第29話・・・新たな生贄@


時は少し戻る・・・
智子が姉妹に見つかる頃、智子の自宅では母の幸枝が鼻歌まじりに夕飯を作っていた。
久々の娘との夕食、しかも友人の久美子までいる。いつも家族団欒が出来ていなかった
幸枝にとっては幸せなひとときが訪れるはずだった・・・

ガチャ・・・
「お帰り〜もうちょっとで終わるから待っててね〜♪」
夕飯を作りながら帰宅してきた智子達に言った。
「お・・おばさま・・・ごめんなさい・・・・」
「ん?どうしたのいきなり・・・・ヒィっ・・・久美子ちゃん・・・」
後ろを振り返り幸枝が目にしたものは驚きの光景だった。
久美子の後ろに黒いマスクを被った男がいたからだ。
しかもナイフを持ちそれは久美子の首筋にあった。
「ごめんなさい・・・おばさま・・・・智子が学校に用事があるって言って
 途中で別れて一人で家に入るときにいきなり・・・」
久美子は泣きそうな表情で幸枝に事情を説明した。
「勝手にしゃべるなよ・・・」
男が低い声で久美子を恫喝した。
久美子は恐怖で引きつりながら謝る。
目の前の光景が夢であって欲しいと思った幸枝だったが今は久美子を助けること
が先決だと思い勇気を振り絞って男に声をかけた。
「あ・・あなたの目的は何?お金?お金ならあげるからその子を離しなさい!
 ・・・警察には通報しないから。 ねっ・・・」
男を刺激しないように幸枝は言った。
「金ねェ〜金もいいけど俺の目的はこの若い女子高生なんだよ。おばさん♪
 でもこの子だったかなぁ?確かショートカットの子がいつも一人でいる感じ
 だったような気がするんだが・・・」
それを聞いた時にすぐに智子の事だと思った。智子は狙われていて運よくこの
男に遭わなくて済んだがそのかわりの久美子が身代わりになってしまった。
智子が帰ってこないことを祈りながら
久美子には悪いが智子の事は隠さないといけないと幸枝は思った。
「そんな子は家にはいません。お金はあげるからその子を離しなさい」
「ふ〜ん・・・でもさっき、おばさまって言ってたよな〜
やっぱりショートカットの子がどっかにいるんじゃない?」
男はするどく矛盾をついてきた。
「こ・・この子と私は血が繋がってないからそう呼ばせてるの。でも私にとって
とても大事な子だからお願い何も言わずに帰って・・・・」
「そうなんだ〜へェ〜・・・でもまぁショートでもロングでもおばさんの子供でも
 そうでなくてもどっていでもいいんだよね〜女子高生なら♪」
「金はいいよ別に困ってないから。じゃあ、おばさんうるさいから縛ってあっちで楽しもうか♪」
そう言いながら男は久美子の胸を揉みながら首筋に吸い付いた。
「いやぁぁぁぁぁ 助けてェー」
久美子が悲鳴を上げる。
「お願い!その子には何もしないでわたしはどうなってもいいから・・・
なんでもするから・・・お願い・・・・」
幸枝は必死な思いで懇願した。
「どうなってもいいねェ・・・・ふ〜ん」
男は手を止めてまじまじと幸枝を見た。
「じゃあ、おばさん俺を欲情させてよ♪おばさん美人だし年の割にはスタイルもいいし
 この子よりおばさんの方がいいって思わせてよ。そしたら止めてあげる♪」
「えっ?・・・そ・・それは・・・・」
突然の事で幸枝は言葉に詰まった。
「さっきなんでもするって言ったよね?この子が大事なんでしょう?」
なんとか久美子が助かる道が出来たのはいいが仕事一筋だった幸枝は
SEXは旦那以外の経験はなく自慰もあまりすることがなかった為いざ目の前の男を
欲情させろと言われても何をしていいかわからなかった。
「わかったわ・・・でもごめんなさい・・・何をしたらいいか・・・」
「はぁ?おばさん中学生じゃないんだからさぁ〜
 まぁいっか・・・とりあず服脱いでよ全部♪」
男はさらりと言った。
「えっ・・・全部・・・」
「そっ聞こえなかった?全部今ここで脱いでよ。出来ないなら別にいいけど
 久美子ちゃんだっけ?この子に相手してもらうだけだから♪」
久美子は幸枝に助けの視線を送る。
痛いほど久美子の気持ちが突き刺さる。それにもし智子が帰ってきたら・・・
幸枝は覚悟を決めた。
「わ・・わかったわ。今から脱ぐから・・・・」
「ふふふ・・・ちょっと興奮してきた♪ そこじゃ良く見えないからこっちでしてよ」
男はそう言ってソファがあるリビングを指定した。
「・・・・」
幸枝はキッチンからリビングに移動した。
そして男はその間に久美子をキッチンの椅子に座らせて持ってきた手錠で後ろ手に拘束して自分は久美子の真後ろのキッチンテーブルに座った。
「さあ、始めてよ。それと無言も面白くないから自己紹介しながらお願いね♪」
男はそう言いながら幸枝にわからないように用意してきたビデオカメラの録画ボタンを押した。
幸枝は智子が帰ってこないように祈りながらエプロンに手をかけた・・・


つづく