「通学バス(その2)」
はぁ……やっと出られた。
異常な熱気の車内から外に出ると、夏だと言うのに空気が涼しくさえ感じられる。
それにしても……
さっきまで私が乗っていたバスの中には、私の目の前で痴漢されていた子も含めて、たくさんの女子学生が
乗っていたはず。
なのに、バスから降りたのは男子学生ばかりで、女子学生の姿は一人も見当たらなかった。
あ……あの子は……
できるだけ長く女の子を陵辱しようとしていた男子学生に比べ、最初の方に降りたあたしは少し離れてバスから
降りてくる人たちを眺めていた。そして、その中に隣に座っていた男の子を見つけた。
どうしよう……声…かけてみようかな……
バスを降りて学園の敷地内へと続く校門の前で、あの子はジッと立って、私のようにバスの方を見つめていた。
その顔には、何かしら、やり切れない所があるように見えた。
「はい、それではバスの中に残っている生徒は窓から顔を見せなさい」
バスの方から聞こえてきた女性の声に、私は男の子から視線を切って、再びバスの方に目を向けた。
あれって……たしか高等部の保険医じゃなかったかな?
昔何度かお世話になったことのある女性校医は紙を挟んだボードを片手にバスの方に呼びかけていた。
「あ……あん……やだ、ちょっと突くのは待って」
「はぁ、はぁ、はぁ、私、あとちょっとだったのに……」
すると、学園に着くなり全開にされたバスの狭い車窓から、女子高生たちがほとんど裸に近い上半身で身を
乗り出していた。
「みなさん、たくさんの男性にいっぱい痴漢してもらいましたか?」
「「「はぁ〜〜い」」」
車窓からおっぱいを飛び出させて、女の子たちの明るくて、どこか情欲を含んだ声が生徒たちの登校してくる朝の
校門に響き渡る。
学園に来るのはバス通学の生徒だけではない。徒歩や自転車で来る生徒たちに自分の肌が見られているというのに、
いや、見られているからこそ、頬を赤らめ、恥ずかしげに身を揺すっている。
そうか、今日は痴漢の実習登校の日だったんだ。だからあんなに男の人たちがバスに乗り込んで、満員状態だったんだ。
去年まで自転車通学だったし、そんなに単位も危なくなかった私は、葉塚学園で最も単位がもらえるこの授業を
受けた事が無かったので、コロッと忘れていた。
「では前のほうから順番にクラスと名前を言ってください」
「はい、3−Eの……あん♪やだ、ちょっと、まって……あん♪」
バスの一番前の窓から見を出していたロングヘアーの女の子が、不意に喘ぎ始め、下を向いていた大きな胸が
ぷるんぷるんと揺れ始めた。
「はぁ!すご…あたしの中…抉られてるぅ♪あはぁ、もっと、もっとぉん♪」
どうやら座席の上に座って身を乗り出していたあの子を後ろから誰かが犯し始めたみたいだ。
「あん、ちょっと、まだ、点呼、終わってないのに……ひゃあ!」
「もっと、もっと突っ込んで!すっごいの、誰よ、このおチ○チン、子宮にまで当たっちゃってるぅ♪」
「やだぁ……もう……ゆるして……いやぁ…いやぁ……」
「あぁ…そんな……見られてるのに……感じちゃう……はぁ…あぁん……」
「あ……そこはお尻よ。そんなおっきいの押しつけないでよ。んんっ!だ…だめぇ!そんな、押しつけるだけじゃ
入らな…ひ…ひぎぃ!」
「いや…だめ…だめ…わたし、ダメッ!イく!イっちゃう!!はああぁぁぁ〜〜〜〜!!」
座席に一列に若い女の子の濡れ濡れの股間とピチピチのお尻が並んでたら、我慢できなかったのかぁ……
一番端の子が喘ぎ始めると、一斉に女の子たちが喘ぎ始めた。
大小様々の胸が窓の外でいろんなリズムで揺れまくり、窓と身体の隙間から伸ばされた男の手が女の子たちの胸を
弄び、だらしなく喘ぐ唇に指を突っ込んで舐めさせる。
あんなにいっぱい女の子たちが感じてる……気持ちいいんだ……見えない人たちに後ろから犯されて気持ちいいんだ……
想像の中で、私も窓から牛のように胸をたらしながら、見えない相手に突きつけられたおチ○チンを求めて、
一生懸命胸もお尻も揺らしながら腰を振る。そして胸を搾るように揉まれて、見えないのをいい事にお尻の
穴も弄られて……
「はぁ……」
抱きしめたリュックサックを胸に押し当てて、ジンジンする乳首を周りにバレない様にちょっとだけ擦る。
校門前であからさまにオナニーしてる男の子のように大胆にはなれない。今はこれだけが身体を静める方法。
私も……あんな風になっちゃうの?……痴漢されたら……知らない男の人に触られたら……私どうなっちゃうの?
「3−Eの…はぁ…わ、渡辺……うん♪」
「倉木です……2−C……く…お…お尻が……」
「1年…F組の……永田ですぅ……あぁ、せんせ、スゴいの、おチ○チンがズコズコ突きこまれてるの、私、何度も
イっちゃうのぉ」
「自分がイくのも調整できるようになりなさい。そうすれば楽になるわよ。それじゃあ、次は……あぁ、相原さんね」
先生が順に生徒の名前を聞いて、名簿に書きこんでいく。そしてバスの中間辺りに差し掛かったところで――平然と
してたけど――驚くような格好の子がいた。
目の前にいた子だ……スゴい格好……
彼女はいつのまにか上半身を引っ込めて、代わりに下半身を突き出していた。宙をさまよう両足も不規則に揺れている。
そして窓の上部のガラスに胸を変形するほど強く押しつけて、堪らなくイヤらしい顔をしているのが見える。
「今日はスゴい格好ね。でもこれで一ヶ月連続で痴漢にあってるわけね」
「はぁ、はぁ、はい、あたし、痴漢さんに、毎日、犯されてます、あぁ、また…またイっちゃうぅ〜〜!!」
足の付け根が上下していると言う事は、後ろから誰かに抱きかかえられてお尻を犯されてるんだ……
「相原さんは飛び級できる程単位が溜まってるんだから、参加しなくてもいいのよ?」
「だって…だって気持ちいいんだもん!おチ○チンが、いっぱい、いっぱいあたしの事を犯すんだもん♪はぁ、あぁ、
あぁぁん♪」
離れてその光景を見ていた私に聞こえるほど大きな声で彼女が悲鳴のように叫ぶと、宙に高く足を突っ張らせて、
股間から透明な飛沫を上げ始めた……
そんな彼女を校門前の男の子が、さっき自分のおチ○チンを舐めてくれたからだろうか、ジッと見つめているのに
私は気がついた。
「………ねえ、きみ」
なんとなく、近寄って後ろから彼の方に手を置くと――
「あっ!!」
ビクン!!
その瞬間、身を縮まらせるように彼の身体が大きく痙攣した。
「あっ……だっ……ああっ!」
訳もわからず、男の子の身体が立ったまま跳ねるのを呆然と見つめていると、十数回震えてようやく収まった
男の子に、涙目でにらまれてしまった。
そのまま立ち去った男の子の後姿を見つめる。肩を落として一回り小さく見える彼の背中に、何をしたのか
分からなかったけど、とりあえず謝った。
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