「お姉ちゃんは着エロアイドル」読切


 お姉ちゃんはいわゆるグラビアアイドルをしているんだけど、残念なが らTVにはまだ出ていなかった。  けど、お姉ちゃんのイメージビデオの発売日にこっそり行ってみたら、 すごくビックリしたよ。  だって、すごい人だかりで会場の中に入れない人が外で列を作って待っ ているんだよ。まだ開始時刻まで3時間もあるのに..それほどお姉ちゃ んのイメージビデオを買いたいんだ..  TVに出なくても、こんだけの人を集められるなんて..お姉ちゃんは やっぱすごいのかも!  でも..男の人ばっかりというのは何かヤダなぁぁ〜。やっぱイメージ ビデオがエッチっぽいからかな..  一応、お姉ちゃんから貰ってイメージビデオを見たんだけど、女子高生 としては発禁スレスレな相当ギリギリな露出ラインだと思った。  恥部は出してないんだけど、海ではしゃぐシーンはTバックでお尻丸出 しだし、体操着での運動シーンはノーブラだから、ピンクのポッチが映っ てるんです。  今までイメージビデオを5本ほど出してるんだけど、出すたびに露出度 がひどくなっているから不安でたまらない。  何か罰ゲームでタオル1枚で男湯入ったみたいだけど..お姉ちゃん、 それほとんどAVだよぉぉ〜。 「お姉ちゃん..来月18歳だけど..どうするのかしら..」  そう、18歳になっちゃうと..あの..その..もっと過激なものも出 されるってことよね..  私としては、お姉ちゃんがそんないやらしいものに出る前にTVに出て 知名度をあげて欲しいんです。  そうすれば、あんなエッチなイメージビデオを出さなくても済むんだか ら..  そんな私の願いが叶ったのか、お姉ちゃんにTVの仕事が来たんです!  それも私でも知っているお笑いの巨匠と呼ばれるヒート明石が司会をす る番組に出るなんて。 「お姉ちゃん、すごいじゃない!あのヒート明石の番組に出れるなんて!」 「・・・う、うん。でも、私が出るのは深夜番組なの..18歳になったから、 許可が下りたの」 「そっか、18歳にならないと深夜番組って駄目なんだ」 「そうね。内容も深夜番組らしいみたいなの..」 「深夜らしい?」  私はお姉ちゃんから少しだけ深夜番組のことを聞いた。  今では映画監督でも有名なヒート明石だが、いろんな種類のお笑い番組 を手がけていることから、度々PTAからも批判を受けていた。  特に深夜帯となると、お子様に見せられないものをやってるそうだ。 「も、もしかして..お姉ちゃん、イメージビデオみたいな格好で出るの」 「それはないみたい..でも水着で出るのは決まってるの」  お姉ちゃんが言うには、かってゴールデン番組で放送していた”雷鳴! 明石城”の深夜バージョンをやるみたいだった。  それも、台本もヤラセも全く無い、100%ガチの番組で優勝者には、 今後ヒート明石が出る多くの番組にゲストとして出してもらえるのだ。  体を張った事になりそうだけど、知名度の低いお姉ちゃんにはこんない いチャンスはないだろう。  何せ、ヒート明石のレギュラー番組はいっぱいあるし、そこにゲストと して出れるのは一気に有名になるチャンスだからだ。  ただ、優勝者を狙ってるのはお姉ちゃんだけではなく、他にも49人ほど 選ばれた中で優勝を狙わなければいけない。  まず、番組内で50人でまず予選を行いその中で勝ち上がったものだけが 明石城で決勝を行うことができるのである。 「う〜ん、50人って..けっこう多いよね..大丈夫なの?お姉ちゃん」 「全員が全員、決勝狙いじゃないみたいだから、そこは大丈夫よ」 「それって、どういうことなの?」 「やらせではないようだけど、40人ぐらいは..えっと、その..AV女優 やヌード写真集を出したタレントさんだから..」 「それって、完全にお色気番組じゃないっ!」 「まあ、お色気番組なんだけど、優勝者の約束は本当なの。私もこのまま じゃ、どんどん過激なことやらされるから、これはチャンスなの!」 「お姉ちゃん..」 「大丈夫よっ、お姉ちゃんこう見えても運動神経あるんし、一番若いんだ から、本気で優勝狙うつもりよ!」 「そうね。お姉ちゃんなら出来るよね。私も応援するよ」 「ありがとう」  自信たっぷりに答えたお姉ちゃんだけど、どの日でやるかを聞いても教 えてくれなかった。  でも、そんなのは調べれば分かるし、お姉ちゃんが出る日にたまたま見 たワイドショーにお姉ちゃんが番宣で出てきたのだ。 『今日は”絶頂!明石城”の番宣で秋葉原の超人気着エロアイドルが番宣 にきましたよぉ〜。皆様、口笛の準備を』  司会者の掛け声で、お姉ちゃんがアイドルらしくない体の前後に番組の 宣伝看板を背負って現れた。  夜の繁華街などで見られるサンドイッチマンがお姉ちゃんの初のTV出 演になるなんて..これじゃ、まだ水着姿の方がマシだよぉぉ〜。  それにお姉ちゃんはグラビアアイドルなんだからっ!着エロアイドルな んて言わないでよっ! 『今日はいろんな番組に出るということですが、その看板姿で出るという ことですか?』 「は、はい..番組の邪魔にならないように端の方で立たせてください」 『う〜ん..ヒート明石さんの番宣なら..仕方ないね..けれど、明石 さんも巨匠なんだから、少しは自重してほしいね』 「す、すいませんっ」 『君が謝る必要はないよ..ところで..君って18歳だよね?』 「だ、大丈夫です..先月、18歳になりました」 『そっか..君たちの業界じゃ、18歳を迎えるのは大変そうだね..』 「・・・・・・」 『まあ、今日1日つらいと思うけど、頑張って番宣してね』 「は、はい..」  司会者がなにやら含みを持たせたような台詞を出したことに気になる私 だけど、せっかくお姉ちゃんがTVに出るんだから、出来る限り録画しな くちゃ..  ただ、どの番組も最後まで看板を背負っており、顔と生足しか出てない のが悔しいよぉ〜。  でもこうして番宣に出るってことは優勝したのかな..ともかく今日の 深夜番組はしっかりと見ないと!  こうして深夜3時に放映する”絶頂!明石城”を見るために私は目覚ま しを朝3時にセットして就寝についた。  ジリジリリリリリンンーー!目覚ましの音が朝3時に鳴り響く。  私は眠たい目を擦りながら3時に起きTVのスイッチを入れた。  こんな真夜中?早朝?の通常番組が放映してない枠で深夜番組が始まる なんて、番宣しなきゃ誰も見ないよね..  画面には深夜番組らしいタイトルがあらわれ、メイン司会の明石軍団た ちが元気よくタイトルコールをしてきたのだ。 『どきっ!おっぱいだらけの絶頂!明石城!予選もぽろりいっぱいだよ〜 の始まりだぁぁーー。僕はこれが楽しみで、もう3日も寝てましぇーーん』 『みんな、元気ですね..エロには全力投球ですな』 『今日はみんなで盛り上げていきましょ。おっぱいですよ。ぱいぱいなん っすから!』 「・・・な・何なの..この番組?これじゃ完全なお色気番組じゃない!」  目の前のTV画面に映ってる内容はとてもまともな時間に放映できるも のじゃなく、それにお姉ちゃんが出てると思うとショックである。  そんなショックの中、TVの方ではさっそく予選が始まろうとしている。  参加者の女性を見ると50人中の40人は見たことのない顔ばかりであり、 どの人もなぜか派手なビキニの水着を着ている。  しかも、どの女性もプロモーションや顔は抜群でタレント顔負けの子ば っかりであった。  やはり、お姉ちゃんが言ったとおり、この40人は番組を盛り上げる為に 用意された人気AVに出ているAV嬢や既にヌード写真集を出して落ち目 になったB級タレントばかりかも.. 「こんな人ばかりで..何をやるつもりなの?」  予選内容が気になっているところで、いよいよ何をするか発表される。 『予選は水着剥ぎ取りマッチだぞー。時間内に多くの水着を取ったベスト 10が絶頂!明石城に挑戦できます。なお水着を全て取られたら失格だか ら、すっぽんぽんになったらおしまいだぞー』 『勝負は3回戦で行います。だから1回目で失格しても2回目にはまた水 着を着れて出れますのでチャンスはいっぱいだぞー』 『ようするに、おっぱい見放題ってわけですね。ぐひひっ』 『そういうことっすね。うへへっ』 『では、円闘場上昇してくださいーー』  司会者の声で50人を乗せた円状のステージが5m近く高くあげられる。  こんな高いとこから落ちたら怪我どころじゃすまないだろう。  参加者の誰もがそんな不安を抱いている中、真下の会場の床が大きく開 き始める。何と円状のステージの真下に大きなプールが現れたのであった。 『これぞ水着剥ぎ取りマッチ、すっぽんぽんにして落としちゃえだぁぁー』  司会者の大声と共に開始の笛が大きく鳴り響く。  そう、恥辱の予選「水着剥ぎ取りマッチ」が開始された。  この競技は名の通り5mの高さの円状のステージで水着を剥ぎ取る勝負 である。  水着を全て取られた子は失格となり、水着を奪う権利がなくなってしま うが相手を邪魔する権利は残っているのだ。  つまり参加している選手にとっては失格になっている子の妨害工作も注 意しなければならない。  もしくは、すっぽんぽんにした選手は妨害できないように、さっさと真 下のプールに落とすべきである。  ちなみに水着を着たまま真下のプールに落ちると下のプールにいる筋肉 質のお兄さんたちに全て脱がされて失格になるのだ。  開始の笛と同時に50人は一斉に乱闘に入り、凄まじい勢いで次々と水着 が飛ばされていく。  そして全ての水着の脱がされた子は周りの子たちの力によって次々と真 下のプールに落とされていったのだ。 『きゃぁぁぁぁぁーーー』  ジャパアアアァァァァァァァンンンン!!! 『あんたもさっさと落ちなさいよっ』ドカッ! 『いやぁぁぁぁーーー』  バッシャァァァァァァーーーンン!!!  一見、プールに落ちて失格となって終わりになると思うが、実際は失格 になった罰が待っている。  落ちた女の子には、すぐに筋肉質の男が群がり、落ちた子の身体を競技 が終わるまで弄くりまわす。  早く落ちれば落ちるほど恥辱な行為が続くのである。  そんな予選の為、TVの画面には常に誰かの乳房とお尻が画面に映し出 されており、何ともハレンチな予選大会となってしまった。 「!!な・なんなの?これ?」  私は顔を真っ赤にしながらTVを見ていた。もし自分がこんなのに出た ら、ものの数秒で素っ裸にされて落とされるのは間違いないであろう。  ましてや罰で男性に弄られてしまうと思うと恥ずかしくてたまらない。  だが、感心したのはこんだけ激しい脱衣合戦なのにTVに引っかかる箇 所が絶対に映らないのに驚いてしまう。  私はドキドキしながらその画面を見ていた。こういう女性の凄まじいシ ーンなど見たことがないせいもある。 「・・・お、お姉ちゃんは大丈夫なのかな..いっぱい居て見当たらないよ」  画面では、もう最後の第3回戦が終わろうとしており、ほとんどの女性 が裸を晒してしまい、まさにお色気番組そのものだろう。  中には男性たちによって腰のたたなくなったものも居て私のとっては、 刺激が強すぎる気がする。  が、その中でただ1人水着を取られず何十枚も他人の水着を取って高笑 いしている女性がいた。  その女性は飯塚 安希。かってはTフロントの女王と呼ばれた辛口セク シータレントであった。 『へっ。この安希さまの水着を脱がせるやつはいねーんだよ。悪いけどあ んた達は単なるおっぱいとあそこを丸出しにされる番組盛り上げ役なのよ』 「・・・安希さんって、確かお姉ちゃんと同じ事務所の先輩だったよね..」 『あははっ、あたしと同じ事務所であったことを感謝するんだな。ほらっ、 感謝してるなら椅子になりなっ』 『は、はい..どうぞ座ってください』ぶるるんっ〜。  お姉ちゃんがEカップのおっぱいを丸出しにしたままで4つんばいとな って安希さんの椅子となった。下も膝まで下ろされてるけど、水着を取ら れてないから失格にはなってないらしい。  けどTVには、4つんばいのお姉ちゃんの乳首やお尻が映っており、こ れが今後どういう意味に繋がるか、悔しいけど理解してしまった。 『18歳になって残念ね。もう事務所でのあなたの扱いはこんなものよ』 『・・・ぅぅ』 『ねえ、あたしと1つ賭けをしない?もし、あんたが優勝したらあたしが 事務所に掛け合って例の件は白紙にしてもらうの。いい話でしょ?』 『・・・わ、私が負けたら..』 『それは例の件より、もっと恥ずかしい目に遭うだけよ。どうかしら?』 『・・・分かりました。いろいろ良くしてもらった先輩には申し訳ないです が、本気でいかせてもらいます』 『あはは、いい返事ね。じゃあ、決勝で勝負よ!』  正直、この賭けは無謀だと思った。でも、それがお姉ちゃんの選んだ道 なら私は最後まで応援するしかなかった。  ちなみに決勝にあがった安希さん以外の9人は、お姉ちゃんと同じ着エ ロアイドルらしく、もしかしたらわざと残された気もする。  そう、安希さんの身体能力はものすごく、決勝でもその力を思い切り出 したのであった。  決勝の絶頂!明石城はお色気障害物競走であり、あちこちに設定された お色気障害を乗り越えてタイムを競うものである。  どの障害も恥部を出すように工夫されており、こちらも相当刺激の強い 映像となっていた。 「ああ〜、やっぱり!これってお姉ちゃんたちの恥ずかしいところを晒す ためにしてあるよ。こんなの恥部出さないでクリアするなんて無理よ」  私の予想通り、このお色気障害物では大きな明石顔のマークが放映でき ない部分を必死に隠していた。  全て剥かれて裸で挑戦したお姉ちゃんも、お股をぱっくりされて、おま ●こが明石顔のマークで隠された。 「って言うか、これってさすがの安希さんも脱がされるんじゃ..」  そう思っていたんだけど、そんなお色気障害物競走を安希さんはビキニ の水着を一切外さずに最高タイムを出してしまう。 『悪いけど、こんな障害物ごときで、この安希さまの水着は取れねーんだ よ。おっぱいやあそこは他の子で楽しみな!』  安希さんの言った通り、お姉ちゃんたちはコースのあちこちで水着を取 られるだけの番組の盛り上げに貢献しているだけである。  結果としては、安希さん以外は全て裸を晒してしまった番組となり、深 夜番組らしいものになった。  そして、最後に安希さんからとんでもない宣言がされた。 『おい、いいか。着エロアイドルなんて中途半端なアイドルなんて邪魔な んだよ。またいつか、同じ番組をやってやるから悔しい奴は出てこいよ』  そのTVを見ていた私はムカつきました。お姉ちゃんだって必死に頑張 ってきたのに、見せたがりでやってるわけじゃないのに..あんな酷い目 に遭わせるなんて.. 「ゆ、許せないっ!・・・わ、わ、私が!お姉ちゃんの仇、とってやるわよ っ!そのためなら、着エロアイドルだってなってやるわっ」  TVに向けて私は決意した。だって、このままじゃお姉ちゃんが可哀想 すぎるんだもの..  実はこの後で、おまけ生放送みたいのがあって今日1日番宣をしていた お姉ちゃんがあるネタバラシをしたからだ。  カメラが初めてお姉ちゃんの横姿を映した。真正面から見ればただの大 きな看板を背負ったサンドイッチマンなんだけど..  実は..看板以外、お姉ちゃんは何も身につけていなかった。  横から見ると、すっぽんぽんのお姉ちゃんの裸が丸見えだった。  つまり1日中、お姉ちゃんは全て丸出しのままで局内を移動し、スタッ フさんやタレントさんに裸を見られていたということだ。  安希さんとの賭けに負けたペナルティのようであり、何と今度ヒート明 石が出す映画の番宣としても、しばらく看板を背負って恥を晒すことが決 まってしまったのであった。 <完>  補足..  すごく不幸な目に遭ったと思ったお姉ちゃんだけど、まあ世の中何が人 気出るのか分からないっていうか、気づくとお姉ちゃんの看板娘が大ヒッ トしてTV、CMに出まくりになって、正直驚きました。  でも..でもね、身に着けるのは看板なのは変わらないんですw


「お姉ちゃんは着エロアイドル」完