第四章「王女」04


 ――――――遅い。
 ほんの少しだけ怒っていた。
 南部の強い日差しの下にずっといるのは暑い。なのにたくやと名乗った女の人はいつまでたっても現れない。
 けれど、ジャスミンの目をかいくぐって街に出てきたときからずっと暑かったのだ。なら、今更気にする事でもない。
 時間……三分もたった……
 早く帰ってきて欲しい。でないと、夜になって、人がいなくなって、寂しくなってしまうから――
 こんな気分は初めてだ。よく「姫様は常に余裕をお持ちですが、時には意を決して行動する迅速さも必要になるのです」と言われているけれど、私の何処に余裕があるんだろう。たった一人の人を待つだけでも胸をざわつかせていると言うのに。
 時間……四分になった。………遅い。
 神殿の入り口を見つめていても、私と同じ顔の人は一向に現れない。
 ………そうだ。会いに行ってみよう。…こう言う時に、迅速に行動するのね。
 いつもなら一日中でもぼんやりしている事もあるのに、今日は不思議な気分なので、たくやが入っていった入り口に向けて歩き出す。
「あっ…待って…いえ、お待ちください!」
 せっかく頑張って行動を起こしたのに、横にいた人が前に回って立ちふさがった。確か名前は……めぐみ、だったかしら。
「………どうして?」
「ど、どうしてと言われましても……入ったら混乱するからです。そうしたら街を回る事も出来なくなっちゃいますし」
「それならそれで構わない。だから入る」
「だから私の方が困るんですよぉ〜〜!」
 この人、なんでこんなに邪魔するのかしら?………よく、わからない。
「ええっと、ええっと…そうだ、私とお話しませんか? 私、この街の生まれですから大体の事は分かりますよ」
「………ええ。じゃあ、たくやの事を教えて」
「たくやさん…ですか?」
 改めて問われ、少し考えてから、とりあえず頷いた。………私も、なんでそんな事を聞いたのか分からないけど。
「あの…私もたくやさんと会ってからそれほど立っていないので、それほど知っているわけじゃ……」
「いいから話して」
「はぁ……あまり人の事を話すのは良くないと思うんですけど……」
「話して」
「わ、わかりました。でも、その前に神殿の裏手に参りませんか? ここだとやっぱり人目につきますし……」
 それなら構わない。コクンと肯くと、メガネをかけた僧侶は安堵の表情を浮かべて胸を撫で下ろした。
「ではご案内いたします。あちらは公園になっていて木陰も多いですし、ここよりも幾分涼しいですから」
 ………うん。涼しい方がいい。
 だから私は彼女の後について歩き始めた。
 ―――けれど、裏手へと回ってすぐ、黒いフードで顔を隠した三人の男が私たちを取り囲んで行く手を遮る。
「あ…あの……すみません、通して頂けませんか?」
 メガネの子が道を塞ぐ男に話しかけるけれど、言葉は返ってこない。――その代わり、前の男の手がめぐみの肩を掴み、そして他の二人が私へと詰め寄る。
「は…離して、離してください!!」
 ………いけない。この人達、私を誘拐するつもりだ。
 腕を伸ばした事で開いたローブの隙間から覗くのは腰に挿した剣の柄。このような姿をした人達が騎士や冒険者とは思えない。
「―――こいつが王女で間違い無いんだな」
「聞いている特徴と一致する。こいつがクラウディアの王女様だ」
 やっぱり……私の事を知っている上での拉致。
 私の肩に背後から手が置かれる。そしてもう一人が横から私の腕を掴み、身動きを封じにかかる。
 ………こう言う事はしたくないのだけれど。
 私を誘拐しようとする騒動は今までにも幾度かあった。そのような相手に…情けをかける必要は無い。
「………離して」
「へっ、恐くて声も出ねぇか。暴れなきゃ綺麗な身体のままだぜ、しばらくの間はな」
「………話しなさいと命じているのです。汚らわしいその手を引きなさい。さもなければ」
 ―――風が、流れる。
 静かに、常と同じ声で命じた私の声を聞いて手を離した男たちと、私の前で羽交い締めにされているめぐみの前でゆっくりと右手をかざす。
 私の手首には銀色に輝く腕輪が一つ。後はそれに魔力を流し、命じるだけ。
「きたれ――」



「ちょっと、そこで何やってるのよ、あんたたちは!!」



『むっ、外でなにかあったのか?』
「あったのかじゃないわよ! めぐみちゃんと静香さんが!」
 ええい、説明してる時間も惜しい。最初はナンパかと思ったけどどうも様子がおかしい。めぐみちゃんは羽交い締めにされて苦しそうだし、あいつら、静香さんにまで!
「エロ本!」
『その呼び方はちょっと……で、なに?』
 あたしは叫びながらテーブルへ駆け寄り、重厚な黒皮の魔道書を手に取ると、思いっきり振りかぶり、
「飛んでけえええっ!!」
『また投げるのかぁぁぁぁぁ!?』
 角度的に難しいけれど全力で投げた魔王の書は一直線に飛んで行き……よし、命中。めぐみちゃんを拘束していた男の後頭部に角が突き刺さり、黒尽くめの男はうめき声を上げてその場にひざまずいた。
「ちっ、邪魔が。退くぞ!」
「お…おい、あれ、あの女の顔見ろよ」
「………なっ、王女がもう一人!?」
 あの男たち、静香さんが目的? やばっ、そう言うの全然考えてなかった。急いで助けないと…!
 顔がそっくりすぎて他人のような気がせず、最初から気安く話しかけていて失念していた。静香さんは超がつくほどの重要人物で、本来なら何人もの護衛の人に守られていなきゃいけない人なんだって言う事を。
 これから階段使って外に回ってたら逃げられる……だったら!
「ジェル!」
 あたしがその名を呼ぶと、背負い袋を放りこんでいたクローゼットの扉が内側から勢いよく開き、弾力ある固まり――スライムのジェルが姿を現す。
 床で跳ね、テーブルに飛び移ってあたしの方へとジェルがやってくる間にナイフの鞘を腰に差し、ジェルが宙に浮いている間に掴み取る。
 そしてそのまま窓枠に脚をかけ――

 躊躇う事無く、二階の高さから外へ飛び出した。

「お願い!」
 上へ飛ぶ力が重力に打ち消され、落下速度がゼロになった瞬間、あたしが見つめるのは宿舎裏手に植えられた木の一本。その木に向けてジェルを掴んだ手を突き出すと、あたしの意を受けたスライムは撃ち出される様に伸ばした透明の体を太い枝へと巻きつける。
 体は落下。けれど、あたしの手首と木の枝とを結びつけたスライムは一気に収縮させ、地面へと落ちるはずの体は弧を描いて勢いよく木の下を通り過ぎて、一直線に静香さんたちのところへ――
―――すぽっ
「………あっ」
 地面に落下はしなかった。けれどそれほど力が強いわけではないジェルに勢いの付いたあたしの体をいつまでも掴みつづけている事は出来ず、結果、あたしの手首からジェルが外れ、ブレーキの無い体はふわっと軽く上昇してから、
 本の角に頭を痛打されてふらついている男にお尻から直撃。
「きゃあああっ!!」
「ぬぼぉああっ!?」
 股の間に男の顔をはさみこむ様に衝突し、衝撃が体を突き抜けるけど、お尻の下の悪漢の一人が緩衝材になり、幸いにも怪我一つせずに静香さんとめぐみちゃんの元に駆け付ける事が出来た。―――まぁ、結果オーライって事で。
「いっ…たぁ……ふ、二人とも大丈夫?」
 1メートルほど地面を滑り、がんがんと衝撃が突き上げた腰とお尻をさすりながら立ちあがれば、あっけに取られた視線があたしの体を取り巻いていた。
「………こほん」
 顔が赤くなって行くのを自覚しながら、咳払いを一つ。そして大きく息を吸いこむと、
「あんたたち、めぐみちゃんと静香さんに何しようとしてんのよ!」
 恥ずかしさを紛らわせる為にちょっと大きな声で叫ぶ。―――見ないで、そんな痛い視線であたしを見ないでぇぇぇ!!
「ま…まぁ、都合がいい。お前にも来てもらうぞ」
 どうやらこれ以上恥ずかしがっている暇は無い。相変わらずボケっとしている静香さんを捕まえていた男のうち一人があたしへと早足で近寄ってくるのを見て、あたしは腰からナイフを引き抜いた。
「このっ!」
 銀色の軌跡が右から左へと走る。――あのまま進んでいれば腕を切りつけていたはずのタイミングだけれど、素人剣術に当たるほどの腕ではないのだろう、男は寸前で足を止めて腕を引き、
「ジェルっ!」
 ―――あたしの傍へ戻っていたジェルの体当たりを腹部に受ける。
「ぐっ……」
「変態はお断りっ!」
 身を折ったところへ、ナイフの柄で後頭部に一撃。そのまま言葉と意識を失った男は前のめりに地面へと倒れた。
「さぁ、こうなりたくなかったら静香さんを離して消えなさい!」
 ………何か変だ。
 あと一人となった男に向けて精一杯鋭くした視線を向けるけれど、あたしの心中では一連の行動に対する違和感が芽生えていた。
 自分で認めるのも恥ずかしいけれど、村にいた頃――なぜか妙に懐かしい男だった時には、二階の窓から飛び出したり、大人の男を昏倒させる事なんて、怯えて絶対に出来なかったはず。けれど、ジェルがいたから実行できたと言う点を除いたとしても、窓から飛び出す、余裕で躱せる一撃を囮にして…などという発想自体が、気弱な「拓也」と言う人間の思考から逸脱している様な感じがしてしまうのだ。
「くっ…この女…影武者か。くそがぁ!」
 あ、やばっ…考え込みすぎた!
 男は布を持った右手で静香さんの口元を覆うと、瞳が焦点を失った。――おそらくは眠り薬の類だ。
 それと同時に左手で黒いマントの下から丸い玉を取りだし、反応の遅れたあたしの前で地面へと叩きつける。
 ―――白煙。爆発するような勢いで周囲が白い煙に覆われ、静香さんと男の姿があたしの視界から掻き消えてしまう。
「ケホッ、ケホッ、あ、あの男…ジェル、あいつを追って!」
 とっさに顔を覆って足元のスライムに命じるけれど、男が使ったのはモンスターからの逃走用に煙玉だ。煙と共に周囲に充満した微弱な魔力が視覚や聴覚に頼っていないジェルの感覚も遮断し、追跡する事を不可能にしてしまう。
「……エロ本、どこにいる?」
『ここじゃここ。だからエロ本はイヤだって毎回言ってるんじゃが…』
「そんな事より、静香さんを連れてった男がどっちに言ったか教えて!」
『静香? ああ、あのお主そっくりな女じゃなの。――う〜ん、どうしようかな〜〜。たくやがワシを股に挟んで割れ目にクリクリってしてくれたら考えなくも無いんじゃがのう』
「早くしてっ! じゃないと、今日の晩御飯の釜戸にくべて灰にしてやるんだからね!!」
『は、はいぃぃぃ! お主の右手の路地へと逃げて行きましたぁぁぁ!』
「右ね。ありがと、さっきの事は後で考えといてあげるから」
『ほ、ホントかッ!?』
「めぐみちゃんは誰か人を呼んで、倒れた男を捕まえておいて」
「けほっ…はい…けほっけほっ…で、でも王女様が…けほっ……」
「静香さんはあたしが追いかけるから。ジャスミンさんに説明お願い!」
「えっ、ま、待ってください、私も…けほっ、けほっ!」
 苦しそうに咳をしているめぐみちゃんは心配だけど、今は静香さんだ。
 煙は後から後から沸きあがって視界は一向に晴れないけれど、右に進んで煙が入り込んでいない路地裏にたどり着く。
「こっちね……」
 ―――また、あの違和感だ。あたしは、どうにもあたしらしくない事をしている。
 だけど、静香さんを助けなければ…そう思うと、あたしの胸の小さな感情はたちまち抑えこまれる。
「行かなきゃ、静香さんが危ないんだもんね」
 意を決したあたしは肩の上に飛び乗ったジェルを伴い、細い路地裏を駆け出した――





「―――まぁ、なんとなくこうなるのは分かってたんだけどね」
 追い掛けるまでに時間が空き過ぎた。
 気を失った静香さんを連れているはずなのに、男はすでに路地の先から姿を消していた。あたしは逃げる途中に倒したであろうゴミ箱などの逃走の跡を追ってはみたけれど、複雑に絡み合い、分岐する路地を前にしてどうしようもなく立ち尽くしてしまっていた。
 そういえばフジエーダって神殿を中心にして少しずつ発達した街で、神殿周囲の古い市街は裏道が無秩序に入り組んでるって言ってたっけ……まさか、これほどだったなんて。
 きっと、あたしが通ってきたのは静香さんと間違われて騎士の二人の拉致された時にも通った道だろうけれど、どこをどういけば肉饅屋の横に出るのかも分からない。そもそも、アイハラン村じゃ家と家の間は火事などの有事の際を考慮してある程度の隙間が空いていたし、建物だって木製だ。レンガを積み重ねて作られた建物の壁から受ける圧迫感はあたしの精神状態を圧迫するのに十分過ぎるものだった。
「ど…どうしよう……このままじゃ静香さんが……」
 あたしが神殿の裏で待つ様に言わなければ…責任をとって街を案内するとか言わなければ…
 自責の念に駆られ、路地を進んでは退き返してはみるけれど、どこにも静香さんをつれて逃げた男の形跡は見つからない。その事があせりを呼び、あたしは軽いパニックに陥ってしまう。
 その時だ。焦りだけが加速して行くあたしの背後から男の声が聞こえてきた。
「お嬢さん、お困りかな? よかったら俺が力を貸してあげちゃうよ♪」
「えっ?」
 振り向いた視線の先にいたのは軽薄そうな笑みを浮かべた若い男だった。髪は短く、背もそれほど高くは無い。いい男の条件を何一つ満たしていないけれど、その下心見え見えの笑い顔はあからさま過ぎるせいで、なんとなく無く憎めなかった。
「あ、俺、大介って言うんだけどさ、これでも情報屋なんだ。探し物? だったら俺に任せてよ。この街の事ならなんだって知ってるんだぜ。な、な、仕事の話するなら近くに良いカフェがあるからそこでゆっくり――」
「ごめん、急いでるからまた今度にして。じゃ」
 今はこんな奴にかかわっている時間は無い。――のに、視線を前に戻して歩き出そうとするあたしの前へ、するりと壁との隙間をすり抜けた大介が立ちふさがった。
「ちょっと待った。黙って座ればぴたりと当たる!って具合にお悩み解決間違い無し、絶対時間は損させないから、俺の話を聞いていかない?」
「だから……」
「そうだ、君の名前を当てて見せようか。ん〜〜…髪の毛短くてすっごく可愛いから…薫、どう、当たってるだろ? ささ、薫ちゃん、一人で探しまわって無駄な時間使うよりはさ――」
「ええい、うるさい! あたしの名前はたくやよ、たぁ〜くぅ〜やぁ〜! それより無駄ってどういう意味よ一体! あんた、あたしに恨みでもあるの? これ以上邪魔するならスライムけしかけてドロドロに溶かしちゃうからね!」
 馴れ馴れしく肩に手を回してくる大介に、溜めに溜まっていたあたしの理不尽な怒りが爆発し、思わず肩の上のジェルに体当たりさせたくなる。――が、相手は意にも介した様子は無く、
「へぇ〜、たくやって言うんだ。……かなり個性的な名前だね」
 しまったぁ! こいつに名前を教えちゃったぁぁぁ!!
「ところでさ、デートって言ったらやっぱり二人で食事して夜の街を散歩してムードを盛り上げ手って言うのが定石だよね」
「こ…こいつは……」
 落ちつけ…こんなやつの相手をしている時間は本当にあたしには無いんだから。静香さんに何かあったらこの街は壊滅…は、早く、早く見つけ出さないと……
 こめかみがヒクつき、握りこぶしがわなわなと震える。それでも冷静を保ちながら肩に置かれた手を払いのけ、大介を無視して歩き出し、
「そんなに邪険にしなくたっていいじゃん。どうせさっきの男はとはうまくいかなかったんだろ。そりゃ肩に担いで強引に事に運ぶんだもんな。俺はさ、あんな奴よりもっと君を大事にしてあげるし」
 ―――ピタッ
「それ…どう言う事?」
「んっ? ああ、大事にするってのはベッドの上での事で――」
「そうじゃなくて! 肩に担がれたあたしってどう言う事!? その男はどっちに言ったの!? いつごろ、方角は、情報屋なんでしょう、教えなさい、今、すぐにっ!!」
「………えっ?」
 きょとんとしている大介の胸倉を掴むと、壁に押し付け問い詰める。
 そうすると数秒してようやくあたしがこうしているわけに気がついた大介は口元にイヤらしい笑みを浮かべると、勝ち誇ったかのように、
「あれぇ、情報を教えて欲しいのに、俺のこと脅迫するの? いけないなぁ、そんな事されたら俺、なにか大事な事を忘れちゃうかもしれないよ」
「うぐっ……………ごめんなさい、ちょっと焦っちゃって……」
 落ちついて……ここで静香さんがどっちに連れ去られたかを聞ければ、まだ追いつくチャンスはある。誘拐してすぐに街の外に出て行くとは考えにくい以上、ここは焦って行動を起こすより、大介より情報を聞いた方が確実だ。
「―――それで、そのあたしにそっくりな女の子が連れて行かれたのってどこなの? お金は…今持ち合わせが無いけど、あとでちゃんと払うから。だからお願い、早く教えて、じゃないと……」
「いやぁ、俺ってば現金主義だから後払いとかは信用しないんだ。情報を聞いてトンズラされたり、聞いてすぐに死ぬ奴もいるしね。だから情報を知りたいならいつもニコニコ現金払い。これが裏の常識だぜ」
「そ、そんな事を言われても……」
 お金を入れたポーチは部屋に置いてきた。どうせすぐに外へ出る予定だったんだから、あのまま付けておけば良かった。あの中には金貨がまだ残っているのに……
「でもまぁ、俺だって鬼じゃないし、可愛い子にはサービスしろって死んだ爺さんも言ってたしな。たいした情報でもないし、ただで教えてやってもいいぜ」
「ホント!?」
 思いがけない申し出に喜びの声を上げたあたしだけれど、大介は「ただし」と前置きをし、あたしの顔を――性格には唇を見つめ、そしてゆっくりと首から胸へと視線を下ろして行く。
「女の子はさ、こう言う時は体で支払うって言うだろ?」
「………ほえ?」
「だからさぁ、情報を教えてやるから、たくやちゃんのそのおっきな胸と可愛い唇で俺のチ○チン舐めてよ。そしたら情報なんていくらでも教えてやるよ」


 有無を言わさず殴り倒した。


第四章「王女」05へ