]V.事前
俺は従業員室に入ったところで固まってしまった。
「う…ん……」
ムク……
「お…落ちつけぇ……頼むから落ちつけぇ……」
耳にたくやちゃんの声が聞こえてくるだけで、さっき暴走寸前で寸止めされた俺の息子がすぐさま反応してしまう。
「はぁ……んん……」
むぅ……押さえが…効かない……
たくやちゃんの寝息が、なんだかすごく色っぽく聞こえる。
それに導かれるように、さっきの妄想や一昨日の思い出すだけでイってしまいそうなスゴい快感が頭の中に溢れかえる。
それと同時に、ソファーの背に身体を向けたたくやちゃんの寝姿が目に飛び込んでくる。
「んっ……ふにゅ……」
古くなって少し固くなったソファーが身体に合わないのか、頻繁に身体をもぞもぞさせるたびに、毛布とスカート
から飛び出ている真っ白い太股が揺れ動いて、俺の理性を少しずつ削り取っていく。
あ…あの奥が…あとちょっとで……って、落ちつけ、隆幸……忘れたのか?一昨日たくやちゃんとしちゃった後、
俺がどうなったかを……
いくら自分で触っても、こっそり貰った有紀さんの写真集を見ても、全然反応しなかったあの哀しい状態を……
この歳で不能になったかと思ったあの絶望感を……
俺は唇を噛み締めてわずかに正気に戻ると、決壊しかけの理性をなんとかフル動員し、開いたドアの方に身体を向けた。
こ…これでいい……これで太股が目に入らないから、このまま外に……
俺が足を上げ、ゆっくり前に出そうと――
「ハァ……だ…めぇ……ん……」
なんだ、今の声は!?
なんだか妙に色っぽいたくやちゃんの寝息に、俺はあわてて従業員室の方を振りかえった。
「んん……そんな…いやぁ……」
な…なにがいやなんですか!?
「おっきぃのぉ……んん……はぁ……」
おっきいの!?それって…もしかして……
「いいのぉ……ちょうだぁい……それ…ほしいのぉ……むにゃむにゃ……」
な…なんてイヤらしい夢を見ているんだ!!ほしい!?ちょうだい!?お……俺は…俺わぁぁ!!
眠っているせいか、少しくぐもった声の感じがたまらない!!
「んん……ん…んんっ……」
だんだんと興奮のボルテージが上がってきた俺の目の前で、たくやちゃんがソファーの上で落ちないようにもぞもぞと
寝返りをうつ。
「お…おおおおっっ!!!」
両手でグッと握りこぶしを作り、目を皿のように大きく見開いた。
俺の視線の先で、たくやちゃんはあられもない姿を俺に晒していた。ソファーと身体の間にスカートが巻きこまれて
秘部を覆うブルーのパンティーが露わになり、むっちりとした谷間とパンティーとおそろいのブラがボタンが外れて
いるブラウスの胸元から覗いている。
な…なんて反則的なシチュエーション……も…もう我慢が……しかし…しかしぃぃ!!
ブチブチブチっと頭の中で理性の糸が簡単に何本も切れまくっていると言うのに、今すぐ覆い被さってあの巨乳に顔を
埋めて揉み解して、最高のおマ○コにズボンの中で弾けてしまいそうなほどに勃起したペ○スを突っ込みたいって
言うのに、俺は最後の理性だけはかなぐり捨てる事ができなかった。
俺の理性をなんとか繋ぎとめていたもの。それは――
「外出しでも妊娠するんですよ」
と言う啓子さんの言葉と――
「浮気する隆ちゃんなんて知らない!!大っ嫌い!!」
と言って泣きじゃくるあゆみと――
「タカ坊!!お前みたいなヤツのチンと玉は切り落として塩漬けにしてやる!!」
と言って包丁を持って近寄ってくる真琴さんと――
「隆幸さん……産んで…いいですよね?隆幸さんとあたしのかわいい赤ちゃん……」
と言って大きなお腹をさすっているたくやちゃんと――
「隆幸さぁ〜ん、あたしのおマ○コに、もっと、もっとちょうだい。熱いミルクを注ぎ込んでお腹いっぱいにしてぇ〜〜!!」
「ぐぉぉぉぉ!!」
たくやちゃんの事を想像すると……結局こうなるのかぁぁぁ!!
たくやちゃんのことを考えていて、つい、俺を再起不能一歩手前まで追いこんだ一昨日の情事の事を思い出してしまい、
限界まで大きくなっていた筈のわがまま息子がズボンの中でさらに大きくなって暴れ出す。
そのあまりの下半身の圧迫感に、俺はたくやちゃんに気付かれ無い様に小さな声でうめきながら、ズボンの上から分身
を押さえつけて、その場に屈み込んだ。
「ふぁ……おっきいの……お口に入んない……」
ぐぉぉ〜〜!!な…生殺しだぁ〜〜〜〜!!!さっきの啓子さんの手コキよりもよっぽどひどい〜〜〜〜!!!
たくやちゃんを襲ってしまうわけにもいかず(当然それが普通です)、かと言って二度の生き地獄を味あわされて下半身
も既に限界。あゆみもダメ、啓子さんもダメ、真琴さんは……殺される。他のお客様も……攻略フラグが全然立ってない。
こ…こうなればトイレまで行って、個室で自己処理するか……しかし!ここまできながら、それはあまりにも!!
あまりにもぉ〜〜!!
己の理性と本能、プライドと欲望が火花を散らしながら激しくぶつかり合う。当然の事ながら、そんな事をしている
うちに頭の中が熱くなって、もう細かい(?)事はどうでもよくなってくる。
もう…いい……ここまできたら……ヤっちゃおう……ヤってしまえ!!一昨日安全だったんだ!!昨日の今日だから
大丈夫だ!!それじゃあ……いざ!!!
俺の手が自分のベルトのバックルに伸びて――
「んん……生(の肉まん)は…いやぁ……」
あ…あああああああああああ!!!そんな事言うか!!このタイミングでそんな事を言うのかぁぁぁ!!!あんまり
だぁぁぁ〜〜〜〜!!!
せっかく無け無しの理性を無理やり説得できたと思ったところに、今の一寝言。たったそれだけで理性が少しだけ頭
をもたげてしまい、俺はズボンのチャックを半分下ろした状態で、もうどうする事もできなくなってしまった。
「むにゃむにゃ……んっ……はぁ……んん……」
そんな俺に追い討ちをかけるように、悩ましい寝息が聞こえてくる。
い……いいかげん限界だ………このままではズボンの中に出してしまう……だが自家発電はイヤだ………せめて、
せめてコンドームの一枚でもあれば……………コンドーム??……ある!!あるぞ、コンドーム!!
俺は勢いよく立ちあがると、開きっぱなしになっていた扉を後ろ足で蹴り閉めて、慌てて事務机の一番下、帳簿とかが
詰め込まれている引出しを引いた。そしてそのまま奥に手を突っ込んでガサゴソと手を動かす。
たしかここに……(ガサガサ)……どこだったかな……(ゴソゴソ)……(コツン)…ん?……あった!!
引出しの一番奥で手に触れた四角い箱を取り出す。明かりの下、その箱には「明るい家族計画・お徳用 1ダース+2個」
の文字が!!……書いてないけど。
あらためて普通の外見の箱の蓋を開けると、中には20個以上のコンドーム(未使用)がギッシリと入っていた。
これは俺とあゆみが正式に恋人(肉体関係付)として付き合い始めた頃、仕事の合間に従業員室で一緒に休憩する時に
使っていたものだ。見つからないように隠してあったものの、もしもの時の為に箱だけは普通のものに変えておいた。
最初は日に2・3個は使ってあゆみが泣きそうになるまでヤっていたものの、あゆみの「私…隆ちゃんの赤ちゃんが
欲しいの……」宣言からこっち、昼も夜も回数は増えたけど中出しばかりしていたので、ここにコレがあることを
コロッと忘れていた。
あの時もう少し慎重になっていれば……でも、今はコレのおかげで……ふ…ふふふふふふふ……
ぷっつん
俺はコンドームがたっぷりと詰まった箱と、事務机の上にあったティッシュの箱を手に、ゆっくりとたくやちゃんの
待つソファーの方に振り返った。
これで避妊もOK。何の心配も無くなった。
本当は寝ている従業員を襲う事自体に問題があるけど、既に頭の中では理性の糸が最後の一本まで残らず切れて、今の
俺には目の前で色っぽい寝姿を晒しているたくやちゃんの事しか考えられなかった。
ヤってやる……ヤってやるぜ!!
]W.自信へ