午後6時、私は食品会社の社長と役員数名、あと開発部の部長・課長、
そして川坂くんと一緒にある料亭に行った。
それは、ただの会食ではなくライバル会社”木佐下食品会社”との月1
回の料理勝負の為だった。。
崎上と木佐下のこの両会社は共に大手の食品会社であるせいか、ものす
ごく仲が悪かった。
その2大食品会社が月1回、いろいろなテーマに沿って料理勝負を行い、
勝負に負けると相手の新製品を少しストップかけることが出来る。
当然、両社は本気で毎回勝負しており、その料理の担当になってしまっ
た私と川坂くんも必死であった。
今回のテーマは鍋物であり互いの鍋物が招待客・両社の出席者に並べら
れ、それをみんなで審査して勝敗を決める。
今回は川坂くんのアイデアが勝り、私の会社の勝ちが殆ど決まったので
あったのだが・・・
「ふっ。アイデアはいいがこのだしがなってないな・・・」
「な・何だと!!陸永洋蔵!!負け惜しみか!!」
川坂くんはすごい勢いで相手側の会社の料理担当者の陸永に向かって怒
鳴った。
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