焦がれる制服 2
男性社員の横を通り過ぎようとしたとき、不意に薫の足がもつれる。
「あ………」
三人で談笑しながら歩いていた男の胸へと倒れこんだ薫の体は、崩れ落ちる前にその男の腕に抱きかかえられた。
「あ…ありがとうございます……」
赤くなった顔で一度だけ相手の顔を見上げ、すぐに礼を述べて頭を下げると、俯いたままその場を離れていく。
「なんだよ、お前モテモテじゃんか」
「バカ、違うって。けどあの子、なかなかいい感じだったぜ」
「うらやましい奴め。おし、今日の昼飯はお前のおごりな」
ちょっとした幸運に話を弾ませて立ち去る男たちの会話は薫の耳にも届いていた。薫は男たちに、そしてすれ違う同僚たちに聞かれないよう注意しながら、熱を帯びた吐息を唇からゆっくりと漏らした。
男の腕に抱きしめられた場所が熱い。まだアクメの余韻が体の中に渦巻いて、他人の温もりに触れただけでも鼻を鳴らして身悶えてしまいそうな状態が続いている。
トイレでオナニーをしてしまった事が、罪悪感混じりの後悔となって薫の胸を締め付けていた。だれにもばれないように後始末をして制服の乱れを整えてきたけれど、火照った顔と快感に張り詰めた体だけはどうしようもない。
体のサイズには合っているはずの制服はいつもよりも締め付けを増しているように感じられ、薫の中では――そして周囲の目からも――扇情的に映っているように思えてならなかった。
見られている……気にせずに胸を張っていれば気のせいで済むかもしれない。他人に誇れるほど量感のある体では無いし、と思い込もうとしても、いつも以上に多い人の数に動揺と恥ずかしさを隠し切れず、動きがぎこちないものになってしまう。
今は昼休みである。
隠れながら自慰に耽り、我に帰ったときには休憩時間に入ってしまっていて、女子トイレには多くの女性社員が入ってきた。結局、人の出入りが途切れるまで個室に篭っていた薫が自分の課へ戻ってこれたのは、席を立ってから一時間以上が過ぎてからのことだった。
「誰もいない……」
全員が外へ出ているか、屋上でお弁当でも食べているのだろう。普段は薫も仕事場に残って食事を取るという事をしないし、これがこの課のいつもの昼休みの光景だと知っているので、さして不思議にも思わない。むしろ、今は誰とも出会いたくない状態なので逆にありがたいぐらいだった。
「ふぅ……少し休も」
昼休みはまだ半分以上残っている。とても食事をする気分では無いし、冷たい事務机に突っ伏して眠ってしまえば、午後までには体の火照りも冷めるだろう……と、薫は自分の机へ向かうが、
「………ッ!」
机の下から引き出されたままの椅子を見て、思わず息を飲んでしまう。
トイレへと立つ時、体があまりに疼いてしまっていたので確認するほどの心の余裕は無かったけれど、薫が座っていた場所には濡れた跡が残っていた。触れてみると、温もりこそ無いものの指先にはかすかな湿り気が伝わる。時間が経っているものの、それは―――
「うそ………」
その湿り気が自分の股間からあふれ出た愛液では無いかと言う疑念が頭をよぎる。制服のタイトなスカートを手で撫でてみると、確かにお尻の辺りは軽く湿っている。先ほどのトイレで慰めた時に吸った愛液をハンカチで拭ったその名残なのだけれど、もしかしたらという思いが薫の心を締め付けてしまう。
「は…早くしないとみんなが……」
給湯室に雑巾があったはずだ。それよりもお茶か何かをこぼしたと誤魔化す言い訳を考えるべきだろうか。
椅子がこれだけ引き出されているのだ。同じ課の他の人間に既に見られている可能性が高いけれど、それでも薫はこの湿った後を消してしまおうと焦り、そして困惑したままその場でオロオロとしてしまうことしか出来ないでいた。
「――水無月君、随分と長いトイレだったねぇ」
不意に、背後から薫の肩へ手を置かれる。
その手の平の大きさと、まるで爬虫類が耳の奥へ入り込んでくるような粘着質の声での嫌味な物言いには覚えがあった。
「か…課長……」
振り向いた先にいた課長を見た途端、薫の体に怯えの震えが駆け巡る。おもわず両手で自分の体を抱きしめてしまうけれど、瀕死の獲物を前にして舌なめずるような課長の視線は明らかに普段以上の不気味さを感じさせて、抑えようとしても抑えきれないほどの生理的な嫌悪感を薫は感じてしまっていた。
「いかんなぁ、体調が悪いようだけれど、あまり仕事をサボられては私としても困るのだけれどねぇ」
課長本人の業績といえば接待の太鼓もちであり、課の業績を自分の業績にしてしまっていると言うのはもっぱらの噂だった。だから薫もこの課長にしつこく叱責を受けている同僚を目にしたことは何度もあったけれど、ここまで恐ろしさを感じることなど一度もなかった。
「あ…あの……申し訳ありませんでした。体調が優れなくて……」
「まあ、女性ならば仕方が無いことだろうねェ。それにしても体調か。うまい言い訳だね、クククッ……」
「いい訳だなんて、そんなつもりは……」
一瞬、トイレに篭っていた理由を悟られたのかと驚き、薫の胸が締め付けられた。形の良い膨らみの下に痛みを覚えながら、課長の前に立っているだけで膨らんで行く不安を視線をそらすことで耐えていた薫だが、次の課長の一言で怯える心は凍りついたかのように固まってしまう。
「まさか体調不良とは失禁の事では無いだろうね。君の椅子、随分と濡れていたようだが」
「………!?」
「いや、まさかねぇ。いい社会人が職場でお漏らしなどありえるはずが無い。だとしたらあれは、いったい何なのだろうねぇ?」
「あ……や……いえ………あ、あの……」
わざわざ身をかがめ、俯く薫の顔を下から覗き込む課長。あわてて顔の向きを変えてみるものの、よりによってもっとも知られたくなかった相手から受けた椅子の湿り気への指摘には、すぐには答えられない。困惑と恥ずかしさとが胸の奥で入り混じり、何一つ考えをまとめられないまま意味の無い言葉をつぶやくことしか出来なかった。
「言えないのかね? 言いたくないのかね? それとも私の言葉が分からないのかね?」
「それは……………」
詰問されても、何で濡れているかは薫にだって分からない。もし椅子が湿るぐらい濡れていたなら薫自身が気付かないはずが無いけれど、もしかしたらと考えると迂闊に答えることも出来ない。まるで教室に水をこぼして教師に叱られる小学生のように、唇を噛み締めて涙をこらえる薫だが、そんな彼女の背後、座る場所が湿った椅子のほうへと回り込んだ課長は突然力強く、薫の両肩を掴み、そして、
「だったら私が言ってあげようか? トイレでのオナニーしてきた水無月君?」
「―――――!?」
気付かれていた……
臭いのキツい息を耳の傍で吐き掛けられながら囁かれた一言。その言葉が薫の頭へ届くと、耐え切れずに右手で口元を覆い、ポロポロと涙を溢れさせてしまう。次第に動揺が大きくなっていくと、膝に力が入らなくなり、後ろから課長に支えられていなければ崩れ落ちそうなほど全身から力が抜け落ちていく。
「クククッ……しかし意外だったねぇ、真面目だと思っていた水無月君が社内で、勤務中にオナニーするような淫乱だったとは」
「ち…ちがっ……」
「では言ってみたまえ。一時間も君はどこにいたんだね? 体調が悪かったんだろう? トイレ以外のどこに行っていたんだね? あの椅子の湿り気はなんなんだね?」
「っ…………」
「泣いていても何のいい訳にもならないよ。ほら、答えてみたまえ。ちゃんと答えればもう何もしないぞ。答えられなければ……そうだな、課の人間全員に聞いて回らなければいけないなぁ。どうして水無月君の座席が濡れているのかを」
「や、やぁ……そんなの……」
「どうするね? 今なら私の胸の中だけにしまっておけるんだよ? それとも知られたいのかい? 周囲にトイレでオナニーしていた事を」
「わたし……ちが……そんなつもりじゃ……」
冷静でいられたなら反論も出来ただろうけれど、課長が現われてからずっと混乱が収まらない薫は一言一言を投げかけられるにつれて次第に追い詰められていく。精神的余裕は失われ、背後から課長が体を密着させてきても嗚咽を漏らすだけで振り払えず、ウエストから這いずるように大きな右手が薫の下半身へ伸びてきても何一つ抗う事が出来なかった。
「おねがぃ……課長……それだけは………」
「何を言っているのだね。私は確かめたいだけだよ、水無月君が社内ではしたない行為をしていなかったかどうかをね。ほら、黙って脚を開きなさい。もし抵抗すれば、社内に君の噂が広まるだけだぞ、ん?」
「……………」
「そうなればもうこの会社にはいられないだろうね。何なら顔写真と一緒にネットに書き込みもしてあげようか? その方が水無月君も嬉しいだろう、放っておいても男どもが君を犯しにきてくれるんだから」
「いやぁ……ゆるして…ゆるしてください……そんなことされたら、私……」
「だったら私のすることに逆らわない事だ。声を立てずに。なぁに、ここが濡れていなければ君が無実なんだから心配することは無いだろう? ヒヒッ、ウヒヒヒヒ……」
「―――――!」
ついに課長の手がスカートをたくし上げ、ストッキングと下着の上から薫の秘所を押し込んだ。トイレに入る前から十分に愛液を含んでいた下着からはジュワッと水分が染み出して課長の指を濡らし、まだ快感の余韻が残っている場所を刺激された薫はビクッと体を震わせてしまう。
「は…ぅぅ………」
「これはどういうことだね? つい先日まで処女のような顔をしていたくせに、君は仕事中に何を考えていたんだね?」
「す、すみません……ゆるして…ください……ゆるして……」
「………いや、これはもっと詳しく調べなければいけないな。これほど濡れているのなら、オナニーだけではすまないかもしれない。もしや誰か男性と楽しんできたのではないのかね?」
言いがかりにも程があるが、そんな事にすら薫は気付けない。それどころか、先日カラオケボックスで犯されて処女を失った事を非難されているような気持ちになり、罪悪感に圧迫された精神は堰を切って止まらなくなった涙をさらに次々と押し上げてしまう。
「いかん、それはいかんぞォ。早速確かめなければ。水無月君、そこの机に座って下着を脱ぎたまえ」
「ハァ…ハァ………え…ど、どうして下着を……」
「確かめねばならんのだ。もし部下が仕事中にSEXしていると知られたら、私の監督不行き届けにもなるんだぞ。ここまでグチャグチャに濡らしているんだ、いまさら恥ずかしがる事でもあるまい!」
薫を嬲っている内に興奮が昂ぶった課長の口調に激しさが増し、耳元で怒鳴られた薫は体をすくめてしまう。
「わ…わかりましたから……怒鳴らないで…ください………」
何とか声を絞り出して課長から体を離してもらえた薫は、弱みを握られて逆らう事も出来ず、言われるがままに自分の事務机に腰をかける。………その時にふと、自分の内股がぐっしょりと濡れている事に気付いてしまう。
「あっ………」
いつからだろう。知らぬ間に薫の秘所からは熱い愛液がタップリとあふれ出していた。課長の指で感じていた証拠を突きつけられ、湿り気と熱気を孕んだ股間を軽く開いたままの姿で同様を隠せずにいると、業を煮やしたのか、それとも時間が迫る事に焦りを覚えたのか、課長は自らの手で薫の膝を左右へ割り開いてしまう。
「イヤァ!!!」
「クヒヒヒヒッ…見事な濡れっぷりだなぁ、水無月。尻の方まで愛液が広がってるぞ。よっぽどたまっていたんだなぁ、クヒッ、クヒヒッ……!」
「ヤア、み、見ないで、課長、もうこれ以上は許してください!」
「許すも何も、これは確認だといっただろうが。お前が仕事中に他の男に抱かれてこなかったかどうかの確認だ!」
「でもこんな格好……は、恥ずかし…すぎます……!」
後退さりしようにも背後にはパソコンがあり、薫の尻に行き場はなかった。そんな薫の膝の間に自分の腰を割り込ませた課長はストッキングを乱暴に引き裂くと、滴りそうなほど唾液にまみれた舌で唇を舐めまわしながら、ズボンのチャックからいきり立ったイチモツをさらけ出した。
「ひッ………!」
「う〜ん、いい声を出すじゃないかぁ……分かるか? このチ○ポが何人の女を食ってきたか…ククッ、クククククッ!」
露出した男性器を目にした途端おびえた表情を見せた薫に気を良くし、課長は自らの手で怒張を扱きながら、愛液がにじみ出る下着へ先端をこすり付けた。口から自分の悪事を漏らしている事に気付きもしない。性欲のみなぎった瞳には、今から犯そうとしている薫の股間しか映っていなかった。
太いペ○スだった。淫茎には太い血管が浮かび上がり、興奮にあわせて早まる脈動そのままに大きく脈打っている。長さはそれほどではないものの、今にも白濁液を吐き出しそうなほどみなぎったペ○スは薄布を挟んで薫の膣口に触れ、さらに充血して固くなっては敏感になっている薫の秘所を執拗に擦り上げる。
形こそ歪だが、むしろ女性の恐怖をあおるという点では効果があった。――だが薫が息を飲んだのは、課長のものを目にした瞬間、初体験から薫を幾度も絶頂へ導いたペ○スを体全部で思い出してしまったからだった。
あれからまだ二日……だが、薫にとっては“もう二日”だった。刺し貫かれる感触を覚えた薫の膣内は、拒否すべき相手に今まさに犯されようとしているのに、収縮と脈動が収まらない。膣道が収縮するたびに愛液が胎内からあふれ出し、下着を横へずらして膣口へあてがわれた課長の肉棒を唾液を擦り付けたように濡れ汚してしまう。
「私、男の人となんてしていません。ですからこれ以上は…お願いします…もうやめて……」
泣いて懇願するけれど、入り口から子宮まで濡れそぼった蜜壷を前にした怒張は一向に止まろうとしない。強烈な締め付けで挿入を拒もうとする膣口を亀頭の先端で無理やり押し開くと、そのまま一気に――
「くぁぁぁああああああ!!!」
入り口を越えた肉棒は大量の愛液を潤滑液にして一気に奥まで挿入される。まるで本心ではこうしてペ○スを迎え入れる事を望んでいたような薫のヴァギナは、既に下がってきていた子宮の入り口に固い感触を押し当てられると、細いウエストをくねらせて頭を大きく仰け反らせた。
(課長に…犯された……課長に………!)
上司とは言え、尊敬どころか嫌悪感さえ抱いていた相手に抱かれたショックに、薫はただただ体を固くする。けれど子宮に当たったままのペ○スで膣内をかき回す課長の腰の動きにはいやおうなく敏感に反応してしまい、肉棒を咥えたままの肉壷を別の生き物のように蠢かせ、涎を垂らしながら締め付けてしまう。
「ケヒッ、ケヒケヒケヒッ……どうやら本当に男とはしてなかったようだなぁ……水無月のおマ○コからザーメンが押し出されてこないじゃあないか。トイレでマンズリして、あんなに濡らすような淫乱なのになぁ」
「……………」
心で課長を拒むほどに締め付けを増して行く膣壁。その心地よい圧迫にカエルを連想させる不気味な笑みを浮かべた課長は、父と娘ほども年の離れた薫の膣内をゆっくりと、次第に動きを速めながら蹂躙し始める。
「ひあっ! う…あっ…ダメ……動かないで…課長…こんなの……いや…はぁん!」
腰を抱えられ、グジュッと音を響かせてペ○スを突き立てられる。勢いをつけて叩きつけられる肉棒の先端が子宮を叩くたびに薫の唇から嬌声があふれ出し、脳天に快感が突き抜けると次第に理性と嫌悪感が溶けていくような感覚に襲われる。
「い…いやぁ……ん…はぁ…あぁ……!」
もう薫の体は薫の意思とは無関係に動いてしまっていた。
二日前に擦り込まれたSEXの快感を思い出してしまった若い肉体は大量の愛液をあふれ出し、激しい課長の抽送を滑らかに受け止める。腰を叩きつけるようなピストン、そしてグラインド、まるで薫の膣内で文字を描くように鋭敏な膣粘膜を擦り抉る。
「あ…ああぁ……」
強烈な快感に半開きになった唇に、課長の唇が押し付けられる。体ごと引き寄せられ、頭を抱え込まれた薫は逃げる事も出来ず、巨大なヒルのような課長の舌に口内を蹂躙され、唇の端から溢れるほどに大量の唾液を流し込まれてしまう。
「お前はもう俺の物だ……いいな、もし逆らってみろ。会社中の人間に、お前がオナニーしていた事をばらしてやる。わかったな!」
「わ…分かり…ました……だから…キスは……キスはイヤ……んムゥ!」
嫌がる薫の頭を押さえつけてざらつく舌でディープな口付けを交わしながら、課長はスパートをかけて激しく腰を振りたくった。
もう昼休みが終わるまで時間も無い。けれど途中で終わる考えは課長の頭には微塵もない。そして、どろりとした唾液が喉を流れ落ちて行くのを感じながら、薫は身も心も課長に委ねていた。
「あ…あ…いっ…あっ…ああぁ………!」
子宮を執拗に、そして容赦なく突き上げられ、薫の子宮に広がっていた甘い痺れが抑えられない痙攣へと変化していく。そして、頑なに閉じていた子宮の入り口が開き、愛してもいない男の精液を迎え入れる準備をし始めると、薫の快感のボルテージは一気に振り切れ、自分から恥骨を突き出してしまっていた。
「はぁん! あっ、ああっ、課…長…私、もう! あうっ! あああぁぁぁ――――――!!!」
肉棒が子宮口に密着し、ひっきりなしに脈動を繰り返している射精口をグリグリと押し込む。
「出すぞ、水無月ィ……お前のおマ○コは、これでもう、オレのモンだぁ!」
「も…ダメェ! 私、私、あ、あああ、あアアアァァァアアアアアアアッッッ!!!」
両手両脚を課長の体に巻きつけ、細い指ではついに味わえなかった強烈なオルガズムを向かえ、根元までくわえ込んだ男根に膣奥を深く抉られたまま絶叫を迸らせた。まるでペ○ス一本で体を支えられているかのように体全部を弾ませながら、射精の瞬間が間近に迫っている課長のペ○スをキツく絞り上げる。
「う、うおおっ!?」
射精しようとしたその瞬間、薫のヴァギナから送り込まれた強烈な快感に課長の体が震え上がる。そして、その課長の精液が胎内に流し込まれるのを悟った薫は、嫌悪する課長と深く繋がりあったまま、いい知れぬ期待感に口元をほころばせていた。
「あ…あああぁぁぁッ!!!」
濃厚な白濁液が子宮の内壁に打ち付けると、薫は大きく頭を仰け反らせ、二度目の絶頂へと突き上げられる。
「入ってくる……課長の精液が……あ…つい……どうい…て……」
どうしてこんなに感じるの?―――妊娠するかもしれないのに、子宮の中に精液が充満していくにつれて、薫の中でおぞましさと同時に興奮まで膨れ上がっていく。
(私……こんな女じゃない…違う…のに……どうして………)
考えたところで答えなど出はしない。
事務机の上で体を密着させた二人はしばし動きを止め、熱い大量の精液の迸りが収まるまで快感の余韻に浸る。そして――
「ああ、思い出した。君の椅子、あれは私がお茶をこぼしたんだった」
「!?」
「ク…いや…すまんな、まさか本当に……クッ、クヒャクヒャクヒャクヒャクヒャ!」
だまされていた…イヤ、引っ掛けられていたんだと気付いた時には、もう手遅れになっていた。
大量に注ぎこまれた精液を一滴もこぼすまいと収縮し続けるヴァギナ。
膣内射精を受け止めたこの恍惚とした瞬間。
薫が心の内に秘めていた牝の本性を全てさらけ出した後に突きつけられた事実に、どういう顔をしていいか分からぬまま困惑だけが薫の心を埋め尽くしていく。
―――パシャ
「い…いや………」
もう何度「いや」と言ったのかも覚えていない。ペ○スを引き抜いて数歩離れた課長が携帯に付いたカメラで事務机に腰掛け、濡れ汚れた股間をさらけ出している薫の姿を撮影しているのに気付き、無意識に拒否の言葉を紡ぎ出していた。………だがそれも、全て手遅れだった。
「いや……やめて……やぁぁ………」
イヤイヤと頭を振るけれど、体中から力が抜けた薫の動きは非常に緩慢だった。膣内に溢れかえる精液が膣口からこぼれる瞬間まで撮影されるまで脚を閉じる動きは間に合わなかった。
「さあ、早く後始末するんだな。この写真をばら撒かれたくなかったらな」
スカートを手で抑えて机から降りた薫の瞳は泣き腫れていた。そんな薫に愛液が飛び散った事務机を指差してそう命じた課長は、乱暴に薫の腕を取った。
「雑巾を取りに行く時間さえ惜しいからな」
そう言うと、薫の体を机に押し付け、制服の胸の膨らみ辺りで性交の跡をぬぐって行く。
「早くしろよ。もし今誰かが帰ってきてみろ。――いやらしい尻を突き出してるんだ。すぐにでも襲われるぞ。もっとも、この課の全員に抱いて欲しいというならせかしはせんがな、ケヒッ、ケヒヒヒヒッ」
「っ……どうして…私……」
薫を自由に出来てよほど上機嫌なのだろう、感情を抑えきれずげひた笑いを漏らす課長に押さえつけられたまま、薫は体をくねらせ、愛液を拭き取る。固く冷たい机の天板に服の下で固く尖った乳首が押しつぶされ、左右へ身をよじるたびに淡い快感が制服の下に広がってしまい、悩ましい吐息を小さく鼻から漏らしてしまう。
(こんなひどい事をされてるのに体は勝手に……私、一体どうしたら……)
後ろへ突き出した下半身では、破れたストッキングの中央、まだ課長のペ○スの感触が生々しく残る秘所を覆い隠した下着の内側から精液があふれ出してきていた。濃厚な体液が太股を伝い落ちる感触に太股をすり合わせ、ヒップを揺する姿が背後にいる課長をどれだけ刺激しているか気付かぬまま、薫はただ自分の今の姿を課の同僚に見られたくない一心で机を胸の膨らみで綺麗に拭い続けた。
「課長……終わりました……」
よく確かめれば薫の座っていた場所に温もりが残っているが、触れなければ分かりはしない。これでようやく開放されると信じて体を起こした薫だが、課長が股間のものをそそり立たせたままでいるのを見て、まだ終わりを迎えていない事を背筋の震えと共に思い知らされた。
「掃除は終わりだ……が、その格好で廊下に出られるのかね? 出られないだろう? ロッカールームはここから離れているからねェ」
「……………」
薫の制服はトイレで一度調えたものの、課長とのSEXと今の拭き掃除でかなり乱れていた。課長と二人きりでいる事実と合間って、誰の目から見てもなにかあったことは明白だった。
替えの制服はロッカーに入れてある。着替えに行けさえすれば午後の仕事に遅れる事を除けば何事もなかったように装えるけれど、課の外の廊下には昼休みを終えて職場に戻る社員たちが歩いている。いなくなるのを待っていれば、この部屋にも同僚たちが何人も戻ってくるだろう。
「だが、何も心配する必要は無いとも。その格好のままで隠れていればいいんだからな」
その提案に嫌なものを感じる薫だが、他にこの場を切り抜ける名案が思いつかない以上、課長の言葉に身をゆだねるしか助かる道は残っていなかった。
望まない行為を強要されるのだとしても―――
3へ