Who are you?


夕日が校舎を赤く染める頃…… 部活や生徒会の仕事なんかで残っていた生徒たちが一人、また一人帰宅して校舎全体が静寂に包まれる時間…… 私は体育用具室にやって来た。 「明日香に話したい事がある」 その言葉と場所と時間、そして差出人の名前が書かれた手紙が私の下駄箱に入っていた。 「相原拓也」……差出人の名 私の幼馴染……そう、幼馴染、ただそれだけの関係。 ここ最近学校に来ていなかった拓也からの手紙。 一ヶ月前、科学部の佐藤先輩の薬で拓也が女になってしまった時か、それとも拓也が女として生きることを 決意した時からか、いつのまにか私たちの仲は疎遠になっていった。 「明日香、最近相原君と一緒じゃないわね?」 私の周囲の人間は何か勘違いしていたみたいだけど、私と拓也は恋人でもなんでもない。今はまったく口も 聞かないし、それどころかお互いに相手を避けて生活してる。 そう…私と拓也は赤の他人。二人の間には何もない…… ガラガラガラ…… いつもは施錠されている体育用具室の扉には鍵が掛かっていなかった。 「拓也、いるの?」 中に入らず、入り口から中に声をかける。 返事は返ってこない。まだ来てないのかな…… 実を言えば、私は何でここに来たのか、自分でもよく分かっていない。拓也の事なんかもうどうでもいいはず なのに…… そうだ、どうでもいいんだ。もう一声かけて返事がないならさっさと帰ろう。今日は見たいドラマもあるし。 「拓也、いないなら帰るわよ」 「………明日香」 ピク 小さな返事が用具室の奥から聞こえてくる。それにあたしの体が反応する。 数日振りに聞く拓也の声。女の声になったけど拓也の声。 「……一体何の用なの、こんなところに呼び出して。私も忙しいんだけど」 声は聞こえる。でも拓也の姿は見えない。物陰に隠れてるんだろうか…… 「うん……中に入ってきてくれるかな……あんまり人に聞かれたくないの……」 「中に?」 何だろう……用具室には入りたくない…… 用具室の中から溢れる空気は肌に絡み付くような感じがする。そして、なぜか暖かく、妙な臭いが混じっている。 そんなことは後から考えたこと。ただ、足を踏み出すことを躊躇してしまう。でも…… 「…明日香……お願い……」 私は意を決して一歩、薄暗い室内に足を踏み入れた。そして、もう一歩…… そのとき、後ろに人の気配を感じたと同時に、前へ、用具室の床へと突き倒された! 「きゃっ!」 ガラガラガラ…ピシャッ! 背後で用具室の扉が閉められる。そして扉の前に二人の男子生徒が立っていた。 「まさかほんとに来るとわな」 「あぁ、まったくたくやちゃん様さまだぜ」 「あ…あんた達一体何のつもり!」 床に倒れながらも、精一杯強がって男たちを見上げる。 扉を閉められ、天井近くにある窓から夕日の明かりが入るだけなので、室内は薄暗い。そして閉め切られた室内に 目の前の男たちと私以外の誰かの、荒い息遣いが響き渡る。 「……明日香」 息遣いの正体というべきか……用具室の奥であたしをここに呼び出した人間が立ち上がる。 「!拓也、一体どういう……!?」 一目見た途端、あたしは言葉を止め、息を呑んだ。 拓也は何も着ていなかった。着ているべき制服はおろか下着さえ着けていない。 女のあたしが見てもハッとする裸体が惜しげもなくさらされ……いや……それだけじゃない。 「拓也……」 言葉が出ない…… 拓也の股間からは白い液体が溢れ出ている。拓也が何をしていたのか、私でもそんなことは分かる。 「ふふふふふ……驚いた?明日香……」 「た…拓也……あんた一体……」 からだが小刻みに震える……出すことのできない言葉がからだの中で溢れかえる。 「ごめんね明日香ぁ。みんながどうしても明日香としたいって言うからさぁ」 「そう言うこと。みんなで楽しくやろうって事さ」 拓也の後ろからさらに男が二人現れた。 「きゃっ!」 二人の男は拓也と同じように裸で、前を隠そうともしない。 とっさに顔を伏せ、手で顔を覆う。 「おら、なにをかまととぶってんだよ。しっかり見な」 「いやぁぁ!」 後ろにいた男たちが私の両手を掴み、無理やり顔を拓也達のほうに向けられる。 「駄目よ、明日香。ちゃんと見てないと後でひどい事されちゃうよ」 奥のほうにいた拓也達は私によく見える位置まで近づいてきた。 「そうだぜぇ。しっかりと見てないとこ〜んな事しちゃうよぉ」 「いやぁ〜ん♪……ん…チュル」 私の目の前で、拓也は背後から豊かな胸を両方揉まれながら、首を後ろに向けて男とキスをしている。 「んん…レロ…チュパ……はぁ…うまくなったじゃねぇか」 「そりゃ毎日毎日SEX漬けなんだもん♪キスだってうまくなるわよ…んむぅ」 「おいおい、俺もいるんだぜ。たくや、ちゃんと気持ち良くしてくれよ」 「はぁぁ…分かったわよぉ…もう…せっかちなんだからぁ」 拓也の手が近寄ったもう一人の男の、大きくなったおチ○チンを掴み、ゆっくりとこね回してる。 「あぁん♪もうこんなにおっきくなってるぅ〜」 にぎにぎ…くりゅ…こすこす… 「あ〜〜、もう出ちまいそう」 「馬鹿、早えんだよ。たくや、俺のもやってくれよ」 「みんな我侭よぉ…しょうがないなぁ……」 そう言うと、拓也は二人の男の間にひざまずき……両手で男たちのおチ○チンを扱き出した。そして、その片方に、 おぞましいものに、唇を寄せて…… 「拓也……」 「ん…んくぅ…チュル…はむ…んん……はむ……」 「いいぜぇ、もっとだ、もっと吸ってくれよ」 「ああああ、もっと強く擦ってくれ!」 「ふぁ…ほお?」 汚物を握る拓也の手の動きが速くなる。それと同時に、顔を男の股間に深くうずめていく。 「おぉぉ…く〜〜、やっぱりおまえはうめ〜よ。男の感じるとこ知り尽くしてるもんな」 「んぐ…んん…ん、ん、ん、ん、ん、んん〜」 拓也の顔が小刻みにゆれている。拓也が男の汚物を咥え込んで…… 「はぁ、はぁ、はぁ、もう我慢できねぇ。俺にもヤらせろよ」 私の後ろにいた男が一人、拓也へと近づいて行く。私の目の前に来た時にはズボンと下着を履いておらず、股間から 棒のようなものを屹立させていた。 「たくや、こっちに尻を突き出せ」 「あむぅ…待ってぇ…こ、こう?あむ…ちゅるちゅる……」 拓也は腰を上げ、ゆっくりと後ろに突き出していく。その間二本の棒を握り締めたまま、そして口もほとんど 離さなかった。 「よっしゃ、ほらもうちょっと…そんじゃイくぜ!」 拓也の丸い腰を引き寄せた男が自分の腰をゆっくりと拓也に近づけ……自分の股間のものを拓也の女性の部分に 埋め込んでいく…… 「ん!…んん!…はぁぁ〜〜!」 拓也の喘ぎ声が聞こえる…… 「く〜〜、やっぱりこいつのおマ○コ最高だ。どんな女より締めつけてきやがる」 「は…入ってるぅ…おっきいのがあたしの中に入ってるのぉ」 男の腰が一度拓也の腰に密着すると、ゆっくりと下から斜め上に腰を前後させる。 ニチャ…ニチャ…クチャ… そのたびに拓也の愛液に濡れ光る、二人をつなぐ棒が見え隠れする。 拓也と…つながる…… その言葉があたしの中で木霊する。 「おい、拓也、出すぜ、しっかり飲めよ」 「んん…ん、ん、ん、ん、ん、ん、ん…んぐぅっ!」 「おぉうっ!」 拓也に咥えられていた男が、拓也の頭を手で押さえつけ、自分の腰をより一層拓也の顔に押し付ける 「んん…コク…んク…んク…」 あたしの要る場所からでも分かるぐらい、拓也は大きく喉を鳴らして、何かを飲んでいく。 男の人の…精液……拓也…… ツ〜〜…トロ…… 飲みきれなかったのか…それとも吐き出したのか…拓也の口の端から一滴、白い液体が溢れ、顎へと伝い落ちる。 「あ…おぅ…出した後も離さないなんて…やっぱりおまえは好きもんだよ」 拓也は男が精液を出した後も口から離すことなく、口の中でもぐもぐしている…… 「おい、こっちも出るぜ、早く咥えな!」 「チュポ…やぁん、かけてぇ、あたしの顔にぶっ掛けてぇ〜〜」 止まることのなかった拓也の片手の動きが速くなる。後ろから男に貫かれ、体を揺すられても、目の前にある 男のものを離そうとはしない。 「だったら掛けてやるぜ。お…お…おおぉぉ!!」 ビュル!ビュル!ビュル! 男の棒の先端から拓也の顔に向けて白い液体が飛びかかる。 あれが…男の精液…… 「んん!はぁ…あぁ〜ん…あつ、いい…あぁ!あぁ〜〜!」 拓也は男の腰を自分に寄せ、貫かれるリズムに合わせ、液体を発射した男のものをしごき、精液を自分の体に残らず 振り掛ける。 あっという間に拓也の顔が白い液体で覆われる。 「はぁ…はぁ…はぁ…片桐、もう我慢できねぇ」 「え?」 それまで気付かなかった。私を拘束していた男の手が、すでに一本もなかったことを。 私は自分から拓也と男たちの痴態を見続けていたのだと…… そして、不意に横に向けられた私の顔の前には、今、拓也が咥え、貫かれているものと同じモノがそそり立っていた。 「い、いやッ!」 とっさに顔をそむけるけど、男の手で無理やり顔の向きを戻される。 「さっきまであんなに食い入るように見てたじゃねえか。欲しいんだろ?ほら、咥えろよ」 「ん〜〜」 近づく男のものに、私は口を強く引き結ぶ。 そんなことお構いなしに、男のものの先端はその先端を私の頬に擦り付ける。 「はぁぁ〜〜、片桐の顔って柔らかいな」 「む〜〜〜」 男の先端が通った跡には生暖かい液体が擦り付けられている。そして頬がベトベトになると、赤黒い先端は私の唇に 擦り付けられる。 「へへへ…あの生意気な片桐が俺のチ○ポにキスしてるぜ。おら!口開けろ!」 男は私の髪を乱暴に掴み、先端を唇の合わせ目に沿って強く押し付けてくる。 いやぁ…助けて…拓也ぁ…… このおぞましい行為に、私はここに呼びつけた張本人に助けを求めている。私を、こんな目に、あわせている…… 「やめて!!」 突然の叫びに、男の動きが止まる。 声を出したのは拓也。男に囲まれた中で、からだを白く汚したままで、私を助けるために…… 「やめて。明日香にはやさしくするって約束したでしょ。それに、明日香と最初にするのはあたしだって」 わずかに抱いた希望は、希望を抱かせた本人の、冷たい声によって打ち砕かれた。 「ん……」 「あ、おい、なに勝手に抜いてんだよ」 男の腰から立ち上がった拓也に、非難の声が上がる。その声の主の股間では上を向いた男の棒が、薄暗い室内でも 分かるほどに濡れ光っていた。 「いいじゃない。あたしとなら後でいくらでもさせてあげるから。今は明日香でしょ」 そう言うと、一歩、一歩、男たちの間を進んで私に近づいてくる。 拓也…… 近づいてくる彼女のからだを見つめ、少し、ほんの少し前のことを思い出す。 一ヶ月前、何度か部屋に入って見てしまった男の時のからだとは、今の女のからだはまったく違っている。 胸やお尻は大きく張り出し、女性から見ても綺麗なラインを描いている。 どこからどう見ても女。そう、女。 私の知る拓也は、男。 私の知る拓也は、目の前の女じゃない。 私の知る拓也は、もう、どこにもいない。 「明日香……ごめんね……」 小さな小さな呟きが私には聞こえた。 「たく…や……」 用具室の床に座り込んでいる私の目線に合わせ、拓也は四つん這いになって、本当にゆっくりと近づいてくる。 「さぁ…明日香…気持ちよくなりましょ……」 まるで映画に出てくる女優のように、私に向けて色っぽく話し掛けると、拓也は自分の唇を私の唇に押し当ててきた。 「ん……」 柔らかい。 女のこの柔らかい唇が震えながら私の唇に触れ、そのまま時間だけが過ぎていく。 ……震えてる……? 震えているのは?私?それとも拓也? 確かに私のからだは震えてる。 初めてのキス。今まで、誰かのために大事に取っておいたもの。それが奪われた。 誰に? 目の前の人に。 誰?  拓也。彼のために取っておいた。 じゃあ何で私のからだは震えてるの…… 「おい!何してんだ!さっさと始めろ!」 「ん…もう、分かってるわよ。もっとムードを大事にしてよ」 「あ…」 唇が離れる。途端になぜか寂しさを感じる。 「じゃあ明日香、気持ちよくしてあげるからね……」 拓也のからだがあたしの体を床に押し倒す。 そしてそのまま私の制服に手を掛け、ボタンを一つ一つ丁寧にはずしていく。 「や…やめて……」 男たちの目の前で、そして拓也の目の前で裸にされることに少しだけ抵抗して、身をよじらせる。 「あん…駄目よ、からだをくねらせるのはもっと気持ちよくなってから」 拓也が再びキスをする。同時に手は開いた制服の中に入り、私のブラジャーを上に捲り上げ、私の乳房を生暖かい 空気の中にさらす。 「んん…はぁ…これが明日香のおっぱい……きれい…ん……」 「やぁっ!」 拓也の口が私の口から離れ、乳首の先に吸いつく。まるで赤ん坊のようにチュウチュウと乳首を吸う。 「あぁ…んん…はぁ…」 からだから力が抜ける。 拓也に左右の乳首を吸われて、何人もの男たちの目の前で、私は睡魔のようなゆったりとした快感を感じ始めていた。 「はぁ…拓也…やめて……」 「チュウ…んん……明日香…好き…チュ…んん……」 え? 「お願い明日香…一緒に…一緒にいて……」 私にだけ聞こえる拓也の小さな声。 言葉を放つ唇の震えが、私の胸に感じられる。 私だけに聞こえる…拓也の声…… 拓也が「好き」って言った 私が拓也から聞きたかった言葉 私が拓也に言って欲しかった言葉 もう聞くことができないと思っていた言葉  なんで? 拓也は女                 女が拓也? 私の知っている拓也じゃない        本当に? 拓也は女                 拓也は拓也 私達は赤の他人              「一緒にいて」 私達はただの幼馴染            「好き」 拓也は女                 拓也であることは変わらない 嫌いなの?                ……好き 拓也が「好き」って言った          拓也が「好き」って言ってくれた 私が拓也から聞きたかった言葉       私が拓也に聞いて欲しかった言葉 私が拓也に言って欲しかった言葉      私が拓也に言いたかった言葉 やっと聞くことができた言葉        やっと言うことができる言葉 「私も…私も拓也が好き」 「たくや!何をちんたらヤってんだよ!」 男の一人が拓也のわき腹を蹴り上げる! 「グッ!」 くぐもった声を上げて拓也があたしの体の上から横に転げ落ちる! 「クハッ…ゴホッ…ケホッ…」 「!拓也!」 私はとっさに身を起こそうとするが、男が私の上にのしかかり、拓也のそばに行く事ができない。 「拓也!ちょっとどいて、拓也!」 何とか自由な手を一生懸命拓也に向けて伸ばす。 「ゴホッ…あ…明日香……」 あと少し…あと少しで拓也に…… そのとき、私の秘部に男の指が何の遠慮もなく突き込まれた! 「い!痛いッ!」 「おっ、片桐、おまえ処女か。ラッキー、まさかバージンだったなんてな。とっくに男の拓也とヤっちまってたかと 思ってたけどな」 「いやぁ!やめてぇ!拓也ぁ!いやぁぁ!」 「いいじゃねーか。絶対気持ちよくさせてやるっからさ。こんなに濡れてるんだから大丈夫だって」 男の指が私の中に入ってくる。今まで何も受け入れたことのない場所が無理やり開かれていく。 「やめて!明日香にはひどい事しないって約束したでしょ!お願いだから止めて!」 「うるせぇ!」 何とか男の行為を止めさせようとしがみついた拓也は、男の腕の一振りで後ろへと吹き飛ばされた。 「おい、たくやをしばらく静かにさせとけ」 「ちっ、わかったよ。さっさと替われよ。後がつかえてんだからな」 「拓也!拓也ぁ!」 何とか男のからだを押しのけ、拓也を見ようとする。 拓也は全裸の男三人に囲まれ四つん這いにされて、今まさに後ろから貫かれようとしているところだった。 「あ…ああぁ〜〜!」 さっきまでとは違う、拓也の口から叫び声があがる。 「く〜〜、尻の穴はまだギチギチだな。おら、もっと力を抜きな。尻の穴が切れちまうぞ」 「やめて!拓也にひどい事しないで!」 「だったら、おまえがひどい目に会うんだな」 私の上にのしかかっていた男はそう言うと、白いパンツの股の部分を横にのけ私の秘部を露わにすると、自分の股間 のものを押し付けてきた。 「ひっ!いやぁ!助けて!助けて拓也!!」 これからされること、そして自分の処女が望まざる相手に奪われることに恐怖し、無理なことが分かっているのに、 自分の一番大事な人に助けを求める。 「たくやちゃんならあっちでお楽しみの真っ最中だぜ。俺らは俺らで楽しもうぜ」 私の腰が掴まれ引き寄せられると、ズブズブと男のものがあたしの中へと入ってくる。 「ひっ!いやぁ!いやぁぁ〜〜!!」 さっきまでの指とは比べものにならない太いものが私の秘部を進んでくる。 そして、私の処女はほんの少しの抵抗の後、簡単に破られ、ズンという衝撃がからだに走る。 「ああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!!」 からだを仰け反らせ、からだを引き裂くような痛みを和らげるように、大きな悲鳴が私の口からこぼれる。 「やっぱり処女のマ○コは最高だぜ。おら、もっと声上げな!」 男のものが私の秘部に何度も突き刺さり、そのたびに傷ついた内壁から激痛が走る。 「う、ぐぐ、ひぎ、ぐぅ〜〜」 目を瞑り、必死に歯を食いしばって男の行為に耐える。 拓也…助けて…拓也…… 閉じた目じりに涙が溜まり、男の動きに合わせ、床のほうに零れ落ちていく。 「おお、出る、出る、くぅぅ〜〜」 「あ…あぁ…あ……」 私の中で男のものが膨れ上がり、熱い液体が奥へと注ぎ込まれる。誰も触れたことも、見たこともない、 私の一番奥へと…… 「へへへ、つい中に出しちまった。悪いね明日香ちゃん、妊娠しちまっても勝手に堕ろしてくれよ」 「馬鹿言ってんじゃねぇ。わざと出しただろうが。あ〜〜、こんなベチョベチョにしちまいやがって。 ほら、とっとと替われ」 柔らかくなったものが引き抜かれ、ズチュと音を立てて、溢れる白い液体を押し戻しながら大きなものが 突き込まれる。 「ひ…ぎ…いやぁ……」 「明日香!止めて、お願いだから止めてぇ〜〜!」 あ…拓也が泣いてる…… 「明日香!明日香ぁ〜〜!」 昔から泣き虫で、いつも私と一緒にいて…… 「あぁ、締まる、もう出ちまいそうだ。おらぁ!」 一緒にいるから…もうどこにも行かないから…泣き止んで…… 「あたしはどうなってもいい!だから、だから明日香にひどい事しないでぇ〜〜!」 私と一緒に…いつも……拓也……… 「明日香ぁ〜〜〜〜〜!!」 伸ばされた手は、互いに触れ合うことはなかった……… 「……明日香」 すでに日は落ち 用具室の中は暗闇に包まれている 扉は開け放たれ 冷たい空気が流れ込んでくる 氷のように止まった空間の中で 一人の少女の弱々しい声が響き渡る 黒の中の白のように その場のすべてを壊してしまいそうな 静かな声 空気に混ざることなく 響き渡る その声は静寂以上に静かなもの 「……明日香」 その空間でただ一つ動くもの 全裸の少女は床に倒れているもう一人の少女を眺めている 目は開かれど 何も映さず 口は開かれど 何も語らず 四肢はあれど 何も動かず からだには欲望の残滓 秘所からは赤と白 その場のすべてのものと等しく その場にあるだけ ただ違うのは 命があることだけ それだけで少女と同じく 静寂を壊しかねない 「……ごめんね…明日香」 少女のからだが重なり合う 暗闇の中 永遠とも思える時間 止まったように 重なり合う 「……ごめん…ごめん…」 少女は立ち上がり 一時静寂を壊し その場を離れる すでに日は落ち 用具室の中は 暗闇に 包まれている


<完>