第十四話「伝説の騎士、最後の戦い」


 エロード姫が放った魔法が、ラビアースをかすめる。姫が魔法を放つ度に、地面に大きな穴 が空いていた。さすがこの世界の柱、魔法の力が全然違う。でも、私たちが防戦一方になって いたのはそれだけの理由じゃなかった。 「エロード姫! もうやめて」  何度目かの私の叫び。でも、今度も姫の心には届かない。魔法の攻撃は全然弱まらなかった。 「無駄だ。姫は心を完全に閉ざしてしまっている。それよりも、姫を早く倒すのだ」 「た、倒すって、何を言い出すのよ」 「周りをよく見てみろ」  クリスの言葉で私たちは辺りを見渡す。さっきまであんなに晴れていたのに、今は夜のよう に暗くなってしまっている。 「この世界を創っているのは、姫の心だ。故に、その心が闇に染まれば世界も闇へと変わって しまう。最悪、世界そのものが消え去ってしまうかも知れん」 「エロードさんから、柱の力を奪い取ることはできないのですか?」 「柱の力の証となっているのは、姫が身に付けているティアラだ。だが、それは柱自身に外そ うという意思がなければ取り外すことはできん、不貞の輩に奪われん為の防衛処置ゆえにな。 そして、今の姫はそれを望まんだろう」 「そんな・・・」  それはエロード姫の本当の心じゃないのに。 「ですが、柱が消えてしまったらこの世界も消滅してしまうのではないのですか?」 「新しい柱を立てればいい。柱には世界を自由に創る力がある。その者に新たな世界を支えて もらうのだ。それが、今できる最良の方法だ」 「そんなのって、ひどいじゃない。それに、それじゃなんの解決にも!」 「私とて、こんなことは言いたくないのだ、だが・・・」 「本当に、本当に他に方法はないのですか?」 「世界が消えて、一番悲しむのは姫自身だ。だから、頼む・・・」 「そんなこと、できない!」 「!」 「望!」 「望さん!」  マラードに続けてエロード姫もなんて、そんなの悲しすぎる。 「そんなに簡単にあきらめちゃだめだ。きっと他に方法があるはずだよ」 「お前の気持ちはわかる。だが・・・」 「・・・そうね」 「水?」 「望さんのおっしゃる通りですわね。あきらめたら、そこで終わりですもの」 「空、お前まで」 「大丈夫、なんとかしてみせるわよ。だって、わたしたちは伝説の騎士なんだから」 「お前達・・・」  ありがとう、水ちゃん、空ちゃん。 『望って、本当に優しいのね』 「えっ、ラビアース?」 『あなた方に、本当に彼女を救おうとするご意思がおありでしたら、方法がないわけではあり ません』 「本当ですか? セイレーンさん」 『柱の心は今、冷たき羞恥心に満ちている。恋人が倒れた事により、心の奥に蓄積してきた、 暗く、冷たき羞恥心が解き放たれてしまったのだろう』 「メロウ、それじゃどうすればいいのよ?」 『エロード姫は、本当は純粋な方です。ですから、その冷たい心をあなた達の暖かい羞恥心で 包み込んであげられれば、彼女は本来の心を取り戻せるかも知れません』 『だが、それを成し遂げる為には三人の想いを一つにする必要がある』  私たちの想いを、一つに。 『三つの心を一つにすれば、奇跡だって起こせるわ。大丈夫、望たちにだったらきっとできる わよ』  うん、平気だよ、ラビアース。私たちの心は、もう一つになっているから。 「水ちゃん、空ちゃん」 「ええ」 「やりましょう、望さん」  想いを一つにする私たち。そして、三体の乙女が光に包まれた。 「え、え? これっていったい・・・」 「どうやら、三体の乙女が一つになったようですわ」  空ちゃんの言う通り、乙女たちが一つになった(合体っていうのかな?)みたいだった。私 たち三人も一つの場所に来ている。 「それはいいのよ。だからって、どうしてこんななのよ?」  私たち三人は・・・、脚をお互いの体に絡ませたような格好になっていた。三人の股間が合わさ った、ちょっと無理な体勢。 「もしかしましたら、心だけではなく体も一つにという意味なのではないでしょうか?」 「もう、そんなの聞いてないじゃない! だいたいこんな格好じゃ操縦だって・・・、って望、前!」 「えっ?」  エロード姫の魔法が目の前まで迫ってきてた。いけない、気付くのが遅れてた。この距離だ ともうかわせない。私は目を閉じて衝撃に備える。でも、直撃の衝撃は、伝わってこなかった。 「か、かわせた?」 「すごい機動性能ですわね」  本当だ。絶対間に合わないと思っていたのに簡単にかわせた。それと、 「勝手に回避したみたいだったけど」  そう、乙女自身が自分でかわしてくれてたんだ。それに、空ちゃんの言葉の通り合体した乙 女のスピードはすごく速かった。連続して放たれる魔法を、難なくかわしていく。それは別に よかったんだけれど・・・。 「あっ、やだ」  水ちゃんが声を上げる。私たちのあそこ同士は、完全に密着している。私自身の部分で、水 ちゃんと空ちゃんのそこの形がわかるくらいに。そして、乙女が素早く身をかわすたびに、そ の股同士が擦れ合ってしまうんだ。 「ちょっと、これ離れられないの?」 「無理みたいですわ。どうやら、固定されてしまっているようですので」 「もう、なんなのよ! こんなんじゃ、わたし・・・、きゃ!」  乙女が再び大きく揺れる。そして、私たちもあそこを大きく擦り合わせてしまった。水ちゃ んの柔らかい肉が、クニクニ歪むのがわかる。もちろん、私のもそう。あそこをくっつけ合う って、こんなに恥ずかしいことなんだ。 「少し、変な気分になってしまいますわね」  空ちゃんが頬を染めながら呟く。少しなんてもんじゃないよ。私なんか、さっきの余韻が残 ってるからすごくHな気分になってきてしまっている。こんなの二人に知られるわけにはいか ない。でも、乙女は激しく揺れ続け、私も敏感な場所を擦られ続けていた。必死に感じないよ うにしてるけど、抑えられ続けるものでもなかった。 「あん!」  乙女が大きく動いた時、私は遂に水ちゃんと空ちゃんの前でに声を上げてしまう。ダメ、バ レちゃった。それに、気が付くとあそこもぬるぬるしてきている。こんなに密着してるから濡 れてるのだって、すぐにわかってしまうだろう。恥ずかしい。二人にHな女の子だって思われ たに違いない。 「あん!」 「ああ・・・」 「え?」  水ちゃんと空ちゃんも声を上げる。もしかして、二人も? 「すいません。こんな時に不謹慎なのですが」 「望と空のに触れてると思うと、なんかね」  そうなんだ。私だけじゃなく、二人も感じていたんだ。そう、股の間で糸を引く液体は私だ けのものではなかった。水ちゃんと空ちゃんも濡らしていたんだ。 「私も、こんな格好だとちょっと変な気分になっちゃって」  私たちは顔を見合わせて苦笑する。そうだよ。私たち三人の絆はそんなにもろいものじゃな いよね。  秘密を分かち合った私たちは、もう遠慮しなかった。感じるままに自ら腰を揺らし、股を擦 り合う。びらびらを重ねあい、女の子の突起をこすりつけあった。女の子の液が股の間で糸を 引き、クチュクチュといういやらしい音が響く。水ちゃんのあそこが、空ちゃんのものが、熱 を帯びているのが感じ取れる。二人とも、肌を紅潮させて荒い息を吐いていた。  私たち三人は、同じ一点を目指して昇っていく。二人の鼓動が、肌の温もりが、あそこを通 して伝わってくる。そうか。想いを一つにってこういうことだったんだ。 「二人とも、一緒に・・・」 「ええ」 「は、い・・・」  三人の液が、混ざり合って一つになる。そして、私たち自身の心も一つの場所に向かった。 「水ちゃん、空ちゃん」 「望」 「望さん」  私たち自身から、3色の光が溢れ出す。受け取ってエロード姫、私たちの想いを! 「羞恥の螺旋!」  光の奔流が乙女から放たれる。私たちの心を、温もりを乗せて。その光が、エロード姫の 体を直撃した。光を浴びたエロード姫の体から、黒い闇が抜けて消えていく。その体がゆっく りと縮み始める。そして、再び元のサイズへと戻った。


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