第24話「恥辱のケーキ」


 ローソクの火が少しずつ点いていく中、結愛子の目が虚ろになってくる。  もう奈緒に屈するしかないという諦めが結愛子の生気を奪っていた。  手の自由を奪われた上で水着を取られ、あげくにはおま●こまでテープ で開かれたからだ。  そんな姿をこれから男子社員たちに見られてしまうのだから、結愛子の 生気が失われていくのも当然だろう。 (もう..辞めよう..これが..終わったら..辞めよ..)  今までは奈緒の嫌がらせに必死に耐えた結愛子だったが、今回のはさす がに耐えられない。社会人であるなら、少しぐらい嫌なことは当然として 裸を晒されてもぐっと我慢して乗り越えてきたが、これは酷すぎる。  皆の前で開いたおま●こまで晒されたら、次の日からどんな顔して会社 に通えばいいのか?ここは辞める以外、選択肢はないのであった。  残りのローソクは5本となり、結愛子は全てを諦めたのように火を点け ていった。  一方、男子社員たちは一体となって、大興奮しながらカウントダウンを 始めた。 <残5本>−結愛子の全身のラインがほぼ浮かび上がる− 「「ごおぉぉぉぉっ〜!」」「早く俺の眼前におっぱいをぉぉぉー」 「「ふあぁぁぁぃぶぅ!」」「恥丘だぁ〜。もうすぐで恥丘が見えるどぉー」 <残4本>−色付きローソクで目がチカチカする− 「「よおぉぉ〜〜んんっ!」」「ちくしょぉぉー、あのローソクいくら点 けても明るくなんないじゃね〜か〜!いちいち炎に色なんてつけんなよぉ ぉ〜!!成金お嬢のバカヤロォォォー」 「「ふおぉぉぉぉっ〜!」」「まったくだぁぁ〜、俺たちを生殺しにすん なぁぁ〜!早く照明をつけやがれぇぇぇーー」 <残3本>−乳首がぼんやり見えるようになる− 「「さあぁぁ〜〜んんっ!」」「ものどもぉぉーー、あと暫しぃぃ〜しば しの我慢だぁぁ〜!桜野さんの裸はもう我らの手の中だぁぁぁぁーー」 「「すりぃぃぃぃっ〜!」」「そうだ。あと3本みっつなのだぁぁぁ〜。 早く俺たちを幸せにしておくれぇぇぇぇーー」 <残2本>−恥丘もぼんやり見えるようになる− 「「にぃぃぃぃっ〜!」」「ああぁっ、あの桜野さんの裸がもうすぐで.. どんなおっぱいをしてるんだぁぁ〜。どんなおま●こをしてるんだよぉ〜」 「「とぅぅぅぅぅぅ〜!」」「俺の股間が想っただけで爆発しそうだ!あ とちょっとでぇぇ、ちょっとでぇぇ〜!桜野さんのマッパがぁぁぁー」 <残1本>−全員の目がそろそろ暗闇に慣れてきた− 「「いちぃぃぃっ〜!」」「おいっ、照明はやくはやくぅぅぅぅぅぅーー!」 「「おわぁぁぁぁーんっ!」」「いよいよだぁぁ〜いよいよだぁぁぁーー!」  ついにローソクに全ての火が点き、照明が入れられた。  が、照明が入る寸前、何かバチャァーンという音が響いた。  いや、そんな音はどうでもいいっ!今は結愛子の真っ裸が最優先なのだ!  全員の視線が一斉にせり上がった円形ステージに集中する。  モニタの方も円形ステージを映し始めたが、何故か結愛子の姿が映って いなかった。 「おいっ!桜野さんが消えたぞっ!!」 「ど・どういうことだぁぁ〜。いったい、桜野さんはどこにぃぃ」 「お・俺の夢見たマッパは..マッパはどうしたぁぁぁっ」 「あのわがままお嬢の仕業かぁぁーー!ふざけやがってぇぇぇーー」  さっきまで円形ステージに立っていた結愛子が照明がついたと同時に姿 を消してしまった。  結愛子が居なくなったことに会場は大混乱。期待を裏切られた男子社員 たちが怒号をあげはじめ、会場内は一時騒然となった。  が、奈緒は相変わらずバカラワイングラスを片手にし、ロマネ・コンテ ィを平然と飲んでいた。 「な・奈緒さまっ!何、落ち着いて飲んでいるんですかっ!」 「あの女っ、いったいどんな手を使ったのよっ!突然、消えるなんて」 「んふふ〜、貴女たちともあろうものが、少しも気づかないなんて。これ は愉快だわぁ〜」 「奈緒さま?それは、いったい..」 「はっ!ま・まさか..あの音が..照明がつく前に響いたあの音って」 「ご名答よぉ〜♪ケーキの上を御覧なさい。不様な女が見えるはずよぉ〜」  奈緒の取り巻きが急いで、巨大ケーキの方へ確認しにいくとケーキのク リームの中にめり込んでいる結愛子の姿を発見した。  ケーキの上にはキャンドルトーチを持ったまま、大股で飛び込んだ結愛 子の跡があり、背姿と生尻ぐらいしか見えないほど、分厚い生クリームに めり込んでいた。 (ちなみに顔の部分はチョコプレートの上に落ちたらしく、おかげで呼吸 困難になることはなかった)  これがただのケーキなら取り巻きに大笑いされるとこだが、奈緒のバー スデーケーキだったため、結愛子に対して怒り心頭の様子だった。 「何てことを..奈緒さまの大事なケーキに飛び込むなんて..」 「ムカツクゥゥー、奈緒さまに報告してすぐに引き下ろしてやるわ」  取り巻きが慌てて奈緒の下へ報告する中、男子社員たちもようやく結愛 子が消えた原因を知った。 「おい、どうやら桜野さん。ケーキの上に落ちたらしいぞ」 「何だってぇぇー。それじゃ、マッパシーンはどうなるんだよ」 「わからねぇ〜。これって事故なのか?それともわざとなのか〜」 「どっちにしろ、早く桜野さんの裸を見せろよぉぉぉ〜」  男子社員たちがより騒然とする。せめてケーキの上の映像を見せて欲し いと騒ぎ出した。  一方、取り巻きたちは結愛子をケーキから引きずり下ろす許可を奈緒か ら貰おうとしていた。 「奈緒さまっ、これは許せない行為です。早くあの女をケーキから下ろし て晒しましょう」 「そうです!奈緒さまのケーキを台無しにした罪は重いです」 「まぁまぁ〜。そんなに目くじら立てたら、せっかくの美人が台無しよぉ〜」 「奈緒さま?」「・・・何で怒らないんですか?」 「そ〜ねぇ〜。まさか、こういう手があったなんて思ってもいなかったわ ぁ〜。いや、考えればケーキに飛び込む手ってありよね。失敗、失敗ぃ♪」 「奈緒さま..」「私たちはどうすれば..」 「1つだけ言っておくわ。私の大事な誕生日に事故だなんて、不吉なイメ ージを貴女たちは作る気なのかしらぁ〜。答えてちょーだい♪」  一瞬、奈緒の眼光が鋭く睨み付けた。 「いえ..そういうことでは..」「奈緒さまのケーキを想って私たちは..」 「んふふ〜、そんなに怯えなくていいわよぉ〜♪貴女たちの気持ちは分か ってるわぁ〜。いいこと、今回の件は事故じゃなく演出にしなさい」 「わ・わかりました..」「けど、奈緒さま。それでいいんですか?」 「う〜ん、まあ〜今回は私の負けってことにしとくわぁ〜」 「奈緒さまっ!まだ幾らでも、あの女を辱しめられますが..」 「そうですよ。負けなんてことはないです。私たちに任してもらえれば」 「ふふ〜、貴女たちは分かってないわね〜」 「えっ?」「それはどういうことで..」 「見てみなさいっ、あの子は今、気を失ってしばらく意識が戻らないわ。 今、辱しめても何の面白味もないわ。意識がある中で辱しめてこそ、愉し み甲斐があるんじゃないのぉ〜♪」  ゾクッ..「そ・そうですね」ブルブルッ..「すいません、奈緒さま」 「とりあえず、今回は辱めは無しでいいわぁ〜♪あっ、1つだけ言うのを 忘れてたわ。さっき、私の悪口いった馬鹿どもを至急探しなさいっ!どっ か遠くに飛ばすつもりだからぁ〜。大体、そんな馬鹿どもの願いを叶える なんて虫唾が走るわぁ〜♪あの馬鹿どもの期待をぶち壊して愕然とする顔、 最高だわぁ〜、あはははは」 「・・・その通りですね..」「奈緒さまの仰るままに..」  どうやら、奈緒の機嫌を損ねた男子社員たちのおかげで、結愛子は救わ れたようだった。  が、素直に結愛子をケーキの上から下ろすことはなかった。  何とクリームにめり込んでいた結愛子の身体を、奈緒の取り巻きがひっ くり返してきた。  それも、見てる男子社員たちへのサービスと言わんばかりに、結愛子の 身体をフライパン返しの様に空中へ放り投げた。  宙をくるんと舞う形で再びケーキの上に仰向けで落ちた結愛子。  まだ気を失っており、意識がないのをいい事に結愛子の手袋を外した後 で両手を万歳の姿勢で、股は大きく拡げられてしまった。  一応、恥部はクリームで隠れていたので、ここでようやくケーキの上の 様子がモニタに映った。  ぐしゃぐしゃになったケーキの上にクリームまみれの結愛子が映ってお り、正直なところこのケーキは食べられたもんじゃない状況だ。    そんな中、いつの間にか下に降りていた円形ステージが再びせり上がる。  ステージの上には奈緒が乗っており、頂上へつくと手に持っていた口金 のついた絞り袋を使って綺麗な薔薇のデコレーションを演出してきた。  実はこの奈緒、川阪に負けないぐらいの料理の天才であり、超一流パテ ィシエも真っ青になるぐらいの飾りつけの腕を持っていた。  結愛子が飛び込んでぐしゃぐしゃになったケーキの上面をあっと言う間 に修復していく。それもケーキの上に乗っている裸の結愛子も綺麗なデコ レーションを施して、飾りの一つとして同化させた。 (ふふっ♪今日のとこは全て綺麗に隠してあげるわぁ〜。本当だったら丸 出しにしてあげるとこだけどぉ〜、すごい収穫を見つけた以上は簡単に辞 めされるわけにはいかないのよぉ〜♪)  奈緒は何か結愛子に関する大きな収穫を得たらしく、その収穫に対して の対価としてこれ以上の辱しめをしないことにした。  しかし、その収穫とは一体何なのであろうか?  それは奈緒のテーブルにコースターの代わりに敷かれた水着に理由があ ったらしい。  飾りつけの演出を終えた奈緒が特等席に戻り、ロマネ・コンティを飲み なおす中、ワイングラスの底についていた粘っこい液体を見てクスクスと 笑っていた。 「このコースターは最高のプレゼントだわ♪桜野さん、貴女からのプレゼ ントとして受け取っておくわぁ〜♪」  何故か、結愛子の水着を見て上機嫌になる奈緒であったが、どういうこ となのだろう。それはワイングラスを置いてたとこが結愛子のボトムの股 布の部分だったからだ。  そう、ワイングラスの底にべったりとついていたのは結愛子の愛液であ り、白くドロリと糸を引いて垂れていた。 「うふふ〜、はしたないおま●こだこと。どんだけ大量に濡らしたのよぉ〜。 あの子がこんなにも濡れてたなんて思いもしなかったわぁ〜」 (それにしても、あんだけ顔を真っ青にして身体が怯えてたのに、ここま でぐっしょり濡らすとはね〜。どうやら、本人も気づかないとんでもない 性癖が潜んでいそうね〜)  奈緒が見つけた収穫とは、結愛子に潜んでいた性癖のことだったらしい。  ただ、現状として結愛子にそんな性癖があるか分からないし、性的なこ とに過度に拒絶する真面目な結愛子が簡単に変貌するだろうか?  もちろん、奈緒自身も一筋縄でいかないのは承知していた。 「ふふ、あの子を狂わすには少し時間が掛かりそうね〜。このことに気づ いて本当に良かったわ〜」 (このマン汁を見逃してたなんて、危なく大失態するとこだったわ)  奈緒は今回の失敗を心から喜んでいた。もし成功していたら、結愛子が 会社を辞めるのは当然であり、辞めてしまったら奈緒の心に深い後悔が残 ったからだ。 (そう簡単に辞めさせるわけにはいかないわぁ〜。この私が貴女の隠れた 淫らなとこを開花させてあげるわぁ〜。1年後の誕生会には清楚な桜野結 愛子は居なくなってるわ♪その場に居るのは自ら裸になって、媚肉料理を 差し出す痴れ者の桜野結愛子だけよっ。あはははは〜)  すっかりご満悦となった奈緒は、そのままロマネ・コンティを飲み続け、 結愛子に何もすることなく会場を後にした。  一方、奈緒の取り巻きは納得がいかない様子だったが、結愛子に手を出 せば奈緒の怒りを買うことになるので、何もしてこなかった。  結局、結愛子は気を失ったままで誕生会を終えることになり、最後まで ケーキの上で飾られていた。  ちなみにこの巨大ケーキは誕生会終了後に小分けして販売することにな っており、今までは3割ほどしか売れず、残りの7割は翌日の社内食堂で半 額で売っていた。  が、今年は結愛子が乗っていたことで男子社員たちの購買意欲が極限ま で高めっていた。  それも、結愛子の身体の上に乗っていたクリームが満遍なく、どのケー キにも乗せますいうふれ込みのせいで、会場にいた男子社員全員がケーキ を買うために1階特設販売所に駆けつけてきた。  ケーキ販売は小分けする時間が必要なため、誕生会終了の2時間後とな るが既に販売所の前は大行列が出来上がった。  まさか男子社員全員が買うとは思わなかったので、販売前の行列は1階 から5階まで続いていた。  男子社員たちからは「何個買えるのか?」や「全員分あるんだろうな?」 と質問が出ており、去年まで山のように売れ残ってたことが嘘のようだ。  2時間後、1階特設販売所内に大きなガラスケースが設置され、その中に はケーキのサンプルと薄い白のシーツを被せられた結愛子が飾られていた。  シーツの下はクリームを取った一糸纏わぬ結愛子の姿があり、本人は意 識を失ったままで眠りについたようだった。  自分がまさか、恥ずかしい姿でガラスケースに飾られているとは思って いないだろう。一応、恥部は見えてないが、胸の形や恥丘の形はシーツの 上に浮かんでいた。  これからいよいよ、結愛子の身体のクリームが乗っているケーキが販売 する。結愛子の恥辱はまだもう少しだけ続くようだった。


(最終更新:2011年3月25日)
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