第2話「裸になれないせいで..」


 ただ一人だけ下着姿の唯花を見て敬子は思わず噴出しそうになった。 (ぷぷっ、慌ててるあわててる〜。まさか、みんなが脱ぐとは思わなかっ たようね。さあ、言いだしっぺの学級委員さんはどうするのかしらぁ〜) 「ほらっ、相川さんも早く脱ごうよ」「まさか脱がないなんてないよね」 「それはあり得ないでしょ。だって相川さんが提案したのよ」と女子たち が唯花を軽く追い詰める。 「な・なんで..みんな脱いでるのよ..そ、そんな..」  冗談を真に受けて脱いだ女子たちを見た唯花は、首を大きく左右に振っ て動揺していた。  そんな唯花の姿を見て裸になった女子たちがクスクス笑っている。  敬子は何とか笑いを堪えて冷ややかな視線で唯花を見つめた。この視線 こそが唯花を自発的に脱がせることが出来るからだ。 (さあ、早くすっぽんぽんになりなさいよ)  他の女子たちも敬子にあわせるように冷ややかな視線を唯花に送る。 (ぁぁ..みんな、そんな目で見ないで..見ないで..)  ついに唯花の手が背中に回り、ブラを外すと思いきや、ホックの近くで 手が震えてるだけで外すことは出来なかった。 (やっぱ無理よぉ〜。教室でブラなんて外せないっ!嫌、いやぁぁぁっ)  そんな唯花に女子たちが沈黙を続け、冷ややかな視線を送り続ける。 (ああっ、みんなの言いたいことが聞こえてくる..でも、無理なのぉぉ)  唯花が首を左右へプルプルと振って女子たちへ許しを請うが、誰もそれ を認めない。  大体、誰が最初に開放的になろうと言ったのかしら?裸になった女子た ちの無言の訴えが唯花を襲い続ける。  今さっき、下着姿になるだけで激しい葛藤をしていた唯花には酷なこと だが、もう脱ぐしか選択肢はない。  学級委員として協調性を大事にするなら裸にならなければいけないから だ。 (あの真面目な学級委員が窓全開なのに下着を脱いじゃうのかしら〜) (そもそも今、授業中なのに裸になるの?なっちゃうの?) (さあ、ぱぱっと脱いじゃいなよ。ぷぷぷぷ〜)  自分たちも裸なのだが、唯花が裸になると思うと恥ずかしさなんてどう でもよくなっていた。 「あれ〜?相川さん、まだ下着姿なの?ほら、さっさと脱ごうよ」 「私たちはもう全員すっぽんぽんなんですけどぉ〜。今脱いでないのは誰 か分かるよね〜」 「わ、わ、私だけが..脱いでません..」 「ですよね〜。それじゃ、こういう時はどうしたらいいの?」 「は、は、裸に..なることです..」「正解っ!」 「あ、あの、やっぱり、どうしても脱がないとダメなの?」 「えええええ〜。それマジで言ってるの?」「信じられないぃ〜」  女子たち全員が圧力をかけてきても、唯花はそう簡単に脱がなかった。 「あ・あの..みんな、窓も開いてるんだから..こんなの絶対危険だか ら..やっぱ服着ようよ..」  唯花が悪あがきをする。さっきのは本気で言ったのじゃないと目で語っ ているが、そんなの聞くつもりはない。  再度、女子たちが一斉に沈黙し、無言の要求をしてくる。いつもの唯花 だったら、ここで正論を述べて皆に服を着させてくるだろう。  けど、今の唯花はそれが出来ない。窓が開いてる教室で皆を裸に導いた 張本人であり、自分だけ脱がないなんてアンフェアだからだ。  ほら、最初に言い出したんだから裸になって責任を果たしなさいよ!と 女子たちが皆、無言で唯花を訴えてきた。 (そ、それでも..私脱げない..裸になるなんて..絶対無理ぃぃ〜)  いつまでも膠着状態が続いている中、敬子が言葉を出してきた。 「ねえ〜みんな、ちょっと落ち着こうよ。別に脱がなくてもいいじゃない の!私たちは暑いから脱いでるんだから。ねっ」 「け、敬子..」(ありがと..ありがと、敬子っ) 「ほら、見てよ。唯花は全然汗かいてないんだから、脱ぐ意味はないわ」 「そ、そうよね..」「私たちは暑いから脱いだだけだし..」  何故か、この計画を立てた敬子自身が助け舟を出して、唯花の裸の危機 を救ってきた。  どうやら、このままの流れじゃ自発的な脱衣じゃなくなることに危惧し たらしい。 (ここで強引に脱がせても面白くないわ。今はここで止めてあげるわよ。 それにしても私のこと感謝の視線で見つめるなんてバカみたい〜。さて、 次のステップに行くとしますか♪)  ほっとする唯花の耳に敬子が「学級委員が裸になったら駄目よ」と囁い てきた。 (そ、そうよね。私ったら何脱ごうとしたんだろう。逆に皆を正さないと いけないのに)  気持ちを落ち着かせた唯花が、学級委員としてこの乱れた空気を正そう と話しかけてきた。 「年頃の女性が暑いからって裸になるのは絶対に駄目なんだから!そりゃ 開放的になろうと言ったのは私だけど、こういうのはしてはいけないわ!」  ちょっと今更それ言うつもり?それじゃ脱いだ私たちはどうなるの?  こんな不公平なこと許されていいのかしら?と女子たちが言いたかった けど誰も口にしなかった。 「ほら、敬子もいつまで裸になってるのよ。服を着てよ!」 「ええ〜、そう言うけどぉ〜、やっぱ私たちは暑いから裸のままでいでも いいでしょ?」「うんうん」 「本当は相川さんも裸になりたいんじゃない?」「馬鹿言わないで!」 「ええ〜。ほんとかなぁ〜」「うそうそぉ〜」「脱がないったら!」  今度は女子たちが唯花を囲むようにして脱衣を促せる。  もちろん強引に脱がしはしない。ブラやショーツを引っ張って程度で止 めていた。 「ちょ・ちょっと、あんまり引っ張らないでぇぇ..」 「いいじゃないの♪」「ほれほれ」「や、やめてぇ」「こちょこちょぉ」  普段だと毅然とした態度で手を払う唯花が、無抵抗のまま受け入れてる。  必死に脱がすのをやめてと回りの女子に目線を送るだけだった。 「あぁっ!そんなに引っ張ったらっ!!」「ごめんごめん」 「って嘘だぴょ」「ちょっと」「そーれ」  唯花のブラがぐいっと思い切り前に引っ張られた。  と同時に唯花の弾力ある柔らかそうなDカップの胸がぶるるんと飛び出 す。このまま脱がされると半ば諦めた唯花だが、ブラはすぐに元に戻され た。 「ごめんごめん、引っ張りすぎたね」「ごめんごめん」 「き、気にしないで..」 「でも相川さんのおっぱい綺麗だね」「そ、そんなことは..」 「ねえ、もう1回だけ見せて」「そーれ」 「ちょ、ちょっと!」  再びブラを引っ張られ、少し長めに胸を出されたが、唯花はそれを止め ることは出来なかった。 (恥ずかしいぃ..でも、これぐらいは我慢しなくちゃ..)  やはり、心のどこかで女子たちを裸にしてしまった罪悪感があるのだろ う。これぐらいは大目に見なくちゃ、悪気があって脱がしてるわけじゃな いんだし、せっかく和やかになった空気を壊すことが出来なかった。 (いつもだと少しふざけただけで激怒する学級委員がなすがままね) (あんなに脱がされても全然、怒ってこないわよ。ぷぷぷ) (こんな相川さんが見れるなら私たちも脱いだ甲斐があるよねぇ〜)  脱がしっこなんて普段の唯花では絶対受け入れられないのに、今では下 着を引っ張られても何の文句も言ってこない。  傍から見たら仲のいい女子たちがじゃれ合ってる風にしか見れない。  唯花だけが恥部が見えるほど下着を引っ張られても当の本人は言葉で軽 く抵抗するだけだった。 「し、下着がのびちゃうから..や、やめて..」 「うわぁ〜。相川さんって綺麗な乳首ね〜。それも真っピンクじゃん」 「そ、そんなに見ないで」 「下のお毛々もいい感じじゃん」 「いやぁ〜、覗かないでぇぇ」  もはや、今の唯花は際どいことをされても抵抗せず、女子たちがいつで も楽に脱がせられる状況だった。 「唯花のおっぱい、ちょっとだけ思い切り公開〜」ぽろんっ。「あああ〜」 「じゃあ、お尻の方も見せちゃおぉ〜」ぷりんっ。「だめぇぇ〜」  女子たちが唯花の恥部を何度かあらわにする。ただ、すぐに下着は元の 位置に戻されて、ずっと裸にされることは無い。 (私だけ..集中的に脱がされてるけど..仕方ないわ..だって、だっ て下着つけてるの私だけだし..周りのみんなは最初から..裸だし..)  脱がしっこなんて止めたいが、今の唯花がそれを口にできるわけがない。  それにおっぱいやおま●こを出されても、そのあとで下着を元の位置に 戻してくる。(やっぱり..これはただのおふざけよね?だって、そのま ま脱がすことも出来るんだし..)  そう、ブラのホックも何度も外されても、女子たちが元に戻してくる。 今は彼女らが飽きるまで付き合うしかないと唯花は諦めていた。 (でもでも..下着を元に戻してるからって..やりすぎよぉぉ〜) 「ぁぁ..窓が全開なのに..全開なのに..」  激しい羞恥心が襲われる中で脱がしっこは続く。罪悪感が強い唯花には 恥ずかしくても抵抗することも怒ることも出来ない。  何度も何度もブラは引っ張られ、ショーツも捲られる。  ただ裸にされないだけで、恥部は何度も女子たちの前に晒されていた。 「それにしても相川さん、乳首固くなってない?」 「マジ〜?」コリコリッ。 「い、いじらないでぇぇ」  ついに女子たちに真っピンクな乳首を弄られるまでになったが、そこま でされても唯花は怒らない。  教室の後ろの方では、唯花に見えない位置で敬子が他の女子たちと一緒 に大笑いしていた。 「あはは..あの唯花があんなに脱がされるなんてサイコォォ〜」 「ぷぷぷ、でも相川さんも満更じゃないんじゃないの?ヨガってるしぃ〜」 「ねえ?敬子。もしかしてさっきの強制脱衣を止めたのって、これが目的?」 「そうよ。脱がしっこを受け入れる雰囲気を作ったのよ。あの超真面目な 唯花にいきなり脱がしっこなんてしたら大激怒しちゃうでしょ?」 「なるほど、確かに普段の相川さんなら脱がしっこなんて拒否るよね」 「それより、あのまま脱がして裸にしてもいいんじゃない?」 「ふふ、駄目よ。それじゃ結局、強制的に脱がしたのと同じじゃない〜」 「いやいや、もう何度も恥部丸出しにされてるじゃん。それ意味あるの〜」 「あるわよ。唯花には自分の意思で下着を脱いでもらいたいのよ。けれど、 皆が裸の時に脱いでも面白くないわっ!皆が制服を着てる中で唯花だけが 1人で制服と下着を脱いでもらわなくちゃ」 「そ、そんなこと出来るの?」 「まあ、あなた達は私に従ってくれれば、そのシーンを拝ませてあげる♪ それまでは卑猥な脱がしっこを堪能して頂戴〜」  敬子の言葉通り、唯花の脱がしっこは止まることはなかった。調子に乗 った女子たちは執拗に恥部弄りを続け、唯花を喘ぐ寸前まで追い込んでき たのだ。 「はぁはぁ..もう乳首弄らないでぇ..」 「きゃはは..そんなに弄ってないわ〜」「けど、相川さんのって結構、 大きいよね〜」「ほーれ、こりこりぃ」  ブラを捲られ、唯花の真っピンクの乳首には女子たちの指が2本、3本 と伸びて、硬くなった左右の円状の乳頭が爪で擦られる。  Dカップのおっぱいの方も堂々と揉まれており、脱がしっこの範疇を当 に超えていた。 「相川さん、もしかして感じてる?」 「か、感じてなんか..ひぃません..ぁぁ」 「ふふ、相川さんって..可愛いっ♪」  どんどん過激なことをしてくる女子たちだが、決して憎しみや恨みで責 めているのではない。どちらかというと可愛くて好きな感じの悪戯である。 (ああっ..度を越しているけど..彼女たちに悪意は見えない..これ じゃ怒ることもできないじゃない..そ、それに..)    唯花は今、自分が恍惚な表情を浮かべ、身体が悦びに震えてることが何 となく分かっていた。 (ぁぁ..普段、こんなことされてないから..私、感じてる..こんな に恥ずかしいのに..気持ちいいなんて..けど、快感に負けちゃ駄目っ) 「ねえ、お願いだから..これ以上は..や、やめてぇぇ」 「えええええ〜、そんな悲しいこと言わないでよぉぉ〜」 「って言うか私ずっと下弄ってるけど、こっちは注意しないの?」 「ああっ、そっちも駄目ぇぇ..指なんか入れちゃいやぁぁ..」 「相川さんったら..今さら遅いわよ♪」  どうやら、悪戯されてるのは上だけじゃなく、下の方もショーツの中に 女子たちの手やら指やらが入って弄られている。 (わ、私は..学級委員なのよ..いつまでも..こんなことを許しちゃ だめぇぇ..こんな恥ずかしいこと..嫌なのにぃぃ..ぁぁっ)  何とか過激な手淫を止めようと努力するが、現実はいやらしい水音が響 くとこまで指を挿れられていた。 「相川さん、私の指がどうなってるか見たい?」くちゅくちゅ.. 「見たくありませんっ!み、見せないで」 「相川さんって汗かかないのに、あそこは汗っかきよね〜。結構、濡れて るわよ〜」くちゅくちゅ.. 「そ、それは違う..ぬ、濡れてなんかいないわっ!!」 (だめだめぇぇ、こんな破廉恥なこと..私は認めない..認めないんだ からぁぁぁ―――――っ!)  唯花は必死になって否定するも、その声には力がない。何よりも女子た ちの手で手淫をされてるのが信じられなかった。  だが、そんな唯花の抵抗を嘲笑うかのように、女子たちの手の動きはさ らに激しさを増した。 「意外と相川さんって感じやすいんじゃない?」「でも、これでオナニー してなかったら地獄じゃね?」「ねえ、そろそろ止めないとやばくない」  唯花の全身がビクビクと震えだし、今にでもイきそうな寸前でようやく ストップが掛かった。 「ちょっと、あなたたち!悪ふざけはそれぐらいにしなさい!唯花も困っ てるじゃないっ!」 「け、敬子..」  敬子が脱がしっこしていた女子たちを唯花から引き剥がすと、唯花はふ らつきながら壁にもたれた。 「唯花、大丈夫?ほら、下着もずれてるわよ。私が直してあげるわ」 (おっぱいもおま●こもずっと丸出しのままじゃない♪本人が気づく前に 直さなくちゃね) 「はぁはぁ..た、助かったわ..ありがと、敬子」 「深呼吸でもして落ち着いた方がいいわ」 「そ、そうね..」(ぁぁ..まだ気持ちいぃ..みんながオナニーする のが分かった気がする..)  敬子に言われた通りに深呼吸を繰り返し、唯花は必死に身体から快感を 追い出そうとした。 (き、気持ちよかったけど、こんなところで感じちゃ駄目、駄目なのっ! 私は学級委員だから..しっかりしなくちゃ!でも、この快感を消すの も何かもったいないのかも..って駄目だめぇぇぇっ!) 「はぁはぁ..助かったわ..敬子」 「お礼はいいわ。ところで唯花、そろそろ授業が終わっちゃうんだけど.. このままでいいの?」  唯花が落ち着いたところで敬子は唯花の耳元で忠告してきた。 「!!そ、そうだわ..今は授業中だったわ..」 「早くしないと男子が戻ってくるんじゃない?」 「そ、そうよね..ど。どうしよ」顔を真っ赤にしながら、未だに裸の女 子だらけの状況に唯花は困っている。 「さっきの悪ふざけといい、もしかして..まだみんな、唯花が脱がない のを納得できないのかもね..」 「そんな..」(今更、脱ぐなんて..出来ないわよっ) 「それじゃ、これ唯花にあげるわ。こっそり、これを付ければいいわ」 「えっ?こ、これって..」  敬子が唯花に手渡したのはニプレスと前張りであり、これを使って事態 を収拾しろという事だった。が、敬子はあえて何をしろとは言わず、唯花 に一任する形であった。 「敬子、これで何をしろと?」 「それは言わなくても唯花なら分かるでしょ。ほら、もう時間がないわ」 「ああ、そんなぁ..」  時計を見るともう時間がないが分かった。このままじゃ男子たちが教室 に戻ってきて、この破廉恥な状況を晒すことになるだろう。 (仕方ないわ..まずは皆に服を着てもらわないと!) 「み、みんな。ちょっと聞いて。お願いだから服を着てくれないかしら。 ほ、ほら、男子も戻ってくるんだし..ねっ?」 「・・・・・」「・・・・・」「・・・・・」 「あ、あの..だから..だ、男子が..ぅぅ」(また冷たい視線が..)  最後まで下着姿でいる唯花を責め立てるような無言の視線が刺さってき た。 「・・・け・敬子..ど、どうしよぉぉ..」  唯一の味方と信じている敬子に助けを求めると、敬子は耳元でこう囁い てきた。  ぼそぼそ。<もう答えは出てるんでしょ?強いていうなら、なるべく過 激に言わないと駄目かしら〜> 「ぅぅ..そうよね..」 (・・・男子たちにこんな姿を見せるわけにはいかないし、皆が服を着てもら うようにしなくちゃいけないわ..)  学級委員として、裸に導いた張本人としての責任を果たすために、唯花 は1つの決意をした。それは敬子が求めていた自分の意思で行動する姿で あった。 「あ、あの..みんな、もう時間がないから早く服と下着を着てください。 皆が着始めてくれれば..今度は私が..は、裸になりますから!」  ついに、唯花1人だけが素っ裸になるという流れが確定してしまった。


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