第六話(最終話)
両の穴を犯し、絶頂に追い込んでも異形の神は飽く事無くレイチェルを犯し続けた。半ば気を失いかけた彼女に触手を絡めて引き起こし、石柱に抱き付かせるような立位。そのまま片足を吊り上げた姿勢。柱に両脚を絡みつかせて持ち上げた姿勢。脚はそのままに上体を倒し、逆さにぶら下る姿勢……数え切れぬほど放たれた精にまみれ、最早喘ぐ声すら出なくなった頃、ようやく彼女は解き放たれた。
地底湖に突き出した岬の先端、石床の上に横たわるレイチェル。彼女を犯していた異形の群れは再び水底へと沈み、その水面は何事もなかったように緩やかに波打っている。
壮絶な、あまりに壮絶な陵辱劇の興奮が冷めやらぬ中、漁村の男達の中でも年かさの男が大柄な男を伴い岬へと歩みだす。大柄な男が年かさの男に促されてレイチェルを抱え挙げて引き返すと岬の付け根の平坦な岩床へと彼女を横たえた。
改めて横たえられた姿の彼女を見ると、つい先程まで行われていた異形の陵辱の、その跡が生々しく見て取れた。衣服を全て剥ぎ取られた一糸まとわぬ裸体。異形の体液と、そして彼女自身の汗にぬめ光る肌。触手が絡みつき、強く締め上げた跡。執拗な愛撫を受け充血した粘膜。そして、女陰のみならず、口腔、果ては尻に至るまで犯された部位から溢れ出す精。それらはあまりに痛々しく、そしてあまりに扇情的であり過ぎた。
年かさの男の指示に従い、手当てが行われる。抱き起こして水筒から水を飲ませ、身体を水で流し、ぬめりを拭き取る。放心したレイチェルはされるがままにそれを受け入れる。やがてそれらがひと段落したとき、年かさの男が宣言する。
「さぁて、次は我々の番だな」
その言葉にどよめく漁村の男達と戸惑う学生。
「つまり、な。神とまぐわった女と交わることでご利益を得る、という訳だ」
更なる陵辱の予感に逃れようとするレイチェルだが、荒淫の余韻と、身体に染み込んだ神酒のせいで身体が言うことを利かず、易々と男達に捕らえれてしまう。年かさの男の言葉を聞くや、殺到した漁村の男達に後ろから抱き起こされるようにしながら胸が揉まれ、覆い被さった別の男が唇を貪る。
「いやっ……やだっ離してっ」
「だーめ、ってかやっぱ外人さんは胸デカいなぁ」
懇願を嘲笑うかのように乳房が弄ばれる。下からすくい上げる様に揺すると、量感のある胸肉がぷるぷると震える。漁業のせいだろうか、節くれ立ち、浅黒く焼けた指が白い肌に食い込むと、掌にしっとりとまとわり付き、心地よく指を押し返す。
「ん……んくぅ……んむっ」
粘液に濡れ光り艶めく唇を強引に奪う。のみならず、舌を捻じ込み、口腔内を隈なく嘗め回すとわずかな間に仕込まれた舌技が侵入者を絡め取る。意思とは無関係に舌を受け入れたことに戸惑いながらもレイチェルは見知らぬ男とキスを交わす。
続々と寄り集まってきた海の男達が更に手を伸ばし、顔を寄せる。
「名前、なんてったっけ?」
耳朶を唇でなぞりながらの問い掛けをかぶりを降って拒絶するレイチェル。
「レイチェルちゃん、だよね」
逆サイドからの囁き。無言を肯定と受け取った逆側の男は後れ毛を掻き分けつつ満足げに首筋へと目標を移す。
脇からも手が伸ばされ、尻が、内腿が、脚が撫で回される。
「んんっ……あっ……やぁっ」
「や?嫌じゃないだろう、レイチェル?」
粘り着く様な問い。
男達に押さえ込まれ成すがままの彼女の脚が両脇から抱えられて押し広げられると彼女の慎ましい秘裂が再び晒され、周りを取り囲む者達にも肉襞の奥まで見せ付けてしまう。
散々嬲られた余韻に加え、再び男達の愛撫を受けて綻び掛けた花弁。それが何処からか伸びた無骨な指に更に割り開かれると、じわり、と淫蜜が滲み出る。本人の意思とは関わりなく男を誘う淫花。それを見せ付けられて
「さぁ、お客人。せっかく来てくださったんだ、お先にどうぞ」
こう誘われては最早止まらない。学生の一人が先程から痛みすら伴うほど張り詰めてジーンズを押し上げる勃起をもどかしげに解き放ち
「レ、レイチェル……」
男達を押しのけるようにして脚の間に身体を割り込ませると、彼女の淫裂に一気に突き入れた。
「や、やだっ待って……あぁっ……あぁっ……あっ」
突然の挿入にもかかわらず、彼女の蕩け切った肉襞はすんなりと学生を受け入れ、そして
「はっ、はぁっ、すごっ……あぁっ」
怒張を包み込み、締め上げる。
「だめぇっ、抜いてっ、はぁっ……んんっ」
彼女の制止も虚しく、膣壁のうねりに巻き込まれ、あっさりと果ててしまう。そんな彼を押しのける様に
「次は俺だな」
漁村の男が名乗りを上げる。男は今しがた射精を受けた膣にかまう事無く自らの逸物を突き入れ、そのまま軽々と抱き起こして対面座位の姿勢をとると
「こっちが開いてるぞ、どうだ」
と、ぴしゃりとレイチェルの尻肉を叩き、相棒を募る。
男の腕から逃れようともがくレイチェルの抵抗を難なく片腕で抑え込みながら空いた手で胸を揉み、逆の乳首に吸い付くと、彼女はより激しくその身を躍らせた。
「俺こっちはやったことないんすよ」
ゼミ生のうち一人が誰ともなく一人ごちながら相棒に名乗り出、くねる尻たぶの合間に物をあてがい狙いを定めると
「んじゃ、レイチェルー、後入れるよー」
ぐっと力を込めて突き出した。
「んんっ……んぉあああぁっ」
浅黒い男の腕の中で身をのけぞらせ、同期の逸物を易々と受け入れてしまうレイチェルの菊門。触手に丹念にほぐされたそこは初めて突き入れられる人間の物をすんなりと受け入れ、しかし締まりを失わずに闖入者を絞り上げる。
「へぇ……これがレイチェルのアヌスかぁ、ははっ……こりゃいいわ」
前とは違う締め付けにも慣れて抽送のリズムが整うと、開いた手で愛撫を加える余裕が生まれる。前の男に胸を取られていたため、脇から脇腹、腰骨から内腿までを丹念に往復し、彼女の描くボディラインの美しさを改めて確認する。
「はっ……はっ……おぅ兄ちゃん、そろそろ出すわ」
「ひっ……い、嫌ぁっ……」
「お、俺も……」
前後から同時に射精が近いことを告げられても、二本の肉杭に串刺しにされた身体に逃れる術はなく
「我慢できねぇ」
「番が来る前に一発出しとくか」
周りを取り囲む観衆も取り出した逸物を扱き始める。
「あはっ……はぁんっ……あっあっあぁっ……あぁんっ!」
より激しさを増す抽送を受けて身悶えるレイチェルの両穴で爆ぜる様な射精を受け、同時に幾本ものペニスからの射精もその肌に注がれながらレイチェルは幾度目かの、そして人間相手に初めての絶頂を迎えた。
「ああぁ……もう、だめぇ……」
前後から貫く肉の杭から開放されたレイチェルを入れ替わった別の男達が引き起こし、余韻に浸るまもなく犯し始める。順番を待ちきれない男達が群がり、前後のみならず上体を起こされ、強引な姿勢でのイラマチオ。更には開いた手を引かれて無理やりペニスを握らせ擦り付ける者。滑らかな肌の何処でもいいとばかりに先端を擦り付け、先走りる精を塗り付ける者。
それに加え。数え切れない――少なくとも彼女には正確に数を認識できないほどの手、指、唇、舌、そしてペニスが彼女の身体の至る所を蹂躙していく。
「んぷぅっ……んくっ……あぁっ……はぁんっ……」
遠く響く潮騒と揺れる篝火、そして噎せ返る淫臭の中、宴は続く。
<完>