第32話「全裸土下座」


 社の命運を託す社員を選ぶ味試しの会合は、異様な空気に包まれていた。  それは結愛子が全裸で立っており、これから全裸土下座するからである。  が、結愛子自身はまだテストの答えに納得してないようであり、凛とし た態度で奈緒や社長をじっと睨んでいた。  そんな結愛子の態度に奈緒が怒りもせずに余裕の笑みを浮かべながら、 応えてきた。 「どうやら、裸にされても舌の意地を通すつもりね。そういうところは、 気に入ったわ〜。よほど貴女も自分の舌には絶対の自信があるってこと かしら?ただ、約束は約束よ。私やお父様に土下座をしたあとには私の 合図で振り返って裸を晒してもらうけど、いいわね?」 「はい、土下座のあとで合図で振り返ります。けど、その代わり..私の 我がままを1つ、社長に聞いていいですか?」 「・・・いいわよ。私からも、お父様にお願いしてあげるわ。どうせ、さっ きの答えのことを聞きたいんでしょ?」 「はいっ。社長はBとEを正解と言いましたが、是非私にも納得出来る様 な説明をしてください。その為なら、たとえ裸を晒しても構いません」 「ふふ..貴女もしつこいわね。そんなに、お父様の言葉よりも自分の舌 が正しいと思ってるのかしら?もし、答えに納得したら貴女はどうするつ もりなの?裸の謝罪ぐらいじゃ、済まされなくなるわよ」 「・・・その時は奈緒さんの好きにしてください。本当にBとEで納得でき れば、どんな辱めでも受ける覚悟です」 「あらぁ〜、そんなに強気な事、言っちゃうと私も本気にしちゃうわよ。 私自身も正直、貴女の態度にはイラついてるの。私が出したBとEの答え に何でそこまで食いつくのかしら?」 「別に奈緒さんに食いついてはいません。BとEは引っ掛けなんです。私 も最初はその答えは浮かびました。奈緒さんほどの人なら、しっかり味を 確認すれば分かるはずです」 「!・・・ずい分と自分の舌に自信があるようね。もうこれ以上、貴女とは 話したくないわ!私も自分の舌には絶対の自信があるのよっ!」 「奈緒さん..」 「そうそう、納得すれば、どんな覚悟もあるって言ってたわね。じゃあ、 こう宣言しなさい。「私はBとEの答えに納得出来たら、会社では服を着 ません。会社も辞めません。ずっと裸で仕事します」って」 「えっ?」 「あらっ?急に怯えついたのかしら〜。貴女、舌に自信があるのよね。そ れとも口だけの馬鹿舌女ってとこかしらぁ〜」「違いますっ」 「じゃあ、宣言をするってことかしらぁ〜」 「・・・し・します。けど、その宣言をしたら、必ず社長が納得する理由を 私に説明するってことで、いいんですね?」 「ええ!もちろんよ。お父様には公平な立場で説明してもらうわ。いや、 少しでも嘘をついていたら、この私の舌にかけて訂正させてあげるわ!」 「わかりました。それだけ、約束していただければ十分です。もちろん、 私もこの場で宣言させていただきます」 (絶対、BとEじゃない..私は..私は間違えてないわ)  結愛子は何かを決意したかのように社長や奈緒の前で、背筋を伸ばし、 あごを上げ、両腕をビシッと身体の側面に揃えて直立不動の姿勢をとった。  そして、すっと息を吸ってから口を開いた。 「私、桜野 結愛子はBとEの答えに納得出来たら、本日から会社では服 を一切着けない事を約束いたします。もちろん、会社を勝手に辞めること もいたしません。桜野 結愛子はずっと裸で勤務することを宣言します」  宣言のあと、座敷内がシーンと静まり返った。  結愛子と違って、BとEが正解だと思っている男子社員たちの耳には、 結愛子が全裸勤務宣言をしたかのように聞こえたからだ。  もちろん、当の結愛子自身も男子社員たちが勝手に勘違いしていること は分かっていた。 (裸で勤務なんかするわけないでしょ。BとEは絶対に違ってるのよ。だ からこそ、堂々と宣言できたのよ..)  そう心の中で弁論する結愛子の身体に、意外な変化が現れたのだ。  恥ずかしい宣言をしたせいか、柔らかかった乳首がどんどん尖っており 見事な円柱の形と変わってきた。 (あっ、あぁっ、何でこんな時に..)  結愛子が何とか乳首の勃起を抑えようとするが、今度は恥丘の方が火照 って汗とは違う汁が太ももにトロトロと垂れてくる。この汁、男子社員た ちの方からは見えなかったのが幸いだった。  もちろん、これは間違いなく結愛子の愛液であり、宣言を受け入れたか のように見えるほど、次から次にとはしたなく溢れてきたのであった。 (ああぁ、下までも濡れてくるなんて..感じてなんかいないのに..)  けれど結愛子の身体の興奮は高まっていた。あまりにも非常識な全裸勤 務が現実味を帯びたことに身体の方が反応してきたような感じだ。 (しっかりと理性を持たなくちゃ..このままじゃ、もっとみんなが勘違 いしてしまうわ..)  が、結愛子よりも男子社員たちの理性が崩れ始めているようだった。  そう、すでに48人の顔つきが変わってきており、結愛子の全身を堂々と 見てきた。  さっきまでのどこか遠慮じみた様子は一切なく、結愛子の宣言で男子社 員の多くはこう結論を出したのだ。  桜野結愛子は全裸勤務をするために、わざと答えを間違えたんだと!  そう思った男子社員たちは結愛子に向かって、ひどい言葉を言ってきた。 「おいおい、ついにマッパ勤務宣言かよ〜。今日はこのために来たんじゃ ねーか?」 「しかし、マッパ勤務って正気の沙汰じゃねーな。あの桜野さんの口から そんな言葉が出るとはガックリだ..」 「けど、こんな大事な会合でいうことかよっ!この会合を台無しにした責 任も取ってもらおーぜ」 「じゃあ、社内ロビーに設置してある掲示板の近くで全裸で晒してもらう か〜。とりあえず週明けの朝からってことで」 「週明けじゃ甘すぎねーか。明後日の日曜は休出する奴が多いから、その 日から晒そうぜ」 「そうだな。その案を後で社長令嬢に採用してもらうか〜。それにしても 結局、舌の意地って何だったんだ?」 「意地なんて最初から無かったんだろ?わざといい加減な答えを出して、 素っ裸になっただけだよ〜。まあ、よく考えたら舌の意地を脱いでまで通 す奴なんていねーよ」 「どっちにしても、あの桃尻や美乳が毎日、見放題かよっ。こりゃ、たま んねぇぇー」  社長が出した答えを信じ込んでいる男子社員たちにとっては、結愛子の 舌の意地など全く理解できなかった。  彼らにとっては結愛子がわざと答えを間違えて、自分から望んで全裸勤 務を宣言したように思ってきたからだ。  そう思うと、彼らの目に映る結愛子の背姿が、どんどんといやらしく見 えてきた。 「おい早く、その茶番劇を済ましてこっちを振り向けよっ」 「そうだそうだ、早く土下座して、あの見事なおっぱい見せろ〜」 「全裸勤務確定なんだろ?出し惜しみすんなよな」 「ああ、どう考えても、BとEなんだからさっさと裸晒して欲しいぜ」  すでに全裸勤務が決まったかのような雰囲気になっており、座敷内は一 転して結愛子の辱しめに賛同する声が増えてきた。  当然のごとく、この欲望の声は否応なしに結愛子の耳に聞こえていた。 (何でいつの間に、私の全裸勤務が決まってるのよ?まだ、BとEが正解 だという説明がされてないじゃないっ。それとも..まさか、本当に私の 舌が間違えているというの?もし間違えてたとしたら私は..私は)  ふと、結愛子の脳裏に最悪の状況が思い浮かんだ。  ***<結愛子の妄想>***  週明けの月曜、社内のロビーに設置してある掲示板の前に人だかりが出 来ていた。  辞令が張られているようであり、社長令嬢の崎長 奈緒が社の命運を託 す有能な社員に選出されたことが記載していた。  そして、別の辞令も一緒に記載されており「食品部食品課 桜野結愛子 本日付で全裸勤務社員に確定」と書かれていた。 「すげぇ〜、桜野さんが今日から全裸勤務かよ」 「と言うことは、この掲示板の横にあるのはお披露目ってことか?」 「いくら全裸勤務確定だからって、ここまでするとはな〜」  男子社員たちが、掲示板の横に飾られているものに鼻の下を伸ばしてニ ヤニヤしていた。  そこには、目に黒い目隠しをされ、口にポールギャグをされた全裸の女 子社員が大の字で磔にされていた。  言うまでもなく、それは桜野 結愛子の成りの果てだった・・・・・・・・・ (・・・って、何私ったら変な想像してんのよぉぉっ!)  結愛子らしくない淫らな想像だった。それだけ、心が激しく動揺し理性 が崩れ始めてきたのだろう。 (やっぱり、BとEが正解だったの? もう何が何だが分からなってきそ うだわ..)  そんな結愛子に追い討ちをかけるように愛液の量が増してくる。  社長や奈緒が見ている前でおま●こがヒクヒクとし、愛液が次から次に とあふれ出してきた。その事実を奈緒にはっきりと知られたことが余計に 結愛子の動揺をはげしくさせていた。 (!こ・これは違うっ..別に感じて濡れてきてるんじゃないわ。ぁぁっ、 奈緒さんが見てる..これは、そういう意味じゃないのぉぉ)  濡れてることを奈緒に言われてしまう。結愛子がこの事を男子社員たち に言わないで欲しいという視線を奈緒に送った。  その結愛子の哀願に奈緒が軽く頭を下げて、暗黙の承諾を返してきた。  だが、次の瞬間に奈緒の口元に怪しい笑みがこぼれ、結愛子の宣言に 対しての言葉を返してきた。 「今の宣言、確かにこの私が責任を持って受け取ったわ。ところで..」  ドキンッ..「な・何ですか..」 「そんなに怯えなくていいわよ♪ちょっとした確認なんだけど、後でちゃ んと書面として約束してくれるってことよね?口約束だけっていうのも後 々、問題があるでしょ?」 (・・・これって、私にもっと恥ずかしいことを言えってことなのね..言 いたくはないけど、濡れてることを黙ってくれるなら..)  結愛子には奈緒がどんな答えを求めているのが何となく分かっていた。  今は観念して自分の口から奈緒が満足する答えを返すしかないと思った 結愛子だった。 「は・はい..BとEに納得したら、書面としても全裸勤務を約束します」  じゅわっ..(ぁぁっ..また濡れて..) 「ありがとう。もし、全裸勤務になったら、貴女の苗字も改名していいか しら?もちろん、社内だけの話だけど」 「・・・はい..改名も構いませんが..私の苗字は何になるんですか?」 「桜野じゃ清楚すぎるから、裸野(はだかの)にしてもらうわ。全裸勤務 の女子社員にはお似合いの名前でしょ?」  じゅわぁっ..「は・はぁぃ..裸野 結愛子で結構です。名刺も社員 証も裸野 結愛子に変えてください。それと私のことをこれから、裸野と 呼んでくださいぃ」 「いい答えね。じゃあ、そろそろ土下座をしてちょうだい。”裸野”さん」 「は・はぃ..」  濡れてることを言わない代わりに結愛子は奈緒の満足する答えを言い続 けた。次第に結愛子の目の焦点が合わなくなり、虚ろとなっていく。  無理もないだろう。素っ裸で全裸勤務宣言を口にし、恥ずかしい受け答 えをさせられれば、頭の回路がおかしくなってしまうだろう。  一時的だが、今の結愛子は理性を失っており、身体中の力も無くなって いく感じだ。そしてガクンと膝から折れるような形で地べたに正座した。  結愛子はそのまま前に手を前につき、頭を地面に押し付けた。 「・・・この度は身分を弁えず数々の無礼な発言、失礼いたしました。その 責任はこの通り、裸となって謝罪いたします。及び、償いとしてどんな恥 ずかしい罰でも喜んで受け、奈緒様のご命令なら裸で何でもいたします」  ついに裸で土下座した結愛子。そんな土下座を前にした奈緒が席を立ち 上がり、結愛子の間近までやってきた。  そして、奈緒は勝ち誇った顔をしながら、土下座の結愛子を見下ろして きた。  周りから見ると、これは完全なる結愛子の敗北の構図となった。  高級ブランド品を身にまとった奈緒の足元には、真っ裸の結愛子が土下 座し、平伏して許しを乞いている。  奈緒にとっては至悦の瞬間だろう。自分にとって反抗的な結愛子をここ まで屈服させることが出来たからだ。 「ふふんっ〜♪最高の土下座ね。裸野さん、もっと平伏しなさいっ」 「はい、すいません」 「そう、それでいいのよ♪」 (んふふ〜、貴女の不様な土下座姿、すっごく気持ちいいわよぉ〜。どう せなら、もっと不様にしてあげるわぁ〜。美乳に桃尻ですって〜!貴女に そんな綺麗なものは必要ないわっ!そうだわっ♪まずは桃尻を不様な尻に 変えてあげるわぁ〜)  男子社員たちの評価が高い結愛子の桃尻が気に入らなかった奈緒はとん でもない命令を出してきた。 「いつまで土下座してんのよ。次はそのまま4つんばいになって、お尻を 高くつきあげなさいっ」「えっ?」 「何モタモタしてんのよ。どんな恥ずかしい罰でも受けるんでしょ!」 「は・はい、すいません」と結愛子は奈緒の言うがままに4つんばいとな り、お尻を思い切り突き上げてきた。  そう、男子社員たちに向けてお尻は突き出すことになり、当然ながらお 尻以外のとこも僅かながら現れ、さらに4つんばいとなったことでDカッ プのおっぱいまでもほとんど丸出しにされた。  が、結愛子は恥部を一切隠すことなく奈緒の言うがままの姿勢を忠実に 守るしかなかった。 「・・・これで、いいですか?奈緒様」 「ええ、ちょうどいい位置だわ」と言うと突然、奈緒が手を高くあげ、そ のまま結愛子の桃尻目掛けて、思い切り振り下ろした。  パシーンという屈辱の音が響きわたる。もちろん、力いっぱい叩いた奈 緒の尻打ちだった。  すぐに結愛子のお尻に紅葉の赤い手形が浮かび、まだまだ屈辱の手形が 増えていくのであった。


(最終更新:2011年4月6日)
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