第3話「おっぱい写メは続く」


「はああ〜。短すぎる、嬉しいが短すぎるよな..」  俺は校門で登校してくる女子たちのスカートの丈を見て、溜息を吐いて いた。何故校門に居るって?まあ、それなりに俺の心理学が評価されてる ようで、学校側から月に1回ほど、登校してくる生徒を観察してくれと頼 まれるからだ。  要はドロップアウトしそうな生徒が居たらチェックして報告してくれと いうことだ。いやまあ結局そいつのカウンセリングも俺がすることになる んだけどな.. 「おい佐藤っ!朝食はちゃんと摂れよっ!痩せすぎだ!お前にダイエット は必要ないだろう」「えっ?ど・どうして分かっちゃうのよ!先生っ」 「分かるから、ここに立たされるんだよ。鈴木は乳好きだから、食べた方 がバストアップに繋がるぞ」「そ、そうなんだ..ありがと先生っ!」  佐藤が笑顔を見せて走っていく。ますます俺の無害先生度があがってき てると実感した。  やはり俺の心理学の腕は衰えていない。こうして校門で生徒観察をして も嫌な顔を見せる奴は全然居ない。  あとやばいことを起こしそうな奴も見抜くのは得意だ!  自慢じゃあないが、俺が赴任してからこの見蔵町山高校で大事件が起こ ったことはない。  まあ本来、心理学はこういうことで役立てなければいけないのだろう。  俺のくだらない野望なんかに使ってはいけないのだが、今まで結構まっ とうな使い方をしたんだ。  だからいいよな?そろそろ俺の野望にも役立てても..  固い話はこれぐらいにして、最近の服装検査はとことん甘くなった気が する。パンツギリギリのスカートを穿いてる女子が多いんだから、嬉しい 反面、何かもう羞恥心が薄くって残念って感じだ。  暑くなると、これに輪をかけてノーブラでくる馬鹿も居る。汗かくから 乳首も見えちまうだろう!それで恥ずかしくないのか?情けねえええ〜。  だから、この学校に純真無垢の女子高生を求めるなんて限りなく不可能 に近い。どいつもこいつも破廉恥って言葉を覚えた方がいいっ。  今、ここで大風を起こしてこいつらのスカートを思い切り捲って後悔さ せてやりてーと思う中、丈が長い女子が歩いてくるのを見つけた。  髪も染めてねーし、アクセもつけてねーし、おまけにスタイルも良いし、 そうこれだよ!これなんだと言いたいとこで聞きなれた声が耳に届いた。 「先生〜、おはようございます」「おおっ、おはよう」 「大変ですね。心理学の先生って」「学校が良くなるなら頑張ってやるさ」  俺の理想だと思った女子は、白野 結紗美だった。  こうして他の女子と比較するとひと際目を引くハイレベル女子だよな。  エッチとは無縁そうな可愛い顔と太ってもなくガリガリでもない、健康 的なスタイル。これで見事な美乳の持ち主なんだから最強だ。  さて、こんなに学校の為に頑張ってる俺が少しぐらい褒美を要求しても 構わないよな。  俺は白野 結紗美にものすごい要求をしてみた。 「そうだ。ここに立ってる間に、お前の元気メールくれないか?トイレ以 外で頼むよ」「・・・えっ..それって、あまり時間がないですよね?」  こんな馬鹿げた俺の言葉を聞かなくてもいいのに、白野 結紗美は校舎 のあちこちに視線を送っていた。 「な、なんとか..撮ってみますね」  今は登校時間なのに本当にするつもりか?やっぱ今のは無しと言おうと したら白野 結紗美の方からこう話してきた。 「だ、大丈夫ですっ。どんと任せてくださいっ」 「いや..無理はしなくていいぞ!」 「はいっ!」  こんないやらしい命令に、こいつは何で元気よく返事してくるんだ。  俺たちの会話が聞こえない生徒からは「すまんが準備室から授業のプリ ントを持ってきてくれないか?」的な生徒に用事を頼んでる担任の構図に しか見えない。  校舎の方へ走っていた白野 結紗美が立ち止まり、俺の方に向かって明 るく、いや顔を少し真っ赤にしながら「先生が驚くものを送りますね〜。 私、頑張っちゃいますっ!」  お前をそこまでさせる原動力はいったい何だ?と聞きたくなるぐらい、 白野 結紗美は校舎裏へ駆けていった。  その5分後に校舎裏の片隅で撮ったと思われる白野 結紗美のおっぱい メールが送られてきた。  今の俺の携帯はすでに白野 結紗美のおっぱい写メが溢れていた。もし この携帯が盗まれたら俺は命に代えても絶対に奪い返すはずだ。  建前では、即削除することになっているが、白野 結紗美は俺が削除し ていると思っているのだろうか?  結局、四六時中送ってくるし、削除し忘れる可能性だって出るだろう。 いやまあ、1つも削除してないんだけど..そういった疑問は感じないの だろうか?  そんな建前ルールを何と白野 結紗美の方から変えてきた。すぐに削除 しなくてもいいですよと提案され、翌日にはまとめて消してもいいですよ とどんどんと削除条件を甘くしてくる。  最近では好きなときに消してくださいと、少しぐらい保存していいです よと、俺に消すなと言わんばかりのルールへ変わってきていた。 「先生、顔が写っていないので待ち受け画面にしてもいいですよ〜」 「出来るかっ!」と俺がつっこむぐらいまで甘々ルールになっていた。  もしかしたら羞恥心が薄れてしまったのかと思いきや、ある日の朝礼前、 クラスの男子が持ち込んだヌード写真集が目にはいった瞬間、顔を真っ赤 にして大きな悲鳴をあげていた。 「せ、先生っ!男子が..そのお、お、おっ、ぱぱぱぱっの写真集を持ち 込んでましゅぅ〜」いや、おっぱぱぱぱって..噛み過ぎだろ..  男子があまりのウブさに呆然してるぞ。そういや、こいつはまだコウノ トリさんが赤ちゃんを運んでくるんですっ!ってレベルの性知識だったな。  そう考えると俺すごいことしてるよな。こいつにおっぱぱぱぱをいっぱ い撮らせているんだよな..  ちなみに問題となった写真集は少しの間だけ没収したが、着エロアイド ルの過激写真集みたいで、レベルが低すぎるおっぱいの写真が数点載って るくだらないものだ。こんなんじゃ俺の股間はピクリもしねえぜ。  いやちょっと前なら俺も「うおっ、いい乳じゃん」と言えたんだが、最 高級の乳が定期的に配信されてる今じゃ、この乳じゃ満足できねえ〜。  とりあえず、この写真集は俺のお勧めアイドルメモを挟んで返しておく か..それにしても、これで悲鳴をあげるか?う〜ん..  ちょっと俺にしては大冒険だが、白野 結紗美に新たな試練を与えてみ ようと思った。  俺が放課後常駐するカウンセリングルームにあるものを導入した。  ちなみにこのカウンセリングルームは元はただの空き部屋であって、校 長たちが勝手に用意してくれた。  贅沢なことに隣の準備室まで自由に使ってくれと、俺がこの学校にどれ だけ貢献してるかを表している。  この部屋と準備室の鍵は俺と白野 結紗美だけが持っている。校長でも 持っていない鍵を白野 結紗美に渡すということは俺なりに信頼してる証 でもある。  おかげで白野 結紗美の私物が日々増えている。今まで帰宅部ですぐに 家に帰っていた白野 結紗美が放課後遅くまで俺のカウンセリングルーム に入り浸っているのだ。  普通だと、特定の女子生徒と毎日放課後過ごしていたら怪しい噂が立つ だろう。それが全く立たない..時々、生徒が悩み相談したときに近くの ふかふかソファで寝てるのだから、毎日来てるのはバレバレである。  それでも噂が立たないのは白野 結紗美が長期的なカウンセリングでも 受けていると誰もが勘違いしているからだ。 「毎日、白野くんの相手をしてもらって大変だね〜」と職員室に戻った俺 に高級な玉露を淹れてくれる教頭。  いったい幾らするんだと思うぐらいの良い香りが俺の舌で広がっていく。 「これを飲むとね〜。一日の疲れが飛ぶんだよぉ〜。これも学校の為だと 思って頑張ってくれたまえ」って教頭の中では白野 結紗美はどんなイメ ージで構成されているんだ?  そういや、連日続く気だるい猛暑の日、校舎裏で蟻の行列を延々と観察 していた白野 結紗美を見て教頭がこれ以上ない寒気を感じたった言って たな。「蟻さん、蟻さん、暑くないの?大変だね〜」と蟻に労う姿は、他 の生徒たちも近寄りがたく、カウンセリングが必要だと思われても仕方な いのだろう。  教頭たちは白野 結紗美を危惧しているようが、心理学に長ける俺から 見りゃ何の心配も要らない純真無知な女子なのだ。  本当にやばい奴はすぐに分かる。善悪がズレてる奴も嘘つきも気づいて しまう。そういう面で考えると白野 結紗美が今まで無垢で居られたのも 見蔵町山がどれだけ温厚な土地柄というのが分かる。  俺の親友で同じ教諭である笛地と一緒に飲んだときに熱く語ってたな。 「ここは他のとこと違って恥ずかしい罰をしても誰も暴走しないし、俺の 高校は最高だぞぉぉ〜。お前も俺の高校へこいよぉ〜」ってあいつは学校 でナニをしてるんだ..  そろそろ話を戻すとして、俺がカウンセリングルームに導入したのはプ リンターとシュレッダーだ。今までは職員室にあるので用足りてたので、 置かなかったが、今回は白野 結紗美の試練として用意したのだ!! 「先生?このプリンターは?」プリンターに興味津々な白野 結紗美が俺 に聞いてきた。 「えっと、それを説明する前に1つ確認していいか?」 「・・・それって、いつものアレに関係してるものですか..」 「ああ、ずばり聞くが、これでお前の写メを印刷しても大丈夫か?」 「えっ?い、印刷ですか..紙で出すってことですよね? 「まあそうだな..やっぱダメか?この前、写真集でも悲鳴出してたしな」 「・・・これも、私が露出狂かどうかの判断に大事なものですよね?」 「もちろんっ!大事だ!うん大事だなっ。大事、大事っ」  俺、戸惑ってどうすんだ。こういう時こそ心理学的にいかないと!  写真集で悲鳴を出してた白野 結紗美には敷居が高かったか..そりゃ、 自分のおっぱい写真を目の前のプリンターで出されたくないよな〜。  だが、そういう反応も想定してシュレッダーも用意したのだよっ!! 「そうそう、これを見てくれ!」と俺は自分を写した写真を取り出して、 シュレッダーにかけて裁断するとこを見せた。 「こうやって、すぐにカットするから安心してくれ。この裁断ゴミも校舎 裏の焼却炉で燃やすから復元なんて絶対無理だからっ」  どうだ、俺の安心プランはぁぁ〜!と白野 結紗美を見ると相変わらず プリンターだけをじっと眺めていた。あ、あのシュレッダーもありますよ.. 「これ、携帯から直接印刷できるんですか?」「ああ、もちろん」 「私の携帯からでも?」「印刷アプリを入れればすぐ出来るさ」  どうやら印刷OKらしい。シュレッダーよ、お前の活躍もきっとあるさ! 「何か印刷して良いですか?」「ああ、今設定するよ」  あれっ?もしかして論点ズレてますか?俺はえっとその..おっぱいを 印刷したかったんですが..これは遠まわしに拒否したってことか?  はあ〜、新たな試練いきなり失敗か..まあそうなるな..俺の前でお っぱいを見せるのを未だに嫌がる白野 結紗美が承諾するわけないか..  ここは気持ちを切り替えて、普通にプリンターのやり方を教えよう。 「これで簡単に印刷できるはずだ。デフォルトはカラー設定でいいよな?」 「はい。インクとかは大丈夫なんですか?」 「それなら心配ない。ここは学校だからな。使えきれないほどにインクが 備蓄してあったよ」これは本当だ。あれは発注の際、単位間違えたよな.. 「じゃあ印刷してみますね」白野 結紗美が一生懸命に写真を選んでる。  俺の予想だと、大方が動物の写真だろう。白野 結紗美と一緒に動物園 行った女子が、始終撮りっぱなしだったと言ってたし..  部屋内にプリンターのジージーとした音がし始めて、印刷された用紙が 排出口より少しずつ出てきた。  髪?これは髪だよな?顔が出てきてから、それが白野 結紗美の写真で あることが分かった。  自分の写真を印刷したか..俺は平常心で印刷される様子を見ていた。  だけど、それは生肩が出るまでだ。えっと、これは水着か?肩紐の無い 水着か?とあくまでも何かを着けてると思っていたとこに胸の谷間が現れ、 綺麗なピンク色の乳首までもが印刷されてきた。  っていきなり上半身裸の写真を印刷してきたのかよぉぉぉ〜!  俺は顔が見えないおっぱいだけの写真を印刷するはずだったのに、顔出 しって!そりゃやばいだろぉぉ〜! 「これ、写メで送れなかったので、どうしようか迷ってたんです」 「まあ顔が全部写ってるしな..」 「私、宛先確認の設定ちゃんとしてますから、これからこういうの送って いいですか?」「ああ、そういう設定をしてるなら」  いやいやいや、そういうのって普通は俺から頼むんじゃあないかな?  まあ顔出し写メは俺的には大歓迎だが、いいのかそれで..  それにしても印刷ならOKで生見せがダメって..う〜ん〜〜 「先生、これどこに貼っておきますか?」「!!ちょっと待てっ!」  白野 結紗美が本気で壁に貼ろうとしてたので必死で制止した。 「シュレッダーだ!シュレッダーぁぁぁ〜」「ええええ〜何でぇぇぇ〜」  泣くな!シュレッダー。お前の出番はきっとあるさ! 「もったいないよぉぉ〜」「もったいないじゃない!ほら入れるっ!」  これはまさかの予想外っ!裁断するのを拒否られるとは..  数日前に写真集のヌードで悲鳴を出したお前が何でこんなに自分の裸に は寛容なのだ?白野 結紗美を見るとまた印刷したくてうずうずしてるの が分かる。 「・・・先生、私オレンジジュース飲みたいよぉ〜」「何だ、急に?」 「飲みたいから先生買ってきてくれないかな?」「何で俺が?」 「先生のも奢るから〜。オレンジジュースぅぅ〜」「わかったよ」  あまりにも分かりやすい顔に負けて、俺はオレンジジュースを買いに行 った。  俺がカウンセリングルームを出ると、途端にプリンターの音が聞こえて きた。どうやら、俺にシュレッダーされるのが相当嫌らしい。  これも普通は逆だろ!すぐに裁断してと頼む方じゃないのか?  まあ、ここはプリンタ出力が終わったのを見計らって戻るとするか..  こういう時?の為にあの部屋には防犯カメラが付いていて、俺の携帯か ら中の様子が分かるようになっている。  画面を覗くと、やはり自分のヌード写真を印刷し続けるのだが、何か様 子が変だ。プリンタの角に股間を押し当てて身体をヒクヒクと震わせてい る。あいつは小学生かっ!いや、あの感じだと最初に角に当たったのは偶 然であり、身体に走った感覚が気になって再度当てた感じか.. 「はぁはぁ〜、身体が..お股が熱いよぉぉ〜。何で熱いのぉぉぉ?」  吐息をはきながら悶えているが、白野 結紗美自身、どうしてこうなっ ているかを理解できないようであった。  あいつ..今までオナニーをしたことが無いのかっ!!  白野 結紗美なら、あり得る話だが、あの抜群のボディスタイルで、し かも高校2年生だぞ..性知識乏しすぎだろ!  これは俺のやり方次第でどうにでもなるってことか..ごくりっ。  とりあえず白野 結紗美が満足して床にペタンと崩れ落ちたのを見て、 何も知らなかったフリで戻ることにした。  出力した用紙が鞄の中に入っているのも気づかないフリしないとな。 「遅くなってすまんな。ほらオレンジジュース。プリンタでも拭いてたの か?汗びっしょりだぞ」「はぁはぁ..汚れてたのが気になって..」  目がとろりとなって半開きの口は、どう見ても違うことをしてたのは間 違いないが、それも気づかないフリをしておこう。  もう俺はお前のおっぱい写メだけじゃ満足できなくなってきたのかも知 れないな。


次話へつづく