第2話「アデルとエストの戦士たち」(エロ無し)
※作中の一部に『暴力的な表現や残酷な表現、その他スカトロ描写』が含まれています。
「ミリアム、あなたにこんな役目を負わせてしまって・・・」
エストの女王であるディレアが娘である第一王女ミリアムに申し訳なさそうに語りかける。
「大丈夫です母上、ミリアムは必ずやお役目を果たしてまいります。」
母親に心配をかけぬためか気丈に振る舞うミリアム。
「姉さま・・・絶対帰ってきてね。」
姉のことを心配するあまり今にも泣き出しそうな第二王女プリム。
そんなプリムの頭をそっと撫でながらミリアムが喋りかける。
「うん、約束する。
お姉ちゃんは絶対プリムのところに帰ってくる!」
ミリアムが妹にそう言ったときだった。
「ミリアム様、準備が整いました。」
戦士長でありミリアムの武術の師でもあるギルダが
出発の準備が整ったことを報告しにやってきた。
「・・・うん、わかった。
では母上、行って参ります。」
「ミリアム・・・
必ず帰ってくるのですよ。」
「はい!!」
そう言って部屋を後にするミリアム。
部屋に残されたディレアやプリムは揃って不安そうな表情だ。
「大丈夫ですよ、陛下、プリム様。
リナやユーリも同行しております、それにミリアム様は
剣の腕もさることながら国を愛する強いお心をお持ちです。
それがある限りきっとお役目を果たされて戻られますとも。」
そう言って不安そうな2人を励ますギルダ。
「そうですね、信じましょう・・・ミリアム達を。」
---数時間後帝国軍拠点応接室---
「アデル将軍、ミリアム王女がお付きになられました。」
「・・・こちらへお通ししてください。」
「護衛の兵士が2名ほどおりますが・・・」
「その方々も一緒で構いません。」
「はっ!!」
その後ほどなくして応接室に連れられてくるミリアム達。
「ご苦労、ではあなた達は下がりなさい。」
「は?ですが将軍・・・」
「下がりなさい。」
「はっ!!」
帝国の兵は部屋から退室し部屋の中には4人だけになる。
「お初にお目にかかります。
ガーゼル帝国将軍のアデルと申します。
ミリアム様始め護衛の方々には遠方まで・・・」
「そんな形だけの挨拶は必要ありません!」
アデルの言葉を遮るミリアム。
「お気に触りましたか?それはとんだ失礼を。」
「それよりこれはどういうことですか!!」
ミリアムが懐から取り出したのはガーゼルからエストに送られた1通の書状だ。
その内容はエストには到底受け入れられるものではなく
言わば帝国の奴隷となれというようなものである。
「あら、こちらもお気に召しませんか?」
「貴様!ふざけるのも・・・!!」
今にもアデルに襲い掛かりそうなリナを制止するユーリ。
「アデル将軍、これ以上エストを愚弄なされるのならこちらにも考えがあります。」
ピリピリとした空気の中でミリアムがアデルに言った。
「考え?どうなさるおつもりでしょう?」
「・・・ここであなたを殺します。」
表現を和らげることもなくハッキリと言い放つミリアム。
相手は1人、自分達は3人。
しかもリナとユーリは昔からの友人でその実力も十分理解している。
だからこそミリアムは強気に強硬な台詞を口にすることが出来るのだ。
「私を・・・殺す?
・・・流石は辺境の地の蛮族ですね。
これでは折角の交渉も台無しです。」
「何が交渉です!恥を知りなさい!!」
普段はおとなしいユーリが声を荒げた。
「隷属というのはまだ命があるということですよ?
それとも老若男女問わず皆殺しにされ・・・」
「黙れ!!」
アデルが喋り終わる前にその言葉を遮るミリアム。
その言葉と同時にリナとユーリは剣を抜き左右両方からアデルに襲い掛かる。
敵は腰に剣は所持しているものの防具も何も着けていない状態。
それに対しこちらは腕利きの剣士2人による両方向からの攻撃。
状況は圧倒的にリナ達が有利だと思われた。
しかし・・・
つづく