プロローグ
うぐっ・・うぐっ・・
1人の少女が泣きながら公園の片隅に小さなお墓を作っていた。
「ごめんね。私が目を離したばっかりにこんな事に...」
泣いてた少女の名は今、羞恥工学の最高権威である鯉町教授の
娘の鯉町 純美であった。
爬虫類大好き少女である純美が飼っていたペットのとかげが自分
のせいで亡くなってしまったのであった。
と言うより数日間出かける為、ペットの世話を父に頼んだのだが
全く世話をしなかったのが原因であった。
「・・・・・うぐっ・・一番可愛かったのに...こんな姿に...」
純美が掘った穴に愛とかげを入れようとした時、目の前に強烈な
光が発しられたのであった。
「!!なっ?何なの?この光は!!」
光の中から人間大の大とかげが現われたのであった。
「?と・とかげ?えっ?もしかしてとかげの神さま?」
<しゃー。我は神ではないが我々のとかげ医学を使えばまだその
とかげは助かるしゃー>
「と・とかげ医学?」
<そうしゃー我には名とかげ医が何人もいるのしゃー>
「じゃあ..この子、まだ助かるの?」
<もちろんしゃー。だが事態は緊急なのしゃー>
「それならお願いします。この子が助かるなら私なんでもします。」
<そうか。なら、我々の捕虜になるしゃー。誘拐する手間が省けるしゃー>
「捕虜?えっ?どういう事なの?」
<我の名はモロダウス。地球を征服する為の1歩として、まずはお前を誘拐
する計画なのしゃー!>
「征服・・・・」
<もちろん、我の後ろには多くの部下がいる。たとえ断わっても・・・・しゃー?>
モロダウスの後ろから次々と大泣きする大とかげ達の姿があった。
「いい子だしゃー。ここまで我らを思ってくれるなんて・・・」
「是非とも治してあげるのしゃー。」
「そうだしゃー。すぐに医とかげの手配だしゃー。」
部下たちは勝手に医とかげの手配をし始めた。
<こらしゃー!!勝手に治したら我の駆け引きが!!>
「・・・いいわよ。この子を生きかえしてくれれば捕虜になるわ。」
<本当しゃー?もし嘘をつけばしっぽを切るのしゃー!!>
「しっぽはないわよ...でも約束は守るわ。」
<そうか。ならついでにこの者も一緒に捕虜にしたいのだが相談にのるしゃー>
モロダウスは1枚の写真を純美に見せた。
「!!お母さん!お母さんも誘拐するつもりだったの?」
<そうしゃー捕虜が1人だと心細いのしゃー>
「・・・何か拍子ぬけする敵ね..いいわ。お母さんも連れてくればいいんでしょ?」
<しゃーー!!なんて物分りいい子だしゃー。嬉しいしゃー>
しっぽをぱたぱたして喜ぶモロダウス。
(本当にこのとかげちゃん、敵なのかしら?)
<そうだしゃー感謝の印に偉大なるとかげに送られるしっぽ飾りを与えるしゃー>
「・・・・だから...しっぽはないって言うでしょ!!」
こうしてペットを生き返らせたお礼に純美は母親を連れ出し一緒にモロダウスの
捕虜となってしまった。
そして、ここから捕虜を奪還するモロダックの長い闘いが始まったのであった。
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