第1話・・・始まり


ある春の穏やかな日、広末智子は新入生の入学式を終え学校からの帰宅途中だった。
智子は県立高校の3年生。テニス部のキャプテンをしており性格は明るく男勝りで
身長も高くお姉さま的存在で下級生の女子から人気が高かった。
学校から家までは近く、徒歩で10分くらいの距離でよく忘れ物をした時には
休み時間に家まで取りに行くほどだ。
今日は部活もなく本当に穏やかな一日だったが智子は妙にそわそわしながら家路を
足早に帰っていた。
「ただいま・・・」シーンとした家に声が響く・・・
智子の両親は共働きでいつも夜遅く帰ってくるから顔を合わすのは朝か休みの日が
多かった。
学校ではいつも明るく活発な智子だが、家ではいつもさみしい毎日を
送っていた。
だから余計に学校では明るく振舞ってしまうのだった。
しかしそんな生活も割り切ってしまい今は逆に1人暮らしと思い楽しんでいる。
2階の自分の部屋にはいると制服のブレザーから1冊の本を取り出した。
その本が智子をそわそわさせ足早に帰っていた理由だった。
その本は・・・「SM告白投稿」と書いてあった。
どうして手に入れたかというと・・・・それは1時間前・・・

智子は理科室の掃除当番で同じ部活の石川久美子と一緒に掃除するはずだったが久美子が遅れるというので先に1人で掃除をしていた。
その時準備室側の前の机を掃除していたら下の棚に一冊の本があった。
「誰かの忘れ物かな・・・」
智子はそれを手に取ってみた。
「あっ・・・・」
表紙を見た瞬間、智子は固まってしまった。
表紙にはSM告白投稿と書いてありその下に読者からの投稿写真や投稿告白文満載と書いてあった。
SMと言う行為が何なのかは何となく知ってはいたが実際に見たことはなく、
表紙にはマゾ・縛り・露出など、智子には聞き覚えのない言葉が書いてあった。
智子は元に戻すか先生に渡すか迷っていたが好奇心を抑えきれず、辺りを気にしながら
恐る恐る、その本をめくってみた。
「えっ・・・うそ・・・」
1ページ目は写真で縄で縛られた20歳くらいの女性が股を開いている写真だった。
しかもそこは屋外で女性には黒い線で顔がわからなくなっていたがあきらかに
嫌そうには見えなかった。
(うそ・・・これ外だよね・・・この人感じてるの?・・・)
2ページ目は学校らしく下に母校で野外露出と書いてあった。
そしてそこには犬の首輪をして正門に片足をあげオシッコをしている写真だった・・・
(いやらしい・・・変態だわ、この人こんなことで感じるなんて・・・)
そう智子は思ったが写真からは目が外せなかった。
そして夢中で見ていると・・・
「ごめーん、遅くなったね〜さ・と・こ」
背後で久美子の声がして慌てて持っていた本を制服の内ポケットに入れ
「おっ・・遅いぞ〜久美子!」
平静を装いながら掃除をしてたように振舞った。
「んっ?何か顔が赤いよ。大丈夫?」
(顔が赤い?まずい!)
「く・・久美子の分まで掃除したからがんばりすぎたからさ〜アハハ・・・」
智子は背中に違う汗をかきながら言い訳をした。
「そうなの?ごめん!この借りはいつか返します」
と久美子は笑いながら謝った。
(ふう〜なんとか誤魔化せた・・・)
「じゃあ、早く掃除して帰ろうか」
「うん」
そして二人は手早く掃除を再会した・・・・

・・・そういう訳で思わず手に入ってしまったのである。
智子はブレザーを脱ぎベットに腰を掛けながら本をまた読み始めた・・・
先ほどみたいな縛られたり野外での露出の写真がありその後にそれについて
の告白文が書いてあった。全部で8人くらいの告白文と写真が掲載されており
後のページはSM関係の用語や道具の説明書きがあった。
「はぁ・・・もう我慢出来ない・・・」
智子は初めて見る刺激的な内容に反応してしまっていた。
智子のオナニーの経験は中学校3年生の受験シーズンだった。
ふと勉強に行き詰ったのがきっかけである。
それからは単純にクリトリスを下着の上から触るだけのオナニーで
ストレスが溜まった時にしているくらいだった。
セックスの経験は男勝りな性格が災いしていて顔は可愛いのだが男子からは
敬遠されて逆に女子からは人気がでる始末で未だに交際の経験もなく
処女を捨てきれずにいた。
いつもなら服を着たままするのだが本に刺激を受けていた智子は
(服を脱いででオナニーしたらどうなるの・・・・)

この1冊の本が自分の運命を変えるとは知らずに未知の快感に足を踏み出そうとしていた・・・


第2話へ