■第四話


「あの・・・遅刻の罰でトイレ掃除させられて・・・」
「理由なんか聞いてないぜ。残念だったな」
そう言って私の携帯を取り出した。
「お願いします! そんなことされたら学校行けなくなっちゃう!」
「許して欲しけりゃ服を脱ぎな。全部だ」
「・・・・・・・・・・」
また命令されるだろうとは思ったが・・・全部?

「傷物にはしないって・・・言いましたよね?」
「大人しく従うなら、な」
従うしかない。そうしないと写真が・・・でも。
男は手に私の携帯を持っている。自分の携帯は・・・ズボンの右ポケットだ。
朝もそこから取り出したし、スリの経験から膨らみ具合で何が入っているかわかる。
あれを奪って逃げられたら・・・

私の視線に気付いたのか男が言う。
「画像は家のパソコンに移した。ちなみに俺がなにもしないと時限メールで勝手にばら撒くようにしてある」
望みを絶たれて愕然となった私に男が続けた。
「ほら、早く脱げ。こっちはいつでもOKだ」
そう言って鞄からビデオカメラを取り出した。
「ううう・・・」
「鞄と財布はこっちに貸しておけ。なくさないように俺の鞄に入れておいてやる」
なくさないように、ではなく咄嗟に逃げられないようになのは明らかだったけど、大人しく従った。
こんな汚い所で裸に・・・と思ったらトイレの中は意外と綺麗だった。使う人がいないのかな?
「ここは昼間のうちに俺が掃除しておいたから安心しろ。汚いと楽しみにくいからな。
意外とマメだ・・・なんて思いながらゆっくり服を脱ぐ。

コートを脱いでから、制服のボタンを外し、ブレザーを脱ぎ、続いてブラウスも・・・
同年代の中では少し大きめの胸が遠慮の無い視線に晒される。

ブラジャーとスカートだけの姿になって、恥ずかしさから手が止まる。
「写真」
男はそれだけ言ってじっと待つ。
とりあえず靴とソックスを脱いだ。床も綺麗だけど公衆トイレで裸足になるのはやはり嫌な気分だった。
あと脱ぐ物は二枚しかない。諦めてブラジャーのホックを外して腕を抜く。
乳首が見えないように腕で隠しながら脱いだ。あとはスカートを脱がなくてはいけない。
そしてスカートの下には何も穿いていない。どうやって脱いでも全身を隠すのは無理だ。
男は今度は何も言わず、ニヤニヤしながらカメラを構えて見ていた。
どうぜ逃げられないなら早く終わらせようと思い、おずおずと胸から手を離す。
薄い色の乳首が丸見えになった。
「綺麗だな」
そう言われて顔が熱くなる。こんな状況で褒められたって恥ずかしいだけだった。
そしてスカートのボタンとジッパーを外し・・・手を離した。
床についてしまうことよりも、決心が鈍らない内に早く終らせる方が大事だったから。
ストンとスカートが床に落ち、私は一糸纏わぬ生まれたままの姿になった。

「あとで返してやるよ」
と言って男は私が脱いだ服を全部自分の鞄に入れ、私に向き直る。
体中を男の視線が這い回り、カメラに収められる。

両手で胸と股間を隠し、絵画のビーナスみたいな格好で立つ。
「恥じらいがあるのは結構だが、手を後で組んで貰おうか」
容赦の無い注文。おずおずと手を後に回す。
男は隠す物のなくなった体を遠慮なくジロジロと見ていた。


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