第一話
「へ〜、ここかぁ」
学校帰りの私が今居るのは、通称『オカルト・ストリ−ト』。そういったオカルト関係のお店がたくさん
並んでいる通りです。
そして今私の目の前にあるのは、『占いの館 G』というお店。見た目は他の占い店と似たような感じです。
このお店では一週間の運勢を占ってもらえ、注意することなどを教えてくれるとの事です。よく当たると
評判で、いろんな学校で噂になっています。私も友達から聞いて来たのですが、今日も何人か女の子が来て
いるようです。
「ちょっと待たなきゃいけないみたいだけど、まぁ仕方ないか」
店内に入り待合の椅子に座っていると、何か甘い香りがしていました。アロマテラピーのようなもので
しょうか、上品な感じの香りで、薄暗い店内の雰囲気と合っていて神秘的な雰囲気を醸し出しています。
奥には扉があり、先に占ってもらった女の子が出てきます。皆、顔を赤らめていますが、いい結果でも
でたのでしょうか。
そうしている内に前には誰もいなくなり、私の番がやってきました。そして私の前に並んでいた娘が
出てきました。とうとう私の番です。
私は今までの女の子と同じように、扉を開き中へと入っていきました。
「どうぞお掛けください」
中には黒いローブを羽織った男の人がいました。年齢は25,6でしょうか。結構かっこいい人で、
優しげな微笑を浮かべていました。男の人の前にはそれらしい椅子が置いてあり、私は勧められるまま
にその椅子に座りました。
しかし、部屋には他には何もありません。水晶やカードはおろか、テーブルすらありまぜん。いったい
どうやって占うのでしょうか。
私が疑問に思っていると、占い師が静かな声で話し始めました。
「あなたも自分の運勢を知りたいのですね」
「はい、そうです」
「分かりました。では占う前に一つ言っておきます。私の占いはかなり特殊なものであるため戸惑うかも
しれませんが、必ず結果には満足していただけますから」
「あ、はい。分かりました」
占い師の言葉に私は頷きました。ですが特殊な占いとは、どのようなものなんでしょうか。私は軽い期待
を抱きながら、占いが始まるのを待ちました。
※
俺の名前は日高 圭吾。ここ『占いの館 G』で占い師をしている。
世の中に占い師など山ほどいるが、ほとんどはインチキや人生相談みたいなもんだ。この『オカルト・スト
リート』の占い店も、大半はそういった類の店で占められている。
だが俺は違う。ガキの頃から占い師のじーさんに鍛えられたおかげで、大抵のことは占え、また的中率も
かなり高い。
俺はその占いの技術で商売をし、ついでにちょっとばかりの応用を加える事で、楽しい生活を送っている。
いわゆる、趣味と実益を兼ね備えた仕事というわけだ。
「では始めに、あなたの名前と誕生日を教えてもらえますか」
占い師としての言葉遣いで、目の前の少女に問いかける。彼女は近くにある高校の制服を着ており、黒い髪を
ショートにしている。まぁかわいいといって良いレベルだろう。
「はい。私の名前は青井 優、誕生日は8月22日です」
恐らく正直に答えているであろう少女。もっともこんな質問は、俺の占いにはほとんど関係ない。知らなくて
もいいが、一応占う対象の情報は持っていた方が良いし、それに名前を知っていた方が楽しめる。
後は占いを始めるだけだが、俺の占い方を知った時の少女の反応を考えると、思わず笑みがこぼれそうになる。
それを何とか自制しながら、俺は少女に占いの方法を教える事にした。
「それでは優さん。今から占いを始めますので、ここで自慰をしてください」
「え?じい?」
「はい。俗に言うオナニーです」
「え!?オ、オナニーって……どうしてですか?」
一瞬、俺の言葉が理解できず、呆けたような表情を見せた彼女。しかし理解した瞬間、その顔は羞恥に染まり、
俯き気味で俺に質問する。
まぁ当然だろう。いきなり男の前でオナニーをしろと言われて戸惑わない娘など、今まで見た事がない。特に
俺の店の客の大半は中高生で、オナニーという言葉を人前で発するだけでも、激しい羞恥に襲われる年頃だ。
かわいらしく顔を赤らめる少女に、俺は始めての客に対していつもする説明をした。
「私はジプシー占いを専門にしているのですが、それでは偶然できた形で運勢を見るのが、最も良いとされて
います。ですが、その事を知っていて無意識的な形を作るのは難しいので、私は自慰によりできる下着の染み
で占っているんです。この方法なら、完全に忘我した状態で形はできますから。ちなみに染みができる過程
でも占いますので、私の見ていない所で自慰をしてもいけません」
これは全くの嘘ではない。しかし俺は他の占いも知っているし、この方法もコーヒーの染みなどでも占える。
この方法で占うのは俺が楽しむためと、実際に的中率が上がるためだ。
もちろんこの方法を聞いた女の子は皆戸惑い、年相応に恥ずかしがる。中にはオナニーという言葉すら知ら
なかった女の子もいる。
しかし、今までに最後まで拒んだ娘はいない。
今この店内に充満している甘い香り。これは知り合いのオカルト・ショップから購入しているもので、軽い
催眠効果と催淫効果を持っている。
これを嗅いだ女の子は無意識の内に性的興奮を催し、また俺の言う事を信用するようになる。
さて。この優という少女、これからどのような痴態を演じてくれるのやら……
第二話へ