アル●ィオン二次創作小説 『ミーナ×カミサマ』 前半


「………あれ? ここ、どこッスか?」
 くすんだ金色の髪に、いつも眠そうに半分閉じている目。冒険者で溢れかえるマリンダリンの街でのんびりとその日暮らしをしているカミサマ(本名)は、不意に真っ暗な室内で目を覚ました。
「………なんでオレ、こんなところで寝てんだろ。まじミステリーなんスけど」
 普段からお金を持ち合わせておらず、眠る場所と言えばたいていが町外れにある神殿跡。とてもではないけれど、使い古されて寝心地の悪くなったソファーなどと言う“上等な”ところで眠れるような身分ではない。
 しかしどうしてこんな場所で眠っているのか、どうやっても思い出せない。さてどうしたものかとポリポリ頭をかいていると、次第に目も暗闇に慣れてくる。
「このまま寝ててもいいんスけど、オレ、身代金とか払う金なんて持ってないッスから……」
 とりあえずカーテンの隙間から差し込むわずかな星明りを頼りに立ち上がり、傍に並べてあった靴を履く。それから外に出てみようと考え、暗闇の中ではさすがに探せない上着はいったん諦めて扉の見える方へと歩き出す。
 すると、
「やっほ〜〜〜い、目ぇさめたかな!?」
 伸ばした手の先からドアノブがすり抜け、夜中とは思えないほど元気のいい声と共に部屋の内側に向かって扉が開く。すると扉の角はまるで狙い済ましたかのようにカミサマの眉間に直撃した。
「ウォオオオオオオオオオッ、こ、この痛みはマジッパネェッスよォォォ!!!」
「あ、ごっめ〜ん、まだ寝てたら悪いかと思ってノック忘れちゃったァ♪」
『ノックよりもお前のキャンキャン声の方がやかましいだろうが』
 キツい一撃をもらった鼻や眉間をさすりながらカミサマが身体を起こすと、暗い室内をものともせずにずかずかと部屋に入り込んできた相手は迷うことなくランプの位置にまで辿り着き、慣れた手つきで灯を灯す。
「あれ、ミーナさんとヘルさんじゃないッスか。どうしてこんなところにいるんですか?」
 部屋に入ってきたのはマリンダリンの街のはずれにある酒場『千年の眠り』、そこの看板娘であるミーナ・ラコーネムとそ相棒のヘルデーモンだった。ウエイトレス服から今にもはみ出しそうな爆乳と、鎖でつながれた悪魔だ。どう見たって間違えようがない。
『おいおい、こんなところはねェだろォがよォ。気を失ったお前を放っとくわけにもいかねーから、ここに寝かせといてやったんだろーが』
「へ? オレ、気絶してたんですか? なんでまた?」
『………お前、本当に何も覚えてないのか?』
「なにをッスか?」
 ミーナに助けられて以来、鉄の首輪と鎖でつながれて共に行動をしているヘルデーモンは、床に座ったまま眠たそうな顔で首を捻るカミサマを見て、ため息を交えながら言葉を続ける。
『晩飯時に金がないからって、またミーナの料理の実験台にされて……』
「あ、ミーナさん脱いでる」
『ぬあにいいいいいいっ!?』
 ランプの明かりに照らされた室内には、ソファーやテーブルのほかに、ベッドが一つ。どうやらここは不夜城とも呼ばれる酒場『千年の眠り』の寝室らしい。そのベッドの傍らで、神様とヘルデーモンに背中を向けたミーナは、
「んしょんしょ……んしょんしょ……」
 と声を出しながら、ウエストを締め上げているミニスカートのウエイトレス服を脱いでいく。
「ふ〜……この瞬間が開放される〜って思える最高の瞬間よね〜♪」
「お…おお、スゲェ。ミーナさん、そのお姿、ものすごくエクストリームッスよ。マジでデンジャラスビューティーッス!」
「いゃん♪ ほめてほめて、もっとほめてぇ♪」
 ヘルデーモンだけではなくカミサマまでもが部屋の中にいるのを知ってか知らずか、ミーナは惜しげもなく肌をさらしてショーツ一枚の姿になる。
 酒場内にいるときですら、胸元全開のウエイトレス服の中で窮屈そうにしていたミーナのバストだが、服を脱ぎ、ストラップレスのブラをはずすとそのボリュームは締め付けから開放されてさらに一回り大きくなる。しかし推定でもバストサイズは1メートルを優に超えてながら、重力に逆らうかのように胸全体が大きく前に突き出している。
 だがミーナのチャームポイントはそれだけではない。顔は性格同様どこか子供っぽいが、下半身をわずかに覆うだけのショーツだけを身につけた全裸同然の姿で長い髪に両手を差し入れて掻き揚げると、その姿は一気に大人びて見えてしまう。
 その雰囲気と、誰の目にも子供とは思えない体つきとが、普段のミーナの破天荒な言動や行動との間に激しいギャップを生む。いつもなら好色の目でミーナを見ることのないカミサマではあるが、この時ばかりはミーナの美しさに感動し、今にも跪いて滂沱の涙を流してしまいそうになっていた。
「ミーナさんの裸はまさに神が作りたもうたアートッスよ。てか、カミサマは自分ッスけど自分じゃなくて、胸ばっかみんな見てるけど、引き締まってるところはきちんと締まってるし、ヒップだって安産型。オレ、こんな母性の象徴の塊みたいなミーナさんの美しさにマジリスペクトしちゃってますよ……!」
「も〜、やだな〜。そんな美しいだなんて連発されたら照れちゃうじゃないか、も〜♪ あ、そだ。どうせ今日も神殿跡で寝るつもりだったんでしょ? だったら泊まってっちゃえ♪」
「え? や、それは……」
 ミーナの顔には赤みが差している。しかも室内にはほんのりアルコール臭が漂っており、ミーナが酔っていることは明らかだった。おそらくは下の酒場で誰かに一杯飲まされたのだろう。
 いくら奇行の多いミーナでも、カミサマの前で無防備に胸をさらけ出して悦に浸るような痴女ではない。むしろ普段は何度も声をかけられながらも、エッチなお誘いはスルリと躱している。酒場に入り浸っているカミサマが、今まで一度として彼女のそんな話を聞いたことがないのが何よりの証拠だ。
 おそらく、酔いを醒まそうと少し休むために寝室にやってきたのだろう。そんな状態のミーナと一晩同じ部屋で眠りにつく……お誘いを受けるのは男としては光栄なことかもしれないが、同時によからぬ噂が立ってしまう危険性も秘めている。
 だとすれば、
「オレ、こう見えてもジェントルマンでスから……すみません」
 早々に立ち去るしかない。今なら下に降りていっても、ミーナとほぼ入れ替わりだ。追い出されたか、度胸がなくて逃げ出してきたとして笑いの種になるだけで、ミーナが傷つくことはない。
 ところがである。ドアの一撃を食らってから床に座り込んでいたカミサマが立ち上がろうとすると、ヘルデーモンが飛んできて、顔の真ん中に足の裏を叩き込んでいた。
『なにがすみませんだ〜〜〜! テメー、この、ミーナに何しようとして先に謝ってやがるァ!?』
「ヘルさん、マジ誤解ッスよ。オレが謝ったのはお誘いをお断りするから……」
『はぁぁぁぁぁぁ!? お誘い? うぬぼれてんじゃねーぞォ! 誰が、いつ、貴様を添い寝にお誘いしただと、こら言ってみろォ!』
「だから、そういう誤解が生まれないようにって、退散するつもりだったんスけど、オレ……」
『つもり? つもりって事はやっぱり気が変わったって事だな!? 貴様、オレの目の前で手を出すとはいい度胸だグベェ!!!』
 蹴られた鼻を押さえるカミサマにマシンガンのように罵声を浴びせるヘルデーモンではあったが、鉄の首輪につながれた鎖をいきなり力強く引っ張られてミーナの元に引き戻される。
「も〜! あんまりいじめたらダメじゃないか」
『だからってお前、あんなに全力で鎖を引くヤツがグムゥ!!!』
 反論しようとするヘルデーモンの口を塞ぐように、ミーナがその豊満な胸に力いっぱい抱きしめる。まるでぬいぐるみのように、ヘルデーモンの小さな頭は胸の谷間にうずもれる……が、そのままの格好でミーナが扉を閉めて鍵を掛けてベッドに勢いよくダイブした頃には、短い手足はばたつく事もなくなり、力なく垂れ下がってしまっていた。
「胸の谷間でマジ窒息ッスか?……ヤベェ、それヤベッスよヘルさん。あんた、世界中の男たちの夢を成し遂げてる最中ッスよ……!」
『………………』
 返事がない……どうやら本当に窒息したらしい。
「ふあ〜……むにゅむにゅ。そんじゃおやすみ〜。誰か夜這いにきたら、適当に追っ払っといてね〜」
「それ、オレの仕事ッスか? てか、そんな荒事をオレに頼まれても……」
「く〜……す〜……く〜……」
「………スゲー寝つきがいいんスね、ミーナさんて」
 カミサマが言葉を返した時には既にミーナはヘルデーモンを抱きしめたまま眠りに落ちていた。もう何の反論をしても無駄だろうと嘆息をつくが、部屋の扉の鍵がミーナの胸の谷間に差し込まれたままであることを思い出す。
「………取ったりしたら、性犯罪者で捕まるッスかね?」
 誰が見ているわけでもないが、夜が明けたら速攻で懺悔に行かなければ……そんなことを考えながらポリポリと頭をかいたカミサマは、椅子の背もたれに引っ掛けられていた自分の上着を手に取ると、
「今日のとこは好意に甘えさせてもらうッス」
 冷たい風の吹き込んでくることのない室内で眠れることに感謝しながらソファーの上に身を横たえ、恩人の肌を目にしないようにと布団代わりに上着をかぶった背中をミーナへと向けた―――


 −*−


「………ん?」
 不意に物音がして、カミサマは浅い眠りから目を覚ました。
 屋外での就寝中に何度となく野犬などに襲われたために、睡眠中でも気配に敏感になっている。その鋭敏な感覚が自分とミーナの眠っている室内で何かの動く音を聞き取ると、身を起こして物音のしたほうに注意深く目を凝らした。
(夜這い退治を任されたオレッスけど、荒事は全然自信ないんスよね……)
 とは言え自分を信じ、同じ部屋で眠らせてくれたミーナが襲われるようなことがあっては死んでも死に切れない。そのあたりはいたって真面目な考えをしているカミサマは、ソファーから立ち上がると音のしたミーナのベッドのほうに近づいていく……すると、
「おや? 何か踏んづけたかな?」
 靴の裏にグニュッとした感触が。首を捻りながら足をどけ、その場にしゃがみ込むと、人間よりもずっと小さな何かが低いうめき声を漏らしていた。
『ウ…ウググ……オッパイ…コワイ……オッパイ…コワイ……』
 暗い室内でうめいていたのは窒息して気を失っていたヘルデーモンだった。どうやらやっとミーナのたわわな乳房の谷間から開放されたらしいが、完全に白目を剥き、口からはカニのようにブクブクと泡を吹いていた。
(その死に様、オレが見届けてあげたッスから安らかにお眠りください)
 このあたりの宗教とは異なるけれど、心がこもると言う理由でカミサマは合掌すると、ヘルデーモンに向けて頭を下げる。
(さっきの物音はヘルさんが落っこった音か……ま、侵入者じゃなくて良かったッスけど)
 失神しているヘルデーモンの介抱の問題はすっかり忘れたまま立ち上がると、カミサマは一度大きく欠伸をしてから、普段から眠そうな目をさらに眠そうに細める。そして自分の寝床であるソファーに戻る前に、他に以上がないかと室内を見渡すと、
「お、おおおおお、これは……!?」
 ヘルデーモンが床に落ちた……いや、“蹴り”落とされた原因がベッドに上にはあった。
 ショーツ一枚しか身に着けていないにもかかわらず、しかも男を同じ部屋に泊めているにもかかわらず、ミーナは布団を蹴っ飛ばし、手足を投げ出して気持ちよさそうに大の字になっていたのだ。
「く〜……く〜……むにゃむにゃ……でけたー、新メニューのゴーヤカレープリンのかんせーだぁ!……くか〜…くか〜……」
 そこには乙女の恥じらいの欠片もありはしないミーナの寝姿があった。まるで子供のような寝相で大きなベッドに手足を投げ出して眠るその姿は、同じ部屋に泊めているカミサマへの警戒心など微塵も感じさせない無防備そのものの姿だった。
 いつもの酒場でのミーナを知る人間なら、そんな寝相でも納得したかもしれない……だが、今のミーナが見に着けているのはショーツ、そしてそれ以外に乙女の肌を隠しているのは、薄手のシーツ一枚だけなのだ。
「ミーナさん、なんて目の保養……じゃなくて目の毒……ていうか、あまりに刺激的過ぎるッスよ、そのお姿は……!!!」
 神様の眼前に広がるのは男にとってはまさに『パライソ』と言っても過言ではない光景だった。
 ロケット型のたわわなオッパイはシーツに覆われてじかにその姿を目にすることは出来ないが、仰向けになっていてもその形がほとんど崩れていないのが見て取れる。まるで重力に逆らうかのように天井を向いた膨らみは、ミーナが寝言を口にするたびにプルンプルンと重たげに弾み、決して固いだけではないことをカミサマへ強烈にアピールしていた。
 さらにその先端。大きな隆起を見せるシーツの頂上を、その内側から小さな突起がツンッと押し上げている。暗い室内において白さが浮かび上がるようなシーツにはっきりとした陰影をつけるその存在も、当然ミーナの呼吸や寝言に合わせて揺れ動き、カミサマの視線は獲物を捕らえた肉食動物のように揺れ動く突端を思わず追いかけてしまっていた。
(こ、これ以上見てたら、オレ、一生牢屋から出てこれなくなりそうッスよ!)
 何とか貧弱な意志の力を総動員して視線を逸らすものの、その先にあったのは大きく開かれたミーナの股間だ。
 酒場の中を四六時中走り回る脚力を持つ太股は張りも艶かましさも兼ね備えていた。シーツから飛び出し、無防備に開かれた太股は奔放な彼女の性格そのものと言えなくもないけれど、人を魅了してやまない肉感的な脚線美を前にすると、さすがのカミサマの股間にもズンッと重たい衝動がこみ上げてきてしまう。
(マズいッスよ、これ以上は本当に……)
 見つめまいと意識するほどに、カミサマの頭の中は一度目にしたミーナの艶やかな寝姿で溢れ返り、シーツを巻きつけただけの乙女の肢体へ、吸い寄せられるように視線を向けてしまう。
(オレ……これでもう、立派な性犯罪者ッスかね……)
 だが、これからの人生を棒に振ってでも、今のミーナの姿を見られるのならば本望と神様の理性が叫んでいた。
 胸や腰まわり以外には余分な肉などどこにも見当たらないボディーラインを前にしていると、何度もツバを飲み込んでいるはずなのにノドがカラカラに乾いていた。ズボンの股間は痛いぐらいに張り詰め、抱いてはいけない妄想をミーナの裸体で埋め尽くされた脳裏に無理やり捻じ込み、あまつさえそれを実行するようにと訴えかけ始める。
 しかもだ、まるで金縛りにでもあったかのように立ち尽くしているカミサマの理性にトドメでも誘うとしているのか、ベッドの上で大きく身をよじったミーナは胸元から舌を覆い隠しているシーツにおもむろに手をかけた。
「ん〜……キョーはあっついよ〜……」
 むしろ肌寒いぐらいなんスけど……と神様が思う間も与えないぐらいに、ミーナは自分の身体からシーツを剥ぎ取ったかと思えばそのままショーツにまで手を掛け、次の瞬間にはスルリと脱ぎ下ろしてしまっていた。
「ちょ、オ、オレ、後ろ向いてたほうが良くないッスか!?」
 これ以上だとミーナのアソコを直視することになってしまう。薄暗い室内とは言え、それはマズいと神様は後ろを振り返ろうとするが、それよりも早く、跳ね上がったミーナのつま先が柔らかい何かを神様の顔に目掛けて蹴りつけた。
「こ…これって……」
 鼻先に直撃したものは、紛れもなくミーナが先ほどまで履いていた脱ぎたてホカホカのショーツだった。思わず顔に押さえつけるように両手で受け止めてしまったカミサマは、ショーツに残る体温と甘酸っぱい体臭を顔全体で受け止めて、肺の隅々にまで吸い込んでしまう。
(なんかこれ、もしかして、ミーナさん……)
 うっすらと湿り気を帯びたショーツでも、特にクロッチは湿り気も臭いもキツい。女性の下着に鼻を埋めて臭いをかぐ姿は変態と言われても仕方のない格好だが、鼻先に触れる汗とは異なる湿り気と、官能的なまでに芳しい“女”の匂いに、カミサマのズボンの中でペ○スがドクンドクンと脈を打ち、たぎる性欲が行き場を求めて完全に鎌首をもたげてしまっていた。
「これ……ものスゲーデンジャラスじゃないッスか?」
 パンツから顔を離してミーナに目を向けると、人一倍豊かな豊乳が呼吸に合わせて緩やかに上下している。視界にドカンと飛び込んでくるようなボリュームの胸を前にして、何も感じないほど神様も枯れきっているわけではない。一度肩を小さく震わせ決意を固めると、カミサマは自分のシャツを床に脱ぎ捨て、きちんと靴を揃えて脱いでからミーナの眠るベッドへと足をかけた。
「ミーナさん……もしかして、オレを誘ってんスか?」
 返事はない。その代わりに首筋に触れたカミサマの手にくすぐったそうに身をよじると、「ん…」と小さく鼻を鳴らした。
「ダメッスよ、そんな……こんなわざとらしい事までされたら、オレ、我慢なんて出来ませんからね」
 確かに今日は暑いかもしれない……シャツを脱いだ上半身にうっすらと汗をかき始めたカミサマは、無防備にさらけ出されているミーナの巨乳に自分の身体を押し付けるように覆いかぶさり、半開きになっている唇ににゅるっと舌先を捻じ込んでいた。
「んんッ……」
 唇をふさがれたミーナがカミサマの身体の下で苦しげに身をよじる。けれどカミサマは唇を離さず、自分の胸板の舌でやわらかく押しつぶされている膨らみの感触を楽しみながら、空気を求めて悶えるミーナの舌を絡め取る。
(ミーナさんの唇、プリップリで柔らかい……それに涎をいっぱい垂らして、なんてヤらしいキスをするんスか。オレのヨダレッスよ!? それをゴクゴクと……!)
 舌の付け根からにじみ出た濃厚な唾液をミーナの口へと流し込み、擦れあう舌と舌の間でグチャグチャと卑猥な音を暗い室内に鳴り響かせる。
(良い匂いがするな……シャンプーの香りかな……)
 汗の臭いに長い髪の毛から立ち上る洗髪剤の香りが混ざり合い、甘酸っぱくなったミーナの匂いを胸いっぱいに吸い込むと、カミサマは右手をミーナの頭に、そして左手を腰に回して強く抱きしめる。すると、呼応するかのようにミーナの両手もカミサマの裸の上半身に回され、呼吸の出来ない苦しさからか、服を脱いだ背中を、
「―――――――――ッ!!!」
 形よく整えた爪が掻き毟る。皮が裂け、肉が抉られる痛みにカミサマも苦悶の表情を浮かべるが、口付けはむしろ濃厚に唇を吸い上げながら、腰から下へと左手を撫で下ろし、ミーナの股間へと指先を滑り込ませる。
「んアァ……!」
 湿り気を帯びた縦筋をなぞると、ミーナがベッドにめり込ますように頭を仰け反らせる。その表紙に唇が離れた途端、右に左に頭を振りたくり、カミサマが指先に力を込めるほどにベッドの上で裸体が跳ね踊る。
「敏感ッスね。やっぱり酒場で働いてると、こういう“仕事”もして慣れてるんスか?」
「ヒッ、ん…んは…ァ……!」
 陰唇に指先を押し込んで粘膜をなぞりながら、アゴを突き出して喘ぐミーナからカミサマは身体を起こす。そして右手を伸ばしてミーナの左胸に触れると、最初はじわじわ圧力を加えながら、いつしか激しく揉みしだいていた。
「やンゥ! やンやンやあァン! ひハァ、ん、んああああああ……ッ!!!」
 下から上へと何度も揉み上げながら、親指と人差し指とでグリグリと先端を締め上げた。揉まれれば揉まれるほどに固く尖っていく先端にカミサマは舌先を這わせ、身体をベッドから弾ませるたびに揺れ動く膨らみに浮いた汗を丁寧に舐め取っていく。
「うあ、ああァん、イく、やッ、わた、わたし、ひ、ひはァァァん!!!」
 秘所と乳房とを同時に責められて昇りつめようとするミーナが、ヘルデーモンにそうしたようにカミサマの頭を巨乳の谷間に抱きかかえようとする。捕まればバストサイズ1メートルを超える乳房の谷間で窒息するまで抱きしめられる……が、まだ完全に目を覚ましていなくて動きが緩慢なミーナの両腕をスルリと躱したカミサマは、そのまま身体を下へずらし、形よく膨らんだミーナの秘所にツッ…と舌先を滑らせた―――


後編へ