いかにもリア充に見えるイケメンな2人の高校生男子が、汗びっしょり
な姿で、萌え萌えな紙袋を両手に持って、夏コミの帰りに秋葉原に寄って
いました。
何て勿体無いことでしょう。イケメンなのに彼らは3次元には興味なく、
2次元にハマっていたのでした。
「今回は暑いだけで、あまり収穫がなかったね。購買意欲を掻き立てるも
のが少なかったな。パッと散財をしたかったもんだなぁ」
「あの暑さじゃ並ぶのも一苦労だ。ついついアキバで新刊買えばいいと思
ってしまうねぇ。ここで買う同人の方が多くなってしまったねぇ」
今回はアキバで相当買ったようでした。普段行かない同人ショップまで
も足を運んでしまったぐらいだった。
あんまり買ってしまったので、両手に持っていた紙袋の紐が外れてしま
って、直してはみたけれど仕舞いには汗が紙袋に含んでいたせいか、ビリ
ビリと音を立てて見事なまでに破れてしまいました。
「せっかくの紙袋が台無しだ」と1人の男子が、破れた紙袋を見てため息
をついていた。
「僕の方もひどい有様だ」と、もう1人も頭を掻きながら、どうやって持
ち帰ろうと悩んでいた。
はじめの男子が、崩壊寸前の紙袋を必死に抱きかかえながら、もう1人
の男子の顔つきを見ながら相談してきた。
「まずは、どこかで休憩して考えないか?」
「なるほど、僕も何とかしないと不味いと思ってたから、いい案だと思う」
「それじゃ、休憩する場所へ行こう。なぁに、中身が見えても大丈夫なと
こに行けば問題ないんじゃないか?」
「それなら、メイドカフェなんてどうかねぇ。あそこなら同人誌を見られ
ても大丈夫だよ。もしかしたら新しい紙袋もくれるかも知れないねぇ」
ところが、いざメイドカフェを探してみると、どこが良いのか悪いのか、
いっこうに入るカフェが決まりませんでした。
その内、雨がパラパラと降ってきて、汗もダラダラ、袋もボロボロと切
羽詰まってきました。
「どうもこのままじゃ危険だ。さっきから疲れが限界なんだ」
「僕もそうだ。もういい加減、どっか入らないか」
「これ以上探すのもツライ。ああ困った。メイドカフェに入りたい」
「ああ、どこでも良くなってきたぁ」
2人の男子は、末広町近くの人通りがない路地裏で、ぼやいていました。
その時、細い路地の奥を覗くと立派な西洋造りの建物があった。
そして入口の立て看板には..
<メイドカフェ DOUTEI>
と書かれていた。
「見ろよ。丁度いいとこに目的のメイドカフェがあったぞ。行こうぜ」
「でも、こんな殺風景なとこにメイドカフェって..けど、そういうのも
ありなのかねぇ?」
「アリだよ。大体、ちゃんとメイドカフェって書いてあるじゃないか」
「そうだな。もう僕は足がクタクタで休みたいからねぇ」
2人の男子は入口に向かった。玄関はメイドが働いてそうな豪華なもの
で実に見事でした。
そして硝子の開き戸がたって、そこに金文字でこう書いてあった。
<ただ今、開店記念として無料期間中です。お題は一切要求いたしません>
2人の男子はこれを見て、素直に喜んで言いました。
「やっぱ、こういうツキはあるんだな。世の中って上手く出来てるんだよ。
今日一日大変だったけど、こういう嬉しいこともやってくる。開店記念に
出くわすなんて有り得ないぜ」
「そうだな。メイドカフェって口コミが大事だから、こういう無料って言
うのもアリってことだな」
疑うことなく2人の男子は扉を押して店内へ入りました。
そこはすぐ廊下になっており、その硝子戸の裏側には、金文字でこう書
いていた。
<本日は特に夏コミ帰りの方や頭のいい方は大歓迎いたします>
その条件にピッタシ合う2人の男子は大歓迎というので、大喜びした。
「おいおい、もしかして僕らは大歓迎ってことかい?」
「そうだな。僕らは一応、名門高校に通っているからねぇ」
嬉しさいっぱいの2人の男子が廊下を進んで行くと、今度は水色のペン
キ塗りの扉がありました。
「なんだ?また扉だよ。ここのメイドカフェは、どうしてこんなに多くの
戸があるんだろう?」
「これはひょっとして何かの趣向じゃないか?最近のメイドカフェは工夫
を凝らしているからねぇ」
とりあえず納得した2人の男子が扉を開けようとしたら、上に黄色の字
でこう書いてあった。
<当メイドカフェは”注文が多い”と思いますが、どうかそこはご承知く
ださい>
「ほぉ〜。これって例の文学作品に真似てるってことか?」
「ああ、そうだ。なるほど今までの扉の色や文字は、その文学作品にそっ
くりじゃないか。注文の多いメイドカフェなかなかいいセンスじゃないか」
これは全てメイドカフェの趣向だと知った2人の男子は、次の展開を予
想しながら扉をあけました。するとその裏側に、
<注文はずいぶん多いでしょうが、どうか我慢して進んで下さい>
「やっぱ、予想通りだな。だけど、どこまで同じなんだ?」ひとりの男子
が、そろそろ止めて欲しい顔をしていた。
「うん、作品通りに真似されたら僕らは最終的に塩まみれの素っ裸にされ
てしまうだろうなぁ」
「それは勘弁して欲しいな。早くメイドさんに会いたいもんだな」
「ああ、もう歩くのは面倒だし..抱えてる同人誌も何とかしたいし」
ところがやはり、またまた扉が現れました。そして、その脇に鏡台があ
ってタオルや化粧品等がいっぱい置いてあった。
案の定、扉には赤い字で、
<お客さまがた、ここで汗を拭いて、顔を洗って、髪を整えて、それから
服のホコリを落としてください>
と書いてあった。
「これはもっともな話だ。僕もメイドに会うのに身だしなみを何とかした
いと思っていたんだよ」
「なかなか上手く考えてはいるんだねぇ。せっかくだから、汗を拭いてい
こうじゃないか」
2人の男子は綺麗に汗を拭いて、顔を洗ったりなどして身だしなみを整
えました。
そうしたら、どうです。鏡の奥から女性のヒソヒソ声が聞こえており、
これがマジックミラーであることに気づきました。
2人の男子は驚いて、互いに耳打ちしながら、先へ行こうと決めて扉を
ガタンと開けて次の室へ急いで向かった。
いい加減、メイドに会って、何か食べ物でも口にして休みたいと願いな
がら、先へ進むことにしたのだが、扉の内側にまた変なことが書いてあっ
た。
<同人誌はそろそろ大事に保管しませんか?>
見るとすぐ横に黒い簡易金庫が数個置いてあった。
「なるほど、同人誌をちゃんと保管してくれるなんて嬉しいじゃないか」
「おい、ちゃんと袋が用意してあるじゃないか。これで帰りの心配はしな
くていいじゃないか」
2人の男子は同人誌を、それぞれの金庫の中に保管しました。
そして、先には黒い扉がありました。
<どうか手持ちの荷物と靴を、こちらの保管庫へ預けてください>
「まあ、書かれてる以上は預けるか」
「そうだな。このまま土足で行くのもどうかなと思ったし、預けていくか」
2人の男子は手荷物と靴を預けて、扉の中に入っていくと扉の裏側には
彼らが好きなヒロインが描かれて、こんな台詞も書かれていた。
<あんたらの汗臭い服は取り合えず、クリーニングしてあげるから全て脱
ぐこと!いいわね?これは団長命令よ?逆らったら死刑なんだからっ!>
と実に精巧に描かれていた。扉のすぐ横には黒塗りの立派なロッカーが
用意されて鍵まで添えてあったのだ。
「おいおいっ!団長命令かよ..僕らが何回も映画に行ったり、DVDを
買い揃えていることを見抜いているようだぜ。こう言われると脱ぐしかね
ーだろう」
「そうだな。こっちの方には”理由を聞くのは禁則事項です〜”って、あ
のキャラで描いてあるし、脱ぐしかないだろう」
「きっと代えの服があることを祈るしかねーな」
「ああ、あるさ。だから、ここは脱ごう」
愛しの団長の命令に逆らえない2人の男子は、愚かだと思いながらも服
を脱ぎ、下着を脱ぎ、脱いだもの全部ロッカーに入れて素っ裸になっちゃ
いました。
「おい..何、勃起してんだよ..変態かよ」
「そういうお前もビンビンじゃねーか。これって不味いよな..」
ともかく歩けばその内、勃起も治まるよなという気持ちで、ビンビンチ
ンポを上下に揺らしながら先へ進むと、また扉があって、その横に棒が入
る程度の穴が開いた壁があった。
そして、扉にはこう書いてあったのだ。
<その元気なモノを壁の穴に挿れてください。すっきりさせてあげます>
よく見ると壁の穴は股間の位置ピッタシだった。
「おい、壁にチンコ入れろってどういうことだ!」
「嫌な予感はするが、いつまでもビンビンってわけにもいかないからなぁ。
ここまで来た以上、入れるしかないと思うか..」
2人の男子は嫌々ながらも、壁の穴にビンビンチンポを挿れてみた。
じゅぷっ「!うっ。何だ、この感触は..」
じゅぷじゅぷ「何か糸こんにゃくのような..ともかく気持ちいいなぁ」
ぐちゅぐちゅ「まさか、俺たち本物のおま●こに挿れてるんじゃ..」
ぬちゃぬちゃ「馬鹿言え、ただでそんなことさせる店なんてねぇよ」
パンパン「そうだねぇ。けど、これ気持ちいいねぇ」
パンパンパン「オナニーよりもこんなに気持ちいいものがあったなんて」
何か今まで味わったことない快感に2人の男子は嵌ってしまい、思わず
ピストンを繰り返し射精してしまった。
それでも尚、回復して勃起してしまったので、2人の男子は再度、穴に
チンポを突っ込んで、もう1回射精しました。
これですっきりした2人の男子は扉を開けると、その裏側にはまた何か
書かれていた。
<すっきりしたチンポ、拭きましたか?ぐしょぐしょになってますよ>
という内容で、チンポを拭く除菌ウエットティッシュが置いてあった。
「あっ、そうか。チンコ拭いてなかったな。あぶなく汁出したままで行く
とこだった。実に親切な店だな」
「ああ、何かチンコ全体が汁まみれなのが気になるが、まだ廊下が続くと
思うと先が思いやられるねぇ」
2人の男子は諦めて先へ進むとまたまた扉が見え、例のごとく何かが書
いてあった。
<メイドカフェは、もう目の前です。次が最後の扉です。本当です。だか
ら、今度はそこのお風呂で全身を洗って綺麗にしてくれると嬉しいです>
何と扉の近くには、浴槽とシャワーが設置していました。
2人の男子は言われるがままに、全身を隅々まで洗って綺麗になった。
ただ、さすがにここまで来ると何かがおかしいことに気づいたのであっ
た。
「何で風呂まで入らなくちゃいけないんだ。どういうことだ」
「綺麗にして欲しいってことでいいんじゃねーか。今さら、騒いでも意味
ないだろ?」
もう後には引けない2人の男子は扉をあけて中に入ると、扉の裏側には
大きな字でこう書いてあった。
<いろいろ注文が多くて、ゴメンなさい。本当に許してね。だから、お願
いっ。もう1個だけ!どうか、身体中に甘いクリームを塗りこんで♪>
目の前には本当に甘いクリームが置いてあり、今度という今度はお互い
に顔を見合して危機感を感じた。
「何でクリームを身体に塗るんだよ?」
「ここまで作品通りに行くのかよ?でも、塩じゃなくクリームってどうい
うことだ?」
「ここの注文っていうのは僕らへの趣向じゃなく、向こう側の趣向じゃな
いのだろうか?」
「と言うと、作品の中で食べるって表現は、僕の考えるところでは若い男
を食べるっていうことじゃないか?もちろん、食べるっていうのは食事の
意味ではなくて女性がその、つ、つ、つ、つまりぃぃ、ぼ、ぼ、ぼくらの
チンポをぉぉぉ〜〜〜」ぞくぞくぞくぞく、身体が震えだして喋れなくな
ってきた。
「じゃあ、さっきの穴って..本物の..ま、ま、ま、まん、まんこぉぉ
っ..」ぶるぶる
ぶると、もう1人も震えてきました。
「逃げないと..」「ああ..逃げよう」全身をブルブルしながら、2人
の男子はさっき開けた扉を開けようとしたが、開けられなくなっていた。
奥の方には最後の扉があって、大きな覗き穴が開いており誰かが様子を
伺っているようだった。
扉には最後の内容として、
<ここまで、ご苦労様でした。この扉を開ければパラダイスが待っていま
す。さあさあ、チンポを復活させて中にお入りください>
と露骨な内容が書いてあった。おまけに覗き穴からは複数の女性の顔が
チラチラと見えていた。
「おい!やっぱ僕らを覗いているぞ」ぶるぶるぶる..
「ど・どうしたらいいんだ。僕ら..」がくがくがく..
2人の男子は今でも泣きそうな顔をして震えてきた。
すると扉の奥から、女性たちの会話が聞こえてきたのだ。
「やっぱ、クリームはやりすぎよ。変な警戒心持ったじゃないの!」
「誰よ。あれぐらい平気って言ったのはぁぁ〜。とどめのチンポ復活って
書いたのはバカでしょ!」
「まあ、どーせ今回は優佳お姉さまと桐子お姉さまが貰うんでしょ?私た
ちは、若いチンポを味わうぐらいよね」
「でも、お姉さまたちが男ゲット出来なかったら、いつまでも私たちの番
が回ってこないわよ」
「そりゃそうね。じゃあ、ドア開けて呼んでみっか。そこの僕ちゃんたち、
お姉さんたちのとこへいらっしゃい。いらっしゃい。おっぱいいっぱいだ
し、お姉さんたちのおま●こ味わい放題よん♪男なら、こんないい場面逃
したらダメよん」
「そうよ〜♪早く飛び込んできなさい。それとも年上はキライかしら?そ
んな食わずキライは女の子に嫌われちゃうぞ。お姉さんたちがいろいろと
教えてあげるから、いらっしゃい〜」
扉を開けて迫り来る裸のお姉さんたちを目の前にして、2人の男子の顔
は嫌悪感丸出しとなっており、全身を震わしながら拒もうとしていた。
それを見た裸のお姉さんたちは、少しムッとしたようだった。
「まったく〜、失礼しちゃうわね。これでもまだ私たち三十路は来てない
んだからね。そりゃ、間近だけど..まだ20代なんだからねっ!」
「でも..優佳お姉さまと桐子お姉さまは33だけど..身体は綺麗だし!
テクニックも持ってるし!君らのチンポ良かったって言ってたし!姉さん
女房ってすごくいいと思うよっ。うんうん」
2人の男子は絶対に行くもんかと訴えた時に、奥から優佳と桐子が声優
の物真似で言ってきた。
「こらぁ〜!団長命令よ。さっさと来ないと死刑なんだからねっ!」
「来ないとぉ〜ホクロ見せないからぁ〜。でも、これ禁則事項です」
この声を耳にした途端、2人の男子はチンポをフル勃起させて飛びつい
ていきました。
2次元では絶対に味わえないたゆんたゆんなおっぱいを押し付けられた
ら「これが本物のおっぱぁぁぁーー!」と驚愕の歓声をあげ、2人の男子
はおっぱいに口をあててレロレロと舐めましてきました。
「そんなにがっつかなくても大丈夫よ」「そうよ、朝まで楽しみましょう」
あとは用意されたベットの上で、口には出来ない恥ずかしい男女の喘ぎ
声が一晩中ずっと響き渡りました。
翌朝、2人の男子はぼぉっとしながら秋葉原駅6番線ホームのミルクスタ
ンドに立ってました。
2人の格好は上から下までブランド服で統一しており、コーヒー牛乳を
頼んでゴクゴクと一気飲みをした。
「やっぱ、女は二次じゃなくて、三次だよな」
「ああ、姉さん女房最高だなぁ〜」
どうやら、すっかり2人の男子は年上の女性にノックアウトされたよう
であり、同人誌は店に置いたままになっていた。
言うまでもないが、2人の男子はこれ以降、家に戻っても同人誌に嵌る
ことはなく、お姉さまたちのために頑張ろうと決めていたのであった。
<完>
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