第34話「奈緒、敗北のストリップ」
「す・す・すまないっ、奈緒っ!全ては川阪の言うとおりだ!」
奈緒の怒りの形相を目の辺りにした社長が慌てて土下座して謝ってきた。
「・・・お・お父様..な・何で、こんな侮辱的なことを私に..」
「いや..違うっ!お・お前があまりにも自信たっぷりに言うから、正解
を言えなかったんだ..許してくれぇぇ〜」
「ふ・ふざけないでっ!!この私を..この私をお父様が愚弄するなんて」
「だから、そういうつもりじゃないんだぁ〜!あんな状況で娘を陥れる正
解など言えるわけがないじゃないかっ」
「うるさいっ!うるさい、うるさいっっ!!お父様が一番、私を陥れたの
よっ!こんな酔っ払いに言われるまで気づかないなんて、馬鹿みたいよ」
「奈緒..す・すまん」
「お父様..謝る相手が違うわよ。桜野さん、この愚かな父に代わって、
私が責任を取らせてもらうわ」
「えっ?せ・責任って..」
「隼人っ、それに場を弁えない馬鹿男子社員たちっ、私が代わりに見せて
あげるわよ。そう、この私、崎長 奈緒の不様な裸をねっ!」
と言った奈緒が、堂々とその場で服を脱ぎ始めた。
何と、結愛子のストリップの次は奈緒が全員の前でストリップを始めて
きたのであった。
「な・奈緒様、ストリップなんて止めてくださいっ」
「奈緒っ、社長の私が悪いんだっ。服を脱がないでくれっ」
奈緒の取り巻きや社長が必死に止めようとしたが、奈緒の脱ぐ行為は止
まらなかった。
男子社員たちが見てる前で次々と高級ブランド品の服を脱ぎ捨てる。
あっという間に下着姿になった奈緒だが、脱ぎ続ける手は止まることは
なかった。あっさりとブラのホックを外して、結愛子より大きいEカップ
のおっぱいを出してきた。
結愛子とは全くタイプが異なる美乳の登場に男子社員たちの歓喜の声が
あがる。
「うおぉぉっ!何だよっ、あのロケットオッパイはぁぁ〜」
「うぅ..何か、すげー威圧感を感じるよ..」
「オレはこっちの方がいいかも〜。やべぇ〜、あの姿で踏まれてぇ気分だ」
Eカップの大きさの割には見事なまでに真っ直に向いている奈緒のロケ
ットおっぱい。
重力に逆らい続けるこのロケットおっぱいは、わがままな社長令嬢であ
る奈緒に相応しい美乳かも知れない。
正直な話、結愛子の美乳と比べても、まったく引けをとらない美しさが
ある。いや、人によっては奈緒のおっぱいの方がやみつきとなるだろう。
結愛子のおっぱいはほとんど見れなかったが、その代わりにこれだけの
ロケットおっぱいが見れれば何も言うことは無い気持ちになる男子社員た
ちだった。
少しずつ満足し始めた男子社員たちであったが、まだ嬉しい出来事が続
く。奈緒が彼らの目の前で堂々とショーツを下ろしてきた。
そして、いっさい恥部を隠すことなくショーツを足元から抜き取って、
ポイと投げ捨てた。
「おおぉぉぉっ!全部、脱いじゃったぞぉ〜。こ・これが、我がままお嬢
の裸かぁ〜」
「な・何だよぉ〜、こっちのレベルも半端じゃねー。完璧ボディだぜ..」
「桜野さんのことがぼやけるぐらいいいんじゃねーか?オレも尻を叩かれ
てーよ」
男子社員たちが「はぁはぁ」と激しい呼吸をしながら、奈緒の裸に魅了
されていく。
結愛子とは違い、裸を見られることに恥ずかしさを見せない奈緒が大胆
な言葉を出した。
「・・・ふんっ、これぐらいで満足するなんてここの男たちも大したことな
いわね。勿体無いけど、ここも見せてあげるから、しっかりと目に焼き付
けなさいっ!」
そう言うと、奈緒は男子社員たちが見ているまで指を恥丘に伸ばして、
自分のおま●こを思い切り開いてしまった。それも中のピンク色の膣肉が
はっきりと見えるほどまで。
「ふんっ、しばらく開いたままにしてあげるから、好きなだけ私のあそこ
を見るがいいわっ」
「な・奈緒様、そこまですることありません。こんな恥ずかしいこと、お
やめくださいっ」
「その通りだ、奈緒っ。悪いのは違う答えを言った私だ。お前が恥ずかし
い目にあう必要はないぞ」
「・・・お父様、私にとってはこんなのは大した恥ずかしさではありません
わ。私の舌を馬鹿にされた恥ずかしさは、こんなのと比較できないのよっ!」
そう、奈緒にとっての最大の屈辱は自分の舌が間違っていたことであり、
その屈辱に勝るものは無かった。裸を晒す恥ずかしさなど、舌を馬鹿にさ
れた恥ずかしさと比べたら天地の差ほどあったのだ。
今の奈緒には男子社員たちの言葉も視線も突き刺さることがなく、料理
だけをじっと見て、もう少し味を確かめるべきだったと悔やむ気持ちだけ
でいっぱいだった。
(おま●こなんて勝手に好きなだけ見るがいいわっ!私としたことがケー
キもワインも正解を出せなかったなんて..何度も確認すべきだったのよ!
自分の舌に過信するなんて最低だわっ。そうよ、これは私なりの勝負のケ
ジメよ!桜野さん、貴女が裸を晒してまで自分の舌を信じたように、この
私も自分の舌のケジメをつけなくちゃ気が済まないのよっ)
3分ほど、おま●こを晒した奈緒はそのまま、男子社員たちの前で土下
座をして社長に代わって謝ってきた。
「・・・この度は父の失言、失礼いたしました。父に代わって娘の私が謝罪
いたします。及び、桜野さんへ対しての暴言・暴挙も心より反省していま
す。先ほどの桜野さんの宣言は一切聞かなかったことにしてください」
普段、人を見下していた奈緒が裸で土下座する姿は強烈なものだった。
奈緒の土下座で一気に我を取り戻した男子社員たちが今度は逆に土下座
しかえしてきた。
それは結愛子への無礼を働いた男子社員たちの心からの謝罪であろう。
この土下座を見た奈緒が今度は結愛子の近くで土下座をして謝ってきた。
「桜野さん、御免なさい。どうか、この奈緒にどんな罰でも与えてくださ
い。尻叩きでも全裸勤務でも貴女の気が済むなら何でも言って頂戴」
「・・・奈緒さん。それにみんな、頭をあげてください。今回は私の方にも
悪いとこがあったと思います。もうちょっと、誤解を受けないような上手
い説明しなくちゃいけないと反省してるんです」
「・・・桜野さん、貴女は怒ってないの?公衆の面前で土下座してお尻まで
叩かれたのよ..それに今までだっていろいろと..」
「怒ってないと言ったら嘘になりますが、だからって奈緒さんの尻を叩い
ていいことにはなりません。私の誤解も解けたし、奈緒さんもあんな恥ず
かしい謝罪をしたんです。それだけで十分です」
「あ・ありがとう..桜野さん。もう私、貴女にイジワルなことしないか
ら..これからも、お父様の会社で頑張ってくれないかしら」
「もちろんです。そのために、この会社に入ったんですから。さあ、奈緒
さん。いつまでも裸でなんかいないで服を着てください」
「・・・ごめんなさい..桜野さん。私、今日のことずっと忘れないから」
「奈緒さん..」と結愛子が無意識に手を差し出すと、奈緒が快く応じて
結愛子の手を握った。
2人が和解の握手をすると座敷内は拍手の嵐となり、男子社員たちが感
動に涙しながら、柏手をし続けていた。
まあ、結愛子も奈緒も裸のままだったなので、実に絵になる光景になっ
ていたのだろう。
さらに、あまりの嬉しさからか、あちこちで男子社員同士が抱きつき感
動を分かち合う。異様な光景だが、男と抱擁してまでもいいほど嬉しい想
いがいっぱいなんだろう。
何せ、結愛子や奈緒のストリップが見ることができ、奈緒に関しては恥
部の全てを見ることが出来たのだから、男子社員たちの感動は底が知れな
い感じだ。
味試しの会合の方は、この2人の和解の後で終了することになり、男子
社員たちが名残惜しみながら座敷をあとにする。
きっと、彼らにとっては今日の出来事は一生の思い出になったに違いな
い。
そして、座敷に残ってたのは社長と奈緒、奈緒の取り巻き2人と結愛子、
酔いつぶれて寝てる川阪だけとなった。
まだ、結愛子も奈緒も服を着ておらず、男子社員が帰ったことでようや
く服を着ることが出来た。
結愛子がさっそく服に着替えようとした時、突然社長が近くにやってき
て床に手のひらをつけ、頭を叩くようにしながら謝った。
「今回のことは本当に済まなかった。女性の君にあんな恥ずかしいことを
させるなんて私は最低な男だ。川阪のように君も私のことを殴ってくれて
もいいんだ。いや、気が済むまで何でもしてくれ」
「しゃ・社長。私はもう気にしてませんから。奈緒さんの謝罪だけでも十
分ですし、娘のために嘘をつく社長の気持ちも分かりますから」
「だが、私は君の恥ずかしいとこまでも見てしまってるんだ。償いは何で
もするから遠慮なく言ってくれたまえ」
「いえ、気になさらないでください。償いさせるほどのオーバーなものじ
ゃないんですから」
「ありがとう、桜野君。こんなに出来た社員はわが社にはもったいないぐ
らいだ。勝手な頼みだが、これからも是非、崎長食品会社で頑張って欲し
い。決して辞めないでくれ」
「辞めるなんていいませんから。もちろん、これからも頑張っていきます
ので、私の方こそよろしくお願いします」
「ありがとぉ..ありがとぉぉ..」
「社長、もう頭をあげてください」
結愛子の寛大な言葉に社長の顔は感動でグシャグシャになっており、涙
と鼻水を垂らしながら、頭をあげた後も何回も謝ってきた。
こうして、今回の恥辱の件は社長の必死な謝罪で何とか丸く納まった。
その後、結愛子は酔いつぶれて寝てた川阪を起こし、奈緒や社長に一礼
して座敷を出て行くことにした。
「では社長、奈緒さん。私たちはこれで失礼いたします」
「川阪のこと、すまんが頼んだぞ」
「桜野さん、気をつけて帰るのよ。隼人さんは、その辺に置いといて帰っ
ても問題ないから」
「いえ、とりあえず会社に戻って課のソファに寝かせておきます。それで
は失礼します」
「本当に気をつけてね。桜野さん」「はい」
川阪に肩を貸しながら座敷を出て行く結愛子に手を振って見送る奈緒。
が、このあとで奈緒の微笑む表情が豹変した。
「・・・桜野さん。本当に私、今日のことずっと忘れないわよ。この私に情
けやあわれみをかけるなんて百年早いわよっ!今日、情けをかけたことを
ずっと後悔するようにしてあげるわ。桜野 結愛子の媚肉料理はこの私が
いつか必ず実現してあげるわ!あっははははははは〜」
どうやら、奈緒をますます本気にさせてしまった結愛子であり、今回の
ことが序の口になるぐらいの出来事が、これからも起きるのかも知れない。
そんな風に思われてるとは知らずに、奈緒と和解ができたと思って安心
した結愛子は川阪を担ぎながら、1度会社に戻ることにした。
今日は川阪のおかげで最悪の展開にならずに済み、結愛子は心の底から
感謝していた。
「隼人、しばらくソファで寝ててね。終電近くになったら、ちゃんと起こ
すから」
「ひっく..結愛子か..会社に戻ってきたのか?」
「本当なら、隼人の家まで送ろうと思ったけど、会社の方で1回酔いを醒
ました方がいいでしょ?」
「ああ..俺なら別にここで構わないぜ。どーせ、ここで寝るつもりだっ
たから」
「・・・んも〜。ここは隼人の家じゃないんだからね〜」
「結愛子は、もう帰っていいぜ。俺は本当にここに寝るつもりだから。家
になんか帰るより、ここでゆっくり休んだ方がいいしな」
「・・・まったく〜、隼人ったら」
「どーせ、明日は土曜だし、昼までここで寝てるさ。だから結愛子は家に
帰ってお尻を冷やしたほうがいいぞ」
「・・・やっぱり、あのふすまはちゃんと狙って投げたのね?」
「さあ、何のことやら俺には分からんな。ただ、あまり奈緒のことを悪く
思わないでやってくれ」
「・・・あ・あの..こんなこと聞いてもいい?隼人と奈緒さんは..やっ
ぱ今でも..な・仲がいいの?」
「馬鹿言うなよ。結愛子と付き合うようになってからは、ほとんど話した
ことねーよ。ただ、あいつから強引にこの会社に誘われたってことだ。そ
のせいで俺はあいつとは仕事でパートナーを組んでたこともあったんだが、
あっと言う間にパートナーも解消されたよ」
「そうなんだ..パートナーっていうことは何か新製品の開発でもしてた
ったこと?」
「ああ、そんなとこだな。ただ俺があまり仕事をしないから、あいつが怒
ってパートナーを解消してきたんだよ」
「・・・よくそれでクビになんないわね..あと給与前借りばかりするなん
て隼人って社会人としては駄目駄目ね..」
「まあ、結愛子には俺の借金で迷惑をかけてしまったから、そこは反省し
てる..俺は正直、クビになってもいいんだがな。あいつが辞めさせてく
れないんだよ」
「そうなの?」
「まあ、元々この会社に無理やり誘ってきたのも奈緒だし、付き合ってと
迫ってきたのもあいつの方なんだ..あと勝手にフったのあいつの方だ」
「・・・ずい分とモテモテだったんだね..」
「やめてくれよ。俺は女を弄ぶ気はないし、奈緒にとってもこんな俺と付
き合っても何のメリットもないさ..」
普段あまり自分のことを話さない川阪が口を開いてきた。
川阪が奈緒と知り合ったのは、とある学生の料理コンクールだった。
そのコンクールには当時、中学生だった奈緒が出場しており、惜しくも
準優勝という結果になった。
が、奈緒はこの2位が納得いかず、審査委員たちに抗議し始めた。
この時、川阪はただの観客だったが、この奈緒の抗議が気になって、強
引に会場へ上がって出場者たちの料理を食べていった。
「何だ、この優勝者の料理は..こんな味でよく優勝できたな。これは見
かけだけの料理だな。これじゃ、抗議したくなるのも分かるな」
このあとで川阪が的確に優勝者の料理の駄目押しをすると、審査委員た
ちも自分たちの非を認めて、審査のやり直しとなった。
どうやら、コンクールの大スポンサーの社長令嬢を優勝させたくて、甘
い審査をしたらしい。
が、この川阪の余計なおせっかいが、まさか奈緒の心を動かしてしまう
とは川阪は思いもしなかっただろう。
ちなみに結愛子と川阪の出会いも別の学生の料理コンクールであり、驚
くことに奈緒と同じ、理不尽な準優勝になった結愛子を救ったことが付き
合うきっかけとなった。
(最終更新:2011年4月9日)
第35話へ