先生は入ってるのかな?」 「そんなのかまう事ないわよ。明日香、バ〜ント開けちゃって。バ〜ンって♪」 「りょうかいたいちょー♪ せ〜の……」 『わ〜〜〜〜〜。待て待て待てぇ!! うちのトイレはカギが付いて無いんだ!!』  明日香がドアノブを握ったちょうどその時だ。それまで静かだった扉の向こうからいきなり先生の叫び声が聞 こえる。かなり切羽詰った感じがするので、中でまだおしっこしてたか、時間から考えるとおっきい方だったの かもしれない。 「もしも〜し、先生はとっくに包囲されてます。無駄な抵抗はやめて、おとなしくあたしにおしっこさせなさ〜 〜い♪」  ドンドンドン  あたしはフラフラしながら扉の前に歩み寄ると、握り締めた拳で情け容赦なしにノックで連打♪  ドンドンドン  けどその持続時間も十秒ともちはしない。 「あ〜も〜〜、明日香、先生が出てこないからやっちゃってぇ、ヒック」 「おっけ〜〜。ま〜かせて♪ 片桐明日香、全力でいっちゃいまぁす♪ うふふ♪」 『待て、頼む、今出るからちょっと待ってくれぇ!!』  ガチャ 「ぜ〜…ぜ〜…ぜ〜……」 「あ、先生が出てきた。せんせ〜〜♪」 「お…お前らなぁ……」  あたしのかわいらしい(?)呼びかけに答えて、トイレから先生が慌てて出てきた。まだベルトを締めてなく、 ずり落ちそうになるズボンを左手でしっかりと握り締めている。なんともはや情けない格好だけど、これを聞く 事の方が優先事項だ。 「先生……おっきい方してたの?」 「なっ!? 何を聞くんだ、相原わぁ!!」 「だってぇ…学園でおっきい方するとみんなの笑われ者だよ? みんなで扉をけったり、上からバケツでお水ひ っくり返されちゃったりするんだからぁ」 「俺の家でそんな事は無い。だからトイレぐらいゆっくりさせてくれって」 「そうよ、たくや。先生が大をしてるわけ無いじゃない。お水の音がしなかったもん、ジャ〜って」 「か、片桐……優等生のお前まで……」 「まぁまぁ、先生、気にしない気にしない♪」  なんだかガックリきてる宮村先生の肩を笑いながらバシバシ叩いて元気付ける。それでも先生は顔を俯けたま ま上げなかったけど、あたしは落ち込む先生を押しのけ、ズイッと足を踏み出した。 「んじゃあたしがおしっこのお手本を見せてあげる♪ ちょっと恥ずかしいけど…………先生、ちゃんと見てて ね♪」  トイレスリッパに足袋を履いた足先を入れ、急に火照っていくほっぺたに両手を当てながら振り返る。  すると今は落ち込みモード、普段ものんびり冷静沈着の先生が珍しく狼狽し、両手をあたふたと振ってしどろ もどろになる。 「なっ、ななな、何を言ってるんだ、相原!! お、俺は決して生徒のトイレを覗いたりなんかしないぞ!!」 「え〜〜〜……………あたしってそんなに魅力無い?」 「ちがう〜〜! そう言う話じゃなく、俺は教師として一人間の道徳的にだなぁ!!」 「もう…先生ったら、照れちゃってかわいい♪」  閉めつつある扉から恥らうように顔を半分覗かせ、角を人差し指でなぞりつつ潤んだ瞳で見つめると、先生の 慌てふためきぶりにますます拍車がかかっていく。  そんな先生の様子に小さく笑みをこぼすと、 「じゃあ明日香、センセ、見たくなったら……いつでも開けてね」 「うん。たくや、いってらっしゃ〜い♪」 「だから相原、元々男だったとはいえ、そう言う事を平気で口に――」  パタン 『!!!……!!?×!!>…!???』  扉を閉めると、ほんの一畳ほどの狭い空間は急に静かになったように思えた。薄い扉越しに先生の大きな声が 聞こえているはずなのに、あたしの耳はなにも聞いていない。 「………んっ」  股間からお尻を震わせて背筋に伝ってくる尿意に我慢できずに小さな声が漏れる。さっきまであんなに恥ずか しい言葉を連発していたのに、一人になると急に口にするのが恥ずかしく、「トイレを覗いて♪」なんて言ってし まった自分の行為に全身が真っ赤になったかと思うほど熱を帯びてしまう。 「それじゃあ……おしっこ…しようかな……」  あっ……やだ、体が変に…疼いちゃう……おしっこって言っただけで、なんだかこのまま…お漏らししちゃい そう……  あたしの目の前には水洗の和式便所が鎮座していた。これをまたいで、下に股間を突き出しておしっこしちゃ うのだ。下着を身に着けていない股間をさらけ出し、ジョロジョロと湯気の立つほど熱いおしっこを…… 「は…恥ずかしい……そんな格好でおしっこするなんて……んっ…くぅぅ……」  あ…アソコが震えてる……あたし、なんにも触ってないのにグチャグチャ音を立ててうごめいてるよぉ……  和式でした事が無いわけじゃないけど、今は最近色気を増したお尻をさらしておしっこをする事にどうしても 抵抗が――どちらかと言うと羞恥心が芽生えてしまっている。  自分が恥ずかしい格好で用を足すところを想像すると、明日香にさっきまで嬲られていた乳首がジンジンと痺 れてしまう。立ったまま腰をくねらせ、両腕で震えがきている体を抱きしめると、弾力のある乳房が寄せあげら れるのと同時に腕の着物が舌に身につけている襦袢ごと引っ張られて肩がペロンと完全に露出してしまい、前に 突き出された膨らみが何かを挟みつけるように深い谷間を作り上げる。男の人が見れば明日香のように顔をうず めるか肉棒を挟んでパイずりさせたくなるような胸の密着度にあたし自身も興奮を覚えてしまい、淫靡に揺れ動 く腰の奥から垂れ流れた淫蜜が着物の下で太股にまで伝い落ちていく。  肢体がうねるたびにあしの間からヌチャヌチャと特に粘っこい音が響いてくる。今日履かされている下着はす でにぐしょ濡れで、おチ○チンの代わりにギンギンに勃起したクリトリスにぴったりと張りついている。  でも…おしっこはしなきゃ……  今すぐにでも着物の中に手を差し入れ、しとどに濡れそぼった秘部をいじりまわしたいと言う欲求をなんとか 押さえつけ、底を透明な水に表面を覆われた便器の左右に足を進ませる。 「ふ…うぅぅん……!」  脚を開いた途端、着物の中に流れ込んできた冷たい空気があたしの内股をなで上げる。温かい粘液に覆われて いた太股はあっという間に熱を奪われ、股間の奥でたっぷりとおしっこを溜め込んでいる膀胱に「早くおしっこ をしてぇ!」と叫ぶように鋭い震えを響かせている。太股から陰唇、そして妖しく蠢いている肉路を通り、ボリ ュームのある尻肉を震わせて子宮にまで届き、ドクンッと濃厚な愛液を溢れさせたのにそれでも足らないと言わ んばかりに熱い羞恥水のほとばしりを求められている。 「あっ!…も……我慢がぁ…!!」  涙がこぼれるほどキツく目を閉じた顔を上に向け、反りかえった白い喉元を震わせて芳香剤の香りの漂うトイ レ内に荒い呼気を吐き出す。狭い尿道に対して押し寄せてくる小水の量があまりにも多すぎるのだ。  お尻を引き、もじもじと太股をすり合わせるその奥で、徐々に下ってくる圧迫感をグッと堪えていたけど、も う我慢できない。便器の上で悩ましげな表情を浮かべつつ、あたしは体をかがめて着物の膝のあたりを掴み、今 にも噴出してしまいそうな小水の圧力で速く動く事ができないまま、それでも裾を大きく左右に広げた。 「はぁぁ…アソコが……ヒクヒクしてる……」  極限まで排泄を我慢する事は、ある種の恍惚感を生み出していた。  着物に下着のラインを浮かび上がらせないようにと強制的に履かされた超極細のTバックになんとか包まれて いる女陰はおしっこを押し戻すために尿道と一緒にぎゅうぎゅうと締め付けられ、中に溜まっていた愛液が冷気 から股間を守ろうとしている太股をべとべとに汚している。  明日香に弄ばれたときの疼きがまだ体に残っているおマ○コに括約筋の限界を知らせる痙攣が走るたびに、あ たしの下腹の一番奥で子宮がビクンと震え、瞼の裏に火花が飛び散るたびにまた一段と排尿の欲求が高まってい く。 「あうっ……も、漏れる……漏れちゃう…ううっ…んむぅ!!」  それでもここはトイレだ。最後の最後まで我慢しても、このまま屈めばそのままおしっこをできる………はず だったんだけど、思考力が低下していたのか、あたしは重大な過ちを犯していた。 「………あっ!?」  「その事」に気づいたのはお腹が破裂しそうなほどおしっこを我慢し、そろそろ漏らしてしまおうと言うときだ った。  一瞬軽くまっがった膝から伝わる感触でやっと「その事」に思い至ったあたしは小さく叫ぶと、次の瞬間には振 り向かないまま扉の向こうにいる二人に助けを求めていた。 「あ…明日香ぁ!! センセぇ!! た、助けてぇぇぇ〜〜〜〜〜!!!」  ………ガチャ 「相原、どうかしたのか!?」 「先生、お願い、着物、着物が邪魔なのぉ!!」 「………はぁ?」  あたしの叫びに応じてすぐにトイレに入ってきた先生だけど、あたしが何をして欲しいかまではわからなかっ たみたいだ。  それでもおしっこがもうすぐそこにまで達していたあたしは頭を振って必死に尿意を押さえ込みながら、腰を 振って泣き悶えた。 「早くしてぇ!! このままじゃ屈めないの、屈んだら着物が便器に……んっ!…は、早くぅ……お願いだから ……」  あたしは顔だけ振り向かせ、女の子が用を足そうとしている場所に踏み込んであたふたしている先生に涙で濡 れた瞳を向け、股間の締め上げで一緒に肺から押し出され、残り少なくなった胸の空気と一緒に必死に懇願した。 「も…漏れちゃうから…早く……着物の裾を持ち上げて…………んんっ!!」 「着物の裾……って、なにいぃぃぃ〜〜〜!?」 「ダメ、なの……が…我慢が……も…もれちゃう……あ…ああぁ……!!」  股間の震えはもはや痙攣なんて言う生易しいものじゃなかった。下着の中では喘ぐように陰唇が口を開き、濃 厚な液体をドクドクと放っている。その脈動に合わせ、尿道口に到着したおしっこがビュルッと勢い良く一筋ご と噴出してしまう。  とてつもなく恥ずかしい。他人の家のトイレで下着を晒しながらおしっこを漏らす事にあたしは小さい女の子 の様に涙をこぼしながら唇を噛み締める。つま先から頭の先まで、全身の筋肉をおしっこを我慢する事ただ一つ に集中させ、それでも限界以上には耐えきれない。あっ…と声が漏れるたびに全身は激しい羞恥感に襲われ、同 時に意識が集中している小さな穴から思わず力が抜け落ちてしまいそうな開放感と共に小水があふれ出る。 「うううっ……やぁ…おしっこが…先生、早く……早くしてぇ!!」 「わ、わかった。だけど俺は見ないからな。どんな事があっても絶対に見ないし、何も聞かないからな!」 「そんなのどうでも言いから早くしてぇぇぇ!!」  タイル張りの狭い空間にあたしの最後の叫び声がビリビリと響く。  そんな中、足首のあたりに空気が流れたかと思うと、やや遠慮がちにではあるけれど着物がめくりあげられて いく。 「うっ……だめぇ!!」  それを感じ取ったあたしはお尻を便器に落としてしまいそうな勢いですかさず体を沈めると、右手に持ってい た袖も左手で握り、脱ぐ暇の無かった下着をグイッと横にずらした。 「んうっ!!」  …………………チョロ  あれだけ強張っていた体はあたしを悶絶させるだけでいざ放尿のときになってもほんの少しずつしかおしっこ を出してくれない。けれどそれはギュウギュウに締め付けられた尿道を押し広げ、確実に少しずつ、少しずつ、 まるで蛇の頭をうねらせるように熱すぎる体内から外に向かって這い出そうとしていた。 「あっ…あっ…あっ!! あっ…ああああああああああっ!!!」  ジョロ…ジョロジョロジョロ……ジョロロロロロロロロロロロ―――  尿が太い――というのかな? あたしのおしっこは甘酒の飲み過ぎと短い時間ではあるけれど我慢していたと いう二つの要因が重なった事もあり、その勢いはすさまじかった。  大きな水音があたしの股間の下で連続して奏でられる。便器に溜まっていた透明な水は降り注ぐあたしのおし っこで高く跳ね上がり、丸々と発育したヒップラインにまで飛び散る。 「んっ、んっ、んんんっ!!」  抱えた膝に顔をうずめて嗚咽のような声をあげるあたしのお尻に音、水、その次に届いたのは熱気だった。  和式の水洗便所に大量に注がれた小水は最初にあった水の冷たさをあっという間に打ち消し、うっすらとアン モニアの香りを漂わせる湯気となって突き出したあたしの股間にまとわりつく。汗ばんだ桃のようなヒップライ ンに沿ってあたしの肌をなで上げ、着物の中に充満していく着たいの温もりにそれまでの緊張は雪が水になるよ うにスゥ…と溶けてしまい、さらに勢い良く、さらに大量に、長い時間トイレの奥に向けて恥ずかしい音を奏で 続けてしまう。 「………んっ…ハァ………はぁぁ………うっ……まだ出てる………ふぅ……」  やっと勢いが収まり、割れ目に絡み付く小水が雫になり始め、やっとあたしはため息の一つも付く事ができた。 今まで体験した事も無いような開放感にようやく胸も空気を取りこみ始め、一息目に吸い込んだ芳香剤の香りが 胸の隅々にまで染み込んでいくような気がした。 「はにゃあ……すっごく幸せ………ふみゃあ…………」 「なぁ………くつろいでるところ悪いんだが……」 「はにゃ?」  おしっこと共に蕩けて流れ出てしまった意識が、うっとり膝を抱えていたあたしの背後から聞こえてきた声に 反射的に反応する。  首を後ろに向ける。視界に入ったのは鮮やかな赤い色と横を向いた人の顔。  赤い色って言うのはあたしの着物。腰の後ろから伸びるそれを引っ張っていたのは…… 「宮村先生!? あたしの着物を持って何してるんですか!?」 「相原が持てと言ったんだろう!」 「あ、そうでした」 「お、おまえなぁ……」  がっくりと肩を落とした先生はとりあえず置いておいて、おしっこも終わった事だしあたしはその場に立ちあ がった。  ビチャ…… 「あっ…やだ、パンツがぐしょぐしょ〜〜」  横に引っ張っていた指をどけると紐パンは元の位置に戻るものの、その股布は愛液やら我慢できずに漏れてし まったおしっこやらでたっぷりと水分を含んでいた。  あたしが立ちあがったのに合わせて先生に下ろしてもらった着物の中で下着はぴったりと肌に張り付き、噴き 忘れたおしっこと混ざり合って左右に陰唇を濡らしている。  ん…もう、こんなのじゃ履いてる意味がないじゃない。 「あ…相原、その…なんだ、俺はさっきのことは見なかったし、誰にも言わないから安心してくれ。いや、これ は教師として当然の事で――」 「んっ…しょっと」  宮村先生が何を言っているかなんて今のあたしに理解できるわけが無い。今のあたしに重要な事は不快感をと りあえず取り除く事だった。  着物の合わせ目から両手を差し入れ、重なり合う赤と白の布地を太股の幅に開きながら腰を折り曲げる。そし てあたしの手が足首に到達すると、右、左の順番にスリッパを脱いだ足先を持ち上げる。 「なっ、なにをしてるんだおまえはぁ!?」 「ほえ? 何って言われましても……」  スリッパを履きなおし、便器の上から後ろに下がって振り向いたあたしは、ぼんやりした視線を宮村先生に向 けて、手にした小さな布切れを差し出した。 「濡れて気持ち悪いからぁ…パンツ脱いじゃいましたぁ♪」  あたしが指に引っ掛けていたもの――それは今日のあたしが唯一身につけていた、本当にギリギリまで布地の 少ない一枚のショーツだった。


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